平成30年度市民と議会の意見交換会報告書-6

最終更新日 2019年1月10日

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新庁舎建設に向けた取り組み~委員間討議報告とシビックセンターの活用~(総務班)

※テーマと異なる内容の意見交換については掲載しておりません。

意見交換の前に、協力団体である久米・柴滝・中原共同企業体から、旭川市総合庁舎建替基本設計(案)の概要説明がありました。

  • 市民

現在の職員数は、約2,900人と聞きました。現在の各庁舎の配置人数と新庁舎に移行した場合にどのくらいの人数の割合になるかを教えてください。それから第二庁舎が残る形になっていますが、第二庁舎はかなり古くて劣悪な環境だと聞いています。新庁舎ができた後は、そちらも改善できるのでしょうか。職員の皆さんには気持ちよく仕事をしていただきたいですし、やはり旭川市の顔ですから、市民のサービス向上や仕事の能率アップという観点からも、どうなるのか教えてください。

  • 議員

職員数については先ほども言われましたが、平成30年4月1日現在で2,877人です。この中には市長、両副市長、議員は入っていません。職員のみの数です。現庁舎の中に入っている職員は684人です。この中には臨時職員、嘱託職員、再任用職員も含まれています。そして今、計画している庁舎には想定で1,137人の職員が入れるスペースを考えています。先ほど第二庁舎の話もありましたが、新しい庁舎については、市民の皆さんと職員の方が使いやすい、機能的な庁舎を建てたいという思いで、今議論しています。

  • 議員

第二庁舎は、耐震性が確保されていますから、そもそも今回も壊さずに活用するという方向が示されています。昭和58年に建設されたものですが、耐震化されているので活用するということです。御指摘いただいた使いづらさということについては、今後の検討材料にしたいと思います。今後、新しい庁舎を活用するイメージの中では他の老朽化の対応ということについても当然考えられますので、今後の新庁舎供用に当たっての課題になるものだと思います。現時点では、末永く今後も使っていくという考え方の中で整理がされていくと思います。

  • 市民

今の総合庁舎、第二庁舎、第三庁舎のいずれも職場環境は問題です。よくあのような所で仕事をしていると思います。電話もパソコンもタコ足どころかクモの巣のような配線です。災害があった時によくあのような所で対応できるなと思います。今後3年も4年もそのままで仕事をすることになるのでしょうか。私は早急に新庁舎を建てた方が良いと思います。議員の方はどう思っていますか。

  • 議員

庁舎の問題についてはかなり前から検討はしているのですが、財政状況やいろいろな考えもあり、なかなか新庁舎建設には至ってきませんでした。旭川市の場合は残念ながら財政状況から、国の交付税を当てにして運営せざるを得ない情勢ですが、幸いなことに地震が少ない地域ということもありました。国が定めたIS値という耐震基準があるのですが、その基準値が0.6以上でなければならないところ、総合庁舎は0.004となっており、本当はもっと早く建て替えなければならなかったのですが、そうもいかず長い間使ってきたわけです。しかし、いずれにしても建て替える時期が来ているということだけは多くの市民の皆様も御存知ですし、議会もそういう認識でいます。

  • 市民

総合庁舎を建てたのは1958年で60年経っています。最初からこのタコ足配線の庁舎ではありませんよね。建て替えれば全て解決するわけではありません。カーテン開けても窓は開きません。議会棟にある委員会室の窓は開きますか。今まで庁舎を大事に使おうとか長く使おうという気持ちで使ってこなかった、そのツケではないでしょうか。環境が悪いとかタコ足だというのはその都度、これから庁舎を建ててからもそうですが必要な維持管理をきちんとするべきだと思います。昭和の高度成長期の時のような回答で庁舎を建てるのならやめた方がよいと思います。

  • 市民

新庁舎になった場合、現在と比べて費用が増えるのか減るのかを教えてください。

  • 議員

水道光熱費などのランニングコストについては、これまでの市の担当部署からの説明では、新庁舎は現在の庁舎と比べるとかなりの経費が削減されると聞いています。維持管理費については、庁舎の大きさや設備によっても変わりますので、それについては、現在情報を持ち合わせておりませんが、今後調べていきたいと思います。

  • 市民

聞くところによると、新庁舎建替え後に教育委員会等の事務所が統合されるということではなくて、それはそのままにして賃料を年間で約5,000万円払っていくということです。計画では新庁舎の周辺に駐車場を作ることになっていますが。そこに教育委員会などの外部に配置している事務室等を入れるという考えは全くないのでしょうか。ランニングコストを考えると極めて無駄なので当然統合するべきだと思います。こういう議論をそもそも議員の皆さんがしているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

  • 議員

そうした声は私どもにも届いており、議会で質疑もなされてきました。議員や会派によって考え方が違うところではないかと思います。私も質問した一人です。考え方としては、人口が減少していく流れの中にあって、当然職員数も減っていくのに、今全部を丸抱えするのが妥当かどうかということもあります。どの程度吸収したらよいのか、様々な考え方があります。費用の面では新しいところに移すと今度は建設費が増えていきます。どういう相関関係にあるのか聞いた時に、今の賃料と単純比較したら、建設後32年間ぐらいで借り続ける場合と新しい庁舎の面積を増やす場合が同じぐらいのコストになるのではないかという答えもありました。ですから40年50年と今の状況で使い続けるのであれば、新庁舎の面積を増やして中に入れた方が安くなるのではないのかという答弁でした。いろいろな考え方があると思います。

  • 市民

そういう長期展望はさておき、当麻町の新庁舎が完成しました。現地に行ってみますと全職員がワンフロアに入っていました。そうすると他の部局とのコミュニケーションも極めて取りやすくなって、作業効率もすごく良くなるという話を私はある人から聞きました。そういうことを考えてみると、全体を一体管理で統合するのは物の道理だと思います。すぐやらなければいけないというのも私はなじまないと思いますので、これから引き続き、慎重に設計も含めてやっていくべきではないかと思います。近江八幡市でも庁舎建替え中にもかかわらず、市長選挙で建替え禁止だという新市長が当選しています。補助金をもらうためにすぐやらなければいけないという議論はちょっとなじまないのではないかということも一つの意見として聞いていただければ有り難いと思います。

  • 市民

災害についてです。今年も2年前も東旭川ペーパンや神居古潭で被害がありました。その時の災害対策が遅れて、避難が大変だったと思います。そういう部屋は確保しているのでしょうか。

  • 議員

現計画案では、7階に市長室があり、そのフロアに災害対策本部を設置することになっています。

  • 市民

7階から下に降りるのは大変ではありませんか。

  • 議員

災害時には常に防災安全部という部署が中心となります。市民の皆様の災害、被災状況を市の職員が外に出向いて情報を持ち帰り次々とそれに対応することになります。もちろん目の前で被災されている方にすると遅いのではないかという声があったかもしれませんが、24時間体制で対応していました。今回の災害では私も議員として防災安全部と夜中に何度も連絡を取り、市民の安全が確保されているのかを確認しました。できる限りの努力をさせていただいているとは思っています。

  • 市民

では、なぜ永山地区の人が神居地区に避難しなければならなかったのですか。

  • 議員

私が住んでいる地域も災害に遭いました。東旭川地区の倉沼やペーパンです。今お話があった避難場所についてですが、例えば学校と決めても自分の判断で親戚の家に行く、高い所に行くなど、そういう方もいます。また、災害対策本部の設置が遅いとのことですが、私どもは、朝4時20分ぐらいから地域の方から現地を見に来てほしいという電話が入りました。各地域の議員も行政と連絡を取りながら対応していると思います。

  • 議員

対策本部の会議室は、東光地区の防災センターにあります。そのほか第二庁舎にも会議室があります。その2か所を使って、時と場合によってどちらを使うか考えますけれども、これまでの災害時は場合によってはテレビ電話で連絡を取り合いながらしっかりと対応してきていると思っています。24時間体制で対応していますので、今回の水害においても決して対策本部そのものは遅れていないと見ています。現場対応は、いろいろと手違いがあり後手に回るようなことは確かにありますが、対策本部はきちんと稼働していましたので御理解ください。

  • 市民

この意見交換会の運営に対して言いたいことがたくさんあります。その中で一番単純なことですが、やる気があるのなら、皆さんの前に名前ぐらい表示しておくべきだと思います。

  • 市民

先ほど市職員が2,877人おり、現庁舎に684人、新庁舎に1,137人というお話がありました。新庁舎の床面積と現庁舎の床面積の差はどのぐらいですか。単純にこの計算であれば人数と広さが2倍くらいになります。

  • 議員

新しい庁舎の延べ床面積が約24,000平方メートル、現在の総合庁舎は約12,000平方メートルということになっています。また、職員数ですが約2,900人というのは正職員のみの数です。市の職員は臨時職員、嘱託職員を含めると約5,000人おりまして、それぞれの庁舎や賃借している事務室等で執務をしている状況です。

  • 市民

平成30年6月に、まちなか文化小屋であった庁舎の説明会に行きました。その時には先ほどのB案やC案は出てきませんでしたが、これらはいつ作ったのでしょうか。またB案、C案、次にはD案、E案、F案とかまで続ける気ですか。コンセプトが分からなくなっています。何のために市庁舎を造る気なのか皆さんの意見を聞かせてください。

  • 議員

市庁舎整備調査特別委員会(以下「市庁舎特別委員会」という。)を設置し、その中でいろいろと議論した後、庁舎整備基本構想の段階でも議論を行いました。市庁舎特別委員会終了後も私ども総務常任委員会では、担当部署から報告を受けてやり取りをしている状況です。この基本設計案に至るまで、先ほど皆さんに御説明しましたとおり委員間討議において、それぞれの思いや会派の考え方、個人の考え方を出し合いました。そして、先ほど皆さまに説明した段階にきています。ですから私たちはまだA案に反対であるとか賛成であるとかという判断を下している状況ではありません。その過程においてA案のほかにもB案やC案の説明を受けています。国の有利な事業債を活用するための期限は決まっていますが、大幅に遅れており、地域まちづくり推進協議会委員の皆様と市長との意見交換会が実施されている状況です。それが終わった段階で私たちもまた説明を受けることになると思います。今日はこれまでの経過を説明させていただいているところです。また総務常任委員会でもしっかりと揉んだ上で、決定する時は近いうちにくると思っています。先ほど今後はD案、E案が出てくるのは駄目だというような話がありましたが、煮詰めていく中で若干の変更は致し方ないとも思っています。今の状況の中でしっかりと決めさせていただく方向性でいます。確かに遅れている状況ですが、よろしくお願いいたします。

  • 市民

いいえ、遅れているとは言っていません。物事を進める時に、いつまでに何をするかを決めないというのはやる気がない証拠ではないでしょうか。計画も何もないのでしょうか。

  • 議員

決してスケジュールが決まっていないわけではありませんが、まだ合意していないので、現実としては延期されています。我々もそうですし、市民の皆さんからもまだ合意されてないと受け止めています。具体的に申し上げると、基本設計を6月末に決める予定でしたが、合意ができずに2か月延びています。もっと先の話を言うと2022年4月には新庁舎が完成する予定でしたが、既に2か月延びていることから、現時点では最短でも2022年の秋ぐらいの完成になるだろうという状況です。問題点は、正にいろいろと皆さんから意見を聴かせていただいている部分ですので、この後も意見を深めたいと思います。

もう1点は、先ほどB案、C案の話がありました。それらは決して今出てきたわけではありません。我々も先ほどの話のとおり委員間討議でこのレイアウトで本当に良いのか議論をしてきました。その際に市からは設計会社と原案ではない違う案も検討しているという説明があり、平成30年2月頃には、検討してきた代替案としてB案、C案の説明を受けました。

  • 市民

基本設計を6月末に決定する予定が8月末になっても3案出てくるのは、やはり市民でにぎわい親しまれるシビックセンターというコンセプトが非常に抽象的であいまいだからではないかと思います。最初の市民アンケートや説明会では、現庁舎が古く耐震性が不足しており、分散化している状態を解消するという説明があったと記憶しています。それに対して市民の大半は納得したと思います。そこから始まって、いつの間にか平成29年1月に出された基本計画の中に市民でにぎわい親しまれるシビックセンターと、そこに市民活動支援や、旭川らしさの発信などが加わったという印象です。これが駄目ということではありませんが、市民からそういう要望が出たわけでもないのに、突然出ました。庁舎は一般市民がいろいろな行政手続に来る所だと思います。抽象的に話が広がり、具体的になった段階になってからもいまだにこの部分をどうするのかはっきりしないという状況だと思います。それはなぜかと言えば必要性から出てきた案ではなく、これを建てる設計会社の知恵やプランなどを含めて、抽象的なところで話が始まったからだと思います。もう1点は少し別な観点からです。A、B、C案についてですが、例えばC案であれば総合窓口が1階にあるのでとても良いと思います。しかし、ほぼ真四角な中に、総合窓口を配置すると非常に窮屈になるという印象です。当麻町役場にお邪魔しましたが、ある意味では機能的ですが、非常にゆとりがないという気がしました。例えば新庁舎を今ある議会棟部分まで広げる考えはありませんか。震災で習志野市かどこかでホテルを借り切って市の庁舎として使用した例があると記憶していますが、議会としても3年ぐらいどこか違う場所に確保するというような考えはないのでしょうか。議員さんもシビックセンター建設構想に賛成されたのか、また、必要に応じて議会棟を潰せば面積を広くすることができますが、そこまで考えて議論がされているのか、その2点をお聞かせください。

  • 議員

シビックセンター機能に関して私たち総務常任委員会でも、その報告を受けた時に、その機能は分かるもののなかなかイメージが付かないという意見で大体一致しました。そのことをきちんと説明し切れていないところに問題があるということで、私たち総務常任委員会としても、そして市民の皆さんにも、もっと理解をいただけるように丁寧な説明をすべきという提案をさせていただいています。また、A、B、Cの3案ですが、決してその3案の中でどれにしようかということではなく、いろいろ検討をしたけれども一長一短があり、その中でやはり一番良いのがA案だという説明資料です。いろいろ不都合が生じることを示すために、B案、C案が示されたということですので御理解いただきたいと思います。

  • 議員

シビックセンターが抽象的だということについては、議会でも私たち総務常任委員会の中でも一致した状況でしたので考えとしてはよく理解できます。総合窓口の真四角な中でのゆとりのなさについて、議会棟の場所まで敷地を広げて設計することはできなかったのかという質問ですが、市の担当部署からは現状では現庁舎の建物とこの議会棟も含めて、ほかの所を借りて一旦引っ越しをしてまでここを壊して設計する、建設するという考え方には至らなかったという説明を受けています。議会棟の横は空地になっていますが、そこと文化会館との間の限られたスペースで設計をするという内容ですので、おっしゃるような真四角で効率的にどうなのか、設計上も非常に厳しいものになっているということは間違いないと思います。議会棟を壊してまでという意見については、議会の中ではそこまで踏み込んだという経過はなかったと思います。議員の皆さん、そういうことで良かったでしょうか。

  • 議員

以前に設置した市庁舎特別委員会の最初の議論の際に、各会派からいろいろな意見が出た段階では、そういう大胆な意見も確かにありました。しかし、現実的ではないということで流れてしまった経過はあります。

  • 議員

早い時期に市庁舎特別委員会が設置されました。そこで審議した中で、どの場所に建てるのかという論議もありました。当然その時にはいろいろな議員や会派の意見もありました。私は今新しく建てようとしている所にスペースはないのではないかと思っていましたから、第三庁舎を壊してそこに建てるのがスペース的にも良いのではないかという考えも持っていました。早い段階では、そういう規模だとか場所だとか、議会の中でも論議をしてきた経過はあります。

  • 市民

基本的なことですが、新庁舎はここに建てることを決定したということですね。分かりました。それで、予算は幾ら掛かるのでしょうか。金額と、国からの補助金がどのくらい出るのかと、その金額をどうやって払うのかを教えてください。

  • 議員

あくまで現時点での見積りですから概算であり、今議論している基本設計が変わってくる可能性がありますし、最近建設単価が上昇していますので現段階での想定ということで御理解ください。まず新庁舎の建物部分は92億円という積算をしています。外構や駐車場整備などその周りも全部整備すると110.5億円という数字になるという説明を聞いています。そのお金をどうするのかという話ですが、庁舎の基金として、貯金が25億円まで積み上がってきていますので、まずはこれを充てます。そして国の補助金として3億円を見込んでいます。その他については起債という借金をして建てていくことになります。年間約4億円を大体20年間にわたって返済していくことになります。それから国の補助金についてですが、これもいつ着工できるのかということにも影響するので具体的に今の段階では申し上げられませんが、それほど多くの補助金が見込まれるわけではありません。しかし、国としても庁舎を耐震化するための支援をしており、粗々の計算ですが、早く建てれば例えば10億円程度の財源が活用できるので、行政としては急いでやっているという状況にあります。ただ、この辺は流動的な数字としてお聞きいただければと思います。

  • 市民

4億円を20年で返済するというお話ですが、市民の税金が上がるということですか。

  • 議員

平成33年3月までの庁舎建設の出来高に対して、その90パーセントまで市債を組めることになっています。全体の75パーセントが交付税の基礎計算対象になり、その30パーセントが国から地方交付税で返ってきます。75パーセントの30パーセントは大体20パーセント強になるのですが、結局、急ぐ理由の一つは、建設が遅れると国からのお金が年間4億から5億円少なくなってしまうからです。4億円ずつというのは確かに税金の中から返済をしていかなければならない財源となります。

  • 市民

それができるという金額なのですね。私たち市民に影響はあるのでしょうか。

  • 議員

確かに庁舎を建て直すとお金が掛かりますから、その負担は長い間掛かります。よく子孫に借金を残すなと言うのですが、その子孫が使っていくものですので、国も建設国債は基本的に借金というイメージではなく、皆さんが将来にわたり使う物に対して認めるという考えです。ところが、借金は結局マイナスの計算になりますので将来に借金を残すなという議論につながっているわけです。しかし、旭川市の場合、古い庁舎ですからいつまでも使えるわけでありません。いつかは建て替えなければいけません。その建て替える時期をどうするかについては、今までもっと早くに建て替えなくてはいけないという話もありましたが、建て替えられずに今日に至っています。その都度お金を掛けて直していけばよいのですが、それもやはり辛抱しながら使ってきているのが現状です。決してどうでもよいと思っているわけではありません。財政に余裕がない中でのやり方として我慢しながらやっていかなければならないという考えもありました。市民の中には「庁舎なんて建て直さなくてもよい。」という方もいます。しかし、いつかは建て替えなければならない時期がきます。自分の家でもそうだと思いますが、今ちょうど国の有利な起債ができるタイミングということで、急いでそれに合わせて少しでも国の財源を活用しながら市民の皆さんのための環境を整えていきたいというのが現状です。

  • 議員

御心配されていることですが本市に限らず大きな事業をやる時には借金をして、長いのは大体20年で返していきます。ですから過去に借り、もう数年で終わるというのも、毎年、借金をしては返して借金しては返してという資金繰りをしています。だから庁舎を建てる場合もどのぐらい借金返済が可能かということについては、行政側も計算をしています。余り多額に借金をしてしまうと御心配のとおり返済額が多くなり、ほかの予算に影響を及ぼします。そこをこれまで減らしてきた部分でどれぐらいが限度かということも計算しながら一応提案されてきているということだと思います。

  • 市民

地下駐車場があると、冬に雪が降っていてもすごく助かるのですが、今後は地上の駐車場ということですよね。それは無駄な経費が掛からないのでしょうか。雪のある所に車を止めて雪を除けてから出ないといけないというのはすごく不便だと思います。地下に駐車場を作ることは考えられなかったのでしょうか。

  • 議員

地下駐車場は平成36年まであと6年ぐらいは使っていく考え方を持っています。現在、文化会館と総合庁舎につながっている地下通路は地下からの水が染み込んできていまして、バスタオルを並べて押さえるなどしながら使っています。まず第1に地下駐車場はもう古くなってきており、地下駐車場には防火設備としてスプリンクラーを付けているのですが、冬になるとその維持のために、暖房で温めなければならない状態です。それを変えるためには、粉の消火剤や何かで設備を入れ替えなければいけないのですが、それには約2億3,000万円掛かる試算もされています。できるだけ今の地下駐車場を修繕しながら使っていきたいという考え方もありますが、現庁舎の解体が全部終わると更地になりますので、そこを駐車場にしたいということです。おっしゃるとおり、冬になると除雪費が掛かります。その費用と地下駐車場を維持していくお金のどちらが安いかといえば、地上に作った方がお金は掛からないということです。今は過去に作られたものを生かして使っていくという考え方ですけれども、仮にお金が掛かっても地下駐車場をもう一度整備し直すかどうかは今後の課題です。この敷地全体の中で、第2期工事で床面積が7,000平方メートルの庁舎を建てる計画があります。しかし、人口減少の問題もありますので、その時にどうするかということも含めて、柔軟に対応しようという考え方でいます。現庁舎を解体した跡地を有効に使うため、庁舎の近い所には障害者の方の専用駐車場を配置したいという説明もありました。文化会館の建替えの問題も含めて、将来の話にはなりますが今後、様々な議論の中でどういうふうにしたらよいか議論されると思います。

  • 市民

現在の旭川市の借金の総額はどのくらいですか。

  • 議員

私は平成11年に議員になりましたが、市債が1,900億円を超えていた時期もありました。それが平成29年度では1,800億円ぐらいです。余り減っていないように見えるかもしれませんが、今は国が地方交付税で出せない分を臨時財政対策債という形で借金しているお金もあります。それは将来に元金、利息とも国が交付税で返すという約束でやっているものです。実質的には、旭川市の一般会計の借金は1,200億円ぐらいまで小さくなっており、700億円ぐらい減っています。そのような事情の中で将来の投資をしてもよいのではないかというような話が出てきたわけです。また1,900億円まで借金をしてもよいということではありませんが、そのような状況にあるということだけ御理解いただきたいと思います。

  • 市民

このA案に関してですが、私は先ほどのセキュリティや管理の面から、市民が外部から常時入れる1階に市民活動スペースを配置するという考えに賛成します。逆に今の図面を見ると、エレベーターやエスカレーターが付いているので、2階に窓口を持っていっても全然不便ではないのではないかと私は思います。もしA案になったとすれば、市民の憩いというか集いの場として例えばミニコンサートなどの催し、イベントを多くやっていただけると楽しめるのではないかと考えています。

  • 市民

私は、この基本設計の前の段階の基本計画から、新庁舎を建てた後にこの総合庁舎を壊すという方針に以前から反対しています。総合庁舎は本当に日本の名建築です。私は建築が専門なので、建築家としてこの総合庁舎が壊されるのをただ見ているわけにはいかないという立場です。総合庁舎は耐震性が極端に低く、このままいけば震度6で建物が壊れて人命にも関わってくるということが壊さなければいけない最大の根拠になっていると思います。しかし、昨年6月、この総合庁舎の耐震性が低いことの最大の根拠になっている21年前に行った耐震診断時の資料になった図面が、この総合庁舎の実態を全く反映していないということが判明しました。その段階でもう1回耐震診断をやり直すべきだというふうに私たちのグループは提案をしたのですが、その件に関しては全く顧みられずに今のところは新庁舎ができた段階で壊すということになっています。本当に納得できません。市議会でもその問題を一旦取り上げましたが、結局のらりくらりとした市の答弁を経て沙汰止みになってしまっています。そもそもの耐震診断の資料が間違っていたという事実はもっと強く指摘されてもよいのではないでしょうか。私は、新しく出てきた配筋の図面がある資料を基に、改めてもう1度耐震診断をして、それから総合庁舎をどうすべきかを議論するのが筋ではないかと思っています。

  • 議員

ただいま御質問、御指摘いただいた件は、私ども総務常任委員会での審議事項になりました。御紹介いただいたお話もありましたが私どもも最終的な判断をしています。確かに誤った図面だったということが判明しましたが、決してそのまま誤ったままで終わったわけではありません。改めて図面状況の抽出検査がされました。その結果、確かに誤ってはいたのですが、市は新たに耐震診断をし直したとしても、この耐震性の弱さが、劇的に回復するような状況ではないという判断をしました。私たちもその説明を最終的には了したということで、そのような判断をさせていただいたということです。

  • 市民

明らかに耐震診断データは間違っており、やり直すと相当良い結果が出るはずです。

  • 議員

私も総務常任委員会で1級建築士という立場もあり、質問させていただきました。しかし、結局耐震診断をした図面は今の実際の建物と違うということは分かったのですが、最終的に新しく出てきた図面とも一致しなかったということが分かりました。一部壊して調べた所と新しい図面が一致をしていれば、新しく出てきた図面が今の総合庁舎の図面だと判断して、耐震診断をやり直すということまで考えていたと思います。お話があったようにはっきりしなかった部分がたくさんあるわけですが、それによって今の建物の耐震性が前よりかなり良いのではないかという判断まではできなかったということです。つまり新しい図面も、耐震診断をした元の21年前の図面も、現状の建物とは違うことが分かったということです。そして、市の担当部署では、今の建物が震度6に耐え得る内容ではないということを判断しました。そのような状況でしっかりとした説明を受けてここまできています。

  • 市民

先ほど例えば演奏会という話が出ました。私も新庁舎の中で上川総合振興局でやっているような演奏会も良いと思いますが、市役所の庁舎の1階の真ん中で常時演奏会だとか、会議でプロジェクター使うとか、大きな声で合唱をするわけにはいかないと思います。とても制約があると思います。例えば隣には文化会館があって、そこにはホールもあれば展示室も会議室もあります。わざわざ市役所の中で設けなければならないという必要性について、幾ら説明を受けても分かりにくいです。オープンからしばらくは無理にでもスケジュールを組めば可能かもしれませんが、やがて利用者は減ると思います。それから来庁者についてです。私も市役所へよく行きますが混んでいるのは午前中の一時、あるいは年度変わりも混みますが、午後になると段々閑散としていきます。そのような中で、市民活動スペースと会議スペースが本当に有効かというと、デッドゾーンというか旭川駅の閑散とした様子を思い浮かべてしまいます。非常に無駄使いのスペースではないかと思います。市民活動は利用しづらいという意見に対しての意見を聞かせてください。

  • 議員

この市民活動支援スペースについては、現在も非常に大きな議論をしており、議会全体としても結論に至っておりません。お察しのとおり、賛成している人もいれば反対している人もいるということで、本当に必要なのか、どうすべきかという議論をしている最中ですので、今の御意見も一つの参考にさせていただきたいと思います。

  • 市民

議員の皆さんは、平成26年8月29日に「市庁舎建替えについて」という同じようなテーマで意見交換の場を設けました。その時に市民の中から議会棟や本会議場はどうするんですかという意見が出て、報告書の中でそれは今後、報告しますということになっていました。ところが今回もその意見表明が全然ありません。皆さん方は平成26年12月に市庁舎を整備するとした場合の議会棟の在り方について市長に検討結果を報告しています。それを報告してください。次に、先ほどからシビックセンターやシティプロモーションと言っていますが、平成27年6月の第2回定例会で総務部長が皆さんに説明して答えています。総務常任委員会で意見が出て、市民に対する説明が不十分だとされました。もう1回説明しますということで、説明資料としてA案、B案、C案というのをわざわざ設計者が7月に作ったのだと思います。これに基づいて丁寧に説明したけれどまだ分からないということです。皆さん方が平成27年から今までほったらかしにしていたからではないですか。それは議会の責任ではないのですか。皆さん方も丁寧に分かりやすく市民に説明しないといけないと思います。

  • 議員

総合庁舎の耐震率は3階で0.004、全体でも0.6以下で、特に3階部分がひどく、震度6強で倒壊するおそれがあると言われています。過去には東日本大震災の前にも議会で質問していたのですが、基金も足りなくてなかなか建替え議論になりませんでした。しかし、東日本大震災で庁舎が壊れて機能不全になった事例があったことから、安心安全な庁舎を建て替えようという議論が一気に進みました。それからここ何年間か基金を毎年3億か5億円ずつ積み上げてきているのが現状です。先ほどシビックセンターの丁寧な説明がないという話がありましたけれど、実は我々にも丁寧な説明はありません。そのことは議会の中でもこの委員会でも非常に議論をしています。様々な庁舎も視察してきていますが、当初の議論では地方都市で1階にシビックセンター機能を持たせるのはちょっと厳しいのではないかという意見が大半を占めていました。ただ私は窓口を集約する場合には、2階、3階にした方が一つに集約化され、その方が機能的にも良いというのがA案だと思っています。ワンストップサービスをするにはA案が一番良いのではないかということです。その1階にレストランやコンビニエンスストアのようなものを配置してそれをシビックセンター機能にするということでした。そのシビックセンター機能を持ったにぎわいのある庁舎を造ると言っているのは西川市長です。西川市長の選挙公約です。しかし、シビックセンター機能を持った庁舎というのはなかなか難しくて、隣の文化会館と機能を一体型にした方がよいのでないかという議論もありました。それは議会でも何度も議論されていました。しかし、今回は文化会館の建替えが据え置かれました。本当は一緒に議論しなければいけないことだと思います。今回はそれが保留になり、新庁舎の1階部分でシビックセンター機能、にぎわいづくりをするとなると皆様方も御心配されたように、それがうまく旭川にマッチするのか、うまく利用されるのかという懸念は議会でもあります、侃々諤々、何回も議論されております。ただB案、C案になるとセキリュティの問題があります。私たちは、100パーセントこれが本当に良いという確信を持っているわけではありませんので、皆さん方の御意見をお聞きして、本当に安心安全で市民目線で機能強化された庁舎になるようにしたいと思います。先ほど環境面において現庁舎が非常に劣悪だという御意見もありました。タコ足配線であるとか、第三庁舎では床がボコボコになっている場所もありますし、西日が入ってくるとエアコンがない中、窓も開かない中で室温が摂氏35度くらいになって熱中症の危険を感じるような環境でもあります。第三庁舎は当時上川支庁から譲り受けた施設ですが、それでもそれを継続して利用しているのは、それよりも小学校ですとか、地域施設の方にお金を回すために順送りされてきたからです。やっと今、機が熟して庁舎を建てようという状況の中で、侃々諤々意見があり一致できない部分もたくさんありますが、何とかここまでたどり着いたところです。個人的にはもっと早くしてほしかったという意見ですが、オール旭川体制で、皆の意見を取り入れながら良い庁舎を造っていきたいという状況です。総務部長の答弁も決して明快な答弁ではなかったと思っています。

  • 議員

議会棟についてどんな意見があるのかという声も出ましたが、まだまとまっておりません。現在、議会棟フロアの検討も日々重ねてきておりますので、また機会がありましたら御説明したいと思います。

  • まとめ

旭川市の向こう100年のまちづくりにも影響する新庁舎建設の問題。庁舎に関する基本的な御質問から始まり、具体的な設計内容に関するものまで、予想以上に様々な視点からの御発言を頂きました。それだけ多様な市民の皆様に御参加をいただけたものと受け止め感謝を申し上げる次第です。報告書をまとめている10月時点においても、いまだ基本設計案の確定が遅れており、最終判断までにはもうしばらく時間を要することになりそうです。なお、議会棟の整備方針については、ユニバーサルデザインによる動線の配置や障がい者・子ども連れの方にも対応できる傍聴席、将来の映像中継を見据えた機器の配備など議会側からの要望も市に提出してきたところです。私たちの未来にとって素晴らしい庁舎となるよう、アンケートの回答も含め当日お寄せいただいた御意見を参考に、今後も更に議論を深めていきたいと考えています。

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ファクス番号: 0166-24-7810
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