旭川未来会議(旭東地区若手農業者との意見交換会)

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2022年7月21日

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「基盤整備後の可”農”性~旭東若手農業者の挑戦」をテーマとして、旭東地区(旭川市西神楽及び東神楽町の一部)の若手農業者の皆さんと意見交換を行いました。

日時など

日時

令和4年7月7日(木曜日)午後4時から午後5時まで

場所

旭川土地改良区(旧聖和小学校)体育館

(旭川市西神楽1線18号)

参加者(敬称略)

●旭川市長 今津 寛介

●吉本 英典(旭東地区若手農業者)

●吉田 昌史(旭東地区若手農業者)

●細川 正樹(旭東地区若手農業者)

●馬場 幸久(旭東地区若手農業者)

●谷島 圭一(旭東地区若手農業者)

●髙野 勝(旭東地区若手農業者)

●安田 尚弘(旭東地区若手農業者)

●山田 敦士(旭東地区若手農業者)

●大角 祐介(旭東地区若手農業者)

●山本 健太郎(旭東地区若手農業者)

●旭川市農政部 部長 加藤 章広

        農林整備課 国営農地整備担当課長 鷲見 陽一

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意見交換の内容

課題

(1)国営農地基盤整備を契機に旭東地区の農業がどう変わって行くのか、そのためには何が必要なのか。

(2)後継者不足、省力化、経営規模の拡大化等の問題に、若手農家はどう取り組んで行くのか。

(3)米価下落や水田活用直接交付金の削減の状況下で、儲かる農業、持続可能な農業にどう取り組んで行くのか。

(4)旭東地区の地域力(魅力や地域資源)を発信するアイデアはあるか。 

市長あいさつ

 皆さま、こんにちは。開会にあたり少しお話をさせていただきます。今日はお忙しい中、この未来会議に旭東地区の皆さんにお集まりをいただきまして、誠にありがとうございました。

 未来会議とはそもそも何かと申し上げますと、私、選挙に昨年の9月に当選していますけれども、3年前は見事に落選をいたしまして、その時思ったのが、自分がまちを変えていきたいという思いも当然大事なのですが、やはりこの街に住んでいる市民の皆さま方こそが、このまちがどうすればよいまちになっていくのか、魅力、あるいは改善点を知っているのではないかということ、それは街頭演説の中でも皆さんが色々なことをおっしゃっていただいて、それをヒントに市民の皆さまの意見を取り入れたまちづくりを行いたいということで、未来会議というものを立ち上げて、今、農業・子育て・福祉・若者・環境・観光ということでやっています。今日はその特別編ということで、旭東地区の若手農業者の方の意見を聞きたいということで、お集まりいただきました。本当にありがとうございます。今日はざっくばらんに、皆さんのご意見を聞かせていただきたいと思っています。市の政策はこういうことをやっていますというのを、高々に言うつもりは全くありません。今日私は皆さまのお話を聞かせていただきたいという気持ちでやってまいりましたので、よろしくお願い申し上げます。なぜなら今、この地域は国営の大規模化事業が進んでいきますけれども、旭川はまだまだ遅れています。この地域も、私が国会議員の秘書時代に10年かかってやっと旭川土地改良区の前田理事長方に何回も上京していただいて叶った地区でございます。この事業の後には、旭川市東鷹栖、鷹栖町もやっていきたいというお話も聞いておりますし、あるいは道営による基盤整備もしっかり進めていかなければなりません。その時、私達、市が目指している農業というものと皆さまとの感覚がずれているようでは、旭川の農業の未来はないものだと思っております。今日は私達がお話を聞かせていただいて、そしてご遠慮なく、こういうところに不満があるんだ、こういう予算を付けて欲しい、こういう活動をして欲しいというお話を、順次お聞かせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、私、昭和51年生まれでございます。皆さまと同年代でございまして、これをきっかけにまた親しくお付き合いをさせていただきたいと思いますし、今日に当たりましてご尽力をいただいた関係者の皆さまにも心から感謝を申し上げて、冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

意見交換

(今津市長)

 課題が4項目ありますが、本当にこの課題の内容でも結構ですし、それ以外でも結構ですし、色々なご意見をお聞かせて願いたいと思っています。順番ですので、こちらからよろしいですか。

(吉本さん)

 西神楽、瑞穂地区の吉本といいます。水稲と小麦を作付けしております。よろしくお願いいたします。今、基盤整備事業が進んでいると思いますが、事業が今後計画どおり令和15年で完了するように、市としてもバックアップしていただければありがたいというのが1つです。

 あと、スマート農業に対する旭川市の補助事業は令和4年度限定と聞いていますが、ほ場の大区画化が今後ますます進むと思うのですが、国営事業と市の補助事業がリンクしていればよいと思います。補助事業があればスマート農業の普及が一気に加速すると考えていますので、機器導入の動機付けを含めて補助事業の継続を考えていただきたいと思います。

(吉田さん)

 瑞穂地区の吉田といいます。本日はよろしくお願いします。私からは3点ありまして、1つ目は、水田活用直接交付金についてですが、現在、政府方針としては5年に1度水田を作付けするという方針のようですが、我々の瑞穂地区は旭東地区全体の施工順序でみると最後の方になってしまいまして、今工事が始まっていますけれども、5年以内に工事が終わるという事はまず無理という中で、例えば5年以内に水田を作るには、自費で工事をして水田に戻すといった二度手間になってしまうような形になると思いますので、できれば5年縛り自体を見直ししていただけると大変助かるのですが、それが難しいなら、特例として国営事業が終わるまでそういう縛りは待っていただくとか、そういった働きかけをしていただきたいと思います。

 もう1点、米価の下落が農家の経営を圧迫していますが、旭川もコロナで飲食店が本当に活気がない状態ですので、イベント等でスイーツの食べ歩きをやっているのを見たのですが、食べマルシェも以前やっていましたが、こういったイベントをたくさんしていただいて、地元の農産物の消費拡大にどんどんつなげていただきたいと思います。

 あとは、野生動物の作物の食害がものすごく深刻化しておりまして、自分が小さい時は家の周りに鹿などは見た事がないのですが、ここ数年で自分の周りは鹿が増えていまして、稲を食べるなどの被害が非常に増えています。昨年だと確か雨紛の方に熊が出たという事もあり、自分も子供が被害に遭うと怖いので、送り迎えをしていたということもありましたので、駆除ですとか柵を設けるといった支援も検討していただきたいと思います。以上です。

(今津市長)

 鹿の被害は、だいぶありますか。

(吉田さん)   

 場所によるのですが、川沿いや高台の方では、鹿が5頭10頭いるのを、たくさんの方が目撃していますので、是非ともお願いしたいと思います

(今津市長)

 では、細川さん、お願いします。

(細川さん)

 聖台西神楽地区の細川です。よろしくお願いします。私からは3点ありまして、まず1点目は、旭川市の農産物が色々あると思うのですが、それを居酒屋や飲食店等で使用していただいて、その使用量に応じてその店に支援金を出すとか、そういうことをすれば旭川のよい食材がより流通するのではないかと思います。

 2つ目に、今、米価や農産物の価格がかなり下がっていると思うのですが、それに対して機械類の値段は上がる一方ですので、車両の更新等に使えるような支援等を考えていただければありがたいと思います。

 最後に、今、基盤整備をしてかなりよいほ場になると思うのですが、それに伴って、転作の新しい作物にチャレンジしていきたいと思っており、例えば飼料用の稲やトウモロコシを検討はしているのですが、販路も含めて行政や関係団体から情報提供や生産支援をお願いしたいと思います。以上です。

(今津市長)

 ありがとうございます。続きまして馬場さん、よろしくお願いします。

(馬場さん)

 聖台西神楽地区の馬場です。よろしくお願いします。僕からは1点なのですが、今、旭東地区で基盤整備をやっていて、それを機にスマート農業を導入して今の規模より大きくしていきたいと思っていて、法人化というものもできればよいと思っております。ただ市場の動向として、作物の価格の下落と、肥料、資材の値段が高いということがあり、どうしても原価の方がかかってしまう。それでは国や市町村等としても先行き不透明であり、農家の人口もますます減っていくのではないかなと思います。そのような状況に対して、農家を守る支援をもうちょっとやっていければ、若い人でも農家に魅力を感じる人がいると思います。自分のつくった野菜やお米を食べて欲しいとか、そういう人にも、もう少しできるような支援があればよいのではないかと思っております。以上です。

(今津市長)

 はい、ありがとうございます。では、谷島さん。

(谷島さん)

 聖和地区の谷島です。よろしくお願いします。自分は新規就農で、研修期間から旭川市の農政部の方には大変お世話になっていて、それでやっと今年で9年目になります。十分支援はいただいているので、これからなんとか自力で伸ばしてはいけるとは思うのですが、冬場もちょっと売上を上げたくて考えてはいるのですが、やはりビニールハウスなどの資材費が上がっているのと、光熱費も今年は灯油が高いじゃないですか。でも、それを価格に転嫁してしまった場合、消費者には高くて買ってもらえません。ですので、その辺の光熱費や資材費を補助対象とした支援をお願いしたいと思っています。

(今津市長)

 はい、ありがとうございます。たくさん出てきたので、一旦整理をさせていただきます。さっそく色々な貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。吉本さん、馬場さんから基盤整備のことと、スマート農業についてのお話がありました。基盤整備においては予算をまずしっかり確保していくということ、それからできる限り早く進めていくということが大切だと思っています。そういった意味で、私も今回当選させていただいて、地元の東国幹衆議院議員も当選させていただいたので、しっかり連携を取って行きたいと思っています。やはり今、参議院選挙が行われておりますけれども、決めるのはやはり東京なものですから、こういったところに、ピンポイントでしっかり要請をしつこいぐらいにやっていくということが、私の仕事だと思っておりますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。またスマート農業ですが、実際どうですか。まだ、あまり浸透していないですか。

(吉本さん)

 全く浸透していないという訳ではなく、徐々に導入されているとは思うのですが。僕も去年、ドローンを仲間3人と一緒に購入したのですが、やはり自動操舵等のスマート農業が力を発揮するのは、基盤整備してからだと思います。今の状態だと、省力化にはなると思いますが、効率化というのはあまり図られないと思います。ですので、ほ場が大区画化したと同時に、スマート農業化が進むよう、両方が同時進行でできるように継続的なバックアップをお願いしたいと考えています。そうすることによって、スマート農業が地域の活性化や若者にアピールできるなど、色々なメリットがあると思いますので、よろしくお願いします。

(今津市長)

 国営上士別地区では、稲の水管理など色々とスマホで操作してやっているとのことで、そういった意味では、今おっしゃっていた基盤整備とスマート農業のリンクをしっかりし、同時進行でやっていくということ、またスマート農業に関する予算をしっかり確保していきたいと思っております。それから吉田さんがおっしゃるとおり、水田活用直接交付金の関係は、これは本当に東議員と連携して国に訴えていきたいと思っています。

 次に販路拡大の点ですが、今年1月に1市8町の連携協定を結んだんですね。それは今までも結んでいたのですが、定住自立圏構想といって、救急とかごみ処理とかそういう連携だったのですが、今回結んだのは、旭川大雪圏域中枢連携構想というものですので、旭川1市8町の大雪圏域として、観光でも、それこそ農業振興でも、子育て支援策でも、経済的な取り組みを深めていくことで、2億7千万円の国からの交付金が増えています。それで今年9月に決まったのですが、羽田空港ターミナルビルの第1ターミナルのちょうど真ん中のお土産コーナーの所で、大雪圏域の物産展をやることになりました。それからその後に、旭川家具の展示会をやることになりました。私は本当に自ら色々なところでやっていきたいと思っています。というのは、これは食料の安全保障と最近よくいわれておりますけど、我が国のこれからは人口が減っていきますから、食料も減っていくかも知れませんが、1つは先ほどありましたように、やはりまず地元の人に食べていただくということで、「YES!Clean」とかありますけれども、そのよさがなかなか知れ渡っていないものですから、そういうものをより市民の皆さまに理解を深めていただくことに挑戦したいと思います。それから、ヨーロッパなど海外で色々な日本食レストランがありますが、そこに意外と全然情報も届いていませんし、そもそも、色々な制約が海外にはあるものですから売っていこうという考えがありません。私ちょっと今考えているのですが、ハワイです。今まで旭川市はユジノサハリンスクとか、そういうところとやろうと思っていたのですが。やはり行きたくなるところですね。生産者の人に聞いて行ってみたいところ、そしてそこで日本人にも海外の人にも食べてもらいたいと、こう思うところに行かないと意欲もなかなか湧かない、行政的にもやはり魅力が出てこないので、新たな販路拡大にチャレンジして行きたいと思っているところでございます。

 それから鹿とか熊とかの問題ですが、道にも今回熊対策室ができて、私も昨日行って鳥獣被害の要望をしてまいりましたので、これに関してはそういう被害が出てくると心痛身にあまるものがありますから、しっかりこの辺も対処していきたいと思っております。

 それから吉田さんと細川さんで一部関係するのですが、いわゆる防衛省の予算になるのですが、上富良野や中富良野に比べると、あまり活用してきていません。でも私は昨年防衛省とも掛け合って、民生安定事業など色々な枠組みの中で旭川が活用できないか検討をしてもらっています。鹿柵なんかも現実的に富良野農協で山部の地域とかに防衛省の予算で建てています。ただあちらの方は上富良野の演習場があるものですから、ちょっと補助率が高いのですが、私もそういったところにぜひチャレンジしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 それから細川さんからの転作の関係をいただきましたので、国の情報等もしっかり提供していきたいと思います。私が現役の秘書の時やっていたのは、いわゆる農政インナーと呼ばれる議員の方々ですね、西川公也さんですとか、森山裕先生ですとか、政府の政策を作る方に現地に来ていただいて、いろいろ意見交換をやっていました。農協青年部をやっていらっしゃる方々は分かると思うのですが、青年部長とかはいつも東京に行って意見交換をやっているじゃないですか。そういったことをぜひ、私は旭川でやっていきたいと思いますので、その時は今話していただいたようにやっていきたいと思いますので、お集まりいただいてざっくばらんに意見交換もさせていただきたいと思っているところでございます。

 それから馬場さんからのスマート農業で作った地場の野菜を食べていただくということですが、市民の皆さまに地元の野菜を給食も含めて、確かに若干金額は高くなるかも知れませんが、それを超える効果はあると思いますので、しっかりやっていきたいと思っております。

 それから飼料米の関係です。以前、愛別を中心に団体が作られていますかね。そういった新たな転作の関係等もしっかり情報収集して、市としても少しでもできることを考えていきたいと思っています。

 それから谷島さんにおかれましては、資材の高騰等、世界的な原油高のお話がありました。これから色々と旭川市の補正予算において実施していく部分もありますので、また今後もしっかりと頭に入れて検討材料としてやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。それでは戻りまして髙野さんお願いします。

(髙野さん)

 聖和地区の髙野です。よろしくお願いします。私の方からは2点お話したいことがあるのですが、今旭東地区の基盤整備が進んでほ場が大型化した後に、それの有効活用として何かよい方法があるのではないか考えております。まずほ場の大型化が進めば先ほど吉本さんが言われていたように、そういった大きいほ場でこそITの技術が発揮できることになると思います。それで私は現状でも多分IT化でかなり農作業が楽になると思うのですが、整備後大きいほ場になってから取り入れていきたいなと思います。例えばIT化というのが、トラクターの自動操舵システムであったり、GPSを使ったシステムであったりしますが、そういったものを使えば、今まで農家の父さん方が培った熟練の技術、トラクターの運転とか操作というのは結構難しい作業で、初めての人にはなかなか覚えられないのですが、IT化することによって初心者や今まで機械作業が苦手だった女性や、体がちょっと不自由な例えば障がいがある方でも、そういったスマートシステムを利用して、農作業に従事していく事がもっともっと可能になってくるのではないかと思います。今、農業分野の、特に農繁期は人手不足で、人材派遣の会社に頼んでも人がいなくて断られたり、今年は特にコロナの関係もあり、濃厚接触者なので行けませんと言われて断られることもあります。人をその状態で探そうと思っても全然もういなくて、そういった部分で考えても人手不足の解消ということでもIT化を進めることで、例えば初心者や障がいを持った方でも農作業に従事してもらえたら人手不足も解消できるし、これからますます農福連携という部分でも、基盤整備をして大きいほ場でこういった取り組みも可能になれば、全国へのアピールにもなるものと考えています。話は戻りますが、農福連携を進めるということでIT化を進めていきたいのですが、自動化の機械も結構高くて個人での負担は大きいので、農福連携の分野からでも予算を付けていただいたり、基盤整備が終わってからITの技術の実力が発揮できる状態になったということからでも予算を付けていただけたら助かるということが1点です。

 あともう1点ですが、基盤整備をしてすごくほ場が大きくなることによって、夏場は作物を植えているからよいのですが、冬場もし作物を植えていない田んぼであれば、学校のグラウンドよりも大きい開けた平らできれいな土地が、ただそのままあるだけだと何かもったいないなと感じると思います。そこで何かスポーツや観光振興につなげられるような利用方法はないかなと思いまして。例えば、雪が積もっている上でスノーモービルを走らせたり、電線のないところであればパラセーリングなんかもできるのではないかと思います。そういった形で冬のレジャーとか、観光で来られる方にPRができるような場所があれば、若手農家がそこでスノーモービルを運転してバナナボートを引っ張って観光客を楽しませてあげるとか、そういった冬の仕事場の1つになる可能性もあるのではないのかなと思い、意見を述べさせていただきました。以上です。

(今津市長)

 ちなみに、髙野さん、冬は何をなさっているのですか。

(髙野さん)

 私は、冬は除雪の仕事をしています。他の農家の方は、除雪をしている人も多いのですが、スキー場やスケート場で働いている方もいます。

(今津市長)

 ありがとうございます。続きまして安田さん、お願いできますでしょうか。

(安田さん)

 千代ヶ岡・就実地区の安田と申します。よろしくお願いします。畑作、水田の複合系を行っております。今回3点お話させていただきます。1点目ですが、農作業の機械購入費が10年前に比べて現在2倍に増えているという現状があります。10年前7百万円のものが、現在1千4百万円となっております。その一方で農作物の単価は40年前と変わらないため、皆さん、収量を増やして収入を上げようとしているのですが、その結果、作物が余り、単価が下落してしまっています。そのため農作物の価格の下落を抑える国の政策なり、支援が必要ではないかと思います。

 2点目ですが、後継者不足がこの西神楽地区は非常に深刻であるため、魅力ある農業・儲かる農業に変えていく必要があると考えているのですが、農業者だけではなかなか斬新なアイデアが出てこないのが現状です。様々な異業種の方々からの知恵をお借りしながら、魅力ある農業に近づくよう挑戦していければいいと思っております。

 3点目ですが、近年、異常気象によるゲリラ豪雨が多発していますが、特に畑等の農道は砂利道が多くありますが、その砂利が流亡するなどし市としても維持管理に経費がかかっていると思いますが、市道部分において排水路等がまだ整備されていない場所も数多くあるので、今後そういったところについて対策していただければと思います。以上です。

(山田さん)

 千代ヶ岡・就実地区の山田です。私からは2点です。私は就実地区なのですが、未だに携帯電話の電波状況が悪く全くつながらないところもあります。周辺の地域でも消防団等に参加している方もいたり、従業員を雇っている方も多くいるので、事故対応や緊急連絡などの時も電波状況が悪いと困ることもあります。また、インターネット回線もまだ弱い場所もあると聞きますので、今後、基盤整備後にほ場が大きくなってスマート農業をやろうという時にも、インターネット回線や電話回線が必要になると思います。ここ最近、農協でも連絡を携帯のメールやライン等のアプリを使って配信することが増えているので、そういった通信関係のインフラを何とか整備していただけないかというのが1つですね。

(今津市長)

 山田さんの家は電波が届かないんですか。

(山田さん)

 うちはギリギリ届くのですが、やはり広い範囲に畑があるものですから、一切電話が通じない場所もありますので、改善していただければと思います。

 次に、就実の丘はここ数年たくさんの観光客が来られて、観光で地域が盛り上がるのはよいことだと思うのですが、なにぶん周りが観光に対して整備されていない農地が多いので、やはり道路にたくさん車を停められたり、ゴミが捨てられているのをよく見かけるので、そこに対する支援や対策をお願いしたいと思います。以上です。

(今津市長)

 まず髙野さんですが、農福連携のお話をいただきました。農福連携は、障がい者の方も求めています。それは本当に同じ理由で、まさにコロナで仕事がなくなってしまいました。例えば、お菓子の箱詰めや封筒の袋詰めといった単純作業等が全く止まってしまっている状況で、何かないかと私もずっと考えていました。障がい者の方々も特別な才能といいますか、しっかり説明して丁寧にお伝えしていただければ、すごい力を発揮していただけると思っています。それで今色々な作業所等で、様々な作業にあたっていただいておりますが、農業ではるかにそれを上回る賃金をいただければ、俄然やる気になり前向きになっていただけるのではないかと思っています。農業関係の方からも障がい者の方からも農福連携という言葉はずっと聞こえてきていたのですが、現実的に本腰を入れて、よしやるぞとはまだなっていなかったのが実情だと思いますので、それは市としてもそういう場面、機会を考えていきたいと思います。

 それから冬の農地の使い方ですが、まずは除雪に携わっていただいて、本当にありがたいと思います。カムイスキーリンクスとか色々な場所に行って、農家の皆さんが様々な作業をやっていただいて、本当にありがたく思っています。おっしゃるとおり、これからインバウンドの方々が、秋口以降にまた戻ってくることが予想されます。特に旭川は、今まで冬の魅力、冬の力というものをもっと発信していくべきだったのかなと思います。東旭川の桜岡の山の中にリトリートというちょっと贅沢な宿がありまして、1泊7~8万するのですが、もう満杯なんですね。美瑛にもそういったところがありますが、パラグライダーですとか、スノーモービルもよいですが、逆に何も音のないところで泊まるというのが、意外と中国や台湾、東京の富裕層の方々から見れば贅沢な時間なんですね。しんしんとした星空が見える中を、ゆっくりと寒い中、雪の音がキュッキュッと鳴りながら、ザックザック歩いて行くなんてことも大きな魅力だと思いますので、また観光の方とも相談していきたいなと思います。その節はお力をいただきたいと思います。

 それから安田さんにおかれましては、国の色々な支援についてでしたが、これはやはり国と道と連携していかなければならないものでありまして、市も国から比べればはるかに小さい予算ではありますけども、もちろん一生懸命頑張りますが、国に対して訴えというものをしっかり行っていきたいと思っています。

 それから後継者不足というお話がありましたが、北野地区は、事業が来年度には完了いたしますけども、やはり後継者が帰って来るらしいんですね。今まではお父さんの段階で辞めるといった方達が帰って来るという、そういう予想もしていなかった効果がありました。そしてまた結果的に大規模化され、スマート農業が成功して、先日私、上川農業試験場に視察に行って来たのですが、スマート農業が実現するとかなり手間が省けるというか楽になるというんですね。それこそ髙野さんがおっしゃっていたように、農家のおじさんが田植え機はおれの技術は上手い、得意なんだとか言っていまして、それが収量に差が出るという時代から、タブレットでピッとセットすればできるようになりますから、そうなると楽にしかも販路拡大ができて、稼げてきちんと利益が上がる農業の実現を目指して、そういった人手不足等の解消にも少しずつつなげていきたいと思っております。

 それからゲリラ豪雨に関しては、今、いつどこでどのような災害が起こるかも分からないという状況になっています。先日も米飯で、予想をしていたとはいえ、6月ではそれをちょっと上回る雨が降ってしまい、2件被災をされてしまって、農家さんは本当に憤りを感じていらっしゃいます。こういったことに対処していくのは、土地改良区の皆さんと日頃からしっかりと連携をしていくということと、それから制度設計上、細かく使いやすいちょっとしたお金みたいなものがあれば、色々な道路や農道の整備、修繕にも活用できるのかなと感じており、予算を付けて1年後からというよりも、今すぐ対応できる、そういったことも考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 それから山田さんの電波の件に関しては、確かに企業ですから人がいる所に電波はありますけれども、業界の方に、これからスマート農業が進展することによって、色々と弊害が出てくるのは間違いないところでありますから、しっかりと市としても訴えていきたいと思います。それからゴミですね。これは困ったものだと思います。ゴミ箱を置いてもすぐいっぱいになるでしょうし、地域の皆さんに管理していただくのも申し訳ないですし。色々な啓発活動はしているのですが、引き続き、継続して取り組む必要があると思います。また、色々なところでゴミの問題を、SDGs(エスディージーズ)の関係からも訴えていかなければならないと思っております。すぐに解決できる問題ではないかも知れませんが、しっかり私も腰を据えて取り組んでいきたいと思っています。ゴミの関係については、私もあまりよい答えが言えなくて申し訳ないのですが、継続してやっていきたいと思っているところですので、よろしくお願いしたいと思います。それでは、大角さんと山本さんに話していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(大角さん)

 聖台東神楽地区の大角です。よろしくお願いします。皆さんが言われていたのですが、ここ数年で米価の下落がものすごくて、その割に資材の高騰も酷く、周りも家もみんな農業経営が苦しくなっているという話がとても増えて来ています。米価の下げ幅に対して、今、米粉がちょっと見直されていて、朝のニュース等でも度々見るようになって来ました。米粉は小麦に比べてアレルギー等が少ないので、米粉を使った何かでアピールをして、お米の価格の見直しが少しでもできたらいいと思っています。以上です。

(今津市長)

 ありがとうございます。山本さん、お願いします。

(山本さん)

 聖台東神楽地区の山本です。よろしくお願いします。私からは2つで、皆さんも言われていましたが、私もスマート農業に力を入れていきたいと考えています。その理由が、今年3月に開通した高規格道路の整備に伴い、自分のほ場もその近くにあったので、水田の半分近くが大型化になりました。それでスマート農業に力を入れていきたいと考えていまして、今年、東神楽農協さんからトラクターの自動操縦の話が来て、補助金が半分出るよと言われ、補助金があるなら買おうと来年から導入することになりました。他にもドローン等も考えたのですが、ドローンは補助金がないので、そのままの値段で買うとなると、今、米の値段が下がっていることもあって購入を断念しました。これからほ場の大型化が進む中でスマート農業への取り組みは必須であることから、行政からの補助金などの支援をお願いしたいです。

 もう1つは、今、ハウスの資材の高騰等で面積を増やしたくてもなかなかできない人がいると思うので、密苗や直播栽培の規模拡大も必要であると自分は考えていて、行政機関等の技術協力についても、ご検討していただきたいと思います。以上です。

(今津市長)

 ありがとうございます。大角さんからは、米粉、米価の下落ということでお話をいただきました。米粉は小麦の高騰もありますので、大きな可能性があるのではないかと思っています。ただコスト的にはやはりまだまだ採算が合わないということが言われていますので、今も6次産業化をやっている方に限定されていて、皆でやっていこうということにはなっていないと思います。ですが、米粉を使ったお菓子、スイーツもありますし、本当におっしゃっていただいたようにグルテンフリーのものもあり、アレルギーのある方にも非常に魅力ある商品だと思います。一時期米粉ブームというものがちょっとありましたけれども、今、下火になりつつあるところにまた火がつき始めていって、私達も注視していきたいなと思っているところでございます。山本さんはどのくらいの予算で購入されたのですか。

(山本さん)

 自分で付ける場合だと2百万くらいかかるのを、大区画になった人を対象に農協から半分の百万円くらい補助されるということで、来年トラクターに付けることに決めました。

(今津市長)

 それは旭川市のですか。

(鷲見課長)

 多分、耕作条件改善事業という国の事業だと思います。旭川市区域でも国の事業で自動操舵を3人くらい付けています。

(今津市長)

 ありがとうございます。本当にそういった旭川市、東神楽町の山本町長とも相談してしっかり話し合いながら、スマート農業を推進していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 ここで、旭川市の補正予算の情報等についてお伝えしたいと思います。

(加藤農政部長)

 それでは3点ほど。まずスマート農業の関係です。旭川市の方から、今年度3千万円程度の予算を付けております。こちらは細川さん、安田さんもそうかなと思いますが、他の方もいらっしゃいますが、我々としても今、皆さんからご意見があったとおり、大区画化に伴い、スマート農業が今後の農業にとって一番大切で重要だと考えています。ただ、やはり今お話があったとおり、アタッチメントの機械だけで二百五十万円とかしますので、それが半額補助になって百万、百二十万となっていますけれども、なかなかその予算というものを一自治体から出すというのは難しい状況です。ただ、国の色々な補助事業もありますので、そういったところも使いながら、何とか予算を付けて当面継続できればなと農政部としては思っています。

 それから米粉につきましては、確かに今おっしゃったとおり、小麦から米粉への転換というような動きも出て来るのかなと思っています。市長から申し上げましたコストですが、原価自体はそこまで変わらないのですが、加工するのに少しお金がかかってきて、実際の価格は3倍くらいの違いが出てくるという話も聞いています。ただ、学校給食とかでも今米粉を使っておりますし、いろいろなところでそれが実際に使われるのには少し時間がかかるかもしれませんけれども、それによって小麦粉が高かったら米粉で代替していかなければなりません。そうすると価格が下がっていくと思いますので、今後重要なものになると思いますので注目してください。

 最後に、肥料高騰の関係です。これは本当に危機的な問題だと思っています。今回補正予算の方で、肥料・資材・飼料等につきましては、市の方で国の交付金を使いながら、今回議決していただいてます。今、農協さんの方にも連絡して話を進めておりますので、それが皆さんにも伝わっていくと思います。ただ正直言ってまだまだ金額的には少ない段階です。今後も国の交付金の状況をみながらチャンスを掴んで、さらに皆さんの方に行き渡るようにしたいと農政部では考えております。以上です。

市長お礼のあいさつ

 ありがとうございます。私、今日お話を聞かせていただいて思ったのは、まず1つは、旭川市がしっかり国政と道政と情報を密にして連携をして、同じ目標を掲げて、そのために一緒に歩んでいくことが大事だと思いました。これは東神楽とも一体です。やはり私達がこの旭東地区のほ場の大規模化、スマート農業、その先にどういう農業の未来を描いていくのかということを、皆さんと思いを一つにして、しっかり取り組んでいかなければならないと思います。その上で、予算面では国が圧倒的に多いわけですから、それを上手く活用していくと。解釈の仕方が色々あると思いますが、そういうのを私達自身も勉強して、皆さんに活用しやすくしていく。その上で、市の補助率をしっかりと上げていく。仮に3分の1だったものを、2分の1にするとか。私達自身も農業の予算に対し、しっかり汗をかいていかなければならない。機動的に対処できるような予算なんかを、市とか町でやっていきたいなと思っております。

 私は、今日お話を聞かせていただいて改めて思うのですが、旭川の農業が旭東地区によってさらに発展していく。そして一般的な言い方で言えば、多面的機能を守っていくなんてことを言いますけれども、やはり農業を守っていくということは、日本の食、あるいは世界の食、私は旭川の農業を守っていくというのは、そういうことだと思います。それと同時に、子供達の未来を守っていくのは、私はこの旭東地区だと思っております。今日はまだ1回目の意見交換ですので、よければそれぞれの皆さんの田んぼや畑を見せていただいて、またそこで色々と語らせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 せっかくの機会ですので、全体を通して何かご意見、ご質問等ありませんでしょうか。よろしいですか。また今日は色々なご縁が出来ましたので、今後はぜひご遠慮なく意見を届けていただいて、それをまた私どもが政策で反映をしていきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 今日は、どうもありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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