平成30年第4回定例会/意見書案第1号

最終更新日 2018年12月20日

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所得税法第56条の廃止を求める意見書

地域経済の担い手である中小事業者の経営は、家族全体の労働によって支えられている。

しかし、我が国では、所得税法第56条で、事業主と生計を一にする配偶者とその他の親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しないこととし、家族従業者の働き分(自家労賃)の必要経費への算入を認めていない。

家族従業者の働き分は事業主の所得となり、配偶者で年間86万円、配偶者以外の家族で年間50万円が控除されるのみで、最低賃金にも達していない。このことによって、社会保障や行政手続などの面で弊害が生じている。

家族従業者の給与を必要経費として扱わない法制度は、家族労働を事業主の労働とみなす世帯単位の考え方を残す我が国独自のものであり、国際的にも問題が指摘されている。平成28年、国連から日本政府へ「所得税法は見直しを」という勧告が出された。審議の際、政府代表は「帳簿書類を基礎とした申告を行えば、家族の労働対価を必要経費と認められる」と回答した。しかし、平成26年1月に全ての事業者に記帳が義務づけられたことから、所得税法第56条を残す根拠にはならない。

現在、全国で500以上の自治体と、11の税理士団体で、家族従業者の働き分を認めない所得税法第56条は廃止すべきという内容の意見書が国に提出されている。

また、平成28年3月にも政府は衆議院財務金融委員会で、所得税法第56条の見直しに向け検討をしていると答弁している。

地域の中小事業者は、地元の産業を支え、雇用を生み守り、経済を活性化させる力を持つ重要な存在である。家族従業者が自身の働き分を認められ、社会保障も正当に受け、一個人としてさらに活躍できるようになれば、地域貢献にもつながる。

よって、政府においては、中小事業者の経営及び地域経済のさらなる発展のためにも、所得税法第56条を廃止することを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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