令和元年度第2回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会 会議録

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2020年4月10日

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令和元年度第2回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会 会議録

会議概要
日時 令和2年2月18日(火) 午後3時~午後4時40分
場所 旭川市彫刻美術館 研修室
出席者
  • 委員

上西信昭、吉野法行、梶浦仁、藤井忠行、椎名澄子、弦間信、

八重樫良二、豊田優奈、黒田忠

  • 彫刻美術館
社会教育部長、文化振興課長、彫刻美術館長、彫刻美術館職員
会議の公開又は非公開の別 公開
傍聴者数 0人
会議の内容
(議題)
1 令和元年度事業報告について

2 令和2年度事業計画(案)について

3 その他
以下の会議録のとおり

会議資料(PDF形式)

会議の内容 

1 開会

2 社会教育部長挨拶

以下、八重樫会長の進行により、議事を審議する。

3

(1) 議事1「令和元年度事業報告について」

(2) 議事2「令和2年度事業計画(案)について」

事務局から一括して報告、説明を行い、これに関する質疑応答は次のとおり

●会長

 事務局より令和元年の事業報告及び令和2年度事業計画についてまとめて説明がありました。ご意見等ありましたらご発言お願い致します。

●委員

 昨年度もお話させていただいたのですが、彫刻サポート隊への参加について、人数の規模の関係で前に進めるのが難しく、まだ進んでない状況かなと思いますけれども、一歩でも進めた方がいいかなと思いまして、彫刻サポート隊の総会が5月ぐらいに例年あるようですので、もし可能でしたら美部連の代表者として何名か参加させていただければ、少しでも進めることが可能かなと思いますので、是非参加させていただければと思います。

●事務局

 例年5月に総会を開催しておりますが、3月に事前に総会の方向性を決める班長会議を予定しております。今いただいた話につきましても、そこでまず提案させていただきまして、ぜひ前向き進めさせていただければと考えております。昨年からご提案いただいたことをサポート隊の班長会議の中で報告させていただいておりまして、サポート隊の皆さんも総体としては前向きなのですが、実際の日程調整や生徒さんがどのぐらいの人数で参加できるのかが、机上の話では見えない部分があり停滞してしまっている部分もありますので、少しでも顔を合わせて話し合いをさせていただければ、徐々に具現化できるのではないかと考えておりますので、是非よろしくお願い致します。

●会長

 どうもありがとうございます。是非検討下さい。

●事務局

 サポート隊も皆さん年齢が高齢になってきておりまして、現在来年度ので参加意向確認しておりますが、数名高齢のためということで辞退されている方も出てきておりますので、今140名ということで大所帯ではあるんですけれども、彫刻の数も76体ほどございますので、徐々に個々人の負担が大きくなってきておりますので、是非ボランティアさんの人数を増やしていきたいと考えておりますので、そのあたりを含めてご協力いただければ大変ありがたいと思っております。

●委員

 実績の5ページにある出前授業についてですが、私どもは道立美術館の出前授業を全道的にやっておりますが、予算が少ないため全道で年に一ヵ所か二ヵ所ぐらいと本当に数が少ない状況です。去年は離島の礼文に行きました。地方美術館の一番近い所が担当することから、他館に比べ旭川美術館が近いので行きましたが、トラックに学芸員が乗り自分で体育館に作品を並べて離島の子どもたちに説明するという非常に窮屈で実施校も少なく大変な授業展開です。旭川の彫刻美術館の出前授業は、これほどたくさん実施されていますが、学校によっていろいろでしょうが対象学年はどうなっていますか。

●事務局

 小学校低学年から中学校まで出前授業の依頼がありますので、学校側からの要望に合わせて実施させて頂いております。

●委員

 今、教育界は学力体力ももちろん大事ですが、美術教育として直感力や感性といった力がますます求められる時代で、学力の計算、分析等の基本的な多くの事項はペッパーくんやAIが強く代替されていくので、20年後30年後の世の中では人間が強みを出していかないと戦っていけないのではないかと言われてる中で、国も美術教育を非常に重要視している。子どものころから美術に親しむ原体験が大事なことなので、旭川市彫刻美術館のように同じ学校でも今年は低学年なら来年は中学年にと児童生徒にまんべんなくいろいろな体験ができる取組をしていることは素晴らしいのかなと思います。

●事務局

 出前授業は巡回展示とセットでやっておりますので、出前授業として1回だけ行くわけではなく、巡回展示の中で作品を鑑賞していますから、より理解しやすいと思います。なかなか学校として美術館に来ることは教育カリキュラム的に難しことからこうした形で行っていますが、一方で、資料にもございますけど、館の入館者数が多いとは言えない人数ですし減ってもいることから、入館者数がすべてではないと常々言っておりますが、一方でどうしても評価基準になるということなので、巡回展示の人数を入館者数に加えたいところですが、なかなかそれもできないところです。これまでも複数の市議会議員から入館者数が少ないと言われておりまして、お隣の井上靖記念館も含めての話ですけど、どのようにしていったらいいのか悩んでおります。

●委員

 財政的に見ると入館者数とか費用対効果について話題となりますが、美術館の役割としては公のお金でやらしていただく中で、人がたくさん来るものばかりやるのも問題ですし、人が来なくても提案するという役目もあるので、そこを議員さんをはじめ多くの方に理解してもらいつつ、かつ汗をかいて頭を使っていろんな工夫をしていかなければなりません。子どもたちを今から美術館に親しみ持たせてその子が大きくなったときに、大人として来てくれることも考えて取り組んでいますがなかなか難しいところです。

●事務局

 そうですね。委員がお話しされたとおり感性が重要であると言われていて、本でもビジネスマンが美術を勉強しているといった新書がありますが、そういう意味でも感性が大事だと思います。旭川には美術館が複数あるということからも旭川市の長所として生かしていくようにしなければならないですが、なかなか大人の方に彫刻に親しんでもらうことは正直難しい部分があります。一方で粘土遊びなどは子供は関心がありますので、人数が多いとは言えないかもしれませんけれども、こども彫刻教室に参加いただいた方は喜々としてやっていただいています。そういう意味で手応えを感じている部分と感じられない部分の両方あるというのが今の彫刻美術館かなという気がいたします。

●委員

 本校に今年度来ていただき、5年生・6年生が対象で出前授業の様子を見せてもらいました。彫塑を子どもたちが見るとき、どこをどういうふうにして見たらいいのかがきっと分からないだろうなと思ったところ、一生懸命掘り起こしてくれるんですよね。どんな楽しみ方をするのか、どんな見方するのか、どんな感じ方すればいいのかということを一生懸命問いかけてくれたり、説明してくれることが非常にありがたいと思いました。小学生で彫刻を鑑賞するとなったとしても見方そのものが分らないのではないかというときに、楽しみ方、感じ方を教えていただけるのは非常に貴重だと強く思いますし、また来ていただければと思っております。

●委員

 いまのお話の続きとして、12月に私が担当した子ども彫刻教室には出前授業で話を聞いたという小学生の参加者が何人かいて、実際に学校で説明を受けた彫刻が鋳造体験でどういうふうに流し込まれて形になっていくのかというところがようやくこうピタッと結び付けられるということで、そうしたお話が一連でできたってのがすごく良かったなというふうに思っていまして、一応私の方としても当日石膏型と銅原基を持ってはきましたが、なかなかそこまではお話できませんでした。今おっしゃっていたみたいに、実際に出来上がっている作品を見てその説明を受けて、そこでだいたいのことが分かるのですが、その続きとしてまた体験が出来てっていうような、そういうような流れがあると、よりもっと興味を持っていただけるのかなというふうに実感しました。

●会長

 ありがとうございます。一連の教育普及に関しての話題についてお話を伺いました。

●委員

 私の孫が「恐竜の卵をつくろう」のワークショップに参加させていただいて、結構時間かかって作っていたんですけど、それを持ち帰ってから二週間ぐらい彫っていましたね。だんだん卵らしい形になったので、子どもは夢中になって出来るんだなと思いました。彫刻が面白くて楽しかったと本人も言ってましたので、いい授業だなと思っています。

●事務局

 それは本当にありがたいお言葉です。

●委員

 自分が所属してる旭川クリエイターズクラブは、もともと広告デザイン協議会の会ですけれど、人手があまりないのでそれほどたくさんは出来ませんが、そこでも年に1回デザインの授業を1校の1クラスというか1学年で、目に見えるところに隠れてる数字を探すようなことをやっています。毎年、授業を出張でやるんですけど、学校探しが結構大変で、会員達のツテがあるところに小学校の高学年ぐらいがいいねっていう話で行くんですけど、タイミングが合わなかったりとか、探すのが大変なものですから、たくさん授業が出来ていていいなと思いました。

●委員

 出前授業に初期から関わっておりますが、先ほど低学年とか中学年でどうなのかという話ですが、全学年や低学年、中学年、高学年、中学生用といった指導方法は整理していません。学校サイドの事情に立たないとなかなか授業化して、先生方が食いついてくるのは実は難しいので、これはすごいコンテンツとして魅力的だなと思っても、学校サイドの方としては、何の授業に入るのか、総合なのか美術なのかが分かんないとか、50分の中に納まるのとかがとても重要なことだったりするので、そういうところが出前授業の中でも結構大事なポイントだったのかなという気がします。

●委員

 うちの場合も会議があったときに、総合の授業ではどうしても二コマないと時間的に難しいので、それだけの時間が取れるところでという話をしますが、なかなかやりたいと興味持たれてもタイミング合わなかったりとか結構あったり、いろんな所に声かけ過ぎても全部はできないというのもあったりするなどの苦労があります。

毎年2件ぐらいはやっていまして、今年もやることになるので参考にさせていただきます。

●会長

 今、学校で行うワークショップについて、委員から学校側の事情を御説明いただきました。学校側と社会教育側とで違う意味合いがあると思いますが、ワークショップの企画については基本的には双方でマッチング出来る話であると思います。

●委員

 私は旭山動物園でお仕事する機会がすごく多く、旭山動物園は学校教育の先生方との会というものがあり、一緒に教育活動のプログラムを作っていまして、学校側のニーズと動物園側が伝えたいことを何度か研究会を重ねながら、低学年の学年ではこういうこと、この学年ではというようなかたちで、段階的にプログラムを作っていて、なおかつそれが継続できるようなシステムを皆さんで考えていこうということを現場の先生方と一緒にやっています。これだけの数が出前授業があるということは、本来もう少し教育プログラムとして組んでいくとかお互いに話をもうちょっと深めた方が、活用がしやすいのかなというふうに思います。そういった話し合いと言うことはどうなっているのでしょうか。

●事務局

 旭川アートプロジェクトというプロジェクトの中で出前授業等々をやらさせていただいておりまして、その中で美部連の先生と道立の美術館や教育大学もそこに入ってもらい,そこで毎年会議を行ってこの事業を運営しているようなかたちになっております。

●委員

 そこでは初めてこれに参加したいという先生がいるというもあるのですか。

●委員

 旭川市の美術教育研究会という研究会があり、動物園のプロジェクトでも同様だと思いますが、図工美術部が出前授業を担当していて、例えば授業の研究とか実際の指導の研究とかも一緒にやっていまして、旭山動物園とやっていることは変わらないかなと思います。

●委員

 それではいろいろなパターンの授業の提案みたいなものがなされていて、1、2年生ではこういうものというような段階を経たようなイメージでしょうか。

●委員

 そうですね。

●委員

 それでは、今回のこの四つのグループっていうのは、どういうようなかたちですか。

●事務局

 この彫刻のグループについては、今は所蔵作品をテーマ毎に4グループで固定していますけれども、ここにある程度書いてあるようなかたちで動物であったり具象と抽象というように、彫刻のセットとして4、5点用いて展示させていただいています。

●委員

 前年度とは違うグループが学校では展示されるのですか。

●事務局

 そうですね、4グループありますので四年間は違うものが見られるようかたちで展示します。

●委員

 それによってお互いに最終的な成果がありましたということが何か出てきたりするのですか。

●事務局

 実施させていただいた教員の方々からのアンケート、授業を受けた方のからのアンケートは回収していまして、その中で改善できる点などは整備をしていますが、全てが継続性があって発展しているかどうかといえば、そこまでにはちょっと至っていないかと思います。

●委員

 はい、分かりました。

●委員

 この事業が結構長くなってきているので、例えば小学校のときに第1グループを小学校の時に見た作品が中学校の時に回ってきたりします。それでも、中学校の時にはもっと専門的な鋳造の仕方を含めて話をしたりしますし、子供達も半分くらい忘れているので新鮮に感じたりしていて、対応して話の内容も結構変わってくるので、成長の度合いによってずいぶん中身は変わっているのかなとは思います。

●委員

 そのあとに清掃活動みたいな形でつながってくるとすごくいいでしょうね、気持ちが入るというか、愛着が湧くというか。

●委員

 どちらかというとイメージとしては入り口として、彫刻に親しむためのきっかけみたいな感じでやっているというのが大きいかなとは思います。

●委員

 この清掃活動に参加したという中学校の卒業生に話を聞いたことがありますが、清掃活動をするにあたって自分の担当する彫刻についてかなり勉強し取組むことで、今でもその内容についてはすごく印象的でよく覚えているということをとても自慢げにあの彫刻はこういうことだとお話してくれた子がいましたが、そういったものにつながってくるとすごくいいなと感じました。

●事務局

 ありがとうございます。今お話しのありました巡回展示の出前授業の児童生徒のアンケートを読んでみますと、やはり小学校で同じことやっていて、中学校で2回目だけど楽しいというのが書いてありますし、彫刻美術館に行きたくなりましたと書いてあります。これでみんな来てくれたら来館者が増えるのですが、なかなかそこまではいけてないですね。やはり、彫刻家の先生がいる中で言うのもおかしいですが、彫刻というのはどうしても無愛想だと評論家の先生もおっしゃるのを聞いたのですが、なかなかこのあたりの親しみづらい部分がどうしてもあるのではないかと思いますが、何かのきっかけに本当にしたいと思います。

●委員

 どこかで彫刻美術館の理想を語る部分があると、それを目指して次はこういうことをやったらそれに近づくのではないかというような視点が生まれてくるのかなと思います。いまのように入館者の人数ということを言ってしまうと、なかなかその理想の方にはいかないのだろうなと思います。予算使わなくてもとりあえず世界の中の美術館をちょっと調べるだけでもそうとう参考になるところあって、建物のない彫刻美術館もイタリアにありまして、建物はなくて野外に設置をしていて、ちゃんとそこには館長も学芸員もいるという美術館もあります。ですので少しでもどこか夢につながらないとなかなかやっているのが辛くなるだけで、それは具体的にどうしたらいいかは分かりませんけども、仕掛ける側がどこかそういう何か夢につながるようなものをきっかけとしてつくってもらえると、いろいろなアイデアが出るのではないかなと思いますね。

●委員

 シビアなお話で申し訳ないですが、8ページにあります観覧料の改定で、やはり人を増やしたいとなったときに、どうしてもお金の話が出てくると思うんですが、高校生のところの200円っていうのはせめて150円とかにできたりはしないのでしょうか。

●事務局

 そうですね、こちらについてはですね法律的にも決まっていまして、パブリックコメント等を5月から6月ぐらい行いまして、市全体として最終的に決定した金額になっておりますので、この金額についてはもうこれで確定というかたちなります。

●委員

 入館料で獲得した予算で、例えば先ほどの出前授業ですとか市民の方や海外の方に来てもらえるような施策を行うことはあるのでしょうか。

●事務局

 そうなるとありがたいのですが、この料金が上がることによって観覧者数が減ってしまうっていうところもあって、これが収入増につながるかどうかという部分は疑問としてありますが、ただ市全体の方向性としては、公共施設を維持していくためには、受益と負担を適正化していかないと、もう成り立たなくなってきているというのが実態としてあるものですから、まだこの金額についても今回は上限額ということで1.5倍の金額になっているのですが、入館料だけでこの館を賄うことが出来る金額ではないので、今回上がった部分が館として使えるお金が増えるのかと言われると、必ずしもそういう実態はないのかなというような状況です。

●委員

 分かりました。ありがとうございました。

●事務局

 今お話しましたように入館料だけでやっていけるというと、動物園のレベルにならなければありえない話になります。特にこちらの建物は、この通りなかなか維持費にお金がかかる建物ですので、それで年間で5,000人切るぐらいの入館者のうち有料の方が何割かということになりますと、年間の入館料収入で全体を維持には微々たる額ということになってしまいます。もちろん、それが公的施設の役割ですから、稼げ稼げということではないですけど、ある程度のお金はやはりいただかなければならないのではないかということになりまして、こうしたかたちになりました。そのあたりについては本当に心苦しい部分もございますし、特に資料の8ページに資料ございますが、70歳以上の高齢者の方が免除だったものが大人の半分の額をいただくというかたちになっております。これが、吉と出るか凶と出るかというのは正直ありますが、全市的に教育施設やスポーツ施設ではじまるところなんですが、なかなか私どものように利用者の数が多いとは言えない所にとっては、厳しい判断も正直ございました。そのあたりは申し訳ないというかたちになっております。

●委員

 彫刻美術館は、本当の宝物というか、宝箱の中に入っている宝物なんですよね。中原悌二郎の作品、現存している作品12点が、全部ここにあって一ヵ所で見られるということがすごいじゃないですか。中村彝と中原悌二郎の作品も国立の近美行ったら、国宝と並んでいる。そういう価値のあるものだということを、やっぱり一般の人にもっともっと知ってもらわなければという感じじゃないかなという気がしています。私も公募委員ですから、皆さんにお会いできるのもこれが最後っていうことになると思いますけど、彫刻美術館に関しては中原悌二郎が残した作品が全部見られるということが素晴らしいが、不満に思っていることも正直たくさんありまして、例えばキャプションの関係でもステーションギャラリーの砂澤ビッキとしか名前がなく、砂澤ビッキって誰という人だってたくさんいると思うので、せめてその経歴か何かをちょっとキャプションとして残しておくとか、カムイミンタラという砂澤ビッキさんの作品がありますが、あれは確か旭岳温泉のこまくさ荘にあった作品ですよね。

●事務局

 はい、そうです。

●委員

 私も山をやっているものですからすごく思い入れがあって、ちょっとでも何か想起させるようなキャプションとかですね。こちらの作品についても、作者がいろいろいますので、どんな人かは若い人は知らないと思います。あそこに並んでいる12点の相関関係といいますか、この人の作品を中原悌二郎が作っていたという相関関係があってあそこに素晴らしい作品があるということをもっと皆さんに知っていただきたいなと常々見て思っていることです。中村屋サロンという新宿中村屋の美術館があるのですが、開館したときの図録を見ると相馬愛蔵と黒光さんの援助を受けて、どういう芸術家や文学者が活躍したということが分かる相関図があります。何かそうした相関図を2階の展示室に揃えていただきたいということや、一人ひとりの作家の経歴とかをキャプションで載せていただく場所があったらいいのではないかと。ただ名前がついていて並んでいても本当に興味ない人や観光客の方が団体で来ても何かすごくあっさりと見てしまうといいますか、例えば、若きカフカス人の彫刻の前に、芥川が言った言葉である「誰かこの中原悌二郎のブロンズ像の「若者」に惚れる者はいないか。この「若者」はまだ生きているぞ」というエピソードなどの作品解説のできるボランティアを募集して、何度か勉強会を開いて養成し美術館で活動してもらうなど、いま時間を持て余してる年寄りがたくさんいますから、ぜひとも使ってやってください。それから、今年中原悌二郎賞に選ばれた方の面白いグッズが販売されています。三沢厚彦さんはすごい人気があるんですよね。美術館でもそういうものも販売したりですとか、ミュージアムショップだけですごくたくさんお客さまを呼んでる美術館もありますので。

●事務局

 科学館で言えば科学館ボランティアということで、理科の先生などが機能するかたちでやっておりますが、彫刻という限られた分野で詳しい方は数的には多くないとは思いますが、せっかく旭川市彫刻美術館の彫刻を評価していただいた上で更にそれを知っていただくためのご意見をいただきましたが、そういう意味ではこの二年間でなかなかお答えできてなかったことがあるかと思います。今後とも暖かく見守っていただければというふうに思っております。ありがとうございます。

●委員

 旭川の道立美術館で、いままでで一番入場者がたくさんいて、すごく混み合うような展覧会というを1回だけ経験したことありますが、それはDr.スランプアラレちゃんの漫画家の作品をやったときですね。あのときは人だかりがすごかったですね。いま三沢先生の展覧会をやったらすごくたくさん来るのではないかなと思います。

●会長

 令和元年度の事業実績、また令和2年度の計画について話題が膨らみましたが、それではこの辺りで確認させていただきたいと思いますけれども、議案1と2の令和元年の事業報告、それから令和2年度の事業方針につきまして、皆様にご承認にいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(●委員一同了承)

●会長

 ありがとうございます。それでは、ご承認を頂いたとさせていただきます。

 続きまして、(3)その他につきまして、事務局の方からご説明お願いします。

●会長

 ありがとうございます。それでは、ご承認を頂いたとさせていただきます。

 続きまして、(3)その他につきまして、事務局の方からご説明お願いします。

●事務局

 それでは最後に、その他ということで、ご説明させていただきますが、こちらにつきましては先ほど説明した彫刻の移設に関する内容となります。協議会でご審議いただく案件ではないということでありまして承認といった考えではないですけれども、協議会の皆さまの現状を把握していただいた上でご意見ご感想等をいただければと思いまして、今回議事とさせていただいております。

先ほど実績のところで申し上げたとおり、新庁舎建設予定地にありました「親和」「凍れる滝」につきましては、「親和」は春光園に設置、「凍れる滝」は美術館の裏に仮置きしている状況となっております。本来的には「凍れる滝」につきましても本年度中にどちらか適した場所へ設置できないかということで、検討を進めていきたところではありますが、設置場所であったり費用面での課題も多く最終的には美術館の裏に仮置きし、来年度中に再設置する方向で現在検討を進めているところとなっています。今回ですね、移設にあたっての課題といたしましては、お手元にある写真の下の作品が「凍れる滝」という作品なんですが、水盤を含めると直径が13メートルの大型作品となっておりまして、これ自体を設置する場所の確保がなかなかできていないという状況にございます。さらに噴水作品であるということで、維持管理のためには木の影響として葉が噴水に落ちて詰まってしまうという恐れがありますので、なるべくそういった障害となるようなものがない開けた場所を確保する必要があるというこの2点の場所的な制約がございます。さらには、こちらの条件を満たす場所として、常磐公園のある箇所を選定いたしまして、そこに移設するとした場合どのくらいの金額がかかるのかということで検討を進めたところだったのですが、常磐公園に設置するとなったときに2,700万円ぐらいは必要ではないかという算定をしているところでございます。さらには設置後の維持管理ということで、噴水の機能の維持であったり、見回り等の人員的な配置等も含めますと、年間の維持管理費も100万以上が必要になるのではないかなという算定をしておりまして、その結果としまして今年度は早急にどこかに設置して今後の維持管理をしていくということを判断するにはなかなか難しい部分がありまして、現在彫刻美術館の裏に仮置きしている状況となっております。作品の移設にあたっては、本来的には作者の制作意図等も踏まえて作品が設置された当初の状況で原形復旧をして再設置するのがあるべき姿であると思いまして、それに向けた検討を進めているところではありますが、先ほど申し上げた課題等を含めて熟考した結果、現時点においては噴水機能というのをなくした状態でこちらの彫刻作品をこの噴水水盤のところがない石の彫刻作品として、春光園に設置することが現実的な対応ではないかということでいま検討しているところでございます。そういった部分で、なかなかやはり本来の場所に原形復旧して置くべきではないかといった、いろいろなご意見があるかと思いますが、いまの現状をご理解いただいた上で皆さんのご感想やご意見をいただければと思います。よろしくお願い致します。

●会長

 ありがとうございます。このことにつきましては5月の協議会開催時に移設の経緯説明として、皆さんのところに資料で作品寸法などの説明がありました。ご意見ご感想いただければありがたいと思います。どうぞご自由に御発言下さい。

●委員

 常盤公園だと2千700万円は分かりますが、そこに噴水の機能を持たせないで置くだけだとしたら、どれぐらいなんですか。

●事務局

 噴水部分を置かなければ、おそらく1千万円ぐらいは落ちるのかなという感覚です。

●委員

 市役所の敷地内では、子どもが中に入って遊んだりしても良かったのですか。

●事務局

 そうですね。水盤自体の塗装が、水はけを良くするために少し滑りやすくはなっていますが、入って遊んでいる方がいるような状況で立入禁止にしたりとかはしてなかったところですが、庁舎がすぐ近くにありますので目が届きやすい場所であるということもあって、そういったかたちで対応ができたのですが、今後もし常盤公園だったり春光園に置いたときに、そういった目が届かないような状況となり事故ということになりますと、いろいろとコンプライアンス上の責任が求められますので、そういったところも考えるとなかなか噴水として今のようなかたちで皆さんが自由に入れるということは、ちょっと難しいのかなというふうにも考えてございます。

●委員

 娘が2歳半で、本当に水とかあったらすごく喜ぶので、常盤公園の近くに住んでいるんであったらいいかなと思いました。

●事務局

 実際に昨年の秋ごろ検討したのですが、この作品は昭和50年頃に文化会館が出来たときにつくられたものですが、そのときの噴水における機能や条件とはやはり時代で違う部分がありまして、例えばいま公園に噴水をつくるとしたら、その噴水は飲めるくらいのものでなければならないとか、子どもが転ばないような造りにしないといけない、若しくは怪我をする可能性があるなら噴水に入れないようにしなければならないといった話になり、いわゆる噴水彫刻ですが噴水におけるいろんな制限だとかありますので、昔は良かったかもしれないけれど、例えば水が循環して常にきれいな状況にするためのろ過機を付けるとしたらまた更に金がかかるといったことがありましたので難しいなということになりました。ただ一方で、「凍れる滝」という名称ですから、水がないことを作者が想定していないという意味で、われわれ美術館という立場では特に水なしで置くことは辛いことから、去年の11月ぐらいに結論が出せずに悩んでいるという新聞記事が出ました。皆さんもご覧になったかも知れません。関心のある方から批判が出るのではないかということは常に考えています。

●委員

 結局はお金の問題ということだけではないということですね。

●事務局

 もちろんお金だけで判断ということではないですが、一方でお金のことなしで考えるわけにもいかないところがありまして、先ほど申し上げた常盤公園に置いたとすると水をどこからか引っ張ってくるとすると先程のとおり2千何百万円だという話になり、彫刻美術館の建物の維持費でも3千万円ぐらいですから、先ほどの彫刻巡回展示などを20万円、30万円で事業をやっていますので、これに何千万かけるべきなのかといったことがありますので、結論が先延ばしとなったといったことが実態であります。

●委員

 「凍れる滝」の作者は、戦後日本で「遊水彫刻」という名前をつくった方なんですね。だから、水が必要な作品ではあるんですけど、ただ似たような作品で、他の場所で下が砂利の作品があるんです。ですから、いまは噴水が無理ってことであるから、そういう履歴をしっかりと表示版に表示をして、理解をいただくようなかたちをとれば、作者本人は亡くなられていても遺族の方がいらっしゃるので、遺族の方に了承があって、そういう方法で設置することは妥当ではないかなと思います。ちなみにこれが11トンもありまして、移設の際にベルトをかけるだけでも大変なスリルのある作業になるんですね。ですから、費用がかかるのはやむを得ないのかもしれません。

●委員

 新庁舎が完成してから新庁舎に移設っていうのはだめなんですか。

●事務局

 3 、4年前はそんな話でして、とりあえずどけるけど戻るというような話が最初にあったようです。ただそのあと、新庁舎はご承知のとおりすったもんだした中で、今度置ける場所は地下の駐車場の上になるらしく、それほど深く基礎を作れないという状況になるので、戻すことは出来ないことになったと聞きました。本来で言えば市役所の横にあるという意味で市民に認知されている彫刻なので、戻っていければいいと思いますが、市の庁舎建設プロジェクトチームの中ではそのような結論になり、彫刻美術館で何とかしてくれとなった状況です。

●委員

 噴水機能をなくして「凍れる滝」の表題のとこに冬になったら水かけて氷爆作るのはどうでしょう。

●委員

 作品の中にパイプが通って貫通していて、どういうふうにして開けたのかは大変な技術だと思います。多分その中の管が潰れていたり、設置当初のものとだいぶ変わっていると思うので、もしその噴水機能を活かして再設置しようとしても大変なことになるのではないかなと思います。下から上まで完全にパイプが作品の中を貫通していて、この長さは技術的にも凄い技術があったでしょうね。そのパイプを通すことや、黒御影石は非常に硬い石で、白い御影と比べて比重が1.3倍ぐらいあって、当初6トンもいかないだろうと思っていたのが、実際は11トンもあったので大変だと思います。

●会長

 事務局から些細な事情、委員の方からも作品の詳しい説明いただき、私どもとしても場所を移しての設置について理解する、というようなことになるのかなと思います。では、他にご意見はないですか。

(●委員一同 よろしいです。)

●会長

 先ほど委員から作品の由来、なんでこういう名前になっているのかがわからなくなることが起きないように、表示し説明する必要があるとのご意見がありましたが、私もその通りなことだと思います。本来は元にあったところに置くことがもっともだとも思いながら、今は野外彫刻というのはパブリックアートという概念になってきていますから、置かれる場と彫刻とがどのように向き合っているのか、ということに意味がある時代になってきていると思います。場と無関係に単体でただ置くということはいかにも唐突なものになりますので、彫刻家の方々それぞれ違う見方もあるでしょうが、新しい関係が生まれるからには何らかの変化が生じざるを得ない中、春光園という場に置かなければならないといった状態になっていると理解します。春光園の場合は既に他の作品も置かれていますから、彫刻のある公園として付加的な価値をもう少し広めることが重要ではないかなと思っております。

●事務局

 ありがとうございます。今後の「凍える滝」の最終的なものにつきましては、私ども行政として対応してくところですが、市民に親しまれている作品という意味で話題性もあるものですから、いろいろなところからどうなっているのかと聞かれておりますので、これから決断するときも意見を伺いながらのかたちになるかと思います。お金の面等を無視できませんが、それ以外にも御意見としてありましたパブリックアートとしての意味合いについて、春光園をベースとして検討していくというかたちで「凍れる滝」の未来像を描いてみたいと思いますので、また4月以降のこの場においてご説明する機会があるかと思いますので、そのときはよろしくお願い致します。

●会長

 どうもありがとうございました。おかげさまで議事を終えることが出来ました。冒頭で申し上げましたけれども、今回が一区切りとなりますのでこの機会に簡単にざっくばらんな思いですとか、こうしたらいいのではないかといったことがありましたら、短い時間ではございますけど、お一人お一人にご発言いただけば、ありがたいと思います。

●委員

 私は今回で委員を終えることになると思いますが、6年やらせていただきましたけども、先ほどお話にあったように彫刻美術館の理想というものをもう少しお聞きしたかったなっていうのが率直な感想です。この後どうなっていくのだろうというものをずっとこう感じながら6年間きましたので、もちろんいいものは変えずにというのも分かりますが、やはりもう少し熱があるとありがたいなという感じはしました。私もこちらに来て8年目になりますが、彫刻をやっている人間が旭川に来るということは周りの方から彫刻美術館があって彫刻のまちでということで、そういう思いを持って来るというように思われます。でも実際こうやって会議に参加させていただくようになったときに、最後なのではっきり言いますと、やはりちょっとがっかりしてしまうというか、もう少し熱が感じられると嬉しいなというふうに思いましたので、先ほど委員からお話のあったような彫刻美術館としての理想、それが叶うかどうか別として、そういうような熱い思いをお聞きしたいなというふうに今後思っています。ありがとうございました。

●委員。

 本当に素人であり、彫刻の見方も何も分かってはいません。ただ、小学校も中学校も図工と美術を通しながら、彫塑などを作ったというのが実際のところです。彫刻そのものの良さをどうやって知るかといえば、身近に知ってる方がいて、お聞きをして、それで初めて彫刻の良さをもっと感じられると思っています。彫刻そのものに全く興味ないわけではないですが、なかなかの距離感があって、その距離感をどうやって埋めていったらいいのかと感じています。すごく有名な彫刻については知っていますが、でもここに来たときに知識も経験もないせいかやはり分らないです。実はここに来て美術館の中を見せていただき、案内をしていただいて、それではじめてここにこんな立派な彫刻美術館があるということが分りました。説明していただいたから良かったのですが、ただ来ただけだったら、おそらくはどこを見たらいいのか、どこで感じたらいいのかというのは分らなかっただろうと思いました。それから、ここはどのようにして運営されてるかというのも少しはお聞きすることができたので、そのことも非常に参考になりました。そういう場面が少しずつ出てくることが大事かと思いました。また、小学校に来ていただいて、出前教室をやっていただいたのは、子どもたちにとって非常にいい経験だと思ってます。子どもたちが、ちょうど私が分らないのと同じように、彫刻の見方を目から鱗を少しずつ取りながら見てくれる機会ができたのではないか、彫刻について知るきっかけになったのではないかと思っています。またいろいろ教えてください。よろしくお願いします。

●委員

 私事ですが、本校が今年をもって閉校を迎えてしまいます。その関係で旭川市外に出ることになってしまうのですが、旭川の出前授業には初期のころから関わらせてもらいました。子どもたちに彫刻に親しんでもらえるような切っ掛けがないということが問題だということで、野外彫刻も毎日見ていて、例えば橋を渡ればそこにあるけれど、子どもたちの目からは素通りしてしまうので、少しでも引っ掛かりを持てるようにしようということでスタートしました。かれこれ十何年間ぐらい関わらせてもらいましたが、延べでは多分旭川市内の子どもたちを一巡するぐらいの人数に関わってきたのではないかなと思います。そういう意味ではある程度教育効果があったのかなとか、そこに関わらせてもらってありがたかったなと思っています。美部連という組織の代表ではないですが事務局長をさせていただいているので、市外に出てもまだ美部連所属は継続しますので、何らかのかたちで関わらせてもらいたいなと思っております。ありがとうございました。

●委員

 同じ美術館として関わっていくなかで、やはり先ほど委員からお話されたように、だんだん人間は手段が目的化していってしまい、そもそも何だったっていうところが美術館にいてもそういう感じになっていて、改めてその美術館の役割みたいなものについて職員と考え直して歩んでいるところです。彫刻美術館も同じように多分、本来の目的といいますか、人が来なければならないということはありますが、人が来るためにやってしまいますと、それは人が来るためのものであって、美術館本来の目的というのをやはり並行して維持しながらやってく必要があるだろうということを改めて私も感じさせていただきました。当館もプラットフォーム化ということで美術館のロビー含めて、この前、婚活もやりましたし、いろんな出会いの場といいますか、何か時間があったら「今日美術館へ行こう」という市民を一人でも多く増やすための場づくりとしていろんな取組をしています。でも目的はやっぱり本質的にその美術館の役割に皆に気付いてもらうためのいろんなアプローチをしていかないとなかなかうまくいかないなと思っています。よく言われているのは、「役に立つもの」よりも、今求められている「意味のあるもの」が大事だと言うことなので、役に立つという短いスパンではなくて、意味のある美術館として、彫刻美術館とお互い頑張っていきたなと思っております。

●委員

 北海道の中にも彫刻を專門にした美術館が何館かあります。そういう美術館との交流なんかもこれから深めていっていただきたいなと思います。私は昨年に中村屋サロンの美術館に行ってカレーライスを食べて、美術館巡りをしましたけれども、そのときに中村屋美術館のホームページには碌山美術館の紹介はありますが、残念ながら旭川彫刻美術館の紹介はありませんでした。そういう交流をして、好きなもの同士といいますか、彫刻美術館のお互いの交流をしていったらいいのではないかなと思いますし、ポスターでもほかの彫刻美術館に一つでもあれば、中には好きな人が興味を持って足を運んでもらえるのではないのかなと思います。本当に旭川の彫刻美術館に関しては、器が立派ですので重要文化財の中に入っている彫刻美術館だということを、皆さんにもっともっと知っていただきたいと思います。皆さんこれからもよろしくお願いします。

●委員

 いまの話と重なってしましますが、やはり価値があるというのが分らないと、自分がそれに対して払える金額ということはやはりあると思います。観覧料が高くなったとしても、これがどれだけ素晴らしいのかというキャプションというのは、やはり必要ではないかなと思いますので、もっともっとみんなに知ってもらえるように、工夫していただきたいなというふうに思いました。予算面と理想を両立させるのは難しいと思いますが、皆さんに知ってもらうことが重要だと思うので、何とはかそういたツールを考えていってもらえればなと思います。ありがとうございました。

●委員

 ここに来てお話をうかがっていると、彫刻は他のものもそうかも知れませんが、マニアックと言いますか、なかなか動かせないこともあるのかそんなに大きく変化しているものではないものですけれど、好きな人ははどんどん掘り下げていったりして、マニア要素がとてもあるものだなというふうに感じたんですよね。撮影とかで山へ登ったりするんですけど、何年か前にパンケ山に北大の研究員と登るときに、車でほぼ頂上まで行けるんですが、その途中で詳しい方が逐一説明しながら、赤松が群生していてこれは実は世界的にも珍しいものであるとか、この岩には針葉樹が生えている地層があって動植物がこれで生きているんですよといったこと聞きながら、登っていくとすごく楽しいんですよね。何も知らなくても山の中を歩くっていうのはすごくいいなと思っていたんですけれども、そのことを勉強しているわけではないので知らなくて当然だと思うんですが、教えてもらいながら体験するとアトラクションのように楽しめる。彫刻の作品の善し悪しとか見方があるとは思いますが、それだけではなくて、作られた作品の裏側の話みたいなマニア要素がいっぱいあると、そういうことを知りながら見て回ったりとかすることだけでも、すごく見方が変わってくるんじゃないかなと思います。こういうマニアな世界って、みんな隠しているんですよね。実は自分はこれ好きなんだっていうのはあんまり見せない。そういう人たちがつながるツールが、わりと今はTwitterみたいなものでして、前回もTwitterで情報発信してはどうかと言ったと思いますが、そういうものを使っていかにマニアかというころを、ちょっとずつでもちょろちょろ垂れ流していくと、絶対にその釣り糸に引っかかる人が出てくるんですよね。建物についてもそうですし展示作品についてそうですし、その作品と作者の関係だったりを気持ち悪いくらいマニアックに出してもらえると、その方が引っかかる人が出てくるんじゃないかなと思いますね。それはちゃんとしたパンフレットにまとめてあったり、ホームページにびっしり書くように形として一つの枠として揃えようとするものではなくて、こういうTwitterみたいなもので、ポイントでそういうマニアな部分といいますか、そんなこと誰も分かんないよというようなことを出し続けてくれると、そういうのに引っかかる人には、旭川にはすごい変な美術館があるらしいけどとなると思うんですよね。そういう時代ですので。何かそういうような、自分は彫刻にはすごいマニア要素があると思ったので、マニアっぷりを隠さないというか、隠している人たちに仲間をみつけるきっかけになるものを与えてほしいなと思いました。あとは子どもたちに何か知ってもらおうということは絶対に必要ですよね。ポケモンにはない世界もあるみたいものが、子どもながらに興味があるのとないのがあって、それが記憶の中で美術館がつまらなかったという記憶や怖いみたいなイメージの記憶であっても、こういう場所があるということを小さなうちから知ってもらうっていうのは、すごくいいことだと思います。自分が子どもの頃に母親が絵を描いていたので家の玄関に石膏像がありましたが、ある日石膏像にクレヨンでお化粧してとても怒られましたが、子どもにしてみたらそういう対象でしかないですが、そういう触れる機会があったらいいなと思います。それからTwitterやってください。

●委員

 非常に個人的な意見なのかも知れませんが、彫刻は見ないで見ることだと思っています。いまは視覚の世界ばっかりの社会になっていますが、実は触るように見るということもありますし、実際に触ることもあるわけですね。その彫刻作品を分るためには、抱き着いたりすると一番よく分かると思います。硬さとか重さとかを体全体で見るということなのかなと思っています。いまマニアックな話をされていましたけども、まずは目で見ない仕掛けをつくることかなと思っていて、見えないものを感じさせたり、見えないものの存在をキャッチするようなことができてくると、すごく世界が広がってくると思いますね。どうしても目で見て解説を見てタイトルを見ると、そうですかと終わってしまうとなかなか先に行けなくなるので、自転車に乗るのと同じで、体で一度自転車の乗り方を覚えてしますと、ずっと乗れるですよね。たぶん彫刻は特に自転車に乗るのと同じじゃないかなと僕は思っています。体験して自分でこう乗れる技を身に付けるといいますか、それはなかなか人に教われないですよね。自分で失敗しながらやり方のコツを覚えられるような世界ではないかなと思います。非常に個人的な意見かもしれませんが。

●会長

 ありがとうございます。非常に貴重なお話を伺いました。

 それでは予定の時間となりましたので、これで第2回中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館協議会を閉会いたします。長時間にわたり熱心にご発言いただいてありがとうございました。最後に事務局から連絡事項があればお願い致します。

●事務局

 本日の会議録についてなんですけれども、事務局で作成後に出席委員の皆さまにご確認いただいた上で確定したいと思っております。また確定後の資料につきましては皆さまに送付いたします。以上で本日、第2回の協議会になりますが、終わりにさせていただきたいと思います。

 本日は本当にありがとうございました。

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