令和4年度市民と議会の意見交換会報告書-6

最終更新日 2023年3月20日

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地域公共交通について (総務班)

※テーマと異なる内容の意見交換については掲載しておりません。

意見交換の主な内容

意見交換に先立ち、道北バス株式会社の営業部長及び旭川地区ハイヤー協会の会長から、事業者側における状況説明がありました。

道北バス(要点)

  • 乗り合いバスの輸送需要は昭和40年代をピークに、モータリゼーションや少子高齢化により右肩下がりであり、バス事業の収益性は低いことに加え、新型コロナウイルスの影響により移動需要の減少状況は今も続き、輸送人員はコロナ前との比較で約7割となっている。
  • 重要な交通インフラとして、運行路線は一定の水準を保っており、経費、固定費の支出は変わらないため収支状況が悪化している。燃油価格の高騰も影響し、事業経営は危機的状況である。
  • 乗務員不足の課題もある。全体の3割以上が60歳以上で、1割近くは70歳以上という状況。入社より退社する人の方が多く乗務員は減少し、不足している中で運行水準の維持のため労務関係の悪化を招き、離職者も出る悪循環である。
  • 19歳から大型免許が取得できるようになったが、若者の車離れもあり、今後の担い手は不足し、事業継続に直結する課題となっている。
  • コロナ禍で自助努力も限界であり、適切な公的支援がなければ経営体力が失われてしまう危機にひんしている。

ハイヤー協会(要点)

  • 新型コロナウイルスの影響により、2019年比で最大30パーセントまで売上げが減少した。回復してきたが、まだ80パーセント弱という状況。日中帯の動きは戻りつつあるが、夜の動きは閑散としている。
  • バス路線の廃止を受け、「のり。タク・米飯線」としてデマンド運行を行っている。バス運行時よりも便数は増やしているが、平成27年度をピークに利用者数・運送収入共に減少している。
  • 平成29年度からは宅配便荷物の運送、貨客混載も開始し、わずかだが減少傾向が抑制されつつある。
  • 少人数の客を運送するのはタクシーであり、他の地域も同様の状況が見込まれる。バスかタクシーかを区分けし、大動脈は大きなバスで、支線はタクシーでというリレーションで地域輸送を行っていく必要がある。
  • 700~800名いる乗務員が、車が空いている時間帯に公共交通としての役割を果たす動きがあってしかるべき。
  • 市の公共交通のグランドデザインを描いてもらい、事業者に指示をいただければと思っている。
  • バス路線が廃止になった場合、最後に守るのはタクシーなのではないか。バスとタクシーとで一緒に地域交通を組んでいく時期が来ているのではないか。
  • タクシーもユニバーサルデザインの利用しやすい車両も出てきている中、公共交通の一員であるとの認識をお持ちいただきたい。

市民

免許を返納しなければならなくなる時期が目の前に迫っていますが、東鷹栖の現状ではバスの利用は非常に難しいです。
国道に行くまで700mの道のりがあり、そこに駅に向かうバス停があります。今はまだ歩けますが、もし病気で病院に行きたいとき、バスではとても無理です。
鷹栖町との境目に三箇(さんが)という地域がありますが、バス停まで2km歩く人もたくさんいます。アップダウンが非常に多いところで70代後半の方たちが非常に多いです。バス停に行くまで大変困難でバスには乗れません。
車の免許を返納したら、施設に入らなければならないというのが現状です。私たち旭川市民としては悲しい現状です。あと何年かしたら、人との出会いがなかなかできなくなって、健康の維持も非常に難しくなるという不安があります。 路線バスは必要だと思います。
また、小学校の子どもたちには、教育委員会の手配によるタクシーでの送り迎えがあります。子どもがタクシーで行くとするならば、私たち高齢者に対してもそういう手立てが必要かと思いますし、旭川市民として、駅に行ったり、買物に行ったり、皆と会ったり、文化芸術なども享受でき、ここに住んでいてよかったと感じたいと思います。

市民

バス会社とタクシー会社から様々な問題点等を聞き、確かに乗る方が少ないと経営も厳しくなると思いました。タクシーの乗務員は固定給プラス歩合制ではないかと思いますが、人が乗らないと歩合制の部分が少なくて乗務員を辞めるということがあるのではないかと思います。
バス会社の運転手不足は、辞める理由というのはよく分かりませんが、募集はされているか聞きたいのと、タクシー運転手がバス会社に優先的に採用してもらえるなど交流があるのかも聞きたいです。
もう一つ、要望ですが、東京のタクシーは実車(※ 客が乗っている状態)になっていると、タクシーの上のランプが消えます。消えると、特に夜になると、実車だとわかります。ついていると空車ですから、すぐに拾えます。旭川の運転手に聞いたところ国土交通省の関係か、会社の都合などでできないとありましたが、そういった形に少しでも変えていけば、実車率が上がるのではないでしょうか。

議員

子どもたちには乗り合いタクシーかスクールバスのようなものがあるという話がありました。学校が閉鎖されたりして、通う学校まで距離が遠くなりスクールバスのような形でタクシーが利用されています。神居町豊里地域もそうですし、小中学校がなくなると義務教育が成り立たなくなりますので、スクールバスという形でタクシーを使わせていただいている状況です。
高齢者もそういったことが必要ではないかという御要望ですが、乗り合いタクシーという手段があると思います。

バス会社

乗務員の募集については、年中、旭川市の支援も頂きながら行っています。北海道でもやっているのは旭川だけで、今年で5年目です。
なぜ、乗務員が入らないかという点ですが、運転手の収入が全産業に比べたときに一番低いです。補助金をもらいながら走っているから、費用は抑えなければなりません。バス事業の経費は65から70パーセントが人件費です。バスの車両に係る費用は必ず必要で、燃料代も必要です。それ以外の費用は10パーセントもありません。抑えられるところで、運転手の人件費で調整せざるを得ないというのが、人不足の要因の一つかと思います。
乗務員の年齢構成は50歳から70歳までがほとんどです。北海道は都道府県の中で大型二種免許の保有者が一番多い地域です。農家の方が冬の除雪をするのに大型免許を取ったとき、大型二種免許も一緒に取るとほとんど費用が掛かりませんでした。その人たちが皆さん高齢化になっており、ほとんどが60歳以上です。
若い方がなぜ免許を取らないかと言うと、免許を取るのに80万円掛かります。一人前の運転手になるのに、通常3か月の教育期間があり、一人当たり、150万円くらい掛かります。そういったお金の話もあって、免許のない人を取り、運転手として育てるということを今までしてきていませんでした。
3年ぐらい前から、旭川市の補助を受けながら、新規の免許取得制度を作っておりますが、やはり、低賃金で最初に費用が掛かるところがハードルになって、なかなか運転手になろうとする方がいないのが現実です。
3つ目の原因として、拘束時間の問題があります。皆さんが朝8時から夕方5時まで出勤してお仕事をすると、運転手は大体朝6時から8時までの間には出勤しなければなりません。出勤した人たちを帰りの時間帯にも運びます。しかし、昼間はお買物にバスを使っている方はすごく少ないです。その間は、なるべくバスを減らし、経費が掛からないようにしようとすると、どうしても働いている時間が朝と晩に集中してしまいます。
これによって運転手の拘束時間が延びてしまいます。来年から拘束時間も15時間に、次の勤務まで9時間空けるように法律が変わります。一人一人が安全に健康に働けるようにということですが、それでも長いのがネックになっていると思います。
タクシーとの連携について、大きいバスですので、運転する技術と体力、それと視力がものすごく必要となります。この視力がある一定年齢で、新規でバスを運転しようとすると、非常に危険です。今までバスを運転してきた人ですら、70歳を境に非常に危うくなってきます。当社では70歳以上の運転手が8人いますが、この人たちはずっとバスの運転をしてきて、更に健康状況がすごく良い人です。健康に起因する問題と、その年齢というところで、タクシーの運転手との連携が非常に難しいという状況です。

ハイヤー協会

御質問いただきました行灯(あんどん)の件ですが、これは法令で消すわけにはいきません。行灯が赤く光っている場合は緊急サインですので、見たときは警察に御一報いただければと思います。緊急サインが発せられたときには会社の方に無線が入って動く体制になっていますので、行灯サインについては消すことができません。
その代わりに、フロントウインドウの助手席側にウインドウサインというのがあります。実車中はきちんと実車となっており、回送のときも空車のときもあります。介護中というのも出るようになっています。
タクシー乗務員の給与ですが、様々な業務を一人のタクシードライバーにやってもらっています。例えば、飲食店から物を買って、それをお届けする業務や、あるいは子育て支援ということで、妊婦の方とか、そういう方々に御登録いただいてケアとかの業務もしています。介護と介護保険を使った移送も行っています。
新型コロナウイルス感染症で、患者の宿泊施設までの移送だとか、通院だとかも対応しています。
専用の車を使っていますが、一人の乗務員がいろいろな業務をしていただくことで、収入の下支えをさせていただいている状況です。
バスとタクシーの乗務員の連携ということで、視力の問題があるとのお話もありましたが、バス会社の方からタクシー乗務員として来られた方もいれば、弊社をお辞めになってバス会社に行った方も当然いらっしゃいます。
ただし、お互い乗務員は少ない状況です。様々な交通モードを作って、同じ路線でもワークシェアをすることはできると思っています。

議員

今後、ますます高齢化社会となり、さらには人口減少という中で、今から対策をしていかなければならない課題と思っていますので、これといった特効薬はありませんが、非常に大きな課題と認識させていただきたいと思います。

市民

今朝、江丹別からバスに乗せていただいて、ここまで来ました。去年、バスの時間が変わってから大変不自由しています。それを元に戻していただきたいです。いろいろな用事があるときは前もって言って、用を足していますが、前のときは、例えばお金を下ろして、農協で買物をして帰ってきました。しかし今は、今日は郵便局だけ、明日は農協だけ、それもやっとという状況です。

議員

なかなか難しい課題だと思いますが、意見として聞かせていただければと思います。

市民

幼稚園の頃からバス通園をしていましたが、昔に比べて、人の減少とあいまって、バス停の間隔が段々広がっています。バス停を一つ設置するに当たって、経費が大分高いものなのでしょうか。利用する方も少ないかと思いますが、費用を抑えて設置することができれば、東鷹栖の奥の方とか、病院のところとか、三浦綾子の記念館も、夏だけそこを回るようにするとかできないのでしょうか。設置する経費の兼ね合いもあるかと思いますが、もっと数を増やして、利用したい方が近くで乗降できるような形になればよいと思います。

市民

私は今、車のない方の送迎で頻繁に動いていますが、数年前から高齢化がものすごく進んだように感じ、病院に行く、どこに行くにも不便だということを感じていました。
大型バスは数人だけ乗って、運行しているので、満席にするような方法はないのでしょうか。赤字のことを見ますと数年前からとても大きな課題だったと改めて感じました。
運転手の状況も、ある程度収入がないと、継続して乗務できなくなっていったということも分かりました。
旭川市に合併したらどこの人も恩恵を受けると思っていましたが、段々隅っこの方の人はバスの便一つとってもそうではなくなるのだと、改めて感じました。
遠いところに住んでいるから仕方ないと思っていましたが、住んだことの責任ではなくて、市全体の問題として、多様性の中で、皆がその恩恵を受けられたらいいと思います。お芝居を見に行く、いろいろな音楽を聴きに行くという、年を取っても元気でいられるために、高齢者も是非、そうやってほしいという希望を持っています。良い方法がないかと思っていましたら、先ほどハイヤー協会の方がおっしゃったような方法ができるのだという、道が見えたような気がしました。
私たち健常者が恩恵を受けるというより、障がいのある方、心臓病のある方を優先にしてもよいですが、この問題はすごく身近な問題であると思いましたので、初めてここに参加しましたが、良い方法を生み出していきたいと感じました。

議員

このぐらいの大きな都市になりますと、近郊を抱えた街になります。中心部に住んでいる方は、ある程度便数が減ったにしても恩恵は受け、ずっと生活が保たれるということがありますが、近郊の方は、如実な問題だと思います。これからますます高齢化が進んでいきますので、すみわけをしていただきながら、行政がしっかりとこのことを受け止めて、何ができるかを、私ども議員としても、議会で取り上げながら、何とか取り組めるように御意見を伺わせていただきました。

議員

バス停の時間の件ですが、私はバスが通っているだけ、まだよいと思っています。去年10月、芦旭線が廃止になり、神居町豊里や西丘の方はバスが通らなくなりました。バスが通っているだけでもまだ、交通手段はあるというふうに思っています。なくなったからと言っても、市の方で、タクシーを使って何とかできないかと、補助を行ってくれています。

市民

バスが通っているだけまだましだという話が議員から出るというのは非常に心外です。
ハイヤー協会から、市のグランドデザインという話がされたのに、今、立地適正化計画に基づいて、交通網形成計画があるということを今日参加した市民に説明すべきと希望していたのですが、議員の皆さん方は認識がないのかと残念に思いました。
提案があった、タクシーとバスのリレーションの問題。デマンド交通というのは、いわゆるコミュニティ交通の一つですが、旭川がデマンド交通で進んでいるというふうに考えてはダメです。
同じようなことが東京の近郊ではたくさんあります。鉄道路線に、地域公共交通、地域コミュニティ交通が直結をしているような、例えば、埼玉県の三郷の駅の裏に、20人乗りぐらいのバスが巡っているようなこともあります。タクシーを利用するかどうかを別にして、地域のコミュニティ交通というのはこれから考えていかなければなりません。
2035年までには、公共の市などが使う乗用車は電気になります。国が大体そういう方針になっています。上手に発電すると、電気は極めて安いエネルギーになります。宅配便も今度、どっと中国の車が入ってきます、1充電で300kmくらい走ります。価格は、日本の4t車くらいです。地域コミュニティ交通もそういうものを利用してはどうでしょうか。
先ほど遠いところで、バス停まで700mとありましたが、バス停の設計距離は元々500mでした。好ましいのは300mでした。700m歩いてバス停に行けと言うこと自体困難です。こういったところは、タクシーとか、コミュニティ交通を利用して循環する拠点を作る。そのために立地適正化計画ということで、どこにどういう街づくりをしましょう、コンパクトシティにしましょう、ネットワークをしましょう、と市が作ったではありませんか。
そういうことを議員の皆さんが自覚して、我々にこんなふうにできる、近い将来500m頑張って歩けばバス停、その間が無理だったらデマンド交通の地域コミュニティ交通を作っていきましょう、燃料代は再生可能エネルギーで安くなるから、65パーセントの人件費を払ってもトータルの費用は低くなります、と夢を与えれば元気に明日から働くのではないでしょうか。

議員

立地適正化計画ということでお話しいただきましたが立地適正化計画の基本方針には、「中心市街地や高校・大学、広域での利用が求められる基幹的な病院などと、各地域核拠点や周辺自治体とを結ぶ、サービスレベルの高い公共交通ネットワークの形成が必要不可欠になることから、旭川市地域公共交通網形成計画における取組と連携を図りながら、利便性が高く、持続可能な交通軸の構築を目指します」とこのように記されています。
記されているからといって、そのとおりになっているかどうかというのは、また別問題ですが、私たち議員も、旭川は中心市街地活性化基本計画ということで、中心市街地を活性化させるところに力を入れています。また、中心市街地だけでなく、本当に周辺の、なかなか交通の便の悪いところにも目を向けるように追及しているところです。

議員

困っている方々の意見を聞いて、最終的には市の方で補助金を出して、コミュニティバスの運行 、みたいなお話をされていましたが、例えば、永山は一回り小さい、ワゴン車を使うとか、そういうことも少し考えて利便性を良くしていかないとダメなのかなと思います。
バス会社やタクシー業界の方とお話をして決めていくやり方がよいと思っています。私たちももちろん、いろいろとお願いしていきたいと思っています。

市民

現実に住んでいる人たちが今どんな現状でいるかというのは、議員の皆さんも含めて、承知してほしいと思います。乗り合いバスとか、最初に乗った人が最後まで乗っている時間というのは、大変厳しいです。お年寄りが病人だということであれば、そこも考慮してほしいことの一つです。旭川市をどんな街にするのかというのが中心になければ隅々に住んでいる人たちが、幸せに暮らせないと思います。
私は東鷹栖、農村のところに住んでいる者ですが、放棄地というのか、今使っていない土地がたくさんあります。太陽光発電をやれば旭川市民の燃料ができるのではないかといつも思っています。農業をする人は段々減っています。1件の農家の面積は広がっていますがその現状も合わせて、交通問題だけではなくて、どうやって経済を良くするか、街を良くするかというリンクした考え方を是非してほしいです。そのためにも私たち、市民の声をもっともっと聞いてほしい。こういう機会をたくさんつくってほしいと思いました。

議員

家の前に、以前旭川観光循環バス「ファンファン」のバス停がありましたが、永山のパワーズの所から上川総合振興局まで20分くらいで着く距離を、バス停が多すぎて、1時間半くらい掛かったでしょうか。もう一度そういった部分も含めて、どうあるべきなのか、自分の思い通りの時間にならない問題もありながら、考えていかないといけないと実感しています。

市民

現在、車を運転していなくて、街へ出るのもバス、あるいは緊急のときはタクシーに乗ったりしています。バスを利用している者として、私の最近の感じていることを話します。
まず、寿バスカードです。年間2,000円出すと、市内であればどこへ行くのにも100円で行けました。今はコロナの影響で、無料で寿バスカードを利用して乗れます。これはもう感謝でいっぱいです。バスを利用している者にとって、非常に有り難い制度ということを申し上げたいと思います。
もう一つバス利用者にとって、便利で快適なバスというものを考えたときに、乗降するお客さんの数が比較的多い停留所、旭川市内で言えば、一条通7丁目、8丁目、元西武の前。フィールの前、中央バスターミナルがあった場所。これらは旭川のバスターミナルと言ってもよい場所だと思います。バスを待っている人たちの列が長くなり、雨や雪の時は立っているのが苦痛です。
そこで、より快適なバス利用を考えた場合に、一条通7丁目・8丁目の両側でキャノピー、バスシェルター、雨風が避けられるような屋根をかけるような装置があったら非常に有り難いです。旭川という街はこんなにもバスを利用する方、公共交通機関を大事にする優しい街づくりを目指しているという印象を、市民にとってもよそから来る人たちにとっても、非常によいです。
これは、施策の一つではないかと思います。多くの問題もあると思います。去年西武の前に若干キャノピーを作りました。今更あんなものを作ってどうなのだと言う人もいましたし、それがあると駅からフィール辺りまでの街に出るときに雨に打たれないで、ゆっくりできるからよいという私みたいな者もいます。あのような物を経費が掛かって大変なことですが、是非、市や関係機関とも連携を取って、検討する課題にしていただきたいというような思いで発言しました。

市民

私が所属する女性団体で一昨年、公共交通機関に対する要望のアンケートを取ったところ、100名の方から意見が寄せられて、大変関心のある分野だということが分かりました。
今、発言された方のように、待っている場所とか、バス停の位置についての意見と、バスの便数のことなどが結構多かったです。
旭川は冬場とても厳しいので、降りた途端に転んだ、待っているときに雪にさらされて大変とか、道路整備の問題なのでなかなか改善は難しいと思いましたが、バスの便数、乗り継ぎの問題については、要望を出す場があったらよいと言う声があったので、お届けしたいと思いました。
皆さんもたくさん意見があったように、これはとても大きな問題だと思います。できれば出された課題などの達成も知りたいと思うので、是非、定期的にこういう場を持っていただきたいです。私たちもただ市民として要望するだけではなくて、どんなことが住民としてできるだろうか、地域でいろいろアイデアを出し合うことはできないのか、常々思っています。
お金がたくさん掛かってしまうことなので、道や国に要望を上げていくということについて、一緒に何か取り組めないかとも思っています。
私自身は子育ての中で、旭川は、就職をする場所、機会がとてもミスマッチだと感じています。就職したい方が手に職があったらよいと思いますが、初期費用の問題とか、困窮家庭の御相談に乗ることも多く、車の免許を取るにも高額なお金が掛かる、車を維持していくのも大変な時代です。就職するときに免許がないと、とてもハンデがあります。そういうことを一つ一つ考えていくときに、今日のようなこういう意見交換会の場は双方にとってアイデアに満ちていると思います。是非、継続した取組を要望したいと思います。

議員

バス事業者の方にお尋ねしたいことがあります。ある自治体で、各地域から来たバスに乗ってきた方が、中心部に近いところで、別のバスに乗り換えるという方式があります。
旭川の場合、例えば市役所前で降りる人も結構いますし、駅前で降りる人も結構います。ただバスに乗っている人数は少ない状況です。例えば、東鷹栖の三箇から来たバスとか、あるいは江丹別方面から来たバスがどこかで合流し、そこで乗ってきたバスから降りて、違うバスに乗り換える方式はできないものでしょうか。そのような運行の見直しで運転手を確保し、別のバスの方に乗車してもらう、そういう仕組みを取っている自治体があります。旭川の場合は、距離的なものも含めて、そういう仕組みが取れるのでしょうか。バス路線は2社とも中心部には乗り入れていますので、協力し合って、人員を削減しながら別の足りないところに回していくなど、協力関係ができないものでしょうか、是非お考えいただければと思います。

バス会社

バスは定時定路線といって、走るところが決まっています。それは法律で決められています。
郊外に関しては変わってきていて、デマンド運行という言い方もしていますが、広いところ「面」に対して、予約があったら走るなど、様々な方法があります。面に対して集めたものを、交通をつなぐ場所に集めて送り、そこで、各方面に走るバスがたくさんあるといろいろなところに行けるという考えが今、全国的にされています。
旭川市の公共交通網形成計画にも記載されています。それを自社でやっているのが、2箇所のバスセンターです。東川と東神楽、空港とかのエリアから、人を集めてきて、そこから、違うバスに乗り換えてもらって、各方面にそこから一本で行けるという政策をとっています。一つの営業所を閉鎖しました。それは先ほどおっしゃった一箇所に固めたり、融通をしたりで人を減らせないかというお話です。今まで、二つの営業所に分かれてたものを一つにまとめて、回送で走っていたところも実車で走るとか、様々なことをして、運転手も10人削減できました。
路線と本数を減らさずに10人減らせました。しかし、乗り継ぎをしてもらうと、今まで一本で行けていたのに、乗り継がなくては行けなくなったと、不便だとおっしゃるお客さんもいらっしゃいます。このような御意見に対しては乗り継ぎ割引で2回目の乗車のときに100円引きにしています。
例えば他社の路線に乗ってから、当社のバスに乗っても100円引きになります。今後そういった取組をもっとして、中心部は大きなバスで走って、その他の面は、コミュニティバス等で交通を作っていくということは、旭川市も一応形成計画として作ってあります。
あとは、やるだけです。皆さんに後押しをしていただいて、どうやってゴールを作るかということを考えていくことができれば、もっと旭川はよくなると思います。

議員

先ほど、車の免許がないから就職もできないというような、ミスマッチがあるという話がありましたが、私もよく生活困窮されている方から相談を受けます。
生活保護を受けていらっしゃる方で、お子さんが高校3年生で、就職が決まったけれども、免許取得費用をどうにかならないか。保護課の方に話しましたら、保護費で車の免許が取れるということでした。ところが、よく話していきますと、そのお子さんは正規職員ではなく非正規です。高校時代にアルバイトしていた居酒屋さんに非正規として就職が決まったということですが、非正規だと保護費から免許取得費用は出せないと言われました。
正規職員であれば、定期的にもらえる給料とかボーナスで、どこかからお借りしても返していくあてがあるとしても、非正規で保護費からも出せなかったら、お借りしたところで、返すあてもありません。旭川市だけではないと思いますが、そういう制度自体も変えていくことが必要だと思っています。

議員

キャノピーのお話をされた方がいらっしゃいました。実は市役所前は、風雨に当たらないバス停になっています。市道は市の方がOKを出してくれるなら、歩道にも多分キャノピーは設置できると思います。後で、相談してみますので少しお時間いただければと思います。

市民

いろいろと、バス事業者の方々も応援していただきましたが、バスはバスのやり方があります。路線の問題、認可の問題とか様々なことがあります。皆さんの家の前まで、細かく行くのは地域の中でコミュニティ交通として、これから考えていかなければなりません。免許制ではなく、ライドシェアとか様々なやり方も含めて、基本はタクシー業者が今やっている、デマンド交通が基本になるかもしれません。
実はモビリティブレンドと言って、2019年くらいから日本全国各地で試験されています。鷹栖、末広の奥とかから市立病院に行きたい人は、ロータリーの手前で降り、近道で土手を歩いて、市立病院に行きます。しかしもう一区間乗っていただければ、市役所の前に着き、そこでは市立病院行きのバスに乗り換えられます。道北バスと旭川電気軌道とは乗り場は離れていますが、その中間くらいに新しい停留所があったらそういう方法だってできるのです。
昔はデパートに行くとか、駅に行かなければならないという利用客が多かったのですが、今はお住まいの地域から、病院やスーパーまでという需用が多いので、どんなことをしてもバスは絶対不利です。これを補完するには、コミュニティ交通以外にありません。是非タクシー業界と皆さんといろいろ相談していただいて、やってみようかという雰囲気になっていただければ、多分予算も出るだろうと思いますので、是非頑張ってください。

市民

私たち農村は特に一軒に3台も4台も車を持たなければいけない状況です。ガソリン税と自動車税もたくさん払っているという思いでいます。
車で何十年も生活している中で、これからバスに切り替えることは、年を取れば取るほど、バスの乗り口の高さも足が上がるかな、という不便さも感じます。バスを利用される方はたくさんいらっしゃるので、利便性をよく考えていただきたいことと、私たちが自由にタクシーを安い値段で使えるということが必要です。財政問題もあるので、すぐできるとは思っていません。
最近、三箇地域で、引っ越しした方がいました。夏、お孫さんがそこのおうちまで来たのに、駅からタクシーで7,800円掛かりました。片道です。タクシーの運転手さんが、気の毒がって300円負けてくれたという話を聞きました。
でもその方は引っ越しされました。もう住んでいられないのです。ゴミ出しだって1km、2km平気で歩いていかなければならないのです。そういう地域に住んでいられなくなるという現状を是非分かってほしいと思います。私たちは今までの延長線上に、旭川市民として、ここに住んでいて良かったと言えるような、一市民として暮らしたいという意見です。

市民

冬に、バスが止まるときに縁石から離れて止まる場合が多いとバス会社によく連絡して指摘しています。それに加えて、周辺のバス停になると、昔はバス会社の方で、スコップを持った除雪部隊みたいな人たちが除雪に回っていましたが、経費の問題かなかなかそれもできなくなって、吹きさらしのまま、ひどくなっています。中心部でも除雪をしていますが、機械でやってそのまま雪山になってバス停があっても全く乗り越えられません。道路事務所に連絡をすると、お役所なので、言われたところだけはちゃんとするのですが、それ以外については裏側にゴロンと雪がたまっているのもそのままのこともあります。バス停の箇所の具合と加えて、冬に対しての対策も十分考えていただきたいと思います。

ハイヤー協会

皆様方の足ということについて考えさせていただきました。先ほど来申し上げて、デマンドをしますと言ったときも、実を言いますと、東旭川の米飯地区の会長さんが私のところに10万円をお持ちいただきました。これで、チケットを買うからというお話でした。それにほだされました。正に、コストが伴います。収支が合わない仕事を誰がしますか、という話になります。ですからやるぞという地域がもしあったときには、そこである程度負担を考えるという必要があるかと思います。市の方も御協力もしていただけるでしょうけれども、一番望ましいのは地域で車を動かし、地域の方々が、地域の方々を運ぶというのがそれが一番望ましいスタイルだと思っています。なかなか難しいですけれど。
一つ一つ地域交通の問題は解決しながら、私は東旭川町共栄のところは妥当な結節点だと思っていませんが、きちっとしたところに交通の結節点を自治体の方で設けていただいて、そこにバスが来て、タクシーが集まり、そういう構図が美しいのだろうと思います。
各地域における交通空白地帯とか、いろいろお話は聞いています。地域の問題は、私どももかなえながらいきたいという具合に思っていますが、必ず自治体の方々とお話をしていただいて、課題解決をしていただければと思っております。タクシー会社は私ども1社だけではなくて、市内に10社、協会員がおりますので、協力すれば様々な交通形態がとれると思っている次第です。御意見、貴重に受け止めさえていただいて、しっかりと持ち帰らせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

議員

地域交通を残すからには、持続可能でなければなりません。運転手さんが拘束時間も長い上に賃金も安いから、離れていく。人は募集しても来ないということで、そういったところもみなければなりません。先日視察で大分県の豊後高田市に行ってきましたが運転手さんは72歳で、大阪から働きに来て1年目とのことです。それくらい運転手さんの確保は難しい状態にあると思います。
私は旭川に戻ってくる前、7年間ほど北見の方で生活していました。過疎が進んでいる北見の方で、無人駅が増えていたり、バスがなくなったりしています。そこに住んで農業をやったり、地域を守ることは国のためにもなりますから、過疎が進んでいる交通の在り方というのは都市部とは分けて考えていってもらいたいですし国にも旭川の交通をどういうふうに守っていくのか、要望しなければならないと思っています。

議員

少子高齢化の中で、ますます人口が減っていく中で、一番大事なことは、旭川という街をいかに活性化させていくのか、そこに一つの要因があると思っているところです。今日感じたのは、利便性、便利とはどういうことだろうと。頭の整理をして追求していきたいと感じました。

議員

このコロナ禍になり、保育士、介護になる方、いわゆるエッセンシャルワーカーの仕事の内容がすごく見直されてきたと思いますが、バスやタクシーの運転手も今日、話をお伺いしたら、低賃金で御苦労されていることがよく分かりました。そういった方々の生活を保障していくことが、地域公共交通を守ることにもつながっていくと思います。

議員

乗る人が増えると、様々な問題、例えば路線廃止だとか、停留所の増加だとか、様々な問題が解決されます。旭川市から一時的な補助が様々行われていますが、これから見つめてやっていかなければならないことは、特に我々若い世代がどういった形でバスを利用していくのかだとか、もっとバスに乗りたくなるような施策だとか、でしょうか。
ミシュランというタイヤメーカーが、タイヤメーカーなのにミシュランガイドという、良いレストランをたくさん載せた冊子を作っています。そうすると皆さんがそのレストランに行くために車を運転し、車を運転するからタイヤが減って、タイヤがどんどん売れるという、考え方は何段か先になるのですけれど。バスを使うことで、また新しい街の楽しみ方があるだとか、また違った目線の提案を旭川市だとか議員からしていかなければいけないと、今日改めて思わせていただいた次第です。

議員

先ほど皆さん方からお聞きしたことをまた、質問という形で、議員として理事者にぶつけていきたいと思いますので、またこういう機会があったら是非、お越しいただければと思います。

議員

始めに先ほど私が発言した、路線があるだけまし、「まし」と言った記憶がなかったのですけれども、大変失礼いたしました。なくなった路線もあったものですから、お話させていただきました。訂正させていただきたいと思います。公共交通はこれからの課題ですので、しっかり行政とも話し合いながら議会として私たちの大事な生活の足となるこの部分を考えていきたいと思っています。

まとめ

国の推計値「日本の将来推計人口」によると令和18年には、総人口に占める高齢化率は33パーセントを超え超高齢化社会が到来すると見込まれています。
このような中、国勢調査による旭川市の高齢化率は、令和4年4月現在では34.7パーセントに達し、国の推計値を上回る状況となっています。
超高齢化社会を見据え、今後ますます増えるであろう運転免許返納後、欠かすことのできない移動手段でもある「地域公共交通について」を、テーマとし開催いたしました。
御協力いただきました各団体3社様には「事業者が抱える現状と課題」について、それぞれの立場から、時代背景による問題が浮き彫りになるなど現状を学びました。
また、参加者からは高齢者の寿バスカード事業については、高い評価を頂きました。
しかし、近郊地域にお住まいの方から、地域特性による地域コミュニティ交通(乗り合いバス含め)など、地域交通のネットワークと活性化に向けた課題や御意見が多くありました。
今後、旭川市議会議員一丸となり、御意見にありました課題解決に向け、取り組んでまいります。
会場の様子(総務班)
(会場の様子)

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