議会基本条例(第2次素案)市民説明会資料

最終更新日 2016年2月24日

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平成22年11月14日
旭川市民文化会館 大会議室
旭川市議会基本条例(第2次素案)市民説明会
資料
旭川市議会議会基本条例検討委員会

はじめに

2006年5月栗山町議会基本条例ができて4年が経過し、その間、様々な議会改革に取り組む議会が、全国に広がっています。
都道府県議会、市議会、町村議会など全国には、1510の自治体議会がありますが、その中の134自治体議会が、議会基本条例をつくりました。(平成22年11月2日現在)
旭川市議会は、平成21年10月に議会基本条例検討委員会をつくり、およそ1年間議論を重ねて、「旭川市議会基本条例(第2次素案)」ができあがりました。
この冊子を通して、旭川市議会や旭川市議会基本条例について、知識を深めていただければうれしいです。

議会の役割ってなあに?

地方自治体は、住民が議会議員と市長の両者を直接選挙で選ぶ二元代表制をとっています。この二元代表制の議会と市長の関係は、よく翼にたとえられます。議会は、選挙で選ばれた住民の代表として、同じく選挙で選ばれた市長と、互いに対等な立場で、それぞれが市政運営の重要な一翼を担っています。
これからの地方自治体は、この二元代表制の仕組みの中で、国や都道府県に頼らずに、地域のことは地域で判断し、政策を実行していかなければなりません。
現在も、議会は、市長が提案する事業計画や予算、条例案などを市民の立場で決定する議事機関としての役割と、市長側の執行機関が適切な事務執行をしているかを市民の目線でチェックする監視機関としての役割があります。今後は、加えて、議会が、市民の意見を聴きながら、独自に政策をつくる政策形成の役割が重要となってきます。そのため、議会は、市民の考え方や意思とかけ離れないよう、これをしっかり把握する努力が、今までに以上に重要となります。
(参考:日本国憲法第93条、地方自治法第96条、地方制度調査会の答申)

議会基本条例ってなあに?

旭川市議会は、地方自治法第120条に基づき、議会の運営に関する一般的な手続や内部規律等を「旭川市議会会議規則」に定めて運営しています。
しかし、会議規則は、時代が求める情報公開、市民参加、行政評価など、また、政策形成をする立法機能を含めた議会活動全般にかかわるものではないため、十分に対応できません。そこで、本市議会をはじめ、多くの自治体議会が、時代の要請に十分こたえるため、議会基本条例をつくっています。
旭川市議会基本条例は、議会や議員の活動、市民と議会が意見交換をする機会を設けること、議員同士が十分に議論を尽くす議会運営をすること、情報公開や広聴広報機能の充実すること、積極的に政策提案することなど、そして、これらを実施するための体制整備などについて述べています。
議会基本条例は、「市民に対する議会の約束」として、議会の役割と責任を示した地方議会の憲法ともいえる条例です。

議会基本条例って、他の条例とどこが違うの?

日本国憲法第93条に「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」とあります。
旭川市議会も、地方自治法に基づいて、条例や規則などを定め、議会運営をしていますが、旭川市議会基本条例は、旭川市議会に関する条例や規則など法体系の中で、議会の最高規範に位置づけられます。

議会基本条例ができると、何か変わるの?

旭川市議会が、さらに機能を強化、充実し、皆さまの身近な存在になります。
これまでも様々な議会改革を進めてきましたが、皆さまにもっと見える、分かりやすい議会として、責任を果たしていきたいと考えています。この条例を制定することで、選挙で選ばれた議員の集まりである議会が組織一丸となって、時代の変化に応じた議会運営をし、市長等執行機関を市民の目線でチェックしていきます。また、市民との意見交換を通して、様々な情報を共有しながら、積極的に政策提案などを行っていきたいと考えています。


今、既に制定されている旭川市議会に関する条例や規則などの一部です。
かっこ内は、根拠等となる規定です。

<本会議や委員会に関する主な規程>
旭川市議会定例会条例 (地方自治法第102条)
旭川市議会会議規則 (地方自治法第120条)
旭川市議会傍聴規則 (地方自治法第130条第3項)
旭川市議会委員会条例 (地方自治法第109条~第111条)

<議決事項・議決事件に関する主な規程>
旭川市議会の議決すべき事件に関する条例(地方自治法第96条第2項)
専決処分事項の指定について(地方自治法第180条第2項)

<報酬などに関する主な規程>
旭川市議会の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(地方自治法第203条)
旭川市議会政務調査費の交付に関する条例(地方自治法第100条第14項)

<事務局・図書室に関する主な規程>
旭川市議会事務局条例(地方自治法第138条)
旭川市議会図書室条例(地方自治法第100条第18項、第19項)

<その他>
旭川市議会の議員の定数を定める条例(地方自治法第91条)

旭川市議会基本条例の特徴を教えて?

1 地域の民主主義を支える旭川市議会の理念と骨格

旭川市議会の最高規範である条例として、基本的な考え方を述べています。
考え方の骨格だけを示したシンプルな作りの条例とし、具体的な手続や運用を示す規定等は、最小限としています。

2 地方自治法に基づく既存制度の徹底的な活用

地方自治法の仕組みを、これまで以上に徹底して使い尽くす意気込みで組み立てた条例です。地方自治法の範囲内で、こんなに充実した議会運用ができるんだということを示しており、議会基本条例の制定を機に、新しく作った制度は、最小限としています。

3 議員全員で理想を求めた真摯な議論の成果

議長の私的諮問機関として、議会基本条例検討委員会を設置し、検討委員9名が中心となり作業を進め、議員全員が研修会や協議会を通して、旭川市議会の最高規範はどうあるべきかの議論を重ね、約1年掛けて作り上げた条例です。

4 旭川市議会の最高規範にふさわしい品位と風格

議会に対する様々な思いや理想をふんだんに盛り込みながら、一方で、条例を制定するときの一般的なルールや習慣などの形式を踏まえ、しっかり法制整理をした、最高規範にふさわしい品位と風格を備えた条例です。


旭川市議会基本条例には、4つの特徴「旭川らしさ」があります。
市民参加を基軸とした議会基本条例となっているのでしょうか。
条例を見てみましょう。

旭川市議会基本条例(第2次素案)

目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会の活動原則等(第3条-第6条)
第3章 議員の活動原則等(第7条-第9条)
第4章 市民との関係(第10条-第12条)
第5章 市長等との関係(第13条・第14条)
第6章 体制整備(第15条-第18条)
第7章 補則(第19条・第20条)
附則

(前文)
今、我が国は、21世紀の新たな時代をひらくために、地方が主役の国づくりを進めるべき時期を迎えている。
そこでは、地域の住民一人一人が自ら考え、主体的に行動し、その選択と行動に責任を負うことが重要であり、憲法が定める地方自治の本旨に基づき、住民主体の自治を実現しなければならない。
地方公共団体の自己決定や自己責任の領域がより一層拡大する中で、住民から選ばれた代表で構成される議会には、これまで以上に責任ある活動が求められる。議会は、地域の様々な課題と住民の意思を的確に把握して、住民全体の福祉の向上を更に目指していく必要がある。
議会は、二元代表制の下、執行機関との健全な緊張関係を保持しながら、立法機能及び監視機能を発揮するとともに、政策形成機能を高め、その役割と責任を十分に果たしていくことが求められている。
旭川市議会は、これまでも開かれた議会づくりに取り組んできたが、時代の変化に応じた議会運営や議会の機能強化を更に進めていく必要がある。
ここに、旭川市議会の最高規範を明らかにするとともに、二元代表制の趣旨を踏まえ、旭川市議会が意思決定機関としての役割を果たすため、この条例を制定する。

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制における旭川市議会(以下「議会」という。) 及び旭川市議会議員(以下「議員」という。)の責務、活動原則その他の議会に関する基本的な事項を定めることにより、旭川市民(以下「市民」という。) の負託にこたえ、もって市民の福祉の向上及び旭川市政(以下「市政」という。)の発展に寄与することを目的とする。

(基本姿勢)
第2条 議会は、市政における意思決定機関として、その責務を果たすものとする。
2 議員は、前項の意思決定機関の構成員として、その責務を果たすものとする。

第2章 議会の活動原則等
(議会の活動原則)
第3条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。
(1) 常に市民の立場に立ち、市政を監視し、及び評価すること。
(2) 多様な市民意思の把握に努め、議会として政策形成を図ること。
(3) 議会としての合意形成を目指して、議論を尽くすこと。
(4) 市民に開かれた、公正かつ透明な議会運営に努めること。

(議員間討議による合意形成)
第4条 議会は、これが言論の場であることを踏まえ、議論を尽くして合意形成に努めるものとする。
2 議長及び委員長は、必要に応じて議員相互の自由な討議が行われるよう、会議の運営に努めるものとする。

(説明責任)
第5条 議会は、議案等を議決し、地方公共団体としての意思又は政策を決定したときは、市民に対して説明する責務を有する。

(議決事件の指定)
第6条 議会は、意思決定機関としての機能を十分に発揮するため、議会の議決すべき事件を別に定めるものとする。

第3章 議員の活動原則等
(議員の活動原則)
第7条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。
(1) 市民の代表として、広く市政に関し、多様な市民意思の把握に努めること。
(2) 常に高い倫理観を保持し、市民の信頼を得るよう努めること。
(3) 高い志の下、自己の資質を高める不断の努力によって、市政における多様な課題の発見及び解決に資するよう努めること。

(会派)
第8条 議員は、議会活動を行うため,会派を結成することができる。
2 会派は、理念、政策等を共有する議員で構成する。
3 会派は、議会運営及び政策形成に際し、会派間での合意形成に努めるものとする。

(政務調査費)
第9条 会派及び議員は、政務に関する調査研究を行うため、政務調査費を有効に活用するものとする。
2 会派及び議員は、政務調査費の使途について、透明性を確保するとともに、説明責任を果たすものとする。

第4章 市民との関係
(情報の公開)
第10条 議会は、積極的に市民に対する情報の発信及び市民との情報の共有に努めるとともに、市民に対し、十分に説明責任を果たすものとする。
2 議会は、本会議、委員会等を原則として公開する。

(広聴広報機能)
第11条 議会は、議会及び市政に対する市民の関心を高めるよう広聴広報機能の充実に努めるものとする。
2 広聴広報機能を効果的に発揮するため、議会に広聴広報委員会を置く。

(市民との意見交換)
第12条 議会は、政策形成に市民意思を反映させるため、市民との意見交換の場を設けるものとする。

第5章 市長等との関係
(議会における審議及び審査の原則)
第13条 議会は、次に掲げるところにより、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)との間において、健全な緊張関係を保持するよう努めるものとする。
(1) 市長等に対する質疑及び質問は、論点を明確にして行うこと。
(2) 質疑及び質問に対する市長等の反問を認めることができること。
2 議会は、市長等が提案する政策、施策、計画等(以下「政策等」という。)の審議及び審査においては、論点の発見並びに情報の収集及び整理に努めるとともに、市長等に対し、政策等の内容に応じ、適切な説明を求めるものとする。

(政策提案及び政策提言)
第14条 議会は、政策の水準の向上を図るため、条例の提案、議案の修正、決議等により政策提案を行うとともに、市長等に対し、積極的に政策提言を行うものとする。

第6章 体制整備
(議会及び議員の研鑚)
第15条 議会及び議員は、政策形成機能の向上を図るため、常に研鑚に努めるものとする。

(議会図書室)
第16条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。

(議会事務局)
第17条 議会は、政策形成機能を高め、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査、法務その他必要な機能の充実を図るものとする。

(予算の確保)
第18条 議会は、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するため、必要な予算の確保に努めるものとする。

第7章 補則
(議会運営の評価及び検証)
第19条 議会は、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案して、議会運営に関し不断の評価及び検証を行い、改善の必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるものとする。

(他の条例等との関係)
第20条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例等の制定又は改廃に当たっては、この条例に定める事項との整合を図るものとする。

附 則
この条例は、公布の日から施行する。

旭川市議会基本条例(素案)の運用に係る基本方針(案)

旭川市議会議会基本条例検討委員会

本委員会は、旭川市議会基本条例(素案)に基づく議会の運営に関し必要な事項について、次のとおり合意した。

1 市民参加の確保
条例第3条第2号に規定する市民意思の把握のため、議会は、必要に応じて請願者及び陳情者から要旨の説明を受ける機会の確保(「請願・陳情の取扱い」昭和51年5月4日議運委決定)に一層留意する。

2 議員間討議
条例第4条に規定する議員間討議の方法等については、議会運営委員会の協議に委ねることとする。

3 議決事件の指定
条例第6条に規定する議決事件の指定に関し、基本構想に基づく基本計画その他の取扱いについては、引き続き検討するものとする。

4 会派
(1)条例第8条第1項に規定する会派は、複数の議員をもって構成するものとする。
(2)政務調査費の交付対象の「会派(所属議員が1人の会派を含む。)」を「会派又は議員」
に変更する。このため、旭川市議会政務調査費の交付に関する条例(平成13年旭川市条例第2号)を全面的に改正するものとする。

5 広聴広報委員会の設置
条例第11条に規定する広聴広報委員会の運用については、旭川市議会委員会条例(昭和38年旭川市条例第20号)に定める運用の例によることとし、その所管事項は次のとおりとする。
(1)議会報告会の開催に関する事項
(2)市民からの意見等の課題整理に関する事項
(3)市議会だよりの発行、議会ホームページの公開その他広報全般に関する事項

6 市民との意見交換
条例第12条に規定する意見交換の場の設定については、次のとおり実施することとする。
(1)開催回数は、年1回とする。
(2)開催の都度テーマを設ける。
(3)開催時期、班編成、開催箇所数については、広聴広報に関する委員会で協議の上、定めることとする。

7 一問一答方式の採用
条例第13条に規定する議会における審議及び審査の原則に関し、市民に分かりやすい質疑応答にするため、一問一答方式を採り入れることとし、その実施方法については、次のとおりとする。
(1)本会議において、質疑及び質問は一問一答方式でできることとする。
(2)具体的な運用については、条例の施行後検討することとする。

8 市長等に対する資料要求
条例第13条第2項の説明の補助として提出を受ける資料については、別途協議する。

9 常任委員会の活性化
条例第14条に規定する政策提案等を積極的に行うため、常任委員会の運用について、一層の活性化を検討する。

10 研修委員会
条例第15条に規定する議員の研鑚(さん)を図るため、研修委員会の設置を検討することとする。

11 議会事務局
条例第17条に規定する議会事務局の機能充実のため、インターンシップ制度の活用並びに政策及び法務に携わる議会事務局独自採用の職員の活用について、研究する。

12 議会運営の評価及び検証
(1)条例第19条に規定する議会運営の評価及び検証をする際には、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2(学識経験者等による専門的事項に係る調査)の規定による調査等の手法を活用するものとする。
(2)評価及び検証の実施については、次のとおりとする。
ア 議会が自己評価し、さらに外部評価を受ける。
イ 評価の事務の取りまとめは、議会運営委員会が行う。

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旭川市議会事務局議会総務課

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