令和2年度第1回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会 会議録

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2020年4月10日

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令和2年度第1回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会 会議録

会議概要
日時 令和2年6月18日(木) 午後3時~午後4時30分
場所 旭川市彫刻美術館 研修室
出席者
  • 委員

西村徳清、福島義教、梶浦仁、山下真実、弦間信、藤井忠行、

村田典子、八重樫良二、佐久間裕司、水田恵學

  • 彫刻美術館
高桑文化振興課長、大木彫刻美術館長、山本彫刻美術館主査
会議の公開又は非公開の別 公開
傍聴者数 0人
会議の内容
(議題)
1 令和元年度事業報告について

2 令和2年度事業計画(案)について
以下の会議録のとおり

会議資料(PDF形式)

会議の内容 

1 開会

2 委嘱状交付

3 文化振興課長挨拶

4 会長・副会長選出

(八重樫委員を会長に、藤井委員を副会長に選出した。)

以下、八重樫会長の進行により、議事を審議する。

5

(1) 議事1「令和元年度事業報告について」

(2) 議事2「令和2年度事業計画(案)について」

事務局から一括して報告、説明を行い、これに関する質疑応答は次のとおり

●会長

 ただいま事務局より令和元年度事業報告及び令和2年度事業計画についてまとめて説明がありましたが、御意見がありましたら御発言下さい。

●委員

 5ページに書いてある旭川市美術館の入場者総数が、リニューアルされてから半減しているのは少し残念だと思いました。

●事務局

 本館だけで見ますと御指摘のような状況になっております。休館中にステーションギャラリーという分館がオープンしておりまして、合計数では休館前から入館者数を上まわるものの、本館の入館者数は伸び悩んでおりまして、私どもとしても皆様に来ていただけるような取り組みをしていかなければならないと考えているところです。

●会長

 他に御意見がありましたら御発言願います。

●委員

 3ページの令和元年度の本館の入館者ですが、常設展と企画展を合計した約8千人とならないのはどうしてですか。

●事務局

 本館の常設展の4、228人は企画展を含めた数値となりますが、企画展を開催していない期間も常設展は開催しているため、企画展の合計は常設展を下回る数値となります。道立美術館のように常設展示室と企画展示室が分かれていないため、どちらも御覧いただくため内数となっております。

●委員

 8ページの旭川彫刻散歩ですが、昨年参加し大変良い体験が出来ました。普段接することがない彫刻家の先生から作品説明を受け勉強になるものでしたので、こういった企画をもっと増やしてほしいと思います。

●事務局

 入館者数の少なさにつきましては、色々なところから意見をいただいております。例えば、旭川市議会からも3回ほどそのような意見がありました。本館がリニューアルしたのにもかかわらず、観覧者が大きく減っているといったことにつきまして、文化施設ですので入館者数が全てではないことを前提としつつも、何か出来ないのかということを求められております。新規の作品購入や他館から借りてくることについても予算的に難しい状況にあることから、教育施設であるという意味合いを強め、彫刻散歩や巡回展示などの企画の中で彫刻のファンを増やしていく取り組みに向かっていく流れであると考えております。今後も予算が潤沢にある時代は望めない中で、文化予算の確保が難しいことを前提すると教育普及的な事業をより工夫していくことが必要であると捉えております。一方で、市外の彫刻ファンの方からは、中原賞を中心に戦後の日本彫刻の代表的作品が揃っていると評価する声もあることから、企画展で全国のコアな彫刻ファンを呼び寄せることや市民の方には身近な場面で彫刻に触れていただく形が今後の目指すべきあり方ではないかと考えております。こうした状況を踏まえて皆様から御意見をいただければと思い発言させていただきました。

●委員

 その件について提案があります。旭川は彫刻の街であり日本の中でも中原悌二郎賞という格式の高い賞がありますので、高校彫刻甲子園というものを始めてみてはどうかと思います。隣町では写真甲子園というものをやっていますが、旭川市も全国高校彫刻甲子園というものを開催することで知名度が上がりますし、高校生自体の意識が高まり彫刻の賞を狙って日本全国から集まる大会となります。まずは写真などから作品を選び14校ほどを集め、提出した作品とは別に課題を提示して3人一組程のグループに3日間位で作品を作らせて審査し日本最高峰の賞を与えます。今までは彫刻というと木や紙、石やコンクリートや金属など幅が広すぎたので、材料を合板一枚に指定して最初に作品を作らせてみてはどうかと思います。新聞社やテレビなどのマスコミをどんどん利用することや広報用のポスターについても中学校や高校の美術部でポスターコンテストを行い、集まったポスターを駅などに貼ることで彫刻美術館のPRになるでしょうし、生徒の家族が彫刻美術館に興味を持つことになると思います。

地元市民の方で彫刻美術館に来たことがない人がかなりいると思います。私の勤める会社には150人ほどいますが私以外に実際来たという人を聞いたことがなく、知っている人もほとんどいません。国指定の重要文化財である旧偕行社や駅にあるステーションギャラリーの存在自体も知られていません。ステーションギャラリーの近くには看板一枚が置かれているほかに、広い駅の中でたくさんの柱があってもステーションギャラリーの案内がありませんでした。駅の観光センターでも新しいパンフレットや野外彫刻マップを見つけることが出来なかったので案内の人に聞いてようやく手に入れることが出来ました。私は野外彫刻マップをとても気に入っていて、このマップを使い野外彫刻の写真を一枚づつ撮りながら自転車で楽しく巡りましたが、旭川市民にこのマップの存在が知られていないので、観光協会と美術館がもう少し連携し周知されてみてはどうかと思います。マップの中で作品を見つけるのに一番時間がかかったのが神楽岡公園にある青木野枝さんの作品のチキサニチョロポキタです。場所が分からなかったのでみどりのセンターの事務所に行きましたが、誰も知らなかったのでインターネットで調べてもらいやっと場所が分かるといった状況でした。 

清掃ボランティアが100名を超えていることについては大変驚きました。このことは彫刻美術館にとって誇れることでありますし、加えて野外彫刻を観光案内するボランティアがあれば是非参加したいと思います。

●事務局

 今の御意見についてすぐにお答えできるものはないですが、彫刻はどちらかと言えば敷居が高く取っ付きづらいものとなっていますが、振り返れば子どもの頃に粘土遊びは誰でもした経験があるわけで、子ども彫刻教室でも嬉々として子供達が体験していますが、いつからか高尚なものになってしまっていると思います。彫刻甲子園といった形はすぐに出来ることではないとしても、そういった視点は必要であると感じております。野外彫刻につきましては、彫刻の街旭川としてまず言わなければならないこととしまして、中原賞以上に彫刻ボランティアが野外清掃をやって頂いていることが、野外彫刻清掃の費用面だけではなく100人以上の方々に御協力いただいていることこそが彫刻の街旭川の誇りであると思っております。お話しいただいた野外彫刻マップにつきましても、昨年市議会において紙面の作りが役所的な作りでなく視点が市民向けの形であり良い作りであるとの評価を頂いております。こういったことからも、ボランティアの方との協力関係も再び考えていく必要があるものと思っております。

●委員

 8ページの子ども彫刻教室に関する質問です。8月については延期し、冬休みは12月に実施を予定しているようですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響で、学校が長期間休校になったことから、今年度は夏休みも冬休みも10日程度しかないので、実施するとすれば必然的に2月になってしまうのではないでしょうか。

●事務局

 2回はやりたいと考えていまして、冬休み中と8月分を2月に振り替えて実施したいと考えております。

●委員

 私には中学生の子供がいるのですが、今年度の冬休みは年末年始程度しか休みがありませんので、本当に冬休みに実施するのであれば冬休みが短いことを念頭においていただきたいと思います。また、彫刻美術館の入館者数ですが、なぜ減少したかについての検討や研究はされているのでしょうか。

●事務局

 減少原因についての分析は出来ておりません。

●委員

 カーナビで彫刻美術館に行こうとしたのですが、情報が出てきませんでした。恐らく私のカーナビが古いためか、彫刻美術館が休館の時に製造されたものであれば、探そうと思っても出てこない可能性があると思います。中原悌二郎と入力するとステーションギャラリーは出てきますが、彫刻美術館は出てこないので、そうしたエアポケット的な要因もあって、彫刻美術館へ行こうと思っても検索できないから諦めている可能性もあって、知っている人は知っていても、皆さんが中原悌二郎を知っているとは限らないので、何らかのトレースが必要ではないかと思います。また、私の家から彫刻美術館へバスで行こうとすると1時間に1本程度あるから良いのですが、駅から徒歩で行くことは非現実的なので、アクセス面の検討をされた方が良いのではないかと思います。

 また、旭川市のご当地検定に合格し、認定証を呈示すると彫刻美術館の入館料が無料になります。私は当該検定試験に合格し、認定証を持っていますが、ここではない施設で、入館料が無料になる施設に該当しているにもかかわらず、その認定証を見せても把握していないところがありました。入館料をいただくのが理想ではありますが、まずは彫刻美術館に来場していただくことを優先し、ご当地検定試験を実施している旭川商工会議所とタイアップすることで入館者数の深掘りができるのではないかなというのが率直な考えです。

●事務局

 ありがとうございます。なぜ減っているのかということは聞かれるのですが、確固とした理由については正直なところよく分かっていないところでして、例えば5ページの表で言えば休館前と比べ中学生以下が千人位減っておりますが原因が見えていません。カーナビについては初めて聞いたところですが、北海道をレンタカーで移動する方も多く、隣の井上靖記念館などは圧倒的に道外からの来館者が多いところでもありますので、確かに4年ほど休館していたことがカーナビの情報に影響しているかもしれないと思います。

●委員

 買物公園が4条通から奥になるとほとんど観光客が歩いていませんので、買物公園には佐藤忠良先生の作品などがありますが、木内禮智先生の作品である「手」のインパクトが強いと思います。旭川市に芸能人や有名人が来た時には必ず「手」や彫刻美術館の建物である旧旭川偕行社の前で記念撮影をしてもらうことにすると、例えば嵐の四人で記念撮影したとなれば多くの人が来るでしょうし、旭川には素晴らしい野外彫刻がある街ということをPR出来るのではないかと以前から思っています。

●会長

 熱心に御意見をいただきありがとうございました。議題の令和元年度事業報告と令和2年度事業計画について、他に御意見はありませんでしょうか。

●委員

 先程Wi-Fiの整備についてお話いただきましたが、これはSNS等の準備をされているが、Wi-Fi環境が整わないため進んでいないということでしょうか。

●事務局

 美術館のネット環境は直接インターネットにつながっているわけでなく、仮想外部ウエブに接続している共用のパソコンが1台しかない状態でして、現在の状態でSNS等を行うとすると、共用のパソコンで作成したものを内部決裁で了解を得られてからアップする形になってしまうためリアルタイムで発信できるものではない状態です。そうした状況から社会教育施設全体でWi-Fi環境が整備されれば、個人のスマートフォンからでも美術館専用のアカウントから入って対応することが可能になると考えていますが、現状ハード面での課題があるところです。また、ソフト面についてもツイッターやインスタなどのSNSをどのように活用出来るかについても職員自体の認識に差がある状況にあります。

●委員

 直接ネットにつながっているコンピュータが無いのですか。

●事務局

 市役所全体として個人情報保護のため仮想外部ウエブを経由しています。個人情報が漏れることを避けるため直接インターネットにつながっているパソコンはありません。一部自治体では直接インターネットに接続する動きもあるようですが、全国の自治体も同じような形となっています。

●事務局

 彫刻や建物の魅力を興味がありそうな方にどうやって情報を届けるかとなると、どうしてもSNSが有効であると思っていますが、お話をいただいてもなかなか進んでいないことは恥ずかしいところですが、ハードやソフトのいずれも課題はあっても必要であると認識しております。

●委員

 そんな問題があるのですか。Wi-Fiは来館者向けですよね。

●事務局

 そうですね。来館者向けにWi-Fi環境が整備できれば、館の職員も外部発信が可能になります。

●委員

 不特定多数に情報発信しようとするとコストがかかるので、選択肢として好きな人に直接届ける方法があった方が良いと思います。

●事務局

 関心の高い人に届けることについては、彫刻美術館は建物を含めそういう性格を担っていると思います。

●委員

 情報を共有したい人が全国にはたくさんいるとは思いますが、繋げるハブになれれば良いと思います。

●会長

 他にありませんか。よろしいでしょうか。美術館の計画等について熱心にお話しいただきました。是非参考にしていただければと思います。

隗より始めよというように、先ずは手近に出来ることから始めることではないかと感じたところです。出来ることを具体的に考えていくことが大切であると思います。鋭意努力していただきたいと思います。

それでは、議案につきましてご承認をいただきたいと思います。皆様ご承認いただけますでしょうか。(一同承認)

 ありがとうございました。続きまして報告事項としまして、事務局から説明をお願いします。

●事務局

 報告事項といたしまして、「凍れる滝」の設置方針について御説明申し上げます。「凍れる滝」の設置方針ですが、経過としまして新庁舎建設予定地に設置されていた「親和」と「凍れる滝」の2作品について移設が必要となり、「親和」につきましては昨年春光園に移設しましたが、「凍れる滝」については大型の噴水作品ということで、設置場所及び費用と設置後の維持管理について課題が多く、昨年は彫刻美術館裏に仮置している状態となっております。その中で課題等を整理した上で今年度中に設置することで進めているところであります。課題の整理ということですが、「凍れる滝」の噴水機能を維持した場合は水盤として直径13メートルの設置場所が必要であるということや噴水の安全性の確保が必要となることから、水の滅菌や転倒防止対策が求められることになり、工事費に加えて継続的な維持管理経費が生じることが課題として考えられるということを確認しております。一方、噴水機能を無くしても純粋な彫刻作品として力を持つ作品であることを総合的に判断し、噴水機能無しで作品を設置するとの結論に至りました。設置場所につきましては、「凍れる滝」は水が滴り落ちるのが本来の形でありますので、作者の作風や制作意図を踏まえて、春光園の中にある池への設置が最も適しているとの判断に至りまして、検討を進めているところであります。以上です。

●会長

 市の設置方針はこういう形であるとの説明でした。ご質問やご感想があればお願いします。

 それでは、「凍れる滝」の設置につきまして工事の進展がありましたら、この会議において報告していただくということでよろしいでしょうか。(一同了承)

 ありがとうございました。

 それでは、これにて第1回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会を閉会します。熱心に御発言いただきありがとうございます。最後に事務局から連絡事項があればお願いします。

●事務局

 本日の会議録については、事務局で作成後に出席委員の方にご確認いただきまして確定したいと思っております。また確定後に皆様に送付いたします。なお、年度内にもう一度お集まりいただき、来年度の実施内容にについてご協議していただくことを予定しております。本日はありがとうございました。

以上、質疑応答を終了

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ファクス番号: 0166-46-6288
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