第5回旭川大学の公立化検討に関する有識者懇談会会議録

情報発信元 公立大学課

最終更新日 2015年8月30日

ページID 062906

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会議概要

日時

平成29年10月17日(火曜日)午後3時00分から午後5時00分

場所

旭川市役所 議会棟 第4委員会室

出席者

  • 参加者8人
    五十嵐、伊藤、大野、大矢、澁谷、長澤、原田、山根(50音順)
  • 事務局5人
    総合政策部政策調整課 黒蕨部長、佐藤次長、上代主幹、森田補佐、尾形

会議の公開・非公開

公開

傍聴者の数

11名

会議資料
(PDF形式)

次第(PDF形式 60キロバイト)

資料1 第4回会議における主な意見(PDF形式 178キロバイト)

資料2 第3・4回会議における主な意見(PDF形式 213キロバイト)

資料3 懇談会での意見を踏まえた大学像に関わる主な論点(PDF形式 464キロバイト)

資料4 懇談会での意見を踏まえた学部・学科の見直し、ものづくり系学部案に関わる主な論点(PDF形式 162キロバイト)

資料5 旭川大学をベースとした公立大学の設置に関するアンケート調査の実施について(案)(PDF形式 338キロバイト)

資料6 高校卒業後の進路等に関するアンケート調査の実施について(案)(PDF形式 230キロバイト)

会議内容(要旨)

1開会

2 議事

(1)旭川大学をベースにした公立大学化について

事務局から資料1~4について概要を説明。

(参加者)

 私はものづくり系の立場でこの会議に臨んでいるが、保健福祉学部や短期大学部については、あまり議論されなかったように思う。それは特に問題がないということなのか、どう解釈したらよろしいか。

(事務局)

 第3回の懇談会において、既存の学部学科の見直しについての議論の際に意見を拾わせていただいており、保健福祉学部については資料4に論点をまとめて記載させていただいている。

(参加者)

 大学の使命という大きな点が保健福祉学部にもかかってくる。そうすれば大きな方向が示せると思う。

 資料3の「大学の使命」の中で、「学びの場」、「能力を培う場」であると書かれているが、大学は学生の学びの場でもあると共に、先生や学生も含めて研究の場でもある。そうしたことがキーワードとして入っていない。大学をつくる目的を問われたとき、「良い学生を育てたい」にまず話が行ってしまうが、良い学生を育てるには、良い研究があり、良い研究者と学生とのやりとりがあって良い大学になる。ここでは「学び」が強調されているが、研究というのは世の中で未だ明らかにされていないことを発見したり、理論を構築することである。既存の知識などをただ受け売りするのではなく、新しい事実をそこで発見する、それが大学の先生に最も要求されている仕事だと思う。その部分が「大学の使命」にないので、加えたい。

(事務局)

 教育、研究、地域貢献というのは大きな柱と言われている中で、研究という視点がこちらの整理の中では欠けている部分であるため、最終の整理の段階で検討したい。

(参加者)

 3つの要素はよく言われるが、私は、人材育成のための研究であり、教育であり、社会貢献だと思っている。社会貢献も単独で行っているのではなくて、学生に社会貢献を経験させることで、学びを進めていくという側面がある。研究で支えられないと人材育成はできないし、最先端の研究でもって教育していかないといけないので、「グローバル」であるとか「世界の」というキーワードに研究という要素が入っていると理解している。勿論研究という要素は必須であると思う。

 資料を見ていて、ものづくりのデザインだけではなくて、ことづくりやひとづくりにもデザインの要素があると改めて理解を深めたところであるが、ことづくりのデザインというのは、イノベーションもそうだが、文理融合など従来の専門分野を複合的に集めたところから生まれてくるのではないかと理解した。そうすると、旭川大学にある経済学部や社会福祉学部を、デザインと一緒に融合させていくことで大学の理念につながるのではないか。旭川大学に現存している学部の考え方にデザイン学科を加えるのではなくて、融合したカリキュラムを作っていこうとすると、これを旭川大学としてどう考えるのか、今の経済学部の先生方がどう考えているのかも聞いていかないと、勝手にこちらで作り上げても、どこかで議論しなければならないと思う。その辺り、今後どのような予定なのか。新しい全く別のデザイン学科なのか文理融合型なのか。

(参加者)

 ものづくり系を経済学系と一緒にした考え方が大学から出ていて、一方で経済とものづくり、デザインとは違うという話も前回出ていた。経済学にしても保健福祉にしても、学ぶべき型、基礎というものがあると思う。型がきちんと学べていないと応用ができないので、基礎研究としての型は必要だが、その上にイノベーションをやっていこうとすると、型をベースにしないとそれを破ることはできないので、そのためには学際研究が必要になってくるのだと思う。私が考えていたのは、学際の単位をつくっていただいて、学生が他の分野の学生と学んだり研究できる単位があると、それぞれの学生にとってのイノベーションが生まれるという期待があること。現在北大の新渡戸カレッジでは、目指すのはグローバル人材の養成であるが、地域課題も一緒に勉強する。学生達がすべての学部から来ているので、相当違う価値観を勉強できる。それを指導するのがフェローと呼ばれる学外の同窓生で、大学の教員と一緒にやるが、大学の先生にとっても外から別の視点を持った人が入ってきて一緒に学ぶ場を作るというのは、かなり勉強になるということもある。大学側がどう考えるかということもあるかもしれないが、この場の提案として、イノベーションの場というのを大学の中に、カリキュラムとして組み込むというのはどうだろうか。

(参加者)

 今出た意見については、私も基本的には賛成である。旭川大学全体として魅力的になってほしいし、そのためには経済学部自身も変わってほしい。その場合、前にも言ったが、ものづくり系とかデザイン系ができること自体は望ましいが、もしそれが独立した学部で、経済系や福祉系の学部と並存してしまうと、あまり相互交流が活発では無くなるだろうと思うので、既存学部は変わりにくい。やはり相互に影響を与え合い、全体として大きく変わってほしい。先程も話に出たが、旭川大学自体の先生方はどうお考えなのかというところが私も気になっていて、以前理事長が来て説明したときに、積極的に変わろうという案が出てきた。あれは経済学部そのままではなくて、経営学部的実践性を前に出し、その次のステップが地域に足場を置いた地域政策学部であった。しかしこれはまだ社会科学であろうと思われる。さらに地域政策学部を地域デザイン学部に持っていくというのが最終形で、それは従来の経済学部とか社会科学系の学部とは様相が異なり、色々なものを包括できるような地域デザインという言葉を持ってきている。そうすると、例えば社会福祉も入ってこれるのではないか。もし旭川大学自身がその方向性を取り得るのであれば、それらを一つの学科にして、他方でデザイン、ものづくり、イノベーションデザインといった学科を新設すれば、相互交流もしやすくなり、全体的に魅力的になるのではないかと思う。

 そもそも論になってしまうが、もともと旭川大学をなんとか支えようという話ではなくて、地域にどういう魅力的な大学をつくるか、その必要があるのかという話であったと思う。3年程前であったと思うが、総務省の増田レポートの中で、地方が消滅してしまうということが言われた。これから先、毎年100万人規模で日本の人口が減っていき、他方で東京だけは毎年10万人以上の若者が集まってきて、間違いなく地方が消滅するという衝撃的な内容であったかと思う。では地方をどう再生するのかというと、それには大学が決定的に重要というメッセージが入っていたように思う。その点からすると、旭川でも、地方の個性や特性を魅力的にして、若者をたくさん集められるようになり、活性化する、そのように上手くいってほしいと思う。その場合、繰り返しになるが、旭川大学自体が既存のものから変わっていかないといけない。大学内部で相互に影響を及ぼし得るような、文理融合であるとか、そうした芽は植え込んでいく必要があると思う。

(事務局)

 それぞれの大学も時代に合わせて学科を再編されていると思うので、旭川大学にとっても、こうした社会情勢のなかでは非常に良いチャンスと受け止めてもらえれば大変ありがたい。

(参加者)

 資料3と資料4について、どちらも「創造力と連携する力を~」を引用している部分があるが、資料3があとから差し替えが送られて、右側の中段、人材育成のところの「創造力と連携する力」が、「まちづくりや社会の課題などを解決していくための多様な力」に変わっていた。資料4ではそのまま使われているが、これはどういう意味があるのか。

(事務局)

 使い分けているわけではない。差し替え前の人材育成のところで、「創造力と連携する力」という表現が唐突であり、意図するところが伝わらないのではないかということから、分かりやすいように噛み砕いて説明させてもらったところであり、イメージしているものは基本的に変わってはいない。

(参加者)

 資料3の差し替え版だと「連携して解決する力」ではなくて、多様な「解決する力」を育成するというイメージになる。ここで言っているのは、人と他と連携していく力というイメージだと思うが、どちらもということであるならば、「連携してまちづくりや社会の課題などを解決する力」というようにした方が良いと思う。

(事務局)

 大学像のところに手法的なことを書くとわかりにくいというところからはじまったものであるが、根底は同じである。

(参加者)

 「相互交流」や「学際的な」という話が出た。これは多くの大学で始めているが、学生が他学部・他学科の授業を自由にとることができる仕組、システムもそのひとつである。そのためにはコーディネーター、相談役が必要であるが、壁を越えて履修できることは相互交流につながると思う。この段階では「連携」「学際的」という言葉だけでも良いかもしれないが、学生がほかの学科の授業も取れるというシステムを示せば具体な説明になると思う。しかし、各々の専門や技術の修得にはステップがあり、基礎部分なくして高度な授業を受けても理解しにくいので、実際に展開する場合は、学ぶ段階を踏むことが必要である。

 もう一つは、「ことづくり」も「ものづくり」も、高度な社会の要求に対してのチャレンジであり、そうした姿勢を地域の文化とすることが大学の役割であると思う。資料3の社会貢献のところで、「地域特性を踏まえ活用していくことが必要」と書かれているが、これは「地域特性を踏まえ、大学が地域を向上し続けるための中核になることが必要」ということだと思う。ただ活用していくということではわかりにくい。もちろん企業や個人の努力が相俟って地域が向上するのだが、大学が一つの中核になるという位置づけを、はっきり書くのがよいと思う。

(参加者)

 「学際」というキーワードはとても大事であるが、カリキュラムとして用意しないと、先程言われたとおり、何を履修すればいいかわからないということでは困る。宇都宮大学もそうだが、教育組織と教員組織を分けるという「教教分離」という手法は賛否両論ある。カリキュラムはつくるが、教える先生は色々な学部学科からやってくるというもので、帯広畜産大学の場合は、解剖学を教えるのは従来畜産の先生であったところが、獣医の先生が教える。ただし研究組織は従来のままで、カリキュラムを行ったり来たりする。そうすると、苦肉の策であるが先生のコストも安くなる。そうしたことで学際教育も可能となる。経済学部の先生は専門性を大きく変えられないと思うので、意識だけ変えてもらって、学際教育をやるということを納得してもらえれば、従来の専門性は大きく変えなくてもやれると思う。改革すると言っても、専門性を変えるわけではなくて、従来のところから少し変革するイメージでいいと思う。旭川大学に提案するときには、色々な手法をご存じだとは思うが、教育組織と教員組織を分けて考えるということも必要だと思う。

(参加者)

 「多様な力」とあるが、何の力であるかわからなくなってしまう。この大学で身につけられる力というものを整理していただいた方が良い。どの学問にも共通で、「洞察力」「分析する力」「解決策を見つける力」「それを表現する力」「連携する力」と大体この5つくらいかとは思うが、一度定義した方が良いと思う。学問や研究には必ず必要な力というものがあって、その上で「協働する」であるとか「外とつながる」ということが+αであるという表現の方が、新しい旭川大学のイメージではないかと思う。

(参加者)

 有識者の会議なので様々な意見があって良いが、話の幅が広くなりすぎているのではないかと思う。具体的な大学づくりの話まで行ってしまっている気がするので、目指す大学全体の意見を出し合う方に集約した方が良いと思う。もう一つ、先程あったとおり、この会議の原点は魅力ある大学をつくるということで、この魅力というのは地域の人たち、それから地域の高校生にとって、また高校生の親にとって魅力ある大学を如何につくるかということが、この懇談会の原点であると思う。最初の段階で、この会議は旭川大学の公立化ありきなのかと確認したところ、そうではないと言われた。だが、今回までの流れは旭川大学の公立化ありきの話で進んでいる気がする。旭川市の客観的な財政状況も知っているので、私は旭川大学の公立化で良いと思うが、一市民として、旭川市民にとって魅力ある大学になるのかが心配である。もし旭川大学の公立化がやむなしということになるならば、例えば学部改編は大胆にやっていかないと、今度できるであろう公立大学が、地域の期待に応える、あるいは地域の高校生に多くの選択肢を与える大学にはならないのではないかということが心配である。先程から挙がっている、学際的であるとか文理融合であるとか、理念としては素晴らしいと思う。ただ、高校生やその保護者にとって、曖昧であるといったら語弊があるが、学部設定によっては選択肢になりにくいのではないか。学部間の相互交流は良いと思うが、高校側からすると、高校生に選択肢を与えるという点では難しいと思う。

 ものづくり系学部については、素晴らしい学部だと思うし、是非来る公立大学に組み入れるべきだと思う。ただ、ものづくり大学で終わってしまっては駄目だと思う。様々な高校生の選択肢に応えるというのが公立大学の役割だと思うので、学部の改編については、旭川大学に相当な、身を切る努力が求められると思う。先程あった福祉系の学部についても、今後は存続が難しいのではないかと思うし、公立化という方向で進むのであれば、旭川大学に大胆な改革を求めていかなければならないと思う。

(参加者)

 原点に立ち返って、大学を改革して外から人を呼んできて、旭川や近郊の豊かな資源・人材を残していくという観点で考えると、入っていただく学生にとって魅力のある情報発信、イメージ発信が非常に重要であると思う。例えばデザイン学部あるいはデザイン学科という言葉があれば、人によっては芸術的なものをイメージして、中身をよく見ないまま判断する人もいると思うので、言葉の表現のイメージ的な部分は非常に影響を与えるのではないかと思う。

 一方で、基礎学力の維持も絶対必要だと思っていて、例えば保健系の学部も必要であり、そういったものは専門性の確保は必要である。融合するときのイメージを考えてみたが、例えば経済学部にデザインのカリキュラムを一緒に取ったときは家具メーカーに就職するのかなど、そうしたいくつかの出口のイメージを持つと発信力に繋がるのではないかと思う。

(参加者)

 旭川大学をベースとした公立大学の設置について、発言が旭川大学と市のどちらに向かって言っているのか曖昧なままだった。もし旭川大学をベースとするのであれば、今の旭川大学にもっと変わってほしいという、旭川大学に向かって言うことが一つあって、旭川市に対しても、旭川市に公立大学をつくるとするならこれくらいの大学が欲しいという、市に向かっての意見があったと思う。

 一つ気になっていることがあって、経済学部が既存のまま移行するのは不十分であるというのはどういう意味か。

(事務局)

 現状の経済学部は定員充足率が80%程度だが、カリキュラムの充実などにより、魅力的な大学につながると考えており、その結果が定員充足率を上げるというところにつながると考えている。

(参加者)

 私自身は従来の経済学部でも重要な意味を持ち続ける学部だと思っている。ただ、旭川大学の経済学部をそのままの形で市が支えるとなれば、色々反対論が出てくるであろうということである。そうなると経済学部は変わらなければならない。理事長が自分で言っていたように、地域に密着して課題を解決していく学生を育てるという話であれば大きな変化だと思う。

 もう一つ、文理融合は難しい課題であるが、今色々な大学が模索している。内容としてはT型人材と言って、総合的で広い知見をT字の横棒で表し、かつ専門的で深い知見を縦棒で表し、両方を兼ね備えた人材を育成することが大事だという視点である。現在の社会が複合性を強めているなか、たこつぼ型の勉強だけでは、あまり社会に出ても活躍できない。例えば、文系の学生が銀行に勤めても今は金融工学や農業金融が必要となる。また工学系の学生においても、テクノロジーに関心を持つ優秀な学生がいても、社会のあり様には全然関心を持たないケースがある。そうなると起業どころか、自分の専門を磨いてもそれが社会の中でどのような可能性を持つのか、社会の仕組みがどうなっていて、そこでどういう役割を持ちうるか、そしてどう活用していくのかということになかなか目がいかない。こうした工学系の学生には、社会科学や経済学、経営学、マーケティングなどが必要であろう。また、技術系の学生には知財論など法律系のことも教えていく必要があるだろう。そうすることで学生の視野が広がり、様々なことに目利きができるようになる。学生にとっては重たい課題になってくるが、社会なり経済・産業なりが非常に複合的になっている現在、専門性を追究するということ自体は大事だが、それと同時にもっと幅広い裾野を持ち、異分野にも目利きできるようなT型人材が求められる。

(参加者)

 今発言のあったことは書いても良いと思う。基本的な考え方については皆良いと思うが、こうした視点をもった大学をつくる、というように具体的なことも書いた方が良い。

(参加者)

 経済学部だけではなくて、全ての学部で考え方を変えていかないと、国立も私立も全ての大学はこの先立ち行かなくなる。

(参加者)

 旭川大学の説明でわからなかったのは、こういうことを教えていますというだけで、今の経済学では何が一番問題となっているかという話がなかった。これだけでは私は不安になる。福祉も同様で、今の福祉において何が問題なのかという認識を持って、そこを研究して教えるとか、学生に考えさせるという視点がないと、福祉は高齢化しているからこれからも十分重要であるという話では駄目ではないか。例えば、患者の立場と介護の立場の食い違い、コミュニケーションがとれないであるとか、何が問題かの具体例がないとイメージが湧かない。福祉の分野で経営や経済の観点からもっと改善していかなければならないとかが出てこないと、経済学部にしても福祉学部にしても目指す方向がわかりにくい。ものづくり系の場合は、大量生産の時代は続くけれども、少量生産の地域独特のものづくりも重要であると述べ、これを新しい課題と位置づけている。学問や世間が忘れかけていた、置き去りにしてきたことに、旭川の大学だからということで注目しているのである。それに相当するような、経済学、福祉学の問題を、これから市と旭川大学とのやりとりを通じて明らかにし、テーマを明示してほしい。

(参加者)

 経済学部、あるいは社会科学に対する学問の価値についてはまったく否定しない。ただ、今我々がつくろうとしている大学については、社会科学系の学部は必要無いのではないかと思っている。というのは、北海道の公立大学で社会科学を学べる大学というのは結構あって、私立を含めると膨大な数になるが、理学系統のものは全くない。ただ、理学部を新たにつくるとなるとそれは現実的に難しいと思っていて、この地域に理学部と同じくらい必要なのは、歴史や文学、哲学を学ぶ人文科学系統の学部ではないかと思う。勿論、コミュニケーションや言語、英語といった学部でも良いと思うが、そうした人文科学系統の学部は実は北海道の国公立大学の中では、教育大を別として北海道大学しかない。旭川市の子ども達に選択肢を与える点においては、本州まで行かなくても北海道で学べるという視点が絶対に必要ではないかと思う。そうした意味で、社会科学は必要無いという意味ではなく人文科学が必要で、その中でしっかり教養教育が学べる大学が必要だと思っている。

 先程英語を学ぶではなくて英語で学ぶという話があって、秋田の国際教養大学はその典型であるが、そうではなくて英語をしっかり学べる大学をつくるべきではないか。コミュニケーションというのはこれから非常に大きなキーワードになってくるので、そういうことをしっかり学べる大学を、北海道のこの地域につくる必要があるのではと思う。今度市民アンケートで高校生にも調査すると思うが、その中で本当のところはどうなのかはわからないが、人文科学を学ぶ場は北海道は極めて少ないので、この地域につくるしかないのではないかと思う。

(参加者)

 経済とものづくりがどう融合するかという話で、旭川の東海大学を卒業したあと、札幌のデザイン専門学校を卒業して札幌でデザイナーをやっている方は、北海道の企業のブランディングをかなり手がけている。従来のデザイナーの仕事は、グラフィックデザインであるので、ポスターやカタログを作るなどの制作業務がメインだったが、ここ10年くらいはもう一段階上の、コンテンツやマーチャンダイジングの計画作成などを企業から求められてきており、さらに今はブランディング、経営戦略やマネジメントといったところも求められてきている。コンセプトをつくるところから、経営者と一緒にやっていくという仕事が増えているので、イノベーションというキーワードは経営経済とデザインはかなりリンクするところがあると思う。コミュニティ福祉の方も、新たな福祉機器の視点にはデザインが必ず入ってくるので、福祉・看護・介護の方とも何か共同で生み出せるものがあると思う。

(参加者)

 地元の高校生が目指す大学づくりというのは非常に大事な観点であると思うが、全部用意するわけにはいかないと思う。最終的に、地元にどんどん根付いてくれるような人材を育ててほしい。それは地元から入ってきて地元に残るということでも良いが、全国的に集まってきて、旭川が気に入ってそこに住んでというふうになるのが理想的である。そうした魅力のある大学でないといけないと思うし、そこが定着率に繋がってくると思う。

(参加者)

 私が言いたいのは、国公立で社会科学系は道内いくつもあるが、人文科学系は北大に行くしかない。それが旭川にあると、札幌でも旭川でも釧路でも、北海道の子ども達は北大に行かなくても、旭川の公立大学を目指そうという子どもが出てくると思う。全ての高校生のニーズに応える大学というのはそれこそ北大ぐらいの規模でなければ難しいと思う。ただ、北海道に不足している分野、ものづくり系の学部に加えて、求められている学部を旭川につくることで、既存の看護とあわせて3つくらいの学部の規模があれば良いと思う。そうすることで地域や北海道内だけでなく、ものづくり系学部があることで全国あるいは世界から学生が集まる大学となると思うし、それが望ましい新しい旭川の公立大学の姿だと思う。

(2)市民アンケート調査の内容について

事務局から資料5~6について概要を説明。

(参加者)

 資料6について、今日議論にあったような、専門の学部もそうだが、加えて学際的な、他学部との交流に関心があるかというような設問が問6の次くらいにあると、専門+αの部分が聞けると思う。

(参加者)

 選択肢の中で、「あなたが進みたい学部を1つお選びください」となっているが、1つ選んでしまうと学際の部分が拾えないのではないか。

(事務局)

 今言われた話は設問に反映したいと思うので、工夫させていただきたい。

(参加者)

 学際にも関係するが、視野を広くするという意味で、海外留学ができるというのも追加してはどうか。

(参加者)

 資料6のQ6で、分野の分け方は以前のアンケートと同じということか。農学と獣医学・畜産学の分け方や、医学・歯学について高校生はこれでわかるか。

(参加者)

 理学と工学も相当違うと思う。

(参加者)

 Q13について、選択肢9の娯楽業もプロスポーツ選手・芸能人などとなっているが、これで良いのか。

(参加者)

 選択肢2の建設業と製造業を一緒にしてしまうのも乱暴だと思う。

(事務局)

 平成25年度に実施したアンケート結果と比較するため、踏襲した方が良いと思っていたが、御指摘の部分は分解して整理したいと思う。

(参加者)

 アンケートの対象が市民と高校生とのことだが、市民はどういう方法で、どういった人たちなのか。

(事務局)

 人口の比率に合わせて年代ごとに無作為抽出した3、000人の市民を対象とし、返信用封筒を同封して郵送でお送りする。高校生の方は、市内の全日制高校の2年生全員を対象とする。

(参加者)

 要望であるが、高校の先生方の意見も聞いてほしいと思う。

(参加者)

 旭川の公立大学ならではのものが、このアンケートから読み取れるようにはなっていないと思う。従来の学部のどれが良いかというような聞き方になっていないか。全く新しい発想の、経済とデザインを融合したというものがここから読み取れれば良いと思う。

(事務局)

 ものづくり系学部の案について、あまり専門的な用語を使わずに表現したところである。

(参加者)

 学部名をあまり細かくすると、その先が必ずしもイメージと違う可能性がある。このように学部名・学科名で出す方法もあると思うが、「まとめる仕事がしたい」であるとか、「ある専門で地道にやりたい」であるとか、学部名では表しきれないようなイメージもあるので、それをアンケートでくみ取るのは大変だと思うが、少しでもわかるような方向でつくっていただくと良いと思う。

(参加者)

 Q10の「1.なる」「2.ならない」の「学びたい学問分野があるから」のところで学問分野を書いてもらったらどうか。

(参加者)

 市民向けのアンケートのものづくり系学部の案について、別紙の資料に書かれている内容について問うのか。決まってない中では書きようもないと思うが、抽象的でよくわからない。イノベーションデザイン学科という言葉すら使わないのか。

(参加者)

 職業訓練的なものづくりの連想してしまう可能性はある。

(参加者)

 違った捉え方を市民にされてしまう可能性はあると思う。

(事務局)

 案や仮称などの表現で修正する。

(参加者)

 アンケートの前文などに、「今までにないイノベーションデザイン(仮称)に関する大学の設置を検討しており」など加えてはどうか。イノベーションデザインと言われてもわからないと思うが、新しい分野だというイメージを持ってもらえれば良いと思う。

(参加者)

 若い人は感覚的に捉えてしまうが、結構理解はしてくれると思う。

(事務局)

 前文に多くは書けないので、別紙の参考資料の方にものづくり系学部の案を噛み砕いた言葉で表現したい。

(参加者)

 ただ、この資料に書かれている内容は、私はまさにイノベーションデザインそのものだと思う。

(事務局)

 伝え方は工夫していきたい。

(参加者)

 最初この資料を見たとき、旭川大学の現状がとても大きく取ってあるが、ここまで詳しくいるのだろうか。むしろ新しいものづくりの構想の情報を入れた方が良いのでは。

(参加者)

 Q6の進学を希望する学部学科のところでデザインはどこに入るのか。芸術・美術か、それとも工学なのか。

(参加者)

 工学にも芸術・美術にもデザインは入っている。ただ高校生の受験からすると、この中から選ぶというのが現実になっているのは確かである。

(事務局)

 資料5、6ともに検討させていただきたい。

3 その他

 次回は、懇談会での意見集約の経過を整理した報告書素案の確認のほか、アンケート集計結果の報告を予定。日程については、アンケートの集計状況を踏まえながら、別途調整する予定。

4 閉会 

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