認定看護師リレーエッセイ No.18

最終更新日 2016年9月1日

ページID 057961

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便秘で困っていませんか??
医療用麻薬を使用するとなぜ、便秘になるの?

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緩和ケア認定看護師 畠山 美樹

【便秘のメカニズム】

便秘とは「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」や「腸管内容物の通過が遅延・停滞し、排便に困難を伴う状態」をいいます。

通常は、直腸に便がたまると大脳と脊髄に、排便運動の指令が送られてきて、便がしたくなりますが、便意を我慢したり、脱水、不規則な食事や運動不足でも便秘を生じます。

【医療用麻薬を使用している方の便秘のメカニズム】

医療用麻薬を内服していると、副作用のため排便反射や腸の動きが低下し、便が硬くなり便秘になります。便秘を放っておくと・・・】 

【便秘を放っておくと・・・】

便秘で老廃物がたまると、血管の中に老廃物が吸収され頭痛・肩こり・疲れやすい・だるい・肌荒れ・冷え性・むくみ・口臭・体臭が悪化するといわれております。そのため、食生活の見直しや下剤の調整が必要になります。

あなたは、どの便秘ですか?

便秘の種類 主な原因 対策
食事や水分摂取量の減少のために起こる 排泄するのに十分な便の量がない 水分摂取
食物繊維食の摂取
膨張性下剤・緩下剤
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直腸に下りてくるのに時間がかかる 腸の運動が低下 運動
腹部マッサージ
大腸刺激性下
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直腸から押し出すのに時間がかかる 腹圧を上手にかけられない 浣腸または、摘便 18-6

【対策】

  1. 水分と食物繊維の摂取、適度な運動を心がけましょう。
  2. 便秘の状態に合わせた、下剤を使用しましょう。

下剤は、それぞれ作用が違います!!

症状にあった下剤の服用ができるように医師と相談しましょう。

便の状態

対処方法

下剤の種類

便が少ない

便の量を増やす

膨張性下剤(バルコーゼ・寒天等)

便が硬い

便をやわらかくする

緩下剤(酸化マグネシウム等)

便が下りてこない

腸を刺激してお腹を動かし促す

刺激性下剤(センノシド・ピコスルファーナトリウム等)

便が出そうででない

便を滑りやすくする

グリセリン浣腸

  1. お腹に手を当てて「の」の字のマッサージをしましょう。
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  2. 腸のマッサージ(赤いの部分)をしましょう。
    1)両側の脇腹に手を置き、つまむようにマッサージします。
    2)左骨盤の上あたりをつまむようにマッサージします。
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便秘を解消し、お腹も気分もスッキリ!!18-9