第4回新型コロナウイルス対策緊急まちづくり対話集会開催内容

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2020年8月17日

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第4回「新型コロナウイルス対策緊急まちづくり対話集会」は、新型コロナウイルスを乗り越えるために市民と行政がそれぞれの立場で何ができるのかをテーマとして、旭川市医師会、NPO法人ペアレントサポート、子育て情報関連SNSコミュニティ運営者の皆さんと意見交換を行いました。

日時など

日時

令和2年7月1日(水曜日) 午後5時30分から午後6時まで

場所

旭川市子ども総合相談センター研修・会議室2
(旭川市10条通11丁目)

出席者

  • 旭川市長 西川将人
  • 旭川市医師会、NPO法人ペアレントサポート、子育て情報関連SNSコミュニティ運営者
    (団体の出席者5人) 

対話の内容

市長あいさつ

市長あいさつの様子
市長あいさつの様子

皆さんこんにちは。
今日は、夕刻のお忙しい時間にもかかわらずお時間を取っていただいて、新型コロナウイルス対策緊急まちづくり対話集会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
旭川においては、2月22日にお一人目の感染者が市内で発生してから4か月以上経過しておりますけれども、この間、医療機関の皆さんはじめ関係の皆さん、そして市民の皆さんに感染防止対策を徹底していただいたという、本当に多くの方々の御尽力と御協力によって、市内においては、なんとか落ち着いている状況を保っています。
ただ、今日、東京で67人感染と先程報道されていましたけれども、まだウイルスがいつ旭川に入ってくるか分からない状況が継続しておりますので、私どもも、これまでの部分の一日も早い回復と、さらに、今後の備えということを、新型コロナウイルスの感染防止とともに経済の立て直し、両方同時に進めていかなければならないと思っているところです。
今日は5名の方に、それぞれの立場から、色々なお話を聞かせていただいて、今後の市の対策の参考にさせていただきたいと思いますので、非常に短い時間ではありますけれども、どうぞよろしくお願いします。

意見交換

(参加者)
1点目
市内全体の小児科で不定愁訴による受診者が増えている。
睡眠の問題、勉強の遅れへの不安、新型コロナウイルスへの不安、そして、日々あふれる怖い情報による漠然とした不安などを抱えて症状発現につながっていると思う。
親の精神状態、家庭環境の変化も要因かもしれない。
小学1年生も、学校のことを聞くと、表情が暗く、みんなが大好きな給食時間さえ、楽しくない様子。
彼らは不登校予備軍と考えられ、実際に不登校のお子さんたちが増えてからの対応ではなく、先回りした対応が必要。
子どもの心の診療の受け皿は、既にあふれていて、専門施設であれば数か月待ちという状況が何年も続いている。
不定愁訴は多くの場合、開業医を受診する。これ以上増えると新型コロナウイルスが再流行した時に、受入れが困難になる。
教育現場でのカウンセリング体制の整備、小学校低学年の場合は、もう少し楽しい環境づくりなどへの配慮が必要。
2点目
短期間で急激に体重増加を来したお子さんが非常に増えている。
運動不足、家にいる時間が長いこと、親が仕事で不在にすることも多く食べ物の管理が行き届かないことも要因。
勉強も大事だが、運動する機会をつくる工夫が必要。
教育の現場に余裕がなければ子どもたちにひずみが生じる。医療現場が混乱を来さないためにも、教育現場に目を向けてほしい。
学校の先生たちもかなり忙しく、余裕がない状況。前例がないことなので、外部にアイデアをつなぐことも必要。
3点目
日本小児科学会から予防接種控え、健診控えがないようにと提言が出ている。
幸い旭川市では目立った予防接種控えはないが、健診控えは混乱が生じているレベル。一時的な健診事業の中止に加え、密な環境への不安から健診を控えた方が多かった結果、未受診のお子さんが多い。
これに対しては、今日から旭川小児科医会の有志が個別健診の形で協力することで、収拾を図る。
母子保健課と旭川小児科医会が、情報面での連携の強化を図れるといい。
健診未受診のお子さん、予防接種を受けていないお子さんは、今後、親の経済状態によっては、虐待の増加の懸念もあり、地域の小児科医との連携も必要になる。
4点目
小児科では、例年10月くらいになるとインフルエンザ、RSウイルスなど様々なウイルスの流行が発生する。
これに新型コロナウイルスの流行が加わると検査自体も不自由になる。
この時期の子どもたちは、ほとんどが発熱のある受診。
受診人数が多いとコロナ疑いの隔離も困難。
診察したお子さんが新型コロナウイルス陽性と判明した場合、診療自体の継続が困難。
既に小児医療は、かなり収益減少している中、診療現場における不安があると、リタイアする小児科医も出てくる。
夜間救急を含めた小児医療崩壊の危険性を感じる。
解決策はないが、私たちが、この後迎える秋、冬に強い不安と懸念を抱えていることを気に留めてほしい。
まとめ
子どもたちの心に焦点を置いた、教育分野への支援をお願いしたい。
子どもへの支援は、子どもたちの将来、教育現場、巡り巡って私たち小児医療の現場にも助けになる。

意見交換の様子1
意見交換の様子

(市長)

子どもたちの心の変化、身体の変化についての話を聞かせていただきました。
これから秋、冬にかけてインフルエンザ等の流行が重なることに対しての様々な備えも、行政も今からしっかりやっていかなければならないと思いますので、学校現場も含めて対応していけるような準備をしていきたいと思います。
貴重なお話をありがとうございます。
(参加者)
虐待問題もどうにかならないかと思っている。
特別支援学級の机にアクリル板を置いて、飛沫防止をしたというのは、いいアイデアだと思う。
発達障害がある子、特別支援学級にいる子は、いつもと同じ行動パターンを好み、それが乱れるとすごく大変な思いをする。
発達障害がある子は、自分の体調の変化をうまく伝えることが苦手。
これから夏の暑くなった時に、マスクをするのはすごくつらい。
咳などが出る時は袖で口を覆うように言われるが、夏に半袖でやっても無意味。
例えばタオルを首に巻いておいて、咳が出そうな時に口にタオルをあてるようにし、その間はマスクをしなくていいことにすると、呼吸がしやすくていいので、対応を工夫してほしい。
てんかんがある子、アレルギーがある子、アルコール消毒が苦手な子など色々な子がいる。
臨機応変に、どのような工夫ができるかを親と一緒になって考えられるように、幅を持たせてあげてほしい。

(市長)
子ども一人一人にどう対応していくのかが大切だと思います。
学校もそうですが、学校以外のところも、今後更に気を付けていかなければならないと思います。
ありがとうございます。

(参加者)
SNSのグループで母親たちの心配事で一番多かったのはマスクのこと。
マスク湿疹がつらいというお子さんがすでにいて、暑くなるこれからへの不安の声も多い。
新型コロナウイルスは迫ってきていない中、マスクを着用することによる熱中症の方が不安だという声がとても多い。登下校の時だけでも、マスクを外させたいという声がある。
学校の中はマスクをすることが強制で、低学年では暑くて具合が悪くても先生にマスクを外していいか聞けない。先生が駄目と言うから外すのは無理だと思っている。親が心配しても、学校の先生が言ってくれないとどうにもならない。今年は夏休みも短くなるので、暑い中での授業では熱中症が心配という声がすごく多い。
学校に入ると消毒の匂いがするので、頭痛がする子が増えていると病院の先生も言っていた。
消毒の影響で手の皮がむけている子もいる。未就学児だと、親から園の先生への連絡により消毒は免れても、子ども同士でなぜ消毒しないのかという話になるなど、消毒についての不安の声も多い。
転校生がまだ学校になじめない。いまだに行きたくないと言っていると学校の父兄から聞いた。学校ではまだ基本的に接触が止められている中、転校生は、ほかの子から話しかけられにくい。みんなマスクをしていて表情が見えないので、みんなは自分のことが嫌いだと思ってしまい、コミュニケーションがうまくいかず、友達ができない状況がある。顔が見えない、接触が駄目というのが心配。
学校ごとの対応の差が目立っている。保健室を利用する児童が増えたために運動させられないとの判断で、しばらく体育の授業がなかった学校がある。さらに、玄関が密になるとの理由で休み時間の外遊びを制限している。ほかの小学校では、玄関のドアを開放して、しゃべらないで出入りするよう指導し、極力、休み時間は外に行って体を動かすよう促している。外になるべく行かせる学校と行かせない学校の対応の差が気になっている。子どもの体力低下も気になっているので、教育委員会で、天気のいい日はなるべく外で過ごせるように話をして、学校ごとの対応の差をなくしてほしい。

(市長)
敏感な子どももいれば、そうではない子もいますので、今、現場の話がとても多かったので、私も教育委員会と意見交換して、ある程度全市統一的な取組をしてほしいということと、子どもに応じた臨機応変で細やかな対応について話をしたいと思います。
どうもありがとうございます。

(参加者)
子どもたちは、みんなで遊んで、しゃべって、どろんこになりながら、心と体のバランスを保っている。2か月間、ずっと家で友達とも遊ばない状態から、学校に通うようにはなったが、給食時間はみんな前を向き、マスクを外したら一言もしゃべらずに御飯を食べなさいと言われ、給食時間が子どもたちのストレスになっている。パン食のみの時期よりは少し食欲が出てきたお子さんが多いが、本来楽しみだった給食の時間がつらいと思っている子もいる。
友達としゃべれないのがつらいということもあるので、子ども同士の会話をさせてあげてほしい。
学校によって違うが、小児科医としては、体温が37.5度までであれば予防接種を打ってもいいと指導しているのに、学校では今は37度で下校させられる。御飯食べた後に体を動かすと簡単に37度になるし、低学年は元々体温の高い子がいる。37.5度の学校もあるが、37度で帰すのはやめるよう統一して緩和してほしい。

意見交換の様子2
意見交換の様子

(市長)
少し体を動かしたら37度くらいにはなります。
子どもたちは給食の時間も大変だと思います。
小学生から同じような話を聞きました。ある学校では給食時間にリクエストで好きな曲をかけているそうです。それで少しはストレスが減るようです。
体温の関係は、また教育委員会と情報交換する時に話題にします。

(参加者)
旭川産婦人科医会と旭川医大が新型コロナウイルス感染症と妊婦に対して対応を決めて資料を作成した。
市立旭川病院、旭川医療センターという感染指定病院が分娩を扱っておらず、分娩を扱う所は感染指定病院になっていないことから、旭川地区の周産期医療は新型コロナウイルス感染症には対応できない。
旭川医大も、キャパシティの余裕があまりないので、そこをパンクさせないように、どうしたら良いかということを頭を悩ませながら対応策を立てたが、完全には折り合いがついていない。
特に市立旭川病院は、産科の医師が春から赴任してきているので、ある程度協力をいただこうと思ったが、事情があって十分な対応ができない状況が起こっており、兼ね合いが難しい。
産科施設は色々あり、数年前までかなりの数の分娩施設があったが、中止や閉院になっている病院があり、今日から分娩中止となったところもある。開業医ではもう4件しかなく、産科の医療体制は脆弱な状況が起こってきている。
お産自体は減ってきているが、対応していくにはマンパワーなり施設の協力が必要だが、十分できていない。
道でも周産期医療体制の再構築について、この秋くらいには始めるという話を聞いている。市の役割もかなり大きいと思うので、できたらそういうところで協力していただきたい。
妊婦のPCR検査を優先的にやっていきたい。旭川市では年間2千人くらいの新生児が生まれるので、換算すると、保健所で1か月に30から40件の検査に協力いただくと、全員検査でき、検査結果によりで対応を決めていくことができる。
今、産科でPCR検査が陽性になると、基本的には、ある1か所に集めて帝王切開するという流れになっているので、陰性と陽性に分ける必要があり、また、里帰り分娩に対しても、もう少し対応がスムーズにいくのではないかと考えている。
保健所長や5病院の先生方にも提案している。可能であれば、そのような形のものをつくってほしい。

(市長)
分娩施設がこんなに減っているとは驚きました。
病院はあるのに実際はやっていないという状況ですね。

(参加者)
産科の開業医が高齢化し始めているので、分娩施設はどんどんなくなっていく状況だと思う。

(市長)

保健所とも情報交換して、それぞれ医師会の皆さんにも御注意いただいて、体制を固めていかなければならないと思いますので、またよろしくお願いします。

(市長)
皆様から、それぞれの立場で御意見をいただき、ありがとうございます。
もう少し時間が取れたらよかったのですが、こういう御時世なものですから時間が短く、簡潔にお話をしていただくことになりましたけれども、どうもありがとうございます。

(参加者)
抗原検査キットは、まだ開業医には届かない。札幌には入ってきたが、旭川には入ってこないと聞いた。
これから冬を迎えるにあたって、抗原検査キットがあると新型コロナウイルスに感染しているかどうかの振り分けがある程度できるので、早く旭川でも手に入るようになればいい。
子どもたちにPCR検査をするのは大変。
抗原検査だとほかの検査と同じようにできるので、検査できるシステムがあると安心。

意見交換の様子3
意見交換の様子

(市長)
こちらも保健所と情報交換させていただきたいと思います。

(参加者)
このような状況になった時に一番守らなければならないのは命で、その次は子どもの心、それから学び。
これから、もし子どもが新型コロナウイルス感染症になったら、周りから差別されたりいじめを受けることがあってはならない。教育現場でも、万が一そうなった時に、きちんと指導ができるように、前もって道徳の時間などで子どもたちにも教えてほしい。

(市長)
そうですね。分かりました。
ありがとうございます。

市長お礼のあいさつ

本日は貴重な御意見を聞かせていただきありがとうございます。
これから秋、冬にかけて感染第2波、第3波の心配もありますし、子どもたちの心のケアも非常に大切になってきますので、気を抜かず、気を緩めずに、行政も準備をしていこうと思っております。また、それぞれの立場・現場の皆様には、色々な部分で御相談させていただく場面もあろうかと思いますが、その時にはどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。

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