第44回 中原悌二郎賞 代替作品 生まれようとした時のひかり-Seeking the First Light of Life-

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2024年2月22日

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作品詳細

第44回 中原悌二郎賞 代替作品 2025年(令和7年)
作家名 作品名 制作年 材質 作品寸法
(高さ×幅×奥行センチメートル)
藤原 千也 生まれようとした時のひかり
-Seeking the First Light of Life-
2026年(令和8年) 木(アカエゾマツ) 約110×360×90
 

Seeking the First Light of LifeSeeking the First Light of Life_2

受賞作品

藤原千也「太陽のふね」斜め藤原千也「太陽のふね」正面(撮影:INOUE Koji )

第44回中原悌二郎賞受賞作品
藤原千也<太陽のふね>

受賞の言葉

藤原千也ポートレート(撮影:MINOURA Nobuo )

この度は栄えある賞をいただき、身に余る光栄でございます。
受賞のお知らせをいただいた際には、驚きのあまり、何度も「本当ですか」と確かめてしまいました。今は言い尽くせないほどの喜びと、感謝の気持ちでいっぱいです。

受賞いただいた作品は「魂に触れるとはどういうことか」という問いをずっと求め続けてきた中で生まれました。

作品を作り始めてからの長い間、私は焦りと、もどかしさの中にいました。どうしても木の魂に触れていると思えない。そんな無力な自分にかつて世界の全てと通じ合えていた感覚を重ねていたのです。

幼い日、私はあらゆるものと繋がれていました。
カーテンにくるまれば、部屋そのものと一つになり、
母のスカートに潜り込めば大きな生命と一つになり、
お風呂に潜れば熱かった湯船と溶け合い、
食卓の下に潜るとき、家族の気配と一つになり、
トンネルに入ったとき、森の命に抱かれ、
砂場で掘った穴の中で友達とした握手は、全ての人と繋がった気がしました。

あらゆるものと等しくひとつでいたと思っていた頃から、大人になり、いつしかぷつりと切れてしまったような気がしていました。
何かを求め彫刻を始めても、その隔たりは埋まらず、どれほど木と向き合い、祈り、彫ってもただ木に挨拶をしているだけのようでした。

世界との本当の交わり。それは、私にとって木の中に潜り、内側から掘ることだと気がつくまでに、何十年もの歳月を要しました。
樹木の中には、求める生の全てがありました。光に揺らぐ木目は、地中深くから水を吸い力強く伸び放ってきたからだろうか。ねじれるように伸びた樹は吹き続ける強い風に旋回しながら耐え抜いてきた証かもしれない。うねり、太く強く伸びた根はひとつの場所で生きる宿命と向き合った証だ。年輪は、星の光を刻んだのだろうか。そのひとつひとつが、樹木そのものが、潜り掘る私に地球や宇宙の始まりとこの先のことを伝えようとしているかのようでした。

そのことに、ようやく、ほんの少し気がつけたのかもしれません。しかし、ここからが本当の始まりです。樹木を、その生のまま「木形(きなり)」に彫るという私の表現方法を通して、もっと世界の役に立ちたい。ひとつひとつ、ひとりひとりの魂が持つ本来の力を、あますことなく引き出したい。この思いだけは変わらずに、この栄えある賞を励みに一層精進してまいります。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
結びに、改めて感謝を申し上げます。
この受賞はいつも私を支え、応援くださる皆様、作品を見てくださる皆様、そしてご指導くださる皆様のお力添えあってのものです。また、このような辺境の地での制作にも光を当ててくださる、この賞に関わる全ての皆様に心より感謝申し上げます。そして今は亡き両親、恩師、いつもそばにいてくれた愛犬、沢山の作品にすることができずとも、寄り添ってくれた木々に心からの感謝を捧げます。

受賞者略歴

受賞者略歴(藤原千也)(PDF形式 707キロバイト)

選考経過

第44回中原悌二郎賞選考経過(PDF形式 357キロバイト


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