認定看護師リレーエッセイ No.19
「放射線治療ってどんな治療?」
がん放射線療法看護認定看護師 永草麻由美
【放射線治療は安全です】
あまり知られていませんが、放射線治療は古くから行われています。 放射線治療の歴史は、今から120年以上前の1895年にレントゲン博士がX線を発見しました。翌年には乳がん、舌がん、胃がんなどにX線による治療が開始されています。 1898年キューリー夫妻がラジウム(放射線)を発見し、1902年にラジウムを子宮頸がんに使用した記録があります。1951年にはコバルト照射装置が開発され、当院でも昭和30年代(1950~1960年)より使用していました。現在は、X線照射装置であるリニアック(線形加速器)が開発され、コンピュターを用いた高精度の放射線治療により、安全で体に優しい治療が行われるようになっています。 |
レントゲン |
キューリー夫妻 |
【放射線治療とは】
放射線を繰り返しあてることで、細胞にダメージを与えます。放射線によるダメージは、がん細胞を破壊したり、細胞分裂する能力をなくしたりしてやがて死滅します。一方で健康な細胞もダメージを受けるため副作用が現れますが、ある程度は自らを修復することができるため時間の経過とともに回復します。
【日常生活の注意】
放射線治療の代表的な副作用として、皮膚炎があります。皮膚炎を悪化させないためには、皮膚に刺激を与えないことが大切となるため、日常生活で注意する必要があります。がん放射線治療に伴う副作用をできるだけ軽くするため、予防、緩和の方法、日常生活の工夫などを一緒に考えさせていただきます。