ASAHIKAWA 100 PRIDE 最新号
株式会社アルブロ
貴重な鋳物の技術で地域貢献する町工場
オール旭川で取り組む「まちに残る仕事」。技術継承も全力!
銅像をはじめ、橋の名やいわれを記した「橋名板」(きょうめいばん)、「橋歴板」(きょうれきばん)、街灯の根元を覆う飾りの「袴」などなど。これら銅やアルミニウムなどの金属を鋳造(ちゅうぞう)する「鋳物」(いもの)は、1300年前の「奈良の大仏」などの仏像と基本的には同じ工法。人類史において長い歴史を持つ、いつの時代も生活に欠かせない技術です。
株式会社アルブロ(神楽5の2)は昭和41年創業。この分野で60年近くも操業する老舗で、現在の古里滋康(ふるさとしげやす)社長は3代目。旭川では、というより北海道でもあまり多くない鋳物工場で、高品質な製品を生産し、市内のみならず全国に顧客を持つ町工場です。
評判が全国に広まった理由について、古里社長はこう語ります。「ウチはデザインから制作まで一貫体制でやってます。そのためお客様のご要望を細かいところまでしっかり承り、短納期で納品できるのが、評価をいただいている部分かなと思っています」。
1200度もの高温で金属を溶かし、型に流し込んで製品にする鋳物。取材に伺ったこの日は銅を溶かしており、炉から勢いよく立ち上るのは、銅と反応した緑色や黄色のまるで花火のような炎。その美しさについつい目を奪われます。灼熱の中、職人さんたちが息の合ったチームプレーを見せる工場内で、古里社長に会社の方針を伺いました。
「市内の若い人を積極的に採用しています。僕自身、子どもの頃からここで職人さんの仕事を見て育ち、入社した時には仕事を教えてもらいました。その方たちは今も工場で活躍していて尊敬しています。そのように技術や人を継承して地元旭川に恩返しすることも、当社の使命と考えています」。
貴重な技術を地元に継承し、旭川の鋳物の伝統を繋いでいく。これがアルブロの社是でもあり、実際にベテランと若い職人さんがワンチームで生き生きと働く現場には、金属を溶かす温度以上の熱い魂を感じました。
ちなみに一風変わった「アルブロ」という社名は、お父様の一朗会長(先代社長)の代に命名されたそう。創業時は「冨士砲金工場」という社名でしたが、古里社長は「鋳造に使う『アルミニウム』と『銅(ブロンズ)』でアルブロです。シンプルでしょ」と、爽やかな笑顔で教えてくれました。
製品は主に建築や土木工事用で専門性が強く、アルブロ製品と一目でわかるものは少ないのですが、市内で気軽に見られるものだとクリスタル橋や氷点橋、両神橋の橋名板・橋歴板があります。ほか本州の有名テーマパークなどでも、同社の製品が使われています。
そんなこともあってか古里社長は「個人のお客様にも当社を知っていただきたく、『神座』(かみくら)というブランドを立ち上げました。名前は会社のある神楽地区から名付けて、現在は錫(すず)製タンブラーや食器をラインアップしています」といいます。
高度な技術で、貴重な100%錫(すず)を鋳造する鋳物のタンブラー類。エッジの効いた高級感あるデザイン。手のひらに感じる重み。そして無垢の錫ならではの、ざらっとした心地よい手触りと口当たりがたまりません。何よりも金属イオンの効果で飲み物がまろやかになり、一段と美味しくなると評判の逸品です。
贈答用にも人気の「神座」製品を、今回はなんと、「こうほう旭川市民」あさひばし8月号「クイズに答えてプレゼントを当てよう!」コーナー(本誌28p)で、抽選で10人にプレゼントします!応募方法や締切りにご注意のうえ、ご応募ください。たくさんのご応募をお待ちしています。
クイズに答えてプレゼントを当てよう!
こちらから応募できます。(新しいウインドウが開きます)
応募期日は8月末日です。
取材時の様子をYouTubeで公開中!
※画像をクリックするとYouTubeのリンクが開きます
結び
あさひばしでは、ASAHIKAWA 100 PRIDEを不定期連載しています。
旭川の良いところをみんなに広めよう!