認定看護師リレーエッセイ No.17

最終更新日 2016年5月25日

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「抗がん剤=副作用」のイメージは本当なのでしょうか?

がん化学療法看護分野 鈴木 慎太郎

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【抗がん剤とは】

がん細胞が増えるのを抑えたり、がん細胞そのものを殺したりする作用をもった化学物質の総称です。作用方法によってさまざまな種類の
経口薬や注射薬があり、単独で使用したり数種類を組み合わせたり
(多剤併用療法)して用いられます

【薬の作用とは】

薬には効果と副作用の2つがあり、投与量を多くすると効果だけではなく副作用も強くなります。

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私たちが一般的に使用している鎮痛剤や抗生剤などの多くは、効果または副作用が現れる投与量の差が大きく、医師の指示により投与量を増やしたとしても、比較的副作用は少ないことがほとんどです。

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17-2 これに対して抗がん剤は、それらの差が非常に小さく、効果を得るために副作用は避けられないことが多いです。

抗がん剤は、がん細胞に作用する「抗腫瘍効果(効果)」と正常細胞に作用する「毒性(副作用)」があり、使用する抗がん剤によって悪心(おしん)、嘔吐、脱毛、倦怠感、白血球や血小板の減少など、さまざまな副作用が現れます。残念ながら、副作用を完全に無くす事はできませんが、副作用を軽くすることはできます。

そのためには

治療開始前からの予防、早期発見・治療が大切になります。

抗がん剤治療を継続しながら

その人らしい社会・日常生活を送るために

がん化学療法看護認定看護師として

副作用と上手に付き合う方法を一緒に考えさせていただきます

些細なことでも声をかけてください。17-3