旭川市商店街の活性化に関する条例
旭川市では、地域コミュニティの核として重要な役割を果たしている商店街の活性化を図り、地域の発展や市民生活の向上を図るため、「旭川市商店街の活性化に関する条例」を制定し、平成27年12月15日に施行しました。
商店会は、地域に根付き、地域から離れては存続し得ない組織で、身近な買物の場としてだけではなく、祭りやイベントの実施など地域のにぎわいを創出するとともに、防犯・防災、高齢者・子育て支援等の地域課題の解決など、住民が憩い・交流し、安心して生活するための地域コミュニティの核として重要な役割を果たしています。
しかしながら、近年、郊外の大型量販店の出店のほか、車社会の進展やインターネット販売の普及をはじめとした消費者の買物行動の変化など、社会経済環境の変化に伴い、商店街の商店数が減少しており、また、経営者の高齢化や後継者不足、商店会への非加入店舗の増加等により、商店会の弱体化や活力低下が生じ、商店会が本来持つ役割を果たせなくなってきているのが現状です。
商店会が衰退することは、市内の各地域コミュニティの維持・存続についても少なからず影響があり、さらに地域住民の日常の買物の場が失われると、地域住民の暮らしにも影響してきます。
このため、本条例は、市民の皆さんの理解と協力のもと、商店街で事業を営む事業者や商店会をはじめ、関係団体や市がそれぞれの役割のもと連携して商店街の活性化に取り組むことで、地域の発展や市民生活の向上を目指していく内容になっています。
条例の目的
商店街が地域のにぎわいづくり、地域コミュニティの維持及び強化並びに地域住民の利便の確保に果たす役割の重要性に鑑み、商店街の活性化に関する基本理念を定めるとともに、事業者、商店会、経済関係団体、市等の責務を明らかにすることにより、商店街の活性化を図り、もって地域の発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とします。
基本理念
商店街の活性化は、市民の理解及び協力を得て、事業者、商店会、経済関係団体、市等がそれぞれの役割を認識し、協働して推進されなければならないとしています。
用語の定義
商店街とは
小売業、飲食業、サービス業等が集積している地域をいいます。
事業者とは
商店街で事業を営む個人又は法人その他の団体をいいます。
商店会とは
商店街振興組合、商店街振興組合連合会その他商店街の活性化を目的として組織された事業者の団体をいいます。
経済関係団体とは
商工会議所、商工会その他地域経済の振興に関する活動を行う団体をいいます。
事業者、商店会、経済関係団体、市等の責務と市民の理解と協力
事業者の責務
- 事業者は、自らの事業の発展及び魅力の増進に努めるものとします。
- 事業者は、商店会に積極的に加入するよう努めるものとします。
- 事業者は、商店会が行う商店街の活性化に関する事業に積極的に参加し、及び協力するよう努めるものとします。
商店会の責務
- 商店会は、商店街の活性化に関する事業を積極的に行うこと等により、魅力ある商店街の形成に努めるものとします。
- 商店会は、市民からの意見の聴取に努めるものとします。
- 商店会は、商店会の会員の増員、商店会の相互の連携その他その組織の基盤を強化するための活動を行うよう努めるものとします。
経済関係団体の責務
- 経済関係団体は、事業者に対する経営の指導、経営に関する情報の収集及び提供並びに事業者との共同事業の実施等を通じて、商店街の活性化に努めるものとします。
大型店設置者の責務
- 大型店設置者は、当該店舗が地域において果たし得る役割を理解し、地域の発展に資する活動を自ら又は商店会等と連携して行うよう努めるものとします。
建物所有者等の責務
- 商店街において土地又は建物を事業者に貸し付けている方は、当該事業者が商店会に加入するための支援を行うよう努めるものとします。
市の責務
- 市は、事業者、商店会、経済関係団体、市民等と協働し、商店街の活性化のために必要な施策を推進するよう努めるものとします。
- 市は、商店街に関する情報を収集するよう努めるものとします。
- 市は、商店会が実施する商店街の活性化に関する事業に対して、必要な支援を行うよう努めるものとします。
市民の理解と協力
- 市民は、商店街の活性化が地域の発展及び市民生活の向上に寄与することを理解し、商店会が実施する商店街の活性化に関する事業に協力するよう努めるものとします。
旭川市商店街の活性化に関する条例(PDF形式 59キロバイト)