平成26年度市民と議会の意見交換会報告書-6

最終更新日 2016年2月24日

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市庁舎建て替えについて~市民が新庁舎に求めるもの~(総務班)

市民
旭川市において耐震強度上、高層建築はどのように認められているのかお答えください。
議員
建物の高さにより建築基準法による安全性を確認する構造計算の方法が詳細となると聞いています。
例えば市内でも有数の高層ビルである市役所隣のホテルは17階の高さがありますので、耐震強度上、構造計算の方法も市内の他のビルよりは詳細にされており、建築基準法の基準に合致していると思います。市庁舎についての詳しい基準については市の関係部局に確認したいと思います。(確認結果は、「まとめ」欄の「追記」に掲載。)
市民
原則的には現在の敷地に耐震強度を備えた市庁舎として建て替えてもらいたいと思います。
気象台の方の話として、旭川では最大震度6以下の地震しか発生しないと聞いたと記憶しておりますので、現在の市庁舎と同じように高層化して、市役所の機能を1か所に集約してもらいたいと思います。
また、市庁舎の建て替えについては各市民委員会で議論できる場を作ってもらいたいと思います。
タウンミーティングやパブリックコメントが計画されていますが、市議会としてはいつ議論するのかお答えください。
議員
市庁舎の建て替えといったような大きな構想について、市議会において議論するときには、特別委員会を設置する場合があります。また、特別委員会を設置しない場合についてはその構想等を所管する常任委員会の中で質疑を行うことになります。
特別委員会の設置の時期については市議会での合意が必要であり、現時点では設置の時期をお答えすることはできません。
市民
現時点では市側から市議会に対して、市庁舎の建て替えについて議論してくれという話がないとのことですが、9月16日以降に開催される市議会で議論されるということでしょうか。
議員
平成27年度予算を審議する市議会は9月ではなく3月に開催されます。市側も市庁舎を建て替えることまだ決定していませんので平成27年度の予算に計上されることはありません。
他の市の事例を見ると市側として市庁舎を建て替えるという方針が固まった時に市議会独自で特別委員会を設置して議論を始めることになるのではないでしょうか。
議員
庁舎整備検討スケジュール(案)の中にある庁舎整備基本構想が策定されてから正式に市議会に提案されることになると思います。
それまで何も議論しないということではなくて、一般質問という形で市庁舎の建て替えについて市側の考えを個々の議員が質問することは可能です。
これまでも一般質問で市庁舎についての質問が行われています。
市側の庁舎整備基本構想が策定されてから市議会としては特別委員会を設置して議論することになると思いますが、それ以前にも慎重審議を行うために特別委員会を設置して市側の担当者と議論することもあるかもしれません。
市民
タウンミーティングやパブリックコメントは市議会での議論の後に開催されるという認識で良いのでしょうか。
市の庁舎整備検討スケジュール(案)におけるタウンミーティングやパブリックコメントの違いについて教えてください。
議員
市の庁舎整備検討スケジュール(案)では、市長が市庁舎の建て替えについての素案を作って市民の皆様の御意見を聞くのがタウンミーティングであり、市庁舎建て替えの案ができて市議会との議論の前に市民の皆様の御意見を求めて構想策定に反映させようとするのがパブリックコメントとなります。
市民
市庁舎の規模は総務省の基準により建設されることになるのではないかと思います。
市民には旭川市の将来を見据えて建て替える市庁舎はどのようにすべきか示す必要があると思います。この基準には職員や議員の数も含まれております。現在36名の議員がいる議会棟の面積の基準も議員数を根拠として積算されることとなると思いますが、現在の議会棟の面積は広すぎると思っているので、このままを議員側が確保するのではなく有効活用する方法を議員が提案すべきであると思います。
議員
議会棟も含め総務省の基準の状況も確認して市庁舎の規模を検討すべきであるということを御意見として受け止めさせていただきます。(確認結果は、「まとめ」欄の「追記」に掲載。)
市民
市庁舎を建て替えるに当たっては旭川市の将来の人口も考慮してもらいたいと思います。
かつて高校が足りないということで市立の高校を開校しましたが、今では統廃合となった高校も出てきていますので、しっかり将来像を描いて市庁舎の規模を検討してもらいたいと思います。
議員
御指摘のとおりだと思います。これから議論が行われることになりますので、その時には議員一人一人の意見が出されることになると思います。
それぞれの意見があるかもしれませんが、これからの議論の参考にさせていただきたいと思います。
市民
かつて関東大震災後の東京の復興に尽力した後藤新平は100年後を考えて道路の整備を計画したとのことですので、市庁舎も将来を見据えて建て替えてもらいたいと思います。
市庁舎はあくまで司令塔であり、各支所の機能を充実させれば、現在のような中心市街地に建てる必要はないと思います。
議員
御意見の一つは大きい構想を持てということだと思いますし、もう一つは、庁舎の機能を限定し、現在の場所にこだわることはないのではないかということだと思いますので、御意見として受け止めさせていただきます。
市民
市民文化会館も耐震強度の問題から改修されるとのことですが、市庁舎建て替えとの改修の順序はどのようになっていますか。市庁舎の機能の中に文化的な施設を含めてもらいたいと思います。
議員
市民文化会館の大規模改修についての議論はこれから行われることになると思いますので、御意見として受け止めさせていただきます。
市民
市の総合計画においてはコンパクトシティを目指して市内中心部に行政機能を集約するようになっていますが、市庁舎の建て替える場所について議員の皆様の御意見をお聞かせください。
議員
市庁舎の建て替える場所については、現時点で市議会として申し上げることはできません。今後も支所機能を充実させていくことは必要であると考えています。
市民
建て替える市庁舎は省エネルギーやバリアフリーを考慮した施設にしてもらいたいと思います。また、エレベーターの配置についても弱者に配慮してもらいたいと思います。
議員
庁舎に求められるものについて御意見をいただきましたが、これについては、他の市民の皆様の御意見はどうでしょうか。
市民
駐車場を考慮すれば市庁舎は郊外の広い場所に建てる方が良いと思います。高層ではなく2階建てにすればエレベーターも必要ないのではないかと思います。
議員
市民皆様の利便性を考えれば、駐車場についても十分考慮すべきだと考えます。
市民
高齢化になれば公共交通を利用することが多くなるので、市庁舎の建て替えにおいても公共交通機能を重視してもらいたいと思います。高齢者になると自動車を利用しなくなる場合もありますので、併せてコミュニティバスの無料化も検討してもらいたいと思います。
議員
市が国に提案し、認められましたプラチナシティ構想※1というものがありますが、市議会としても今後具体的な点についてきちんと確認していきたいと思います。御意見として受け止めさせていただきます。
※1 用語解説
プラチナシティ構想~ 高齢化・人口減少社会にあって、高齢者をはじめとする誰もが心も体も健康に暮らし、生きがいを見つけることができる都市づくりを目指そうとするもの。冬期間でも高齢者等が安心して移動できる中心市街地の整備など、健康と食を柱とした8項目で構成されている。
市民
市庁舎の建て替える場所は公共交通の便を考慮してもらいたいと思います。
議員
交通の機能も十分に考慮していただきたいとのことでしたが、これも御意見として受け止めさせていただきます。
市民
市庁舎の機能を検討する場合には市役所で働く職員の意見も聞いてもらいたいと思います。特に、託児所を含め女性が働きやすい機能を十分に考慮しもらいたいと思います。
市民の多様な御意見を聞いて、市民のニーズを全てかなえる市庁舎にしてもらいたいと思います。
議員
女性が働きやすいように市庁舎内に託児所を設置することは、私も大賛成です。
しかし、市民の皆様のニーズを全てかなえる市庁舎にすることは難しいと思います。
あらゆる機能を実現するためには財源も問題になりますし、将来人口が減少することも考慮した市庁舎にすべきであると市民の皆様も考えていると思います。
市民
総合庁舎の歴史的価値や観光的な観点から市庁舎の建て替えに反対する議員はいませんか。小樽運河のように歴史的な建物は、今建て替えを判断するのではなく、将来のためにそのまま残しておくべきではないかと思います。
議員
総合庁舎の歴史的価値については認識しておりますが、歴史的建築物として保存するのではなく、市庁舎として引き続き使用する場合には、災害時における防災拠点としての機能を果たさなければなりませんので、その場合は、建て替えではなく耐震補強すべきであると思いますが、貴重な御意見として受け止めさせていただきます。
市民
市庁舎を建てる場所をまず決めてもらいたいと思います。中心市街地活性化という観点からも、買物公園の中に世界的に注目されるような素晴らしい市庁舎を建設してもらいたいと思います。
議員
市庁舎の建て替えについても中心市街地活性化を考慮するという御意見には賛同いたします。将来は更なる情報化社会の発展により、市民の皆様が直接市庁舎に来る機会が減少することも見据えながら場所や規模を検討すべきと思います。
議員
行政視察した長岡市の市庁舎は駅前に文化施設を併設して建設されていましたが、高層化ではなく人の流れを作るためにあえて市庁舎の機能を市内の空きビル等を使用して分散させていました。視察前は、市庁舎の機能は1か所に集中させた方がよいと考えていましたが、そうではない方法もあると参考になりました。
市民
高額の賃貸料を払い続けている状況を考えればもっと早く市庁舎を建て替えるべきだったのではないかと思います。
議員
市庁舎の建て替えについては平成8年か9年頃から議員が市議会で質問をしていましたが、建て替えの判断は、最終的には市長がすることになります。今回耐震強度が問題となり、ようやく重い腰を上げることになりました。
市民
財源の問題はあるが、現在の場所に分散した機能を集約して耐震強度のある市庁舎を建設してもらいたいと思います。
議員
財政の問題については、かなり前からあった訳でございまして、庁舎建て替えのための積立金もなかなか積み立てられなかったということもございましたので、その点も御理解していただいた上での御意見だと思いますので、受け止めさせていただきます。
市民
観光面を重視して、バスセンターや物流センターを併設させたランドマーク的でシンボルとなるような市庁舎を建ててもらいたいと思います。
議員
観光、交通を含めての御提起だと思いますので、御意見として受け止めさせていただきます。
市民
高台小学校の建設にPFI方式※2を採用したように民間の資金を活用して市庁舎を建設してはどうかと思います。
※2 用語解説
PFI方式~PFI(Private Finance Initiative)の略。公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金や経営能力及び技術的能力等のノウハウを活用し、効率的で良質な公共サービスを提供しようとするもの。
議員
PFI方式にも利点と欠点があります。利点としては高額な建設費用を賃貸料として長期間均等に支払うことにより年度毎の市の負担が軽減されます。更に、行政で建てると割高になりますが、民間が建てると市場競争が働いて総事業費そのものが圧縮できることが上げられます。
欠点としては、固定資産税は市に入るわけですが賃貸料と相殺される訳であり、平準化した分だけ民間業者は金融機関からお金を借りますから、金融機関の金利に見合った分だけ賃貸料に上乗せされることになります。
民間の活用については利点・欠点があり、トータル的に節減になるかどうか疑問も出されていますので、今後さらに検討する課題であると認識しています。
市民
旭川でしか見られないオンリーワンの市庁舎を目指してもらいたいです。
また、市の会議等に参加している有識者と呼ばれている人の中には、本当に旭川のことを考えているように思えない人もいるので、地域のことを良くわかる人に有識者になってもらって市庁舎建て替えの議論に参加してもらいたいと思います。
議員
大変参考となる御意見です。新しい庁舎には、斬新的な発想は必要であると思っています。
有識者の件については、その方々の御意見が本当に旭川のことを考えているのかということも含めて、今後も関心をもって行きたいと考えております。
市民
市庁舎の建て替えについてはやはり財源の確保が大きな課題であると思います。財源を確保するためにも生活保護費の不正受給にメスを入れてもらいたいと思います。
議員
現在市庁舎建設のための基金として約13億円積み上げました。2万平方メートル約80億円という試算もありますが、人件費や資材費の高騰などもあり建設費がさらに上積みになることも懸念されています。
民間の資金を活用した手法としてPFI方式やリースバック方式※3を検討したり、機能面でも市の行政機能だけでなく民間の経済団体や融資団体も入れた複合的な施設にすることも検討されているようです。
財源についても国からの様々な補助金を活用することも考えられます。
また、生活保護費の歳出については約200億円ですが、市としての歳出は4分の1の約50億円ですが、生活保護者が少しづつ自立できるように支援のプログラムを実施しているところですので御理解いただきたいと思います。
※3 用語解説
リースバック方式~民間事業者(リース事業者)が資金調達や設計を含めて施設の建設を行い、賃貸借契約を締結し公共団体がリース料及び維持管理料を支払い、リース期間終了後に施設所有権が公共団体に無償で移転(リースバック)する手法。リース料が均等であるため、支出の平準化を図ることができるほか、PFI方式と比較して民間事業者の選定プロセスが簡略化できることが多い。
市民
意見交換に参加している市民の皆様は旭川に愛をもっている方々だと思います。市庁舎の建て替えを起爆剤として旭川の再開発を考えてもらいたいですし、財源についても国からの補助金を大いに活用してもらいたいと思います。
議員
旭川が良くなってほしいという気持ちは一緒だと思います。
庁舎建て替えを起爆剤としてみんなで知恵を出してやろうという御意見のとおりだと思いますので、受け止めさせていただきます。
まとめ
当班は、総務常任委員会の委員による班構成となっており、テーマについては、「市庁舎建て替えについて~市民が新庁舎に求めるもの~」として、意見交換を行いました。
日程は、週末の金曜日、夜間と設定しましたので、参加状況について少し心配もありましたが、20名の市民の皆様の御参加をいただくことができました。
当班では、参加した市民の皆様に解かりやすい意見交換会とするため、配付資料のほかスクリーンを使用した説明も行いましたが、これは、当日の活発な意見交換につながったのではないかと考えております。
市民の皆様からは、防災の観点から建て替えを行うべきとの意見や、文化財としての視点から市庁舎を残すべきだとの意見など、限られた時間ではありましたが、様々な視点からの貴重な御意見をいただくことができました。
どの御意見も個々の考えに違いはありますが、旭川を愛してやまない「想い」が込められた発言であったと感じました。私たち議員といたしましても、市民の皆様の 御意見やそこに込められた想いを、新庁舎整備における「形」としていけるよう、議会質問や様々な議会活動に取り組んでいきたいと考えております。
最後に、開催に当たり多大なる御理解と御協力をいただきました関係者の皆様に、心から感謝いたしますとともに、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
追記
当日の御意見の中で、後日関係部局に確認した事項について、御紹介いたします。

  • 高層建築の建築基準について

旭川市の高層建築の建築基準の現状についての御意見がございましたが、市内における建築物の高さについては一律の制限はなく、それぞれの土地の容積率や日影規制等の制約によって定められており、建築基準法では建築物の高さ(一般的には20m、31m、60mを境)により安全性を確認する構造計算の方法が詳細になるとのことです。
市庁舎についての耐震基準についてですが、関係部局に確認したところ、官庁施設の総合耐震・津波計画基準では、国の防災拠点施設は、建築基準法で想定する地震力の1.5倍の力についての耐震性を確保することとなっており、市の施設においてもそれを準用しているとのことです。

  • 市庁舎の規模に関する総務省の基準の状況について

担当部局に確認したところ、御指摘の基準とは、総務省による市庁舎の標準的な面積の基準(建設財源としての地方債の対象となる基準面積)のことであると思われますが、これは平成23年度に廃止されているとのことです。旭川市では、この基準を今後も新庁舎建て替えの参考として活用していくとのことです。
また、議会棟の面積が広すぎるとの御指摘については、前述の基準での必要面積に加え、地方自治法で設置が義務付けられております議会図書室や他の必要となる部屋の面積も合せると、現行の議会棟の全面積より更にスペースが必要となるとの積算結 果が出ておりますので、現状が広すぎるということではないということを御理解をいただきたいと思います。しかし、新庁舎建て替えによる議会棟の在り方については、議員側の視点だけではなく市民が利用しやすい議会として、バリアフリーや安全上の 観点なども考慮しつつ、引き続き議論していくことが必要であると考えております。

お問い合わせ先

旭川市議会事務局議会総務課

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