平成30年第2回定例会/意見書案第1号
ライドシェアの推進に対する慎重な審議を求める意見書
政府においては、地域の活力を維持するとともに高齢者が安心して暮らせるよう、医療・福祉・商業等の生活機能の確保を初め、地域住民や交通弱者のための地域公共交通が確保されたコンパクトなまちづくりに取り組んでいるところである。
このような中、規制改革の推進やシェアリングエコノミーの成長を促すという名目で、インターネットを利用した「ライドシェア」と称する自家用自動車を用いた乗合の有償旅客運送の容認を求める動きが活発化しており、平成28年9月からは、過疎地等において主に観光客等を対象にした自家用自動車による非営利の有償運送が可能となった。
超高齢化社会における利用者ニーズの多様化、訪日外国人の増加、IoT環境の加速的な進展などを勘案しての動きではあるが、過疎地域等における高齢者や観光客等の交通手段の維持・確保や利便性の向上につながるといった地域の交通インフラを補うことが期待される一方、こうしたライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないまま、自家用自動車の運転手のみが運送責任を負う形態を前提としているため、安全の確保や利用者保護等の観点について十分検討される必要があることは論をまたないものである。
よって、政府においては、地域公共交通の重要性や地域の取り組み状況に鑑み、現在一部の地域において実施されている高齢者等の交通手段に配慮した特例制度を堅持しつつ、さらなるライドシェアの推進については、慎重な審議を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
旭 川 市 議 会