第75回開催内容

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2016年2月24日

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第75回対話集会の様子

第75回は、「旭川市の総合計画」をテーマとして、東鷹栖中央・東鷹栖東・東鷹栖西・東鷹栖北地区にお住まいの方を始めとする市民等の皆さんと懇談しました。
12人の方が参加し、これからのまちづくりや地域の課題などについて意見交換を行いました。

日時など

日時

平成26年4月24日(木曜日) 午後6時30分から午後8時まで

場所

旭川市東鷹栖公民館 2階 会議室
(旭川市東鷹栖4条3丁目)

出席者

  • 旭川市長 西川将人
  • 市民等(12人)

対話の内容

市長あいさつ
市長から「旭川市の総合計画」及び「旭川市まちづくり基本条例」についての説明
意見交換

  1. 近隣町村との合併などについて
  2. 労働集約型の農業について
  3. 町内会について
  4. 地域に住み続けられるまちづくりについて
  5. 総合計画について
  6. 旭川のPRについて
  7. 公共交通について
  8. 住宅建築の基準について
  9. 空き家対策について
  10. 敬老会について

市長お礼のあいさつ

(出席者の意見と市長のコメントについて、まとめたものを掲載します。)

(補足)この対話集会では、スライドを使用した場面があり、文章が分かりづらい部分もあります。

市長あいさつ

本日は、皆様お忙しい中、またお疲れのところ東鷹栖地域の対話集会に御参加いただき誠にありがとうございます。
対話集会は、今回で75回目になりますが、東鷹栖地域は、平成19年10月、平成21年5月に次いで3回目になります。
本日は、旭川市の総合計画をテーマにしておりますので、東鷹栖地域の皆様のほか地域以外の方からも是非いろいろな御意見を頂きたいと思っております。
総合計画は、これまで10年ごとの計画で策定してきており、平成27年度をもって現在の計画が終了します。平成28年度以降の本市の総合計画をこれから約2年かけて策定していく中で、多くの市民の方から御意見を聞かせていただき、それを総合計画の中に生かしていくことを目的に対話集会等を開催させていただいております。

市長あいさつの様子

東鷹栖地域は、農業が基幹産業であり、また高速道路のインターチェンジが近くにありますので、近年は大型バスや大型車両などが多く通行するようになってきています。
また、田んぼアートは市外からも多くの方が見学に来ており、私も何度か見させていただいておりますが、地域を盛り上げる素晴らしい取組であり、皆様方の活動に対して心強く感じているところです。
また、北海道の旧中部耕地出張所が閉鎖になり、その建物に支所、地域包括支援センター、地域のコミュニティスペースを開設しました。地域の皆様には地域づくりや地域活動などに大いに御利用いただきたいと思っております。
市内にはいろいろな地域がありますが、中心市街地では地域のつながりが希薄化してきており、このような状況を何とか食い止めたいと考えておりますので、本日は東鷹栖地域の皆様方からいろいろなアドバイスを頂きたいと思っております。
簡単ではありますが冒頭のあいさつに代えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いします。

市長から「旭川市の総合計画」及び「旭川市まちづくり基本条例」についての説明

市長が説明に使用した資料(PDF形式)はこちらです。

資料(PDF形式 1,267キロバイト)

(市長)

(資料1ページ)
総合計画について説明させていただきます。総合計画は、まちづくりの計画であり、市の中では最上位の計画です。現在の第7次総合計画は、平成18年度から27年度までの10か年で来年度末で計画が終了しますので、平成28年度以降の次期総合計画の策定をこれから進めてまいります。策定を進めるに当たり、多くの市民の皆様と一緒にこの計画を作りあげていきたいと思っております。

(資料2ページ)
それでは、「まちづくり」について皆様と一緒に考えてみたいと思います。私は市長に就任以来、様々な所にお伺いして市民の皆様との対話を続けておりまして、頂いた多くの御意見を市政に反映してまいりました。
まちづくりの現場で活躍されている方々とお話をすると、自分がまちづくりに関わっていることを特に意識をしていない場合がほとんどであり、まちづくりの範囲は非常に幅広く、例えば道路や橋を造ることもまちづくりであり、町内会活動やボランティア活動も、もちろんまちづくりです。また、私ども市役所の仕事もまちづくりの一つであると考えております。

(資料3ページ)
「まちづくり」は決して難しいものではなく、まちづくりに関わる人が協力して一緒にまちを良くしていきたいと思うことが大変重要ですので、まちづくりを多くの方に身近に感じていただきたいと思っております。

(資料4ページ)
東鷹栖地域も同じく、地域のことは地域に住んでいる方が一番分かっていることと思います。それぞれの地域では、地域の課題とか魅力などを熟知されている皆様が自主的に街路に花を植えたり、落ち葉の堆肥化を図ったり、子供の通学時の見守り活動など様々な活動を行っていただいております。
また、平成22年度から地域の様々な団体の横のネットワークを作り、地域の課題解決や魅力の発信を行っていきたいということで、地域まちづくり推進協議会を立ち上げました。平成25年度までは12か所、平成26年度は14か所で協議会を立ち上げて、地域のそれぞれの組織、団体で活動されている皆様の意見交換や地域づくり、地域の将来について話し合っていただくなど協議を進めていただいているところです。このような活動は、地域住民の皆様の地域への愛着や地域をもっと良くしたい、みんなの役に立ちたいという思いから継続していただいており、大変感謝しています。皆様のまちづくりへの思いや地域への愛着、誇りがまちづくりの大きなエネルギーになっていくと考えております。

(資料5ページ)
次に、グラフですが、これは国立社会保障・人口問題研究所が出した旭川市の今後の人口推計です。人口減少、少子高齢化は日本全国で問題となっており、日本の人口も本格的に減少の時代に突入しております。

市長プレゼンの様子

本市においても、これから26年後の西暦2040年には、飽くまで現時点での推定ですが、人口が24万9,000人で25万人を割り、現時点から約10万人減少すると予測されております。また、65歳以上の人口は、現在よりも1万5,000人以上増加すると予想されており、2040年には旭川市の高齢化率は40数パーセントになるという予測が出ております。こうした人口減少、少子高齢化の進行、私たちのライフスタイルの大きな変化などにより、改めて地域の結び付きが重要になってくると認識しております。
また、市でもこのような将来を見据えて、今から一つ一つ確実にできることをしていかなければ、このような時代を乗り切っていくことができないと思っております。このような状況に対応し、さらにまちの活力、地域の活力を維持しながら次の世代に元気な明るい旭川を引き継いでいくということも、私ども行政、また旭川市民に与えられた大きな責務だとも思っています。そして、まちづくりを更に一歩でも二歩でも進めていきたいという思いを込めて、まちづくり基本条例を制定し、4月1日から施行したところです。

(資料6ページ)
この「まちづくり基本条例」は、まちづくりの基本となる条例ですので、まちづくりを進めていくときに市民の皆様や市が共有しておかなければならないまちづくりの考え方や市民参加などまちづくりの仕組みをルールとして定め、みんなの力を合わせ旭川のまちをより良いものにしていこうということが目的です。

(資料7ページ)
また、条例ではまちづくりを進める上で重要な四つの基本理念を定めております。キーワードは「ひと」、「地域」、「まち」、「広域」であり、画面の上から下の「ひと」から「広域」まで、だんだん範囲が広くなっており、ひとが生き生きと活躍し、そして地域で支え合いながらまちの活力向上を目指すとともに、北北海道の拠点都市としての役割を発揮していくことが、旭川のまちづくりに欠かせないものと考えております。

(資料8ページ)
こうした四つの理念に基づいてまちづくりを行うことで、「より一層活力と安心に満ちた、支え合って暮らせるまち」を目指していきたいというのが、この条例の目的にもなっております。
この条例の理念に基づいたまちづくりを具体的に進めていくためにも次期総合計画の策定をしていきたいと考えております。

(資料9ページ )
総合計画についてでありますが、冒頭でも申し上げましたが、まちづくりの総合的な計画で市政においては一番上位の計画ですので、目指すまちの姿を示す計画にしていかなければいけないと考えております。

(資料10ページ)
今年度から2か年かけて次期総合計画の策定をしていきますが、今年度においては市民の皆様に参加をいただき検討を進めていきたいと考えております。また、市役所の若手職員も加わって市役所内にワーキンググループを作っていろいろな議論を重ねていきたいと思っておりますし、そのほか対話集会や地域まちづくり推進協議会の皆様からもいろいろな御意見を頂いて計画づくりに生かしていきたいと考えています。
以上、簡単ですが総合計画の説明とさせていただきます。

(資料11ページ)
ここからは総合計画をテーマにして皆様からもいろいろと御意見、御提言を頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。

意見交換

1.近隣町村との合併などについて

(参加者A)
先ほど市長から説明がありました旧上川中部耕地出張所は、平成24年11月12日から支所に活用されたということで、有り難く感謝をしております。このことによって何かしら東鷹栖の活性化につながっていけばいいと思います。人口の減少については、食い止めることはなかなか難しいことだと思いますが、減少することにより活性化どころではなく逆に寂しい状態になっていきます。そこで、近隣町村との合併の考え方があるか聞きたいと思います。先ほど北北海道の中心ということがありましたので、近隣の条件の良さそうな所との合併の考えはあるのでしょうか。
(市長)
合併は、相手があることでお互い協議が必要ですので、なかなか簡単にはいきません。基本的に旭川市は、上川中部はもちろんですが、北北海道の中核としての役割をこれからも担い続けていくことになります。合併についてのお話があれば喜んで協議させていただきたいと思っております。その前段階として、必ずしも合併とまではいかなくても連携することは大変重要なことだと思います。今年の春からは消防の広域化で旭川市と鷹栖町と上川町の1市2町の消防を統合しまして、鷹栖町と上川町の消防職員が旭川市の職員になりました。本当であれば1市8町で広域化を進めていたのですが、それぞれの事情があり現時点では1市2町です。今後、消防の広域化も進んでいく可能性が十分あると思っていますし、これからも様々な形で連携を図っていきたいと思っています。
また、旭川市と鷹栖町と東川町と東神楽町の1市3町で旭川地域産業活性化協議会という協議会を組織しておりまして、昨日、東京に事務所を開設しました。1市3町で開設したのですが、人口の多い旭川市が多くの役割を担っていくことになりますので、職員を2人東京に派遣して、現地採用の嘱託職員と3人でスタートしております。この事務所は企業誘致を大きな目的として開設していまして、誘致も旭川市の単独ではなく近隣の自治体と一緒にした方がより効果的ということで進めてきました。このようなことから旭川の魅力が増して活力が生まれれば、多くの人が生まれ育っていく地域になると期待しています。
(参加者A)
まちづくり基本条例について、今後どのように市民に周知していくのでしょうか。
(総合政策部次長)
広報誌「あさひばし」の5月号の特集でお知らせします。

2.労働集約型の農業について

(参加者B)
先ほど市長が2040年に43%くらいの高齢化率になるという話をしていましたが、今、ある地区市民委員会はちょうど43%の高齢化率です。どのようにしたら人が集まるのかというと、やはり生産基盤がなければ人は集まりません。生産基盤を作れば人が減らないで済むのかもしれません。東鷹栖全体で見ると、農業は土地利用型になっています。そうなるとそんなに人口は必要ありません。自分自身が労働集約型の方に向いていっているのですが、なかなかみんながそのような雰囲気になりません。皆が労働集約型の農業を実施したら人を集められると思います。しかし、我々の力だけではどうにもなりませんので、行政で何かバックアップしていただければ、もしかしたら何か芽が出てくるのかと思っています。何とかもうかる農業にしてください。そうすれば人も集まりますし、農地も空きません。
(市長)
特に、農村地帯は後継者が少なく、高齢化が深刻になってきております。東鷹栖地域を始め西神楽、東旭川など全市的には現時点で耕作放棄地は出ていませんが、農家の方の平均年齢が年々上がっています。このままですと、あと10年経ったら農家をする人、土地を使う人がいなくなってしまうかもしれないという瀬戸際に立っています。そうならないためにも、若い人にどんどん農業をしていただくことが大切ですので、土地の集約化も早急に進めていかなければならないと思います。今この辺りでも30町から40町ぐらいの規模で農業をしている方もいれば、広い所では市内にも100町ぐらいの所もあります。100町となれば法人にしないと無理ですし、家族で農業をする場合は30町から40町ぐらいが限界と農家の方も言っております。今後10年から20年ぐらい経つと、一人で80町から100町ぐらい使わないと土地を活用しきれないという事態が起きますので、私どもも後継者をどのように育てていくかについて大変重要な課題として取り組んでいるところです。
今、国がTPPの協議をしており国際的な情勢もありますが、地域で作ったものが高く売れるというような仕組みづくりなくして、若い人の参入は難しいと思います。市だけでは限界もありますので、道や国とも提携して、日本の農業を守っていくということを真剣に考えていかなければいけないと思っています。

3.町内会について

(参加者C)
まちづくりに必要なのは町内会です。町内会会員の減少、高齢化の進展などもあり、なかなか続きません。このような中、市民委員会にも参加できない町内会も出てくるのではないかと思います。そうなると行政からの情報が地域に入ってこなくなります。今後、町内会が十分に機能を発揮できない状態になることを、行政はどのように考えているのでしょうか。何もしなければ町内会が潰れます。町内会が潰れると市民委員会も潰れます。それでは明るいまちづくりにはならないと思います。地域の隅々まで行政の声が聞こえるような組織づくりについて、行政はどのように考えていますか。
(市長)
町内会の加入率が減少しないように、行政も地域の皆様と一緒に知恵を絞っていかなければいけないと思います。私は市長に就任してから、そのことに心掛けた取組を行ってきています。例えば町内会の活動を広報誌等で紹介したり、転入してきた方に町内会の案内のチラシをお配りして、ぜひ町内会に加入してくださいというお願いはしてきているのですが、毎年、町内会の加入率が減少してきております。東鷹栖地域は加入率が平均より上ですが、中心部ですとか、永山、東光の新興住宅街などでは、若い方々が多いということもあり町内会に入る方が少ない状況です。このような若い人たちにも魅力のある町内会組織にしていくことは、行政と町内会の皆様が一緒になって考えていかなければいけない大きな課題だと思っております。一方で、市民の皆様に行政情報を提供することは市の重要な役割ですので、情報を伝える方法として町内会だけに頼らないようにいろいろと研究していく必要があると思っています。
広報誌「あさひばし」は、月1回ですけれども、町内会に入っている・いないに関わらず全世帯に配布をさせていただいています。配布は市民委員会にお願いしている地区と業者に任せている所がありますが、今後も続けていかなければならないと思っています。行政情報だけではなく社会福祉協議会、地域の小学校や中学校、このような情報も回覧板に折り込んでいただいて、町内会の方々には大変な御尽力をいただいております。残念ながら回覧板は町内会に加入していない方の所には回りませんので、地元の学校での行事や公民館での活動などについて今は届いていない状況です。インターネットなど今はいろいろな媒体がありますので、このようなものを活用しながら市政を身近に感じてもらえるというような工夫をしていかなければいけないと思っています。
(参加者D)
広報誌の件で、現在は町内会に入っていなくても全戸配布していますが、業者が配布している所の町内会の加入率は上がっているのですか、それとも下がっているのですか。
町内会の加入が減っているようであれば、加入促進のため町内会に任せるという方法もあると思います。
(市長)
業者配布の地区と市民委員会が配布している地区での町内会加入率のデータはありませんが、町内の方が配っている地域は、月に1回家を回りますので、必ずしも顔は合わせないかもしれないですけれども、家の雰囲気とか、会えば話をすることもあると思います。その点では、地域の結束や絆を強めていくという部分で大きな役割を担っていただいていると思っております。無理にはお願いできませんが、町内の方にお願いする方がいろいろとコミュニケーションが取れるのではないかと思います。
(参加者B)
町内会の配布は遅れる場合があります。行事などその時期に配らなければ意味がないものもありますし、いろいろな考え方がありますので、どちらが良いということではないと思います。
(市長)
業者であれば決められた日に一斉に配布しますが、町内であれば例えば都合が悪い場合など遅れてしまうこともあるかもしれませんので、良し悪しがあると思います。
(参加者E)
町内会への加入の関係で話を聞いているのは、公民館活動の中で加入促進を実施していくということです。各公民館が地域の未加入者をなくしていくため、細かい内容は聞いていないのですが、何かの取組をするという話を聞きました。全市的にこのような取組をしている地域はあるのでしょうか。公民館にそのような指示が出ていると聞きました。
実際の良い例を聞かせていただければ、自分の地域の加入率が低い所がありますので、そのような方法も検討していきたいと思っています。
(市長)
本日詳細を知っている職員がいませんので、調べてお知らせさせていただきます。
(参加者C)
市長は先頭に立ってまちづくりをされています。地域住民も一通りはしているのですが、やはり限度があります。我々はこの地域に生まれていつまでも元気で明るく楽しく過ごせる地域をつくろうということで、町内会で「希望の会」を立ち上げました。
「希望の会」では、いろいろな活動をしているのですが、どうしても資金繰りがうまくいきません。

意見交換の様子

この間も75歳以上のお年寄りが集まって昼食会を開催したのですが、弁当が一つ700円ぐらいしますので10人で7,000円掛かります。その予算がもう出せない状態です。市議会で市の一般会計のうち40パーセントを民生費に当てるということですから、その中からこのような活動をしているところに助成してもらいたいと思います。先ほど市長が言いました橋を造ることもまちづくりかもしれません、我々ができることは今話をしたようなことです。社会福祉協議会にも相談したことがあるのですが、その時はきちんと助成していますということでした。どのくらいの金額かというと全体で1万5,000円です。町内会が44ありますので、分けたらわずかです。何とか市でも助成していただけないかと思います。また、手続の際の書類提出が余りにも多過ぎます。
(市長)
市からは市民委員会や町内会館を建て替えるときの補助などいろいろな補助制度がありますが、十分な額ではない場合もあると思います。以前は市民委員会や町内会に対して飲食に対しても補助をしていたこともありましたが、現在は飲食に市の補助は使えないということで市民委員会などにお願いをしています。市の財政も厳しいですが、地域の活動を応援するような補助などは増やすように努力していかなければならないと思います。これからは地域の活動が今まで以上に大切になっていくと思います。

4.地域に住み続けられるまちづくりについて

(参加者F)
町内会への加入やまちづくりのため、年を取っても自宅に住み続けられることが前提だと思います。総合計画の位置付けの中にこれから地域包括ケアというのが入ってきますけれども、来年が法改正です。その部分はどのくらいの割合を占めているのでしょうか。産業も含めて、自分で自分のまちに住み続けるには、ずっと住んでいくという前提のまちづくりでなければ町内会に入る人も少なくなります。
(市長)
基本的には、健康で住み慣れた地域で暮らしていくことができるまちづくりを目指していくべきだと思っています。
(参加者F)
住民自身が、自分たちでふれあいカフェや認知症カフェのようなことができるという認識が、旭川はまだまだ低いと思います。小さな町では住民がNPOを立ち上げるなど幌加内のような実例もあります。元気なお年寄りは、先を考えにくい部分がありますので、そこを行政と一緒に勉強できたらいいと思っています。
(市長)
小規模多機能型ということであれば、少人数でより地域に近い所で施設整備がしやすいと思いますし、入居される方もその面では安心感が高まるということもあると思います。これからの施設整備は、大きな施設よりも地域に密着した施設という方向に国も考えていくと思いますが、旭川でもそのような考え方が今後加速をしていくのではないかと思っています。それを見据えて市でもしっかりと対策を立てていかなければいけないと思っています。
(参加者F)
何を心配しているのかというと、各市町村に介護保険が移行したときに全部財政が賄いきれるのかということです。たまたま福祉の仕事をしていますので、何となく未来像が見えてきますが、住民自身も含めて行政も今から対策をしないと間に合わないと思います。介護予防についても要支援1、2がもし介護保険から外れたときに、どれだけの難民となるお年寄りがいるのか想像するととても怖いです。このようなことをもっと行政と協議していかなければ15年後がとても心配で、2025年のことを考えるだけで恐ろしくなります。
(市長)
団塊の世代の方が65歳を迎えてきており、今後高齢化がますます進んでいきます。現在、介護保険、国民健康保険は市町村単位で運営していますが、本来であれば介護も医療も国が全国一律、若しくは最低でも都道府県レベルぐらいで運営していくべきだと思っています。介護保険料も住んでいるまちが違うだけで負担する額が違うというのは非常に不公平だと思います。介護保険料が高くなる要因は、地域にお年寄りが増えてくるとそれに応じていろいろな施設を造っていかなければいけないことなどによります。医療費は皆病院に掛かりますのでやはり高くなってしまいます。これは旭川だけの問題ではなく全国の問題だと思います。やはりどこのまちに住んでいても差がないということが、これからの国の目指すべき方向なのではないかと思っています。これからも安心できるような介護制度、医療制度を作っていくということを、市長会などを通じてこれまで同様、国に訴え続けていかなければいけないと思っています。自治体としても国の制度に翻弄されて地域住民が介護難民、医療難民にならないように、市役所は市役所として国でカバーできない部分を実施していくことが必要だと思っています。
(参加者F)
行政を頼るということは、もうはやらない時代になってきています。若い人たちもそれを十分分かっていて、行政と一緒に、又は地域での互助、共助という気持ちが芽生えてきていると思います。それはなぜかというと、介護保険が始まって民間が参入し、各地域の事業所自体も地域に還元しなければいけないという思いです。行政に頼るのではなくて一生懸命やっている地域もあります。認知症カフェは予算が付くと思うのですが、介護高齢課に聞いても分からないと言われました。
認知症カフェと名前が付く以上は認知症でなければ駄目となれば、お年寄りを集めることができなくなります。認知症であろうと認知症でなかろうと全ての人の支援をするのが私たちの仕事です。細かいくくりではなくて、地域を支えていくための助成金をしっかり使えるようにしていただければ良いと思います。
(市長)
なるべく多くの皆様に使い勝手が良いような形で活用していただくのが一番良いと思っていますので、法律的なことも含めて調べてみたいと思います。

5.総合計画について

(参加者G)
次期総合計画は10年計画でしょうか。単年度にはならないと思いますが、この地域で暮らし続けるということが一番の大目標ですね。
総合計画ですから、旭川の強みというものをきちんとつかんで、それをどのように計画に取り込んでいくかを考えていくべきだと思います。個人的な話ですが、東京とか大阪の友人に「旭川は何にもないまちだ」とよく言われます。年配の方は良く分かると思いますが、10年ぐらい前に富良野を舞台にしたテレビドラマが流行したときは、旭川は富良野に近いんですかと言われていたのです。旭川は北海道第二の都市だと言うと嘘だろうと言われてしまうほど旭川のイメージが全然ないのです。富良野とか美瑛は丘の奇麗なまちですけれども、個人的には嵐山の景色が大好きです。大雪山連峰が写っている写真を見せて水がおいしいまちだと言っても、そのイメージが少ないのです。最近は動物園があるまちというだけです。全産業というか全部の分野で頑張っていくのも良いと思いますが、旭川の取り柄を5年なら5年の計画の中で一つテーマを決めて、どの分野も利害関係はありますが、個人的には自然災害が少ないまち、それから命の水が一番おいしい安心なまちだと思います。そのようなことをイメージするような、例えば見本林を整備して森林浴で健康に良いというようなことを考えていただきたいと思います。以前、江丹別に医療休養基地構想がありました。今は健康ブームですので、そのような取組は非常に良いと思っていたのですが、立ち消えになりました。旭川は空気も水も山も奇麗というような、そのような健康なまちというイメージで反対する人はいないと思います。それに誇示するわけではありませんが、旭川の良いところをみんなで探して、このような集会で内容を論議していただきたいと思っています。
(市長)
次期総合計画の期間は、今までは10年でしたが現時点ではまだ決めていません。これから検討していくことになります。
今の御意見は、本当に旭川の誇れるところだと思っています。旭川の良い所をもっと伸ばしていくことが、まちづくりの大きな柱だと思っています。

6.旭川のPRについて

(参加者F)
個人的に出張が多いものですから、出張に行くときに大雪山のお米を持っていきます。そのようなことをしている市民を親善大使などにしても良いのではないでしょうか。
東京に行くときも先にお米を届けておいて、先方で東鷹栖のお米を配ると、どのようなまちなのかという話題になります。
自分の仕事を通して自分のまちを紹介する、そういう思いを持って起業している人たちがたくさんいると思いますし、若い世代で起業している人の中にもそう思っている人がいると思います。そのような人たちにお願いするのも一つだと思います。ペットボトルの水は重たかったですが、これも先に送りました。そのように、まちを愛している人がたくさんいると思います。
(市長)
そのような方々がもっともっと活動しやすいような環境づくりのため行政が知恵を絞ることも必要だと思います。
市外に住んでいる方は観光大使制度がありまして、例えば東京に住んでいる方には旭川観光大使に任命させていただいて、名刺もお渡しして機会があるごとに配っていただいています。例えば市民の方にも名刺を持っていただいて、他の都市に行ったときに旭川をPRするために使っていただくのも良いのかもしれません。

7.公共交通について

(参加者H)
これから車の運転ができなくなるかもしれませんので、できるだけバスを利用しようと思っていますが、乗客が少なくタクシーのような状態です。4月からまた便数が減りました。一時、永山にもありましたけれども、バスを小型化し便数を多くして中心部に出やすいような仕組みがあれば良いと以前から思っています。最近は皆健康志向で、スポーツセンターに車で通っていますが、バスで簡単に移動できるようになればいいと思います。旭川のバスは、行き先は書いてありますが、旭川市民でさえもどこへ行くか分かりません。
(市長)
タクシー会社と契約してオンデマンドバスを試験的に運行してきておりまして、東旭川では非常に順調に推移しており本格導入をするところまで来ました。永山では試験運行をしたのですが、利用者が少なく事業としてのめどが立たないということで、導入には至りませんでした。

意見交換の様子

東鷹栖も同じく、オンデマンドバスとか小型バスなどの導入も含めて、これからバス会社あるいはタクシー会社と協議をしていかなければいけない案件だと思っています。市ではバス事業は行っていないのですが、地域の足である公共交通機関を守っていくことは行政の大切な役割だと思っております。バス路線を維持するため、これまでもバス事業者に補助金を交付してきています。特に農村など郊外地域の路線をどう守っていくかということは、行政もバス事業者と協議していかなければならない課題だと思っていますので、地域の皆様とも引き続き一緒に考えていければと思っております。
(総合政策部長)
バスの環境についてですが、高齢化が進めば進むほど公共交通機関の役割が重要になってきますので、そのような観点からも、公共交通に関わる様々な機関が協議し、国からの補助金を活用しながら市民に使いやすいバス路線になるよう考えていきたいと思っています。

8.住宅建築の基準について

(参加者H)
旭川は豪雪地帯ですけれども、隣の家とはけんかになりそうなくらい近いです。隣との距離、建坪などの基準が決まっていると思いますが、何とか変えることはできないのでしょうか。今年はまだ寒く雪が解けていませんので、どこの家の窓にもガラスが割れないように予防の柵が付いています。
(市長)
雪国ならではの課題もありますので、調べてみたいと思います。

9.空き家対策について

(参加者F)
高齢でも元気な方はいいのですが、御夫婦で住んでいる世帯はどちらかが欠けると一人では住み続けられなくなるので、結局は福祉の力を借りることになり空き家が増えていきます。それが繰り返されて何十年か続いた場合、子供たちも増えていきません。一つだけ良ければいいということではなく、行政も各課の横のつながりがないと進んでいかないということです。
(市長)
現在、西神楽のNPO団体の皆様が面白い取組を進めています。御夫婦のどちらかが亡くなった時に、一人では寂しいですし食事の支度も大変ということで、空き家を活用して共同で生活をしていく、若しくは日中はそこにいて気が向いたら家に帰るというようなことを実施しておりまして、新聞でも紹介されておりました。これから高齢化が更に進んでいく中で、一つのヒントになる取組だと思いました。そして、このようなことを西神楽だけではなくて市内のいろいろな地域に広げていくことについて行政がバックアップできると思っています。一方で、体が不自由になる、あるいは病気になりますと、どうしても福祉施設、医療機関に入らざるを得ないという方もこれから増えてくる思っていますので、それに応じて必要な施設も整備していかなければいけないと思っています。やはり生まれ育ち慣れ親しんだ地域で暮らしていくことが一番良いことと思っています。
(参加者B)
最近は農村にも空き家が増えてきています。トタンなどが飛びそうで危険な所がありますが、相続人がいても適正な管理がなされていません。何か事故が起きたときには責任があるということを、もう少しPRしてもらいたいです。この辺は農村地帯ですので、トタンでビニールハウスが破損するなどの危険があります。行政が所有者に他人に危害を与えるおそれがあることをPRしたほうが良いと思います。
(市長)
ここ数年、旭川市内全域で空き家の問題が出てきていまして、行政への相談も増えてきております。市でも空き家対策を本格的に対応するため専門の部署を設置したところです。農村地域でも結構廃屋が目に付くようになってきましたし、市街地でも空き家が増えてきています。過去には大雪で屋根が潰れた廃屋がいくつかあり、本当に危険だと思います。市でも行政指導をして、場合によっては相手方の許可も必要になると思いますが、危ない建物が放置されていれば指導してそれを撤去、解体するということもこれから必要になってくると思っています。法的な拘束力がありませんので強制的にできないという課題はありますが、国も法律を見直ししているところです。

10.敬老会について

(参加者D)
毎年77歳以上の方と敬老会を東鷹栖公民館で開催しており、市から一人当たり1,000円の補助が出ております。先ほども出ていましたが、交通機関が少ないのか対象の706人のうち出席してくださる方は101名でした。後は御家族の方が記念品などをお持ち帰りになりました。旭川市全体で敬老会を開催するに当たって、1,000円の助成額で皆は満足しているのでしょうか。出席者を増やすような対策はないのでしょうか。
(市長)
出席者を増やすような対策は考えていかなければと思っています。出席率については、全市的に低い状況だと思います。そのような中、地区の社会福祉協議会や市民委員会などの皆様の御協力もあり、敬老会を開催していただいております。毎年敬老会を楽しみに来ていただいている方もたくさんいると思いますけれども、満足度がどの程度かを考えたときには御意見のとおりなのかもしれません。敬老会の開催も大切ですが、それ以外の活動に対して市も一緒に関わっていくことを考えていかなければ、高齢者が社会に出てくるということが難しくなってくると思います。

市長お礼のあいさつ

1時間30分という限られた時間でありましたが、貴重な御意見を頂き、また意見交換をさせていただきまして本当にありがとうございました。本日頂いた御意見もこれからの地域づくりや総合計画の中で生かしていきたいと思っています。また、本日はそれぞれの立場で来ていただいておりますけれども、地域づくり、まちづくりにおいて今後もお世話になる場面が多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げまして、簡単ではございますがお礼に代えさせていただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広聴係

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎6階
電話番号: 0166-25-9100
ファクス番号: 0166-24-7833
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