令和2年度彫刻美術館本館の展覧会

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2020年10月13日

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中原悌二郎賞創設50周年記念展「ブロンズの微笑(ほほえみ)~笹戸千津子展」

本年度は、旭川市が1970年に開村80年記念事業の一環として中原悌二郎賞を創設してから50周年にあたります。

創設当初は具象的な彫刻が多く受賞していた中原悌二郎賞ですが、その後、彫刻の在り方、形態、素材に至るまでさまざまな形での変化に対応し、現在は多種多様な彫刻作品が選考され、第41回を迎えた昨年度まででは、中原悌二郎賞、中原悌二郎賞優秀賞の受賞者は75名にもなっています。こうした受賞者の中から、50周年記念展として第18回中原悌二郎賞優秀賞を受賞し、市内に野外彫刻が設置され、市民にも親しまれている笹戸千津子の作品をご紹介します。

笹戸千津子は、1948年山口県徳山市に生まれ、1970年に佐藤忠良の指導する東京造形大学美術学科彫刻専攻の第一期生として卒業します。その後、彫刻研究室へと進み、修了後は佐藤のモデルをつとめながら、同じアトリエでともに作品の制作を続けます。1977年に新制作協会会員となり、1987年に第18回中原悌二郎賞優秀賞を<若き立像’86>で受賞、1993年には第7回神戸具象彫刻大賞展において招待出品し受賞するなどのほか、数多くの個展等を開催し、現在も積極的に活動をしています。

また、野外彫刻として旭川市には、永隆橋に<微風>、<女>が、旭川信用金庫本店前には<希望>、道内では、札幌、函館、岩見沢などにも設置され、道外においても、岩手県から熊本県にいたるまで全国にわたって設置されており、その作品は、日本の風景に馴染み、広く愛されています。

笹戸の作品は、端正な若い女性像や愛らしい子供の像、あるいはそれらの頭像を主に制作し、大袈裟な身振りによる表現ではなく、静かな佇まいのなかに集約された動勢と、求心的な造形による具象彫刻です。

また、特筆すべきなのは笹戸の制作姿勢です。

モデルを前にデッサンなどを描いて作品のイメージを脹らませる。鉄棒や木、麻紐などを用いて作品の心棒を作る。その心棒を捏ねて練りこんだ粘土で覆い、モデルを見ながら人体をかたち作っていく…作品完成後は、ブロンズ鋳造のために石膏で型をとり、粘土を掻きだす。また、その粘土を練り直し次の制作にそなえる…

こうした笹戸の制作は100年以上前の中原悌二郎の頃の近代彫刻から変わらない塑像によるブロンズ彫刻の行程のままであり、「一日粘土(つち)をいじらざれば一日の退歩」と佐藤忠良の教えを受け継ぎ、笹戸は現在も毎日制作を続けています。

求道者のようにストイックに制作を続ける彫刻家・笹戸千津子の作品を中原悌二郎と中原悌二郎賞の原点、そしてさらなる人体表現の深化を追究するものとして紹介します。

笹戸展チラシ

展示1展示2

展示3展示4

展示5 展示6

  • 彫刻作品16点平面作品4点計20点
  • 会期:令和2年10月3日(土曜日)~令和2年12月13日(日曜日)
  • 休館日:毎週月曜日休館(月曜日が祝日の場合は翌日)
  • 時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 会場:中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館1階展示室(旭川市春光5条7丁目 電話番号 0166-46-6277)
  • 観覧料:一般450円/高校生300円/中学生以下無料

*上記料金は常設展観覧料を含む金額 *各種減免規定あり

  • 主催:中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館

更新日 2020年10月11日

企画展「新収蔵品展~愛(いつく)しまれた贈り物」

旭川市彫刻美術館は、日本の近代彫刻史に大きな足跡を残した中原悌二郎(1888~1921)を記念した彫刻専門の美術館です。中原悌二郎が残した12点の彫刻を中心に、ロダン、荻原守衛といった中原悌二郎に影響を与えた彫刻家や、1972年(昭和45年)に旭川市が創設した中原悌二郎賞を受賞した作品及びその彫刻家の作品、旭川と北海道ゆかりの彫刻家の作品を収蔵しています。また、これらの彫刻家によって描かれた素描や版画などの平面作品も収蔵しています。

今回の企画展では、昨年度から新収蔵した作品を中心に紹介します。

北村善平(1926~2017)は、旭川生まれの彫刻家で国画会会員として活躍し、<少年の夢>(花咲スポーツ公園)や<レルヒ中佐顕彰像>(旭川空港ビル前)が設置されており、市民になじみ深い彫刻家です。今回の収蔵作品は、2017年に死去した北村の御遺族の方から故郷である旭川の彫刻美術館にも作品を遺したいという思いから御寄贈いたたいたものです。

“彫刻のまち・旭川”の野外彫刻第1号の<青年像>(市役所庁舎前)の作者・新田実(1909~1989)は、旭川師範学校卒業後、東京美術学校に進み、自由美術協会会員として中央で活躍した作家ですが、旭川とのつながりが深く、旭川市文化賞の受賞記念品のブロンズ像<青年立像>や小熊秀雄賞のレリーフの制作など数多くの作品を旭川に残しています。寄贈された素描<青年裸像>は、<青年像>が設置された際に知人が譲りうけ、長らく自宅に飾っていたものを遺族の方から寄贈をうけたものです。

加藤顕清(1894~1966)は、旭川にゆかりの深い彫刻家であり、また、中原悌二郎の作品の収蔵に尽力した彫刻家でもあります。加藤の母校・上川中学校の同窓者を中心に「加藤顕清遺作保存会」が結成され、旭川では、彼の彫刻が様々なところに数多く存在しています。今回の収蔵作品は、そうした「遺作保存会」の遺族の方が大切に保存していたものを御寄贈いただいたものです。

第5回中原悌二郎賞優秀賞、第25回中原悌二郎賞を受賞した加藤昭男(1927~2015)は、<月に飛ぶ>(忠別橋)、<天を支える>(常設展展示中)や動物をモチーフにした平面作品などユニークな造形で親しまれている彫刻家です。この度、御寄贈いただいた作品は、加藤と親交のあった寄贈者御自身がシルクスクリーン版を作成し、加藤が手彩色したものです。もう一点は女性像をデッサンしたもの

で、加藤としては珍しい作品です。

吾妻兼治郎(1926~2016)は、 <YU-847>(常設展展示中)で第30回中原悌二郎賞を受賞し、日本とともにイタリアを中心に国際的に活躍していた彫刻家です。今回寄贈いただいた作品は、彼の”小さな動物園”シリーズのもので、抽象的な吾妻の作風とは一味違った愛らしい作品群となっています。美術愛好家である寄贈者から中原賞の縁で当館に寄贈していただきました。

三沢厚彦(1961~ )の作品<Animal 2017-05>は、第41回中原悌二郎賞受賞作品の代替作品として、令和元年度に購入した作品で、改めて新収蔵作品として紹介します。

絵画作品に比べ、彫刻作品は大きさ、材質の点などなかなか個人で所有することは難しいと思われがちですが、今回ご寄贈いただいた新収蔵作品は、いずれも個人のお宅で大切に保存し、愛蔵されてきた作品です。こうした個人所蔵であった作品を紹介することにより、より彫刻を身近な感じ、親しんでいただけたらと思います。

チラシ

展示1

展示2

展示3

展示4

  • 会期:令和2年7月4日(土曜日)~令和2年9月27日(日曜日)
  • 休館日:会期中無休
  • 時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 会場:中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館1階展示室(旭川市春光5条7丁目 電話番号 0166-46-6277)
  • 観覧料:一般450円/高大生300円/中学生以下無料

*上記料金は常設展観覧料を含む金額 *各種減免規定あり

  • 主催:中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館

更新日 2020年7月10日

お問い合わせ先

旭川市教育委員会 社会教育部文化振興課中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館

〒070-0875 北海道旭川市春光5条7丁目
電話番号: 0166-46-6277
ファクス番号: 0166-46-6288
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受付時間:
午前8時45分から午後5時15分まで(月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)及び12月30日から1月4日までを除く)