認定看護師リレーエッセイ No.16
スキンケア(乾燥対策編)
皮膚排泄ケア認定看護師 菅原あゆみ
皮膚の健康を守ることはいろいろな皮膚トラブルを予防します。皮膚の表面の『皮脂膜』には、外からの刺激から守る『バリア機能』があります。その下の『角質層』は潤いをキープする『保湿機能』があります。
ナース専科 第34巻第1号より引用
ドライスキン(乾燥肌)とは
乾燥してカサカサしている肌は、皮脂膜(皮膚のあぶら)がなく、角質の細胞の隙間がスカスカになります。水分が逃げやすく、外からの刺激も入りやすいので傷つきやすいのです。かゆみも伴うので、掻くとさらに皮膚は傷つき、悪循環です。
ドライスキンの原因
加齢、湿度の低下、皮膚が乾燥しやすい疾患などですが、洗いすぎが原因になることもあります。
皮膚の汚れは、洗浄剤をよく泡立ててやさしくなでるだけで十分落ちます。物足りないと思う方もいるかもしれませんが、ナイロンタオルなどで強く擦ると、皮脂膜や角質が過剰にはがれ、皮膚には細かい傷ができてしまいます。また、熱いお湯につかると皮脂や保湿成分が流れ出ます。乾燥が強い、かゆみのある方は、できればぬるめのお湯につかるのが良いです。
保湿剤の塗り方
洗った後は保湿剤の登場です。皮膚に水分を補うことで乾燥を防ぎ刺激から守ります。
大人の手のひら2枚分に塗る適量は、乳液タイプなら1円玉大、軟膏やクリームタイプなら人差し指の先から第一関節までの長さです。目安としては、塗った皮膚に光沢が出るくらい、ちり紙が皮膚にくっつくくらいです。
保湿することは、かゆみなどの症状を和らげ、皮膚を刺激や傷から守ります。日々のスキンケアでいつも元気なお肌に整えましょう。