令和元年度市民と議会の意見交換会報告書-3

最終更新日 2020年4月15日

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災害への備えについて ~あなたの地域だいじょうぶですか?~(総務班)

※テーマと異なる内容の意見交換については掲載しておりません。
意見交換会の前に、協力団体である神楽岡地区協働自主防災協議会からテーマに関する神楽岡地域総合防災計画について事例発表がありました。

  • 市民

私の住む地域では、北星中学校が指定避難所になっていますが、そこには、きちんとした暖房設備がなく、備蓄の食料も水もないと聞きました。事例発表した方にお聞きしますが、神楽岡の避難所には、備蓄がどの程度ありますか。
私は、自宅に十分な食料や水、発電機やガソリンなどを備蓄しているので、きちんとした設備や備蓄がない避難所に避難した方が、かえって危ないのではないかという感じがします。

  • 協力団体

神楽岡地区センターには、非常食としては、アルファ化米の50人用が二つあります。暖房はポータブル石油ストーブが2台。このほかに毛布もありますが、これらは地区センター独自の運営委員会で用意しています。
それと、私が住む町内会では、七、八年前に自主防災の計画を立て、防災倉庫を作って、自主的に備蓄品から土のうまで全部用意しています。町内会に入っているところは200世帯くらいで、町内会未加入の世帯を入れると250世帯になりますが、食料は約600食を用意しています。

  • 議員

令和元年度末に、市では、アルファ化米の備蓄計画の達成率を、現状の44.4パーセントから100パーセントにできる見込みです。
また、ストーブの備蓄率も備蓄計画上、100パーセントにはなっていますが、配置されていないところもあります。
粉ミルクなども備蓄計画に含まれていますが、備蓄はまだ十分ではありません。

  • 議員

北星中学校にはストーブは備蓄配置されていません。北星地区では向陵小学校でコークスストーブを備蓄配置していますので、そこで対応することになります。

  • 市民

市内全体の避難所はどのくらいあるのかと、備蓄計画の目標達成はどのぐらいでしょうか。
また、治水に関して、美瑛川等の河川の堤防を高くすることはできるのでしょうか。
それともう一つは、市民に、市内の避難所に備蓄する物が行き渡ったことを報告することができるのかお聞きしたいと思います。

  • 議員

現在、市では備蓄に関する予算が、年間200万円程度しかありませんが、今後、備蓄を充実させていく必要があります。令和2年度に備蓄計画が見直しとなりますので、それに反映されると思います。

  • 議員

避難所は、現在、市内で131か所あります。
備蓄率は、平成30年度末では、全体の備蓄目標達成率が9.7パーセントですが、令和元年度末には15.7パーセントとなる見込みです。
まず、アルファ化米の備蓄率を目標値の100パーセントにする。そのほか、既に暖房設備のコークスストーブや石油ストーブは、目標値の100パーセントを達成していますが、毛布や防災マットなどは、目標値達成率が30パーセント台となっていますので、これらは早めに対策をとらなければならないと思います。

  • 議員

主に地域の小中学校、地区センター、住民センターなどが避難所となっていますが、近くに河川がある場合もあります。地震には耐えられても河川災害の際には大丈夫なのかも含めて、一度、お住まいの避難所を御確認いただきたいと思います。
また、北海道は、災害が少ないため、堤防が低くなっています。市民の皆様にもかさ上げが必要だという意識を持っていただき、一緒に取り組んでいかなければならないと思います。平成28年の災害時には、忠別川のダムのおかげで助かった地域もありましたが、美瑛川は、上流にダムがないので、これらのことを含めて要望していかなければならないと思います。

  • 議員

美瑛川支流の南校川は、上流が市の管轄で中流が北海道の管轄、下流が国の管轄となっています。南校川が氾濫するため、市の管轄の部分については、毎年、市に対して堆積物などがたまらないように、護岸をしっかり管理するように申入れしています。また、美瑛川と併せて、北海道や国の管轄部分についても申入れを行うなど改善を目指していきたいと思います。

  • 市民

石狩川水系のウッペツ川は、しっかり護岸工事がされ、川沿いと床にコンクリートが敷かれていますが、植生が川を埋めるぐらいに伸びています。ウッペツ川に、洪水ハザードマップで想定されている雨が降ったときにどうなるのか。想定よりも早く、浸水被害が起きる可能性があるのではないかと考えていますが、植生の管理についてはどのように考えていますか。

  • 議員

管轄している北海道にお願いをして伐採等をしていただいていますが、柳などの植生はすぐ伸びるので、なかなか完全には奇麗になっていないという状況です。
今後も植生等の状態を注視して、御心配されたような災害につながらないように、北海道にしっかり管理するようお願いしていきます。

  • 市民 

忠和地区は、指定避難所が3か所ありますが、大雨のときは使用不可能になっています。これについて議会としては何らかの対策を考えていますか。
また、旭川大橋の下流で忠別川、美瑛川、石狩川が合流しています。その下流の神居川との合流地点に水門ゲートがありますが、本流の増水時に支流に逆流することを防ぐために、その水門ゲートを閉めます。あの辺りは市内でも一番地盤の低い地域で、浸水による被害が考えられますが、どのように対応するのでしょうか。

  • 議員

平成30年7月の大雨時には、忠和地区で内水氾濫が発生しました。特に、忠和体育館付近は、ひどい状況となっていました。御質問があったとおり、逆流を防ぐため、水門ゲートを閉めると、内水がたまってしまいます。このため、今年から、忠和体育館の横にある常設のポンプピットを3か所に増設して、ポンプ車と併せて活用するなど、浸水被害が出ないように対応しています。(※1)

ハザードマップによる避難所について、忠和地区には、水害時の指定避難所はありません。近いところで神居の小中学校に避難していただくことになります。洪水時は、忠和地区から離れるといった認識を持っていただきたいと思います。
市としても、早い段階で高齢者や移動の困難な方などについては、バスを出して避難していただくなどの検討を行っていきます。

※1 補足説明 忠和体育館横のポンプピットは、令和元年6月に3か所に増設するとともに、発電機を3台購入し、浸水被害に速やかに対応できるようにしています。

  • 議員

ポンプピットの活用は、非常に重要だと思います。平成28年度の台風が来たときに近文地区でも、冠水するなどの被害が出ました。やはりこれから各河川の合流地点を再度検証し、必要なところには、ポンプピットを設置すべきだと思います。

  • 市民

昨年のブラックアウト時に、市の情報発信が本当に少なかったです。情報を得るためにラジオやスマートフォンしか使えない中で、スマートフォンの充電がなくなってきて困っていましたが、避難所や充電できる場所等の情報が全くありませんでした。
例えば、災害時に、市の広報車で巡回して放送をするとか、細かな情報を発信していく工夫が必要だと思います。
また、令和元年8月に「高齢者すぐ避難」とのエリアメールが入りましたが、別の地区の避難情報でした。私の地域の指定避難所では何の準備もしていなかったとのことで、エリアメールの発信などをもう少し工夫をしていただければと思います。
平成30年9月に発生したブラックアウトの際に断水情報がSNSで流れました。浄水場に蓄電池等が設置されれば、ある程度安心できると思います。(※2)

※2 補足説明 石狩川浄水場への自家発電機設置のため、令和元年度に実施設計を行い、令和3年度当初には供用開始となる見込みです。

  • 議員

冬にブラックアウトが起こったときを想定して、各家庭での備えも必要です。電気がないときの暖のとり方と、水道が止まったときは水道管が凍り、長期間使えなくなる可能性があります。
水が出なくなった場合の対策も非常に重要です。特にトイレの始末では、実際に水で流せなくても、洋式トイレにごみ袋を入れてそこで用を足して、それを縛って置いておくこともできます。

  • 市民

川のまち旭川、川の合流するまち旭川。災害が起こると、尊い人命を失ったり、働く場所がなくなったり、財産を失ったり、地域コミュニティが崩壊してしまいます。 防災だけにお金を掛けるわけにもいかないと思いますので、限られた財政の中で優先順位を考えてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
「良い街づくりの基本は防災」ということを頭の中に入れていただきたいと思います。

  • 議員

旭川の大きな課題の一つは、市内中心部で石狩川、忠別川、美瑛川といった一級河川が合流することだと思います。忠別川には忠別ダム、石狩川の上流には大雪ダムがあり、洪水調節ができますが、美瑛川の上流には洪水調節をするようなダムが設置されていません。これは本市だけで解決できる問題ではなく、当然、国土交通省、国の支援があってこその計画だと思いますので、市からも再度声を上げていきたいと思います。

  • 市民

市は、洪水ハザードマップを配布するだけで、防災について具体策がないと思います。
先日、自衛隊から防災についてのお話を聞きましたが、「いよいよ困ったときは、建物の2階や3階に上がって、下着でもいいから振って救助を待ってください。そうすれば我々はすぐに救助に行きます。」と言われました。市から、そのようなことは言われませんでした。

  • 議員

市では、阪神・淡路大震災の後に、旭川で冬に大震災が起きたらどうなるのか研究しました。まず、電気が使えない中での暖のとり方として、薪ストーブ、石炭ストーブ等を使い研究した結果、コークスのストーブが一番熱量が高いことが分かりました。そのコークスストーブを市として独自に作り、避難場所の各体育館に毛布などと一緒に備蓄配置をしています。
ブラックアウトになったときや災害時の情報発信については、偽物の情報に惑わされないようにFMりべーる等を活用して、市の情報窓口を一本化することも考えています。
また、浸水への対策として、ポンプ車を2台増やし、自家発電の機材も備えた上で、ポンプで水を抜くようなことも考えるなど、少ない予算の中で、効率よく対応できるように努力しているところです。

  • 議員

東日本大震災以降、市町村においては法改正により、災害弱者と呼ばれる避難行動要支援者の名簿を作成しています。
西日本豪雨や東日本大震災を含め、ハザードマップが十分に認識されていないことによる死者が多いことが専門家によって指摘されています。平成30年7月に発生した西日本豪雨の被災地でのアンケート調査では、「ハザードマップの存在を知っていますか」については、75パーセントの方々が認知していましたが、内容まで熟知していた方は僅か二十数パーセントでした。これが避難行動の初動の遅れ、そして死亡につながる原因となっています。そういったことからも、我々もしっかり認識して、市民の皆様にも洪水ハザードマップの重要性が広く伝わればよいと思っています。

  • 議員

地球規模で自然環境が変わってきており、毎年のように大きな災害が起こっています。今の対応だけが全てではなく、それ以上のことを追及していかなければならないと思います。
本市の防災基本条例には、基本的な考え方として、自らの安全を自ら守る自助がありますが、自助をするためにどのような公助が必要なのか、市民の皆様と行政が一緒に考えていく必要がありますし、防災の意識をもっと高めていくことが重要だと思いますので、たくさん意見を出していただければと思います。

  • 議員

地区社会福祉協議会では、地域コーディネーターを配置するなど、災害時に要支援者、高齢者や障害者などの避難行動要支援者等を支援する取組を進めている地域もありますが、この避難行動要支援者等6,704人のうち、個人情報を提供して万が一の時に助けてほしいという人の割合は53.4パーセントの3,578人しかいません。(いずれも令和元年7月10日現在の数字です。)残りの方は、個人情報の提供がないため、避難誘導が難しい状況にあります。
事例発表があった神楽岡地域総合防災計画のように、災害時に備え、役割分担を明確にし、地域の防災力を高めていくことが重要だと思います。

  • 議員

市の洪水ハザードマップですが、地域ごとに数冊に分かれていたものを全市的に見やすくするために、平成31年3月に改定して1冊にまとめました。内容も「100年から150年に一度」から「1,000年に一度」の水害に対応できるように改め、さらに、色覚障害の方に配慮した色を使用して作成しています。

  • 市民

市民委員会の会長にのみ連絡をする現在のやり方では、その下にいる町内会長のところまで連絡が行き届かないため、連絡方法を改めていただけませんか。

  • 市民

各地域、各委員会により、組織に差があります。町内会として、また地域全体として、「何ができるのか」を考えて、自助力を高め、さらに共助力を高めていくことが重要だと思います。
各地域によって、周知の仕方や受け止め方が違うので、PRの仕方を考えてほしいと思います。

  • 議員

市民の中には、まだ災害に対する意識が希薄な方もいます。過日、先進地を視察したところ、災害に遭われた自治体では、お年寄りが笛を吹いて消防隊員に知らせるようにするなど、様々な工夫をしています。
本市においては、避難所には全体で毛布を4万5,000枚用意することになっていますが、自分たちでも準備することが重要です。
洪水ハザードマップには避難場所以外にも、いろいろな情報が掲載されていますので、各家庭のほか、町内会、市民委員会でも有効活用していただきたいと思います。

  • 市民

自衛隊の地下に国家予算を使い、避難場所を確保することを提案します。地下は暖かいですし、そこに食料や水を持ち込めば、有効な避難場所になると思います。

  • 市民

河川のことですが、川底が高くなって堤防との高低差がなくなってきています。特に、忠和地区では、地盤より川底の方が高くなっているので、河川の砂利を採取してはどうですか。
国が入札を行い事業者を選定して、川底を掘り下げることで、国の収入にもなり、事業者も安い砂利が取れるので、一石三鳥、四鳥にもなると思います。国に対し要望していただきたいと思います。

  • 市民

北海道の大きな川の一つ、釧路川が氾濫しにくいのは、水門ゲートが1か所もないことと、地域特有の湿地帯が水がめのようになっていることです。
川の流れ、堤防決壊の原因や理論を研究して、治水事業をやってほしいと思います。やはり、川底の砂利を取って川底を下げるというのが一番大事なことだと思いますので、進めてほしいと思います。

  • まとめ

平成30年7月には、西日本豪雨と呼ばれる災害が発生し、広島県、岡山県や愛媛県では、河川の氾濫や土砂災害により多くの人命が奪われました。その大雨は、北海道にも上陸し旭川の一部地域にも大きな水害をもたらしたほか、同年9月には北海道胆振東部地震とそれに伴うブラックアウトが発生し、北海道内において最大で295万戸が停電、市民生活や産業等に甚大な被害を与える結果となりました。
この様な状況を踏まえ、今回の意見交換会のテーマを「災害への備えについて」とし、市民の皆様から広く御意見を伺うこととしました。近年の異常気象から予測を超えた自然災害が頻発していることからも、市民の関心は高く、市内の避難所や備蓄品等の状況についても、多くの質問と貴重な御意見を頂きました。
また、意見交換会の冒頭では、神楽岡地区協働自主防災協議会の稲垣会長様から、地域で行う災害対策や防災等への取組事例について発表をいただき、改めて、感謝を申し上げる次第であります。
本市では、平成31年3月に「洪水ハザードマップ」を改定し、更なる浸水想定等を公表していますが、当日の御意見からも改定版ハザードマップの周知と理解が今後の課題であると感じました。
いずれにしましても、今回の市民と議会の意見交換会で頂きました御意見等を踏まえながら、再度、本市の防災について考えていきたいと思います。

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