第72回開催内容
第72回は、地域住民等が、地域の課題を共有し、その解決に向けた方策を検討し、地域特性を生かした個性あるまちづくりを推進するため、平成24年度に新たに五つの地域に設置された「まちづくり推進協議会」のうち、「北星まちづくり推進協議会」(藪会長)の委員の皆さんと、これまでの活動状況や今後の課題、市への提言などについて対話、意見交換を行いました。
日時など
日時
平成25年10月25日(金曜日) 午後6時30分から午後7時52分まで
場所
旭川市北星地区センター 1階 第1会議室(旭川市旭町2条8丁目)
相手団体
北星まちづくり推進協議会(藪隆会長)の委員 13人
(当日の出席者10人)
出席者
- 旭川市長 西川将人
- 「北星まちづくり推進協議会」(敬称略)
藪隆(会長)、中辻透(副会長)、小林明雄、佐橋稔、杉本美由紀、関一男、中山髙雄、平子喜代信、
福原米久光、舟田正義
対話の内容
市長あいさつ
会長あいさつ及び活動状況報告
意見交換
- 嵐山の周辺整備について
- 民生委員の活動などについて
- 町内会から各団体に支払う会費について
- 町内会館の融雪槽設置費用の助成について
- 町内会に対するアンケート調査及び広報誌について
- まちづくり推進協議会合同での意見交換会開催について
- まちづくり基本条例について
- 公民館の機能拡充について
- 敬老会について
- ウッペツ川流域の樹木について
- 除排雪について
- スタルヒン球場について
(出席者の意見と市長のコメントについて、まとめたものを掲載します。)
市長あいさつ
本日は大変お忙しい中、まちづくり対話集会に参加していただきましてありがとうございます。皆様方には、北星、旭星、旭星西、川端、近文東、近文西と六つの市民委員会にわたる広い地域について、北星まちづくり推進協議会として、これまで地域課題などについて、議論をしていただいております。また、日頃からそれぞれの市民委員会、又は皆様の所属されているそれぞれの団体において、市政に対して大変お力添えを頂いておりますことに、この場をお借りして感謝を申し上げます。
この対話集会は、市長に就任させていただいてから今回で72回目の開催であり、これまで地域の皆様や、子育て支援団体、障害者団体の皆様など様々な方々と開催をさせていただきました。本年は、昨年度5地域に設置しましたまちづくり推進協議会の皆様と、地域課題などについて意見交換をさせていただいているところです。
北星まちづくり推進協議会では、これまで防災をテーマとして、6地区の防災マップを作成して地域内の全戸に配布をしていただいたと聞いております。この地域は川が多く、また、急傾斜地もありますので、日頃から地域住民の皆様に防災意識を高めていただくことは、大変素晴らしい取組だと思います。
全市的な課題として、高齢化が年々進んできており、旭川市の高齢化率も今後上がっていくと予想されています。このような中、互いに支え合えるようなまちづくりが重要な課題であり、私どもも地域の町内会や社会福祉協議会の皆様、また、民生委員の皆様などのお力をお借りしながら、ネットワークを作らせていただいております。近年は、コープさっぽろ、郵便局、新聞販売所などの民間の事業者にも御協力を頂きながら、1人暮らしのお年寄りの孤立化を防止するために見守り活動を実施しております。特に最近は、近所のつながりも以前に比べて希薄化してきており、町内会の加入率も減少傾向にあります。現在は、価値観も多様化している中で、町内会という組織だけでは十分に吸収しきれないのかもしれませんが、身近な支援団体ですので、大切にしていかなければならないと思っております。
また、現在、政策の一つとして、まちづくり基本条例の制定作業を進めております。この条例は、地域の自治を市役所、市民の皆様、各種の団体などと連携をしながら、地域づくりをしていく上での様々なルールであり、これからの旭川の未来のまちづくりを進めていく上で土台となる条例であります。間もなく12地域で説明会を開催させていただき、その後パブリックコメントを実施いたしますので、皆様をはじめ、たくさんの方から意見を頂きたいと思っております。地域のことは、地域に住んでいる皆様が一番分かっているわけであります。このまちづくり推進協議会も、今後、市と共に多くの役割を担っていただけるように、いろいろ工夫していかなければならないと思っておりますので、今後ともお力添えを頂きたいと思っております。以上簡単ですけれども、本日の対話集会に当たってのあいさつとさせていただきます。
会長あいさつ及び活動状況報告
まず、北星地区には、北星6地区会長会議と推進協議会がありまして、これまでも各地区が連携しながら地域活動を実施してきました。平成24年2月に市の担当の方が来まして、まちづくり推進協議会を設置したいという話がありました。まちづくり推進協議会の設置に関しては、地域としても協力しようということで、平成24年5月に13人の委員で活動を始めました。
平成24年度の活動状況ですが、活動テーマなどについて協議を進める中で、9月に入りまして防災マップの作成に内定し、更に事業内容を分析しようということで、作業部会を設置して検討を重ね、平成25年1月に北星6地区防災マップの作成を決定いたしました。事業の選定理由としましては、平成22年・23年頃に新聞見開き大くらいの大きな旭川洪水ハザードマップが市内の全戸に配布されましたが、自分の家が小さくて分かりづらいというようなことから、このマップの問題点や地域としてできることは何かについて検討した結果、特に災害弱者や高齢の方々に、避難場所などを分かりやすく示した地域ごとのマップを作成して、全戸に配布しようということになりました。
平成25年度に入りまして、5月に防災マップを全戸に配布することができました。また、防災マップの配布に併せて防災リーダー研修会も開催しまして、それぞれの地区の特徴を消防本部からも説明をしていただくなど、6地区で250人余りの参加がありました。
以上、北星地区のまちづくり推進協議会の活動状況を、簡単ですが報告いたします。協議会の活動には、市の担当者や消防本部の絶大な協力を頂き心から御礼を申し上げます。特に若い職員が、的確にそして迅速に対応していただき事業が実施できたと思います。いろいろお世話になりまして感謝しております。ありがとうございました。
意見交換
1.嵐山の周辺整備について
(委員)
嵐山は旭川の観光地として有名ですが、施設の設備に問題があると思います。8月中旬に外国人観光客がトイレに入ろうとしたら、和式トイレで困惑していました。しかも、くみ取式ですので臭いに対して数名が首を横に振っている光景を見ました。これから多くの観光客が旭川周辺に訪れることと思いますので、一刻も早く水洗の洋式トイレに改善されるように提言します。また、バス停が橋の下にありますので、バスを降りてから橋の入り口まで行くのに階段を上る必要があり、高齢者や小さな子はとても困っています。橋の入り口と駐車場をバスが巡回できるような道路を整備していただきたいと思っています。また、鷹栖町と共同でアイヌ記念館を整備し、観光客を歓迎できるような店も出して、多くの人が訪れるような観光地にしてほしいと思います。
(委員)
トイレを設置するために水道を整備すると莫大な費用が掛かります。旭川の企業が造っているバイオトイレを設置すれば宣伝にもなりますので、検討したらいいと思います。バイオトイレであれば費用も何十万円かで済みますし、臭いもありません。
(市長)
バイオトイレは仕様により費用も違ってくると思いますが、これまでも旭山動物園に設置してきておりますので、御意見を今後の整備の参考にさせていただきたいと思います。
2.民生委員の活動などについて
(委員)
民生委員・児童委員のことですが、町内会に加入せず門標もない家があり、世帯状況の把握が難しく、町内会活動にも支障が出てきております。民生委員から町内会長に何とかならないかという相談がありますが、難しい状況です。民生委員に対して、市から65歳以上の名簿は開示されますが、開示内容が住所、氏名、年齢だけですので、更に生年月日と電話番号を開示してほしいと思っております。民生委員が世帯調査にお伺いするときに、町内会に加入していない世帯などには、これから世帯調査と確認のためにお伺いしますと一報を入れると相手が納得してくれます。突然訪問しても、うちは民生委員に関係ありませんなどと断られてしまいます。そこで、民生委員の活動が容易になるように、生年月日、電話番号等を開示していただければ、事前に電話をすることにより訪問しやすくなると思います。全国民生委員児童委員大会に参加すると、他の市町村では開示している所もありますので、旭川市も開示してほしいと思います。
(委員)
民生委員についてですが、近文、川端地区で欠員が出ています。なかなか引き受けてくれる人がいませんので、民生委員に負担を掛けないようにということで、訪問は町内の福祉部長、会長、役員、近所の方で実施することを考えています。私どもの地区は、社会福祉協議会、町内の青少年部の活躍により、子供見守り活動やパレードなども実施しており、旭川の中でも誇れる地域だと自負しております。
(市長)
生年月日などの開示については検討しまして、また意見交換させていただきたいと思います。
3.町内会から各団体に支払う会費について
(委員)
市民委員会への会費について、市民委員会と町内会は密接な関係にありますので、現在は200円を町内会で支出しております。地区社会福祉協議会の費用も200円で、そのうち100円は上部の社会福祉協議会に納めるということになっているようです。町内会の財政も厳しい状態であり、私どもの町内会でも7、8年前に2年掛けて町内会費を350円から500円に値上げをしました。旭川市も人口が減少しておりますが、私どもの地区でも施設への入所などにより会員が減少し、町内会の収入も減少している状態です。このような中で市民委員会などへの会費の支払に納得することができません。このようなものを廃止して、税金などで賄うようにするべきだと思います。それから火防協会の会費や赤い羽根など様々なものがありますけれども、班長としても集金は町内会費だけにしたいという思いがあります。やはり上部の社会福祉協議会に納める100円は廃止をしていただきたいと思います。
(市長)
町内会は、様々な団体に会費を負担していると思いますが、私どもも様々な機会に同じような話をお伺いしております。それぞれの団体には、負担の方法や負担額について、このような意見がありますということを情報提供させていただきたいと思っています。皆様が納得して様々な活動に協力するということが大事であり、事業への理解、あるいは連携の強化なども必要なことだと思います。
(市民協働室長)
市民委員会などの会費についてですが、市としては関与する立場にはありませんので、支払うかどうかについては町内会の中で決めていただくことだと思います。この件は、団体同士の相互理解が重要なことだと思っています。関係団体には、機会があるごとにこのような意見があることを伝えていきたいと思います。
4.町内会館の融雪槽設置費用の助成について
(委員)
町内会館の融雪槽設置費用の助成についてですが、助成の申請に行きましたら、該当にならないということでした。町内会館は自費で建てており、雪対策の面から見ても融雪槽の設置は必要なものだと思います。市議会でも質問されていたと思いますが、町内会館は地域の情報発信基地であり、協調体制を組む場所だと思いますので、安心して運営することができるよう、融雪槽の設置についての助成を新年度から実現していただきたいと思います。
(市長)
今後の可能性も含めて検討させていただきたいと思っております。
(市民協働室長)
融雪槽設置の際の補助ですが、雪捨場が少なくなってきているため融雪槽を設置したいという御意見があることは承知しております。現在、地域会館の管理者の方に融雪槽のことも含めてアンケート調査を実施しておりますので、調査後に考え方を示していきたいと思います。
5.町内会に対するアンケート調査及び広報誌について
(委員)
アンケートのことですが、町内会に照会が来て回答をしても、結果報告がないということに疑問を感じています。アンケートの回答の中には貴重な意見があると思います。その意見をどのように検討し処理するかが大事であり、それが成されていないのであれば無駄なことだと思います。せっかく実施するのですから、成果が上がるようにしていただきたいと思います。
次に、広報誌についてですが、社会福祉協議会の広報誌が年2回届きますので、市の広報誌とまとめて1冊にしていただけると見る方としてはありがたいと思います。
(市民協働室長)
町内会にお願いしているアンケート調査についてですが、施策に反映させるために実施しておりますので、決して無駄なものではありません。その結果は町内会の方にフィードバックするように、今後とも心掛けていきたいと思っております。
6.まちづくり推進協議会合同での意見交換会開催について
(委員)
12地域のまちづくり推進協議会の委員が一堂に会して意見交換ができればいいと思っています。これまで市の担当者から他の地域の資料は頂いているのですが、地域によっていろいろな特徴があると思いますので、市ではどのように考えているのでしょうか。
(市長)
他の地域の協議会と意見交換したいと思っている委員も多いと思いますので、調整したいと思います。
7.まちづくり基本条例について
(委員)
9月4日に開催された、まちづくり基本条例の説明会に出席できなかったのですが、資料の中から何点かお伺いします。市民の位置付けについて、通常、市民と言えば旭川市民だと思うのですが、旭川市以外からの通勤者とか通学者、あるいは旭川で活動している企業や団体も市民とすると書いてあります。これをどのように理解したらいいのかを教えていただきたいと思います。
次に、市が積極的に市民をサポートできる体制になっているかどうかということが大事だと思います。資料には素晴らしいことが書かれていますが、しっかりと実現させてほしいと思います。
(地域まちづくり担当課長)
市民の定義ですが、今お話にありましたように、旭川に住んでいる方だけではなくて、通勤あるいは通学で旭川に来ている方、あるいは旭川で事業活動を行う企業を含めて、市民等になっております。まちづくり基本条例の性格として、まちづくりは旭川に住んでいる方だけではなく、このまちづくり推進協議会も含めて地域でいろいろな活動をしている団体や、旭川には住んでいなくても様々な活動をしている方々と一緒にまちづくりをしていくという理念も含まれているということを聞いております。
また、市民のサポート体制については、正にこのまちづくり推進協議会の取組が一つの例になると思いますが、このような取組を今後どのようにサポートできるのかということにも、まちづくり基本条例を有効に活用していきたいと思っています。
8.公民館の機能拡充について
(委員)
公民館についてですが、職員が1人配置されていますので、支所機能を持たせて住民サービスも行う交流活動拠点にしてはどうかと思っています。悩みごとの相談など、市民にもっと密着したようなことができないものかと思います。公共交通機関の便もあまり良くない上、自動車の運転ができない方も多くいますので、身近な所に支所機能があれば良いと思っています。
(市長)
公民館の機能を拡充又は充実していくということは、とても大切なことだと思っております。今までの公民館事業ももちろん大切でありますし、社会教育活動、あるいは生涯学習活動などは引き続き積極的に進めていかなければいけないと思います。今後は、地域の皆様との協働事業や地域づくり事業などで公民館の機能を向上させるよう検討していきたいと思っております。公民館が支所機能も持つということは、現時点では難しいものと思います。公民館が今まで以上に機能の拡充をしていくことは必要なことですので、検討していきたいと思っております。
9.敬老会について
(委員)
敬老会行事について、77歳以上の方を対象に、それぞれの地区で実施しているかと思いますが、対象者に対して3分の1か4分の1しか参加していないのが現実で、他の地区も同じような状況です。参加者が少ない理由として、まず、参加してもつまらないということと、会場まで行くのが大変だということです。せっかく招待するのですから、送迎バスをチャーターするなどの心遣いも必要だと思います。市民委員会や地区社会福祉協議会が主催していますが、市が市民委員会などに任せっきりにしているのではないでしょうか。敬老会を開催する際に市から1人当たり1,000円が市民委員会などに補助されますが、一部の町内会からは、その補助金で町内会が敬老会を主催したいという話もありますので、検討していただきたいと思います。
次に、敬老会での市長代理の方のあいさつの中で、少子高齢化で大変な時代だとよく言われますが、その時代の中で高齢者はこれからどのような生きがいを持って生きていけばいいのか、あるいは働き盛りの人、若者はどのように生きていけばいいのか、それぞれの年齢層に市長からメッセージを送ればいいと思います。話は変わりますが、初代の旭川の首長は宮崎出身の本田親美で、旭川のために苦労し功績を残した方もおりますので、何かの機会に紹介してもらえればいいと思っています。
(委員)
敬老会については、タクシーで送迎している所も結構あります。開催の補助金が以前から見ると減額されていますので、更に減額されれば開催も難しくなるかもしれません。
(市長)
敬老会は、地区社会福祉協議会あるいは市民委員会の皆様に開催していただき本当に感謝しておりますし、市としても最大限の協力をしていきたいと思っています。今後もより良い形で開催していただけるような方法について、来年度以降検討していきたいと思います。
また、あいさつの内容についての御意見がありましたが、敬老会は集中して行われるため、全ての会に出席させていただくことはできませんので、部長に代理でメッセージを伝えてもらっています。今後はもっと分かりやすく皆様に伝わるような内容を考えたいと思います。
10.ウッペツ川流域の樹木について
(委員)
今回のまちづくり推進協議会のテーマであります防災マップが完成したのですが、その作製過程で、ウッペツ川流域に生い茂っている雲龍柳が原因となって、洪水が起こるかもしれないことがわかりました。上川総合振興局の担当者ともいろいろ話をしましたが、もう何年も放置されています。経済的な地域の発展も必要ですが、安心で安全な施策がとても重要です。市でも上川総合振興局と話をして、地域住民の不安を取り除いてもらえるようにしてほしいと思います。
(市長)
住民の皆様の不安は分かりますので、上川総合振興局とも協議したいと思っています。
11.除排雪について
(委員)
除排雪についてですが、一方的に市や除雪業者に悪いと言う前に、町内会としても協力していかなければ円滑にできないと思います。排雪する時間などが分かれば、町内会としても雪を道路に出さないとか、道路に駐車しないよう呼び掛けることもできると思います。
12.スタルヒン球場について
(委員)
スタルヒン球場についてですが、ナイター設備を設置していただき、ありがとうございます。6月と8月に野球観戦に行きまして、札幌ドームよりも明るくて見やすく素晴らしかったです。ただ、外野スタンドは芝生の自由席になっていますので、遅く行くと入りづらいという状況でした。そこで、費用は掛かると思いますが、外野スタンドを椅子席にして観戦しやすくすれば、更に素晴らしい野球場になると思います。
(市長)
同じような御意見をこれまでも聞いております。外野スタンドを整備する場合、相当の費用が必要です。現在は芝生になっていますので2万5千人くらい観戦できるのですが、全体に椅子を設置しますと2万人くらいしか観戦できなくなってしまいます。アルプススタンドを拡張すれば2万5千席を確保できると思いますが、すぐに整備することは難しいと思います。このようなことは、市民の皆様の盛り上がりが必要ですので、是非お願いしたいと思います。
市長お礼のあいさつ
たくさんの貴重な御意見を皆様から頂きましたので、しっかりと受け止めて今後の市政運営の参考にさせていただきたいと思います。これからも皆様には様々な機会でお世話になりますので、引き続きお力添えを頂ければと思います。本日はありがとうございました。