令和元年第2回定例会/意見書案第1号

最終更新日 2019年6月28日

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2020年度予算編成における教育予算の確保・拡充と就学保障の充実を求める意見書

義務教育費国庫負担金の負担率が2分の1から3分の1になったことで、定数内期限付採用や非常勤の教職員が増加し、教職員定数の未充足などの状況が顕著になっている中、文部科学省は2019年度概算要求において、学校における働き方改革や複雑化、困難化する教育課題に対応するため、2026年度までの改善予定数を18、910人として、2019年度分は2、615人の教職員定数増の要求を行った。しかし、8年間の教職員定数改善計画は実現されず、加配定数1、210人、うち小学校英語専科教員1、000人、2017年3月の義務標準法改正による基礎定数化に伴う定数246人、計1、456人の定数増にとどまった。

子供たちへのきめ細やかな教育のためにも、教職員定数を抜本的に改善するなど、教職員の超勤、多忙化解消が不可欠である。そのためには、中央教育審議会の答申などによる業務量の抜本的削減を蔑ろにした時間短縮などではなく、教職員の無制限・無定量の超過勤務を容認する給特法・条例を廃止するなどの法制度の見直しとともに、全ての教職員の抜本的な超勤実態の解消となる「第8次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画」の完全実施や、30人以下学級など少人数学級の早期実現、全教職員の協働体制による学校づくりを具現化するよう、多くの声を国に上げていくことが必要である。

厚生労働省が発表した2016年の「国民生活基礎調査」では、18歳未満の子供がいる世帯の子供の貧困率は13.9%、一人親世帯は50.8%と、依然として7人に1人の子供が貧困状態にある。また、2017年12月に文部科学省が発表した「就学援助実施状況等調査」では、要保護・準要保護率は、全国で15.43%と7人に1人、北海道においては全国で7番目に高い21.64%と5人に1人が補助を受けている状況となっており、依然厳しい実態にある。

このような状況にあるにもかかわらず、教育現場では、給食費、修学旅行費、テストやドリルなどの教材費の私費負担も依然として減少せず、地方交付税措置されている教材費や図書費についても自治体でその措置に格差が生じている。

さらに、生活扶助基準の見直しに伴う就学援助制度の改悪、さらには給付型奨学金は対象者が限定されていることから有利子の奨学金制度を利用せざるを得ない子供たちが、返済に悩み苦しむなど、家庭・子供の貧困と格差は改善されず、経済的な理由で進学、就学を断念するなど教育の機会均等の原則は崩され、学習権を含む子供の人権が保障されない状況となっている。子供たちは、住む地域や環境に関係なく平等に教育を受ける権利を有しており、その保障のためには、国による教育予算の確保と拡充が必要である。

よって、国においては、次の事項を実現するよう強く要望する。

1 国の責務である教育の機会均等、教育水準の最低保障を担保するため、義務教育費を無償化すること。また、義務教育費国庫負担制度を堅持し、当面、義務教育費国庫負担金の負担率を2分の1に復元すること。

2 30人以下学級の早期実現に向けて、小学校1年生から中学校3年生までの学級編制標準を順次改定すること。また、地域の特性に合った教育環境整備・教育活動の推進、住む地域に関係なく子供たちの教育が保障されるよう、義務標準法改正を伴う計画的な教職員定数の改善の早期実現、教頭、養護教諭及び事務職員の全校配置の実現のため、必要な予算の確保、拡充を図ること。

3 給食費、修学旅行費、教材費など保護者負担を解消し、図書費など、国の責任において教育予算の十分な確保、拡充を行うこと。

4 就学援助制度、奨学金制度の更なる拡大など、就学保障の充実に向け、国の責任において予算の十分な確保、拡充を図ること。

5 朝鮮学校を授業料無償化の適用除外とすることを撤回すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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