平成30年度市民と議会の意見交換会報告書-3

最終更新日 2019年1月10日

ページID 065593

印刷

市民に役立つ住宅政策について~高齢者・障害者の住宅、持家の課題、空家対策、公営住宅の整備など~(建設公営企業班)

※テーマと異なる内容の意見交換については掲載しておりません。

  • 市民

一昨年、私の家で事故があり、住めなくなったものですから、高齢者向けの市営住宅に一時移転して、その間に古い家をどうするのか決めようと思い、窓口に申込みに行ったところ、「抽選に当たったら1週間以内に家を壊すことになりますよ。」と言われました。それはできないので、急きょ、宮前のマンションを買いました。古い家は放置すれば空き家になります。リフォームするにしても築40年ですから新築に近い費用が掛かりますので、何か良い意見がないかと思い来ました。

私は事故後、化学物質過敏症になり、もう83歳ですから、疲れ切ってストレスで倒れそうな感じになり、できるだけのんびりと暮らしたいという思いです。よろしくお願いします。

  • 市民

宮下の市営住宅に住まわせていただいている者です。各部屋のベランダには避難時に壊してもよいついたてがあります。昨年の火災訓練時に、そこを壊して進んでも行き止まりになり、それで「どんな方法で逃げるのか。」と聞いたところ、消防の方から「はしごがあるから、そのはしごで逃げるように。」と指導されましたが、実際は1号棟も2号棟も3号棟もはしごはありません。

市営住宅に入居するときには、そういう説明はありませんでした。とても快適に過ごしており感謝していますが、火災時の対応が分からないので教えてください。

  • 議員

貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。私もその近くの9階に住んでいて、火事など緊急時には、ついたてを壊して進めばよいと思っていましたが、その先どうするのか考えたこともなかったです。きっと何らかの形で準備はしていると思いますが、それを一人一人に丁寧に分かっていただく努力をしなければいけないと思いました。

後ほど担当部署の方からも説明いただきたいと思いますが、緊急時の避難方法について皆さんに分かってもらう、知っていただくよう努力していきたいと思います。ありがとうございます。

  • 議員

1番目の質問について、もう少し詳しくお話しいただけますか。

  • 市民

平成28年2月のことですが、自宅の地下室にあるボイラーから灯油が漏れていることに気付きました。既に3日が経過しており、地下室の床は灯油でぬれた状態でした。処理に失敗して、揮発ガスを吸い込んでしまったため、その年の5月か6月頃に妻が血圧の急上昇などで病院に救急搬送され、その後に私もなってしまいました。

それからドアの下に換気扇を取り付けたり、 1年ぐらいいろいろと試しましたが、体調が改善せず、昨年、台風並みの強風があったときに換気口やあらゆる所から風が入ってきて、匂いとほこりなどが室内に舞い上がり、化学物質過敏症を発症しました。息苦しくて、換気扇を回し続けている状態です。

昨年の夏に地下室の床下に活性炭をまいたところ、かなり効果が出てきましたが1年6か月くらい家を空けていたため天井の雨漏りなどもあり、住める状態ではありません。

  • 議員

家の中に灯油が漏れたことや改修などについては、専門家の判断となるため私たちが意見できるところではありませんが、臨時的、緊急避難的に入居できる所はないだろうかという御相談だと思います。率直に言って、市営住宅の窓口で、もう少し丁寧に説明、対応ができないものかと思います。

市営住宅は入居資格があるので、家やマンションを持っている方は入居ができませんが、処分しなければならないことが分かっているのであれば、1週間に限定しなくても相談を受けながら柔軟に対応し、当選後に処分する方法もあると思います。(※1)

それから化学物質は医学的課題になりますが、旭川市も昔、医療休養基地という構想を発表し、「化学物質過敏症などで困っている人は療養に来てください。」と宣伝したこともあります。そういう方も含めて、一時的に緊急避難できる機能を市営住宅等でも作ってほしいということだと思います。十分に受け止め、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。

※1 補足説明 市営住宅の入居に当たっては、現に住宅に困窮していることが明らかな場合に限りますので、入居申込みから決定までの実際の対応及び期間は次のとおりとなっています。

(1) 抽選後、入居決定までには3~4週間程度の期間があります。

(2) 申込者の事情によっては、入居決定を1か月遅らせることができますので、入居決定まで2か月程度の余裕があります。住居を所有している場合は、この期間内に不動産業者との契約書や売買契約書があれば入居が認められます。

(3) 本件にある取壊しの場合は、入居決定までに業者の見積書や契約書があれば入居が認められ、転居後半年くらいまでに取り壊した証拠を提出すればよいことになっています。

  • 市担当課職員

先ほどのお住いの市営住宅の避難方法についてですが、北彩都団地については、各階からその下に降りるようなハッチは付いておらず、玄関に面した通路の両サイドにある避難階段から避難することになります。ベランダに設置しているついたては、容易に壊れますので、隣やその隣の部屋に緊急的に入り、そこの玄関から通路に出て、両サイドの階段から階下に降りて避難いただくことになります。避難ロープなどは特に用意していません。

  • 市民

入居している市営住宅の2階に身体障害者の方が住んでいて、日中はボランティアの方が面倒を見ていますが、夜は1人で過ごしているようです。車椅子を使わないと1階に降りられない方なので、自治会の会長が市の担当部署にその方の名前を聞いたところ、個人情報という理由で全く教えてくれませんでした。自治会で避難時の対応を決めなければならないと思いますが、情報がないため難しい状況です。

  • 議員

市は、3年ほど前から災害時の避難に手助けが必要な方の調査をしています。(※2)調査内容は、避難時に手助けが必要な方の個人情報を町内会や地域の方に提供してよいか本人に確認することなどで、調査結果を基に名簿を作成しています。その情報を市から、町内会や地域の方に提供する場合には、個人情報の取扱いに関する説明を行った上で、誓約書にサインをしてもらうことになっています。

個人情報の提供を受ける場合には、その責任も含めて掛かってきますので、なかなか町内会や地域の方に提供されていないのが現状です。

※2 補足説明 旭川市避難行動要支援者名簿整備事業といい、災害時の避難に支援を必要とする方(避難行動要支援者)の名簿を作成し、地域への情報提供に同意した方の情報を地域で避難支援等を行う関係者(避難支援等関係者)に提供し、災害時において円滑な避難支援が行われるよう避難体制の構築を図る制度。

  • 市民

毎年、自治会の会長が変わるので、そういう引継ぎがあるのか確認してみます。

  • 市民

今日は、市民に役立つ住宅政策をテーマに市議会議員の方が取り組むということで期待して来ました。その中の高齢者、持家、空き家対策について市議会議員の方の考えがある程度分かるのかと思いましたが、私の期待していることとは違うと思いました。

高齢者、持家、空き家対策を今後どうしていくのか、まだ検討していないということでしょうか。概要でよいので教えてください。

例えば、旭川の町外れでは人口がどんどん減っています。これからどうしたらよいのか。この地域はどうなるのか聞きたいです。

  • 議員

空き家の問題に対しては、市議会議員全員が非常に重要であるという認識を持っています。そういう認識の下で、ここ数年間、空き家対策を実施している先進地への視察の取組などを行ってきました。

市としての対策は既にあり、「第8次旭川市総合計画」を基に進んでいます。その総合計画の下に「旭川市都市計画マスタープラン」があり、「旭川市空家等対策計画」を立てています。その中で、どうしたら空き家の発生を抑制できるのか。空いてしまった家をどう活用するのか。適正に管理されてない空き家、実際に空いている家をどうするのか。このような三つの大きなテーマ・目標を決めて、それに向かって細かい計画を作り、いろいろな業界の皆さん、行政、私たちで知恵を絞りながら取り組んでいる最中であることを御理解いただければと思っています。

  • 議員

御夫婦が元気に住んでいたとしても、高齢化していくと一方が病弱になったり、あるいは亡くなられたりすると持家の処分の話になると思います。

そのような相談に対応できるように、平成30年4月、(公社)北海道宅地建物取引業協会(以下「宅建協会」という。)旭川支部と旭川司法書士会、旭川市が協定を結びました。空き家をどう少なくするのかについては、宅地、住宅の開発の問題と関わってきますので、市の都市計画などの中で、具体的な対策を考えなければいけないところに差し掛かっていると思います。あわせて、高齢者においては、御自分のこれからの生き方という意味においても、福祉政策とも関わってきます。このため、市役所内でかなり緊密に行わなければならないと思いますので、市民の方から、より具体的な生の声をたくさんお寄せいただければと思っております。

  • 市民

私は、宅建協会旭川支部長をしています。平成30年4月25日に宅建協会旭川支部と旭川司法書士会、旭川市の3者で空き家等対策の推進に係る連携協力に関する協定書に調印しました。空き家にもいろいろな種類、タイプがありまして、私たちは民間の企業の集まりですので、まずは無料査定、無料相談を行っています。

高齢の方が、二人暮らしであれば一緒に過ごしていますが、どちらかが亡くなれば高齢者住宅、老人ホームに移る方もおり、そのときに慌てるよりは、今の時点で自分たちの不動産が売れるのか、それとも解体しなければならないのかというところから始めていただければと思います。

私たち民間では限界があることから、空き家・空き地の調査を進めるために固定資産税の情報を一部でも開示していただくことを協定締結時に一番要望しておりました。

宅建協会は、実質的な評価や売買について、旭川司法書士会は法的な部分でのサポートをしておりますので、是非、御利用いただければと思います。

  • 議員

皆さんにお配りしている資料の中に、先ほど話がありました「旭川市空家等対策計画」の概要があり、その次に「空き家の話-あさひかわ」と書かれたプリントがあると思います。その裏に、宅建協会から話がありました相談窓口が書かれており、平成30年10月28日には旭川市空き家無料合同相談会も行われます。

このように、空き家に困っている方、これから空き家になりそうで困っている方の相談窓口も開設しております。是非とも参考にしていただければと思います。

  • 市民

空き家のことですが、近所に空き家になってから20年くらい経過した建物があります。屋根も崩れているので、そのことを市に何回か言いましたが「持ち主には連絡してあります。」という回答しかなく、傍観しているしかない状態です。隣から離れていれば問題はないですが、すぐ隣に家があります。

家を建てる段階から空き家になることを前提とした建築基準を決める必要があると思います。隣の家に迷惑が掛からないように家を建てておけば、空き家になっても何ら問題がないと思います。そういう点から、新築の許可を出す段階でそこまで考えた建築基準を作ってほしいと思います。

もう一点、私は近文町25丁目に家を建てましたが、その後にハザードマップを見たところ、石狩川が氾濫した場合の5.5メートルの浸水地域であることが分かりました。(※3)昨年、一昨年も水害があり、うちの町内会では十数件の床下浸水がありました。なぜ浸水するような危険な地域に、次々に建築許可が下りるのか分かりません。防災につながるハザードマップを行政に生かしてほしいと思います。

※3 補足説明 正式には、旭川市洪水ハザードマップといい、河川が氾濫した場合に備え、浸水が想定される地域の方に、迅速に避難いただくために作成したものです。浸水の区分は0.5m未満、0.5m~1m、1m~2m、2m~5m、5m以上の5区分になっています。

  • 議員

明快な回答にはならないかもしれませんが、感想を含めてお答えします。ハザードマップができたのは十数年前ですが、それまではハザードマップすらなく、まず避難所がどこかというところから始まって、避難所も「学校でしょう。」ぐらいしか住民の皆さんも認識がなかったと思います。ではなぜ、豪雨になったら道路が水浸しになるようなところに許可を出すのかという話ですが、まず国の決め事があり、そしてその裁量の中で更に実際の決め事があり、最終的に建築指導課で許可を出すということですから、まず現状の法律の中でどこまで検討ができるのかということだと思います。

空き家の現状については、数年前に調査はしていますが、周辺の調査も同時にやっていかないと難しいと思います。その調査と並行して、今頂いた御意見について検討させていただくことになると思います。それは、議会が、担当部署がということではなく、お互いにその辺を精査しながら御心配がなくなるようにできればと思います。

  • 議員

防災の観点でお話しいただいたと思います。平成30年7月3日の災害では、忠和地区も大変な被害を受けました。忠和地区の市民委員会の会長が独自でハザードマップを作っており、被災後に伺った際に「私たちが作ったハザードマップとまるっきり一緒の状態になった。」と言われました。地域で作っているハザードマップと市が作っているハザードマップの浸水地域は、ほぼ同じです。そこに住んでいる方の土地は自分の所有物ですから、「勝手にここに家を建てたら駄目です。あなた方は出て行きなさい。」ということにはなりません。この理屈は分かると思いますが、ハザードマップと防災の関連は行政でも考えてもらわないといけないと思います。ゲリラ豪雨のようなものが頻繁に来るような状況になったときに、果たしてこれから建てる家もこのままの建築基準で仕方ないで終わらせるのか検討しなければならないと思いますので、極めて貴重な御意見として、受け止めさせていただきます。

  • 市民

宅建業者の観点から一言言わせていただきますと、宅建協会では東北地方太平洋沖地震があってから、契約書を作る前に重要事項説明の中で、ハザードマップを付けて説明した上で買っていただいています。このため、御了解いただいてそこに土地を買って家を建てているケースではないかと思います。

  • 市民

旭川には活断層はあるのでしょうか。また、大きな地震が起きて全ての橋が崩壊したときには、どのようにして救援に行くのか分かれば教えてほしいです。

  • 議員

分かっている範囲内では旭川に活断層はありません。今の調査方法では沼田町にあるということは分かっていますが、市内には活断層がないことから、橋が全部崩落した想定での災害対策にはなっていません。このため、その対応策については市でも考えなければいけないかもしれませんが、東北地方太平洋沖地震の教訓からも地域住民も一緒になって、お互いに考えなければいけないと思います。

  • 議員

いざという時のために作っているのが現在の旭川市地域防災計画です。現実に全国では活断層がないはずなのに地震が起きているケースも結構あります。

  • 議員

旭川の地盤は、とても固い地盤で地震には強いと聞いています。周辺に十勝岳などの活火山がありますので、噴火時には地震があると思いますし、防災計画はそういうことに対応できるようには作っていると思います。

橋の問題は、古い橋は別として、今の橋は耐震化されており、相当の震度があっても橋が崩壊することがないような作りになっています。全部の橋が崩壊してしまうとどうなるのかという心配はありますが、新しい橋も全て崩壊するほどの大きな地震であれば、建物や何もかもが倒壊して、助けに行く人もいないくらいの状況になるのではないかと思います。

  • まとめ

平成29年度に実施した建設公営企業常任委員会による行政視察において、空き家対策、市営住宅政策など住宅政策の課題について先進地視察を行ったという経過から「市民に役立つ住宅政策について」をテーマとしました。また、店舗内の音の問題なども懸念されましたが、議会をより身近に感じていただきたいとの思いからイトーヨーカドー旭川店に設けられた旭川市情報コーナーを会場として使わせていただきました。

全国的な傾向でもありますが本市にもたくさんの空き家があります。おおよそ7軒に1軒の割合となっており、安全性などの問題が取り沙汰され、議会でも抑制、管理、活用など様々な議論がされてきました。また、市営住宅については抽選方法が見直され、好評をいただいていますが、民間アパートやマンションに空き室が増える中、市営住宅の建設が妥当か否かという問題も出てきています。それらを含め住宅政策全般について市民の皆様と意見交換し、生の声を聞かせていただきたいという趣旨で開催しました。

当日は、参加した市民の皆様から、市営住宅の利用拡大や安全対策、空き家の問題、洪水ハザードマップと建築基準の関係についてなど多くの貴重な御意見を頂きました。

意見交換会を通じて、本市は自然災害が少ない都市ではありますが、近年多発するゲリラ豪雨等による河川の氾濫などの問題は確実に市民生活の脅威となっていること、また、市営住宅を含めた高層建築物については、より一層、適切に安全対策や管理をしなくてはならないと感じました。

9月初旬に北海道胆振東部地震が発生し、大規模停電となり、様々な問題点が表面化しました。多くの問題が住宅という建物だけではなく、そこに暮らす市民を含めたコミュニティに関わることであり、その解決には行政と市民との協働が不可欠だと思います。市民から選ばれた議員として、議会として、更に多くの意見を取り込み研究し、市民の生活を守る提言、提案を行っていかなくてはならないと感じています。

お問い合わせ先

旭川市議会事務局議会総務課

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎8階
電話番号: 0166-25-6380
ファクス番号: 0166-24-7810
メールフォーム
受付時間:
午前8時45分から午後5時15分まで(土曜日・日曜日・祝日及び12月30日から1月4日までを除く)