令和7年度市民と議会の意見交換会報告書-5
ヒグマの脅威を含めた生態や今後の対策について(民生班)
意見交換の主な内容
市民
熊の出没情報をグラフで見ると、軒並み件数が増加しています。要因は幾つかあると思いますが、熊の生息域が開発や太陽光発電施設などによって奪われ、居場所をなくした熊が人里へ降りてきている可能性を考えます。令和6年に国が国立公園35か所の魅力向上として高級ホテルなどの誘致を計画していると聞きました。これによって、熊の出没件数が今以上に増えるのではないかと危惧しており、その点に関する見解をお聞かせください。
議員
特に言われているのは、森林伐採もありますが、個体数の増加です。かつては6,000〜8,000頭と推測されていたのが、今では13,000頭、あるいは16,000頭近くまで増えていると推測されています。また、今年はドングリなど、山の餌が不作であることも影響していると聞いています。更に、サケの遡上が少なく、熊の餌になるものが不足している状況です。農業の高齢化や過疎化も進み、緩衝地帯が減少し、すみ分けが難しくなってきているということも聞いています。国が高級ホテルを建てることについて、森林を伐採することで、熊の生息できる場所がより減っていくことへの危惧はございます。戦前に植民地へ送るために木材伐採があり、戦後に植林されたスギやマツなどの針葉樹が多く、熊の餌になる広葉樹林を増やすなど、共存できる環境や、一定の個体数を維持することが必要であると聞いております。森を守ることが、共存の第一歩であると考えます。
議員
補足ですが、道の試算によると、北海道のヒグマの頭数は令和4年で11,500頭、前年で12,200頭と、減ったとは聞いていますが、体感としては逆に増えているという意見もあります。実際の数はあくまで推計であるため、計り知れない部分があります。北海道は自然が広範囲に続いているため、熊の生態が大きく変わってきていると考えられます。行き過ぎた開発をすると、そういったことも起こってくるということを念頭に置かなければならないと感じました。
市民
旭川市の公式ホームページの新着情報から、ヒグマの出没情報が消えたのはなぜでしょうか。情報が掲載されなくなった理由の説明と、市議会として掲載が必要か不要かの見解をいただきたいです。数年前は新着情報の最上部に表示されていたのですが、今年に入ってから載らなくなりました。「ひぐまっぷ」の情報は見ていますが、市役所の新着情報に載らなくなった理由をお聞かせください。
議員
重要な御指摘と受け止めさせていただきます。 新着情報がホームページ上から抜けている件について、現在確認する方法はありませんが、今後確認を進めていきたいと思います。一方で、お話にあったとおり、「ひぐまっぷ」での情報掲載や、旭川市環境部による出没状況のまとめがホームページ上でも公開されています。また、旭川市はSNSを使った情報発信に力を入れており、最近の末広地域での足跡発見の事例なども、市の公式X(旧Twitter)などでいち早く情報発信されています。もしかすると、そういったSNSに情報発信がシフトしている可能性もありますが、想像の域を出ないので、しっかりと確認させていただきます。
議員
旭川市のホームページが今年度に入ってからリニューアルしたことに伴う可能性もあります。大変重大な御指摘だと認識しております。先日の末広の事例などの情報が全くないことを私も確認しましたが、ただいまの話のとおり、SNS等では発信しています。しかし、このような情報は、複数の手段を重ねてこそ市民に届くものだと思いますので、この点については速やかに確認し、改善を図っていきたいと考えております。
市民
西神楽地域の南端にある就実地区で、わなの設置などを行っている者です。市民への周知に関連して、今年、地元の自治会長を務める中で、8月16日に民家のすぐ横の家庭菜園に熊が来た事案がありました。スイートコーンが被害を受け、更に仕掛けてあったアライグマのわなが、アライグマ2頭が入ったまま300メートルほど引きずられる被害がありました。当時、江丹別や東旭川でも出没があり、環境部の方々も忙しかったようです。この事象を、私が自治会長として知ったのは翌日でした。警察やハンターは確認に来たそうですが、私には一切連絡がなく、地元への注意喚起がなかったのです。
後から環境部に確認したところ、当番の人が失念していたという返答でした。今後どうするのかという返答もまだありません。私は「ひぐまっぷ」やSNSを常に見ていますが、高齢の方が多い地元では、それらを見ないため、隣人から聞くか回覧などで知るのが現状です。環境部の地元に対する周知徹底が、あまりにもずさんであると感じており、昔はきちんと連絡があったのに、今の体制になってから連絡がない状況です。この点について、何か思うところがあればお願いします。
議員
私が今回のテーマを設定させていただきました。道内の近年の状況は非常に深刻です。今年7月には道南の福島町で新聞配達中の男性が熊に襲われ死亡する事案がありました。これは、私たちの日常の生活の中で起こった事案であり、非常に危機感を覚えています。野生動物からの被害を未然に防ぐ方法として、今おっしゃっていただいた情報提供が大きな一つの方策だと思います。一般住民は、鈴や熊スプレー、銃器などを携帯していないため、行政がいち早くその地域に出没情報を伝えることが、二次被害・三次被害を防ぐ最善の方法です。その肝腎な対応策が取られなかった実態について、非常に貴重な御意見として受け止めました。西神楽の就実地区の自治会長様からのお話として、しっかりと環境部に伝え、状況を確認し、二度とそうしたことがないよう対策を検討させたいと思います。
旭川市は、ホームページやSNSで発信すれば市の仕事が終わったと考えているのかも知ませんが、全市民にいち早く知らせるためには最新のツールを使いつつ、出没地域にいち早く情報を伝えるという取り組み方を考えていかなければなりません。現在のところ旭川市では人身事故は発生していませんが、札幌の状況を見ても都市型のヒグマによる人身事故は道内でも発生しているため、第二の札幌にならないよう、御意見をしっかり受け止めさせていただきます。
市民
私は西神楽の捕獲実績に全て関わっており、ふだんから環境部とは密に付き合っていたにもかかわらず、自治会長になったときに連絡がなかったことで、余計に憤りを感じました。私の携帯電話の番号も知っているのですから、「こういうことがありました」と電話一本いただれば、あとは私が自治会の会員に通達できます。今後は、気を引き締めて対応してもらいたいと思います。
市民
視点がずれるかも知ませんが、熊の出没で平穏な生活が脅かされる点で、ハンターや処理の問題もあると思いますが、そもそもなぜ住宅地に熊が降りてきているのかという問題を含め、自治体だけで抱え込むのは負担が大きい気がしています。道や国との連携や支援はあるのでしょうか。その点について教えていただきたいです。
議員
私どもの会派(日本共産党)は、毎年、北海道及び上川振興局に意見を提出させていただいていますが、その中で、ヒグマは旭川市内や上川管内に限定されない問題であるため、北海道として対策を取ってほしいという意見を提出しているところです。
議員
現在、この熊の問題は国会でも議論されており、道議会でも審議されていると聞いています。今の話のとおり地域限定ではない問題で、対策には人材と物資が必要です。警察が所持している銃器は人を撃つことはできても熊は撃てず、ライフル銃が必要だそうです。国は大きな政策を作るところですが、警察は道の所管であるため、道がしっかりと対策を取ってもらわなければならないと考えております。
カナダなどでは、公務員で組織を作って対策をしていますが、ライフル銃を撃つには経験が必要で、訓練を積まなければなりません。山を歩くことも含め、しっかりした人材と、組織を作るための予算が必要ですので、市町村だけでなく、道や国がまず予算も下ろして対策を行うことが必要です。現在、議論は進んでいるはずです。
議員
正に国全体の問題になっていますので、国のしっかりとした対策が求められるところですが、現在進行形で進んでいる中で、どうしても後手後手になっているという印象は、御指摘のとおりだと思います。
市民
平成29年から令和4年まで、市で熊対策を担当していた者です。 プライベートで狩猟免許を持ち、現在も土日を含めて、環境部時代に関わった農家さんのところを見回りしています。その中で、10月26日に高砂台でヒグマの足跡を発見し、通報しました。高砂温泉のすぐそばで、住宅も近く、現場には市、警察、委託事業者、猟友会の方々が来られました。その際、委託事業者の方が「市街地に近過ぎるため、具体的な対策、例えば熊が居着きづらくなるような対策が必要」と市の方に提言したのですが、市の方は「予算がないから何もできません」と現場で対応を拒絶していました。
これは予算の問題なので、一職員が拒絶できるものではないと思います。ということは、市の意思決定として予算を付ける気がないという認識でよろしいでしょうか。また、市長や市議会の皆さんは、この件についてどのような認識をお持ちなのか、お伺いしたいです。もし認識が異なるのであれば、これからどのように対応していただけるのか、お聞かせいただきたいです。
議員
私の友人も市の委託を受けて活動しており、様々な話を聞いています。今回の話を聞いて、大変驚きました。もちろん担当者に全て責任があるわけではないと思いますが、「協力して市民のためにやっていることに対して、その意向を必ず市に届けて対応しますので、少し時間をください」といった対応の仕方があったはずです。今回の対応は、猟友会の方々をはじめとする関係者への感謝が足りないと思います。彼らは仕事を休んででも出動しているのですから、緊急性を理解していれば、このような言葉は出ないはずです。我々議員としても、必ずそのことを伝え、皆さんに寄り添った対応をするよう話してまいります。大変申し訳ありません。
議員
10月26日のお話、当事者としてお聞かせいただき、ありがとうございました。この件について、市に通報があったことは私も承知しておりました。神居地域で出没した情報として市民に伝わっていた案件だったと思いますが、実際は高砂台だったということで、情報いただき有り難かったです。
予算の考え方ですが、表向きの旭川市の説明は、ヒグマの出没状況があり、農家の被害などになると所管は環境部ではないですが、電気柵の対応をするというものです。今日のための勉強会で環境部職員に確認した際も、そういった回答でした。しかし、10月26日の実態を踏まえると、本来であれば侵入防止のために電気柵などの対応がされて当然であり、説明と実際の行動が違っていることになります。貴重な御指摘をいただいたと思います。
予算については、前年度の傾向を見ながら一定の措置をしており、例えば、令和7年度は4頭の熊が捕獲され、出没状況が63件(令和6年度は78件)という状況です。十分な予算措置はされているはずなので、なぜそういった対応がされたのか、後日確認したいと思います。私は人身被害を未然に防ぐべきだと思っておりますので、この予算の考え方を、今後行われる議会での質問で取り上げていきたいと考えております。
市民
神居古潭の農家さんも、今年の秋頃、予算を理由に対応を断られたと聞いています。
議員
この熊の出没に関しましては、先ほども言っていましたが、人的被害が出る前に、市街地に近い蓮池公園などとの境に、何らかの形で電気柵を設置するというお話を私は報告を受けていましたので、再度環境部に確認したいと思います。
議員
人身に関わる部分と予算でくくられて返されると、なかなか納得できない部分が多くあると思いますので、議員全員が同じ考えで受け止めたと思います。
市民
非常に貴重な意見を聞かせていただきました。私が幼い頃、毎年熊が出てきて、近所の人たちが一斗缶を鳴らして追い払っていたことが日常でした。昭和50年から昭和60年頃までは、雪のある季節に春熊駆除が行われ、熊の肉を食べていた記憶があります。
大事なのは、発言されている方々は日常的に熊と関わり、市民のためにボランティアでやってくださっていることです。私たちは身近にこのような方々がいることを知りませんでした。
「あさひばし」にはすばらしい写真が載ったりしていますが、地域で活躍してくださっている皆さんのことは紹介されていません。ここに行政の体質がうかがえると思います。人身云々で電気柵を作ればいい、予算を取った、というのは全く違います。今の熊は、人里に現れることを常態化している熊もいます。私たちの生息する地域が荒れているのです。川伝いにシカが出てきたり、キツネを見ても「かわいい」と言う人がいたり、自然に対する市民の意識がかなり低下しています。また、山里では不法投棄のゴミが、まちなかではゴミステーションが荒れ放題になっています。
これは熊対策だけでなく、自然と共生するまちづくりがまず必要です。そして、日頃協力してくれている方々を広く紹介し、市民の意識を醸成するような運動をすべきです。いざというとき、予算がなかったら視察の費用を熊対策に回すなど、議員の皆さんにもそれくらいの覚悟を持って取り組んでいただきたいと思います。今後は熊が多数出没します。動物愛護などと言っている場合ではなく、森林を守り、人口が減る中で、みんなで力を合わせていくことが必要です。是非議会の中で議論し、行政と一体となって、活躍している方々を次の「あさひばし」に必ず載せることを約束していただければと思います。
議員
私は熊の生態についてよく分かっていないため、意見を控えていたのですが、2週間ほど前に知人から話を聞きました。熊の出没を防ぐため、草刈りや電気柵の設置、ハンターによる駆除が行われていますが、それでも熊が出てくるそうです。理由は個体数の増加と、弱い熊が縄張りからはみ出て住宅街に降りてくることです。また、親熊が子熊に餌場を教えるために連れてくるため、親だけでなく子熊も駆除しなければならない状況にあるとのことでした。ですから、基本的には増え過ぎた熊を駆除してくれないとどうしようもないと知人は話していました。ハンターの方々は非常に苦労されていると思います。賃金や日当のことなどもあると思いますが、ハンターを増やしていく政策や仕組みが必要ではないでしょうか。国はそのような流れで進めているのでしょうか。
市民
ハンターを増やす流れは、今、国がそのように進めており、各自治体でも狩猟免許取得や猟銃の費用に補助金を出すなどして、増えてはいます。しかし、多くの方の目的は趣味であり、それを鉄砲を持っているからといって「熊も対応してください」というのは、そもそもいびつなのではないかというのが私の見解です。今、「ガバメントハンター」という言葉が一人歩きしていますが、これは関係機関との調整や、現場での判断、予算の組み立てなど、各種能力が必要であり、単なる熊の殺し屋とは違います。私たちは熊を殺したくてハンターになっているわけではありませんので、その点は誤解なきようにお願いします。
議員
また、一つ分からないことがあるのですが、熊を仕留めた後の処理は、どのような形で行われているのでしょうか。参考まで、熊の肉は美味しいのでしょうか。
市民
熊の処理ですが、まずDNA鑑定などのために、大腿骨、雌であれば子宮、レバー、年齢を確かめるための歯などを検体として採取します。その後、獲れた肉などは、出動した猟友会や、わなを設置してくださった地域の方々など関係者の中で分け合うのが、旭川で現在行われていることです。食べることについては、個体によります。高齢の熊は硬くて臭いですが、若い熊は赤身肉の中で牛肉よりも美味しいと感じます。
議員
箱わなは有効だと思いますが、今の設置個数は足りないような気がしないでもありません。もっと多い方がいいのでしょうか。
市民
箱わなは、熊を殺す道具と思われているかも知ませんが、そうではなく、餌を入れて熊を呼び寄せる道具です。それは問題個体だけでなく、無実の熊も呼び寄せます。また、住宅の近くに置くと、近くに住んでいる方の生活を脅かす道具にもなりかねない諸刃の剣であり、多ければ良いというものではありません。私が関わったときで8基あったかと思いますが、有効に活用すれば8基で十分回せると思います。わなを運用するには資格や、運搬する車両、人手が必要であり、8基をフル稼働させるのはなかなか難しいことから、数は十分ですが、あとは運用次第だと考えています。
議員
不法投棄のゴミや、川の近くの草刈りを含め、ゴミステーションをきれいにするという視点は非常に大事だと思います。以前は熊と共生できていた地域でも、観光客や新しく住んだ人たちによる餌付けや不法投棄によって、味を占めた問題熊が発生し、共生が難しくなっているという話を研修で聞きました。人が熊を寄せているのですから、一人一人の市民が考えていかなければならない視点だと思います。
家庭菜園など、人のところに行けば餌があると認識した熊が出没している状況であり、山に餌がないことも大きな要因ですが、子熊も連れてきてそういうことを覚えてしまったら、駆除するしかない状況になっています。旭川でも住宅街に熊が出没する状況ですので、市民一人一人が考えていかなければならない問題です。市民の方に熊の対策について問題提起していくことも良いと思います。
「あさひばし」の件は、取材から掲載までに予定が組まれていますので、来月出るのは難しいと思いますが、そういった御意見があったことは伝えていきたいと思います。
議員
「あさひばし」の原稿は確か3か月前でしたか。ただ、そういった御意見は、市民の方々に、現場で働く方々がどのようなことをしてくださっているのかを知っていただく上で、大変重要なことだと感じました。
市民
神居の者です。私には熊に関する知見は全くなく、一般市民としての意見ですが、一般市民としては「どう気を付けるか」ということしかできないと思っています。蓮池公園の近くに住んでおり、出没情報があったときは小さな子どもがいるため心配になりました。ホームページやSNSの話がありましたが、LINEには情報が入ってきません。XやFacebookはタイミング良く見ていれば情報は分かりますが、見逃すことがあります。
やはり命に関わることですので、熊が危ないという情報は必要ですが、これだけの件数をLINEに載せると、熊のLINEばかりになってしまうため、情報の整理が必要だと思います。市民の命に関わることなので、プッシュ型で危機を伝える仕組みは何かあって良いと思います。ただ、あまりにも情報が多過ぎると、逆に危険度が分からなくなってくるという問題があります。足跡なのか、目撃なのか、食べ残しなのかなど、情報の内容や市街地からの距離などによって、アラートの段階が市民に分かるようになると、気を付け感が分かり、有り難いです。
議員
反論になるかも知ませんが、私はどのような情報であっても出していくべきだと思っており、受け手の問題もあると思います。今の御意見は個人の認識見解だと思いますが、足跡やフンの情報も、受け手にとっては貴重な情報源になります。そういった情報を抑制することは、かえって市民の生活を脅かす可能性があります。
防災の観点も同じで、どんな小さな情報でもしっかりと市民に伝えていくという取組は、待ったなしだと思っております。一方で、プッシュ型というお話がありましたが、ICT機器の精度や機能の限界もありますので、どこまで広く市民に情報を届けていけるのか、常に追求していかなければならないと感じております。私個人としても、しっかり追及していきたいと考えております。
市民
別の件ですが、LINEでチャットボットを調べたら、熊の状況が2年前の状況に飛ぶようになっていました。恐らく、2年前に多くの人が調べたため、AI的に反応が高くなっているのかも知ませんが、日付が違うので最初は戸惑いました。設定で、今年度の情報もあるかと思います。細かい点ですが。
LINEからの旭川市のチャットボットです。「熊」と調べたら、「出没状況」が選択肢として出てきて、そこを押すと令和5年度(2023年度)のものが出てくると。ずっと下の方に行ったら、令和7年度というところがありました。
議員
当時のチャットボットと今どきのチャットボットで相当違いが出ており、AIも旧式のものがまだ残っていて、そのアルゴリズムで導き出している可能性があると感じました。実際の市のホームページのAIチャットボットも、ろくな回答にならないという大きな問題もあります。その辺りは、旭川市がデジタル先進地を目指している中で遅れていると感じる点ですので、御指摘として承り、確認しておきたいと考えております。
議員
これまで皆さんから貴重な御意見を多々いただきました。SNS等の情報発信については、ホームページに掲載されなくなったという御指摘もありましたが、情報内容が一緒であれば、情報発信の統一性を持っていくべきだと個人的に思っております。
私自身、この熊被害について、近年、新聞やテレビ報道で、全国的に出没件数や人的被害の報道が過去最高だと捉えています。国や道を含め、行政機関で対策費を検討しているかと思います。
西神楽の方の、環境部や駐在所を含めての連携・連絡に関する御指摘の部分は、出没地域の連絡連携の必要性は本当に重要なことだと思っております。とにかく人的被害が出てからでは遅いです。熊は1日で10〜20キロメートル移動すると聞いています。熊対策を担当し、猟友会に入ってきたハンターがいらっしゃるという御指摘がありましたが、本当にハンターの方々、猟友会の方々はボランティア活動が主体だと思っております。出動手当や、鉛弾から銅弾に変わる中で一発数千円する銃弾、燃料費など、命をかけて出動に当たっていることに対し、心から敬意を表します。
国や道の連携や支援に関する御意見もありましたが、全国的な出没件数、人的被害の増加を受け、国としても今後、対策費をきちんと付けていただきたい。市としても働きかけていきたいと思っております。農業被害については鳥獣被害対策費という名目がありますが、環境部においてヒグマ対策費がちゃんと位置づけられれば一番良いかと思います。その辺の予算付けも可能かどうか分かりませんが、とにかく人的被害が出ないことを大前提に置いて考えていかなければならないと思っております。
市民
私自身も、狩猟免許を持ち4年目で、先ほどの話にあった旭川市の補助金をいただき、狩猟免許を取得しました。熊対策は人対策という言葉があり、半分は人の方に責任がある事案も多いと聞いています。人的被害が起きた場合、関係者それぞれがやるせない思いをしてしまうことになると思いますので、市民の間に熊に対する意識が高まっている今、その人対策における、旭川市役所主催で、教育の場、セミナーなどを開催していただければ、意識だけでなく、安全にも寄与し、地域ぐるみでできる対策や、ゴミを捨てない、餌をあげないといった基本的な対策も徹底できると思います。
NPO法人などで、ヒグマの専門家が各地にいらっしゃいますので、ガバメントハンターの成功例を学習するとか、そういった市民向けのセミナーを開くべきです。人を集めて行うだけでなく、YouTubeなどで発信できる内容もあると思いますので、そういった人対策もこれから必要になっていくのではないでしょうか。
みんなで一緒に勉強していきましょうというスタンスで対策を進めていけば、より良くなっていくと思います。
また、獣害対策は猟友会が中心となって活動していると思いますが、どうしてもこの社会の余裕に頼っている状況です。例えば、熊を仕留めた際、大きいものだと300キログラムを超え、血まみれでダニまみれで臭い、一人では動かせないものを、箱わなに入っている状態で、どう運んで解体し、どの車に積むかと考えたとき、5年、10年経って猟友会の先輩方が少なくなってしまった場合に、この活動が維持できるのかどうかは疑問です。全て行政に頼るべきではないと思いますが、その先の方向性も考えておくべきではないでしょうか。
ガバメントハンターの成功例(占冠など)や、道南の福島町の事故の教訓を含めて、セミナーの開催は一つの手だと思います。
ちなみに、4年前の狩猟免許取得の補助金は、金額5、6万円だったと思います。費用の半額ぐらい、人数が4人ぐらいまでという補助予算の枠組みでやっていましたので、今年の予算は分かりませんが、それで十分なのかどうか、金額と人数が分かる方がいらっしゃいましたら、回答をいただきたいです。
議員
私もこの熊対策を議会で取り上げて10年ほどになります。支援地域である東旭川などで聞けば、田んぼ1枚向こうに熊がいるのは日常茶飯事で、通報する気も起きないという話をよく聞きます。 市民の安心安全のために、過去の一般質問でもそういったセミナーの開催を訴えてきた経緯があります。全市的な取組には発展していませんが、東旭川の出没が多い地域などで、地域の会館を使って市の職員や専門家が行って、ヒグマの脅威や生態を学んで自分の身を守るという趣旨でセミナーを開催した経過はあります。一方で、時代が進んでまいりましたので、YouTubeでそういった動画配信をして、誰もがヒグマのことを知るチャンス、機会を作るということは重要だと思いますので、御提案をいただいたと受け止めたいと思います。
議員
狩猟免許補助金は経費の3分の1以内で上限25,000円ですね。養成講座というのではなく、狩猟免許を取得するためのセミナーのことですよね。
市民
セミナーというか、草刈りなど、一般的な言われている誰しもができるような対策、知識とともに、それを知る機会があれば良いのではないかと思います。
議員
同じく、それを貴重な意見として、今後、生態を知ることが対策にもなりますので、市民一人一人ができることを具体的に提示することで、危険を少しでも減らしていくことができると思いますので、是非提言していきたいと思います。
議員
市民向けセミナーの開催というのは大変前向きな提案だと受け止めました。市民ももちろんなのですが、環境部の職員にとってもどうなのかと思います。先ほど、環境部でやると言っていて忘れて何の連絡もないという発言もありましたが、今年9月から緊急銃猟制度が導入されました。旭川もこれに基づいて、9月16日には緊急銃猟を想定したヒグマ対応訓練を神楽岡公園で行ったのですが、この訓練自体が実効性のあるものかどうか疑問です。熊が出てから公園内の市民を全員避難させてから銃猟ということだと、その間に熊が逃げてしまうだろうからです。
緊急銃猟の指示を出すのは市長ができますが、市長が不在の場合などは環境部長や課長が指示を出すことができます。果たして部長や課長に、そこまで判断する能力があるかというと大変失礼かとは思いますが、疑問です。
ですから、市民に対してセミナーを開くことも大切ですが、まず環境部の職員がしっかり勉強してほしい、そういうことも含めて、行政の方に提案していきたいと思っております。
議員
実際に環境部では、急激に熊の部分の業務量が増えてしまっていると聞いていますので、体制をしっかり整えていく、意識とマンパワーの両面で改善していかなければならないと感じました。
市民
市民向けのセミナーということで、私も今まだ完全ボランティアですが、土日に東旭川などで毎年、地域の方々の要望に応える形で、坂東園長などをお呼びして、完全無償でヒグマについてのセミナーをやらせていただいています。もし必要であればお声がけいただければ、何かしら手配はできます。私だったらタダで使い放題なので、是非。
先ほど匿名の方から広域連携の部分、お話いただいていたのですが、その部分も含めて、市議会の皆さんが考える軸、短期、中期、長期の目線で見たヒグマ対策の軸というものをお持ちになっているかどうか、お聞きしたいです。
議員
先ほどの資料で説明させていただいたものと少しかぶる話になりますが、分かりやすく一言で言うと、場当たり的な対応が市の対応としてはメインになっているかなと思います。恐らく、今の方も平成29年から令和4年まで携わっていただいているので、同じ思いがあるかも知れません。ヒグマが出没して危険個体であれば捕獲駆除、危険性があるなら電気柵を張って侵入抑制といった対応策になります。
ただ、近年の熊の動向を踏まえ、市街地への侵入抑制で、常設の電気柵を河川敷に張っているというのが、中期・長期的な視点での対策がようやく美瑛川の河川敷で始まったというのが現状かと思います。
そして、広域連携の部分については、野生動物の対策としては重要な課題であり、今現在は連携がされていません。これは北海道や国の話が出ましたが、あくまでも自治体に対する予算措置で、お金は出すけれども、対応は旭川市がやってくださいというのが分かりやすい表現だと思います。北海道と常に旭川市が連携して熊の生態調査をしているのかというと、一切やっていません。旭川市としても、旭川の圏域内にどれぐらいの熊が生息しているかという実態調査を一度もやっていません。これをやろうとすると、マンパワーと費用が非常にかかります。
雄熊は100キロメートル単位で、雌熊も数十キロメートル移動すると言われており、一晩で50キロメートルほど移動する可能性があります。旭川を軽く飛び越えて周辺地域になっている可能性がありますので、広域連携で近隣町との連携をしていくことが必要になりますが、そこはまだまだこれからの状況だと認識しております。
議員
短期、中期、長期というような形ではないのですけれども、当面としては、人身事故が起きないような対策を重ねつつ、長期的には国の制度が進んでいく部分、それから、道内には市の全域を電気柵で覆ったことによって熊が出没しなくなった事例もありますので、そういったことも一つの考えなのかなというところで、まだまだ私たちも議論が足りない部分があり、回答になっていない点については申し訳ございません。
市民
熊を目撃した場合には、どこに連絡すればいいのでしょうか。やはり110番が一番いいですか。
議員
110番すると、警察行政は連携が取れており、その情報が警察から旭川市に来るようになっていますし、旭川市に通報すると、旭川市から警察に当然連絡が行くという、そういった連携体制は整っております。
市民
ということは、警察ということになるのですか。
議員
旭川市も当直の方が電話を受けて、しっかり流れていくような仕組みにはなっているということですけれど、警察の方がより広域にしっかり伝わっていくかと思います。
まとめ
本意見交換会では、近年急増するヒグマの出没に対し、市民の安全確保と行政の対応の在り方について多角的な議論が交わされた。
市民からは、生息域の変化や個体数増加に伴う人里への出没、特に市街地近接エリアでの脅威が指摘された。具体的には、市公式ホームページ等による情報発信の不足や、現場における地域住民への周知の遅れ、予算を理由とした対策の停滞など、現状の行政対応に対する厳しい批判と改善要望が相次いだ。
これに対し議員側は、情報伝達の統一性と迅速化、SNSを活用したプッシュ型情報の検討、および予算措置の適切な執行をチェックする姿勢を示した。また、専門知識を持つ市民からは、単なる駆除に留まらない「人対策」としての教育セミナーの必要性や、ボランティアに依存する狩猟体制の限界、広域連携による生態調査の重要性が提言された。
結論として、人身被害を未然に防ぐため、行政・議会・市民が連携し、ソフト・ハード両面から実効性のある対策を早急に構築していくことが確認された。
得られた課題等
- 市のホームページ、新着情報やSNSでの出没情報提供のあり方。
- 連絡を要する人へ、出没の連絡漏れ防止のための方策徹底。
- 国や道、周辺自治体との連携を密にすること。
- 電気柵設置などの対策方法を現場対応者を含めて共有すること。
- 猟友会やボランティアで対応してくれている方への感謝。
- 具体的な対策やハンター養成に関する市民向けセミナー。

(会場の様子)









