令和3年度第2回旭川市緑の審議会
日時
令和4年3月23日(水曜日)午後6時から午後8時まで
場所
旭川市職員会館 3階 6号室
出席者
委員
12名
安藤委員、上村委員、江口委員、北岡委員、小泉委員、椎名委員、塩田委員、滝沢委員、田中委員、成田委員、平田委員、守谷委員
事務局
10名
公園みどり課 田島次長、星主幹、藤田補佐、大窪係長、秋山主査、加藤主査、畠山主査、生野
土木事業所 飛田係長、近江
欠席者
3名
池田委員、森崎委員、山内委員
配布資料
【事前配付資料】旭川市道路緑化指針(PDF形式 3,721キロバイト)
【導入・まとめ資料】令和3年度第2回旭川市緑の審議会(PDF形式 167キロバイト)
【資料1-1】旭川市公園施設長寿命化計画について(PDF形式 3,789キロバイト)
【資料1-2】事例1面的な整備事例の紹介~曙すみれ公園~(PDF形式 23,627キロバイト)
【資料1-3】事例2面的な整備事例の紹介~末広中央公園~~末広キレンジャク公園~(PDF形式 5,747キロバイト)
【資料1-4】事例3面的な整備事例の紹介~町内会単位での面整備~(PDF形式 7,953キロバイト)
【資料2】ナナカマド等の街路樹維持管理について(PDF形式 839キロバイト)
【資料3-1】旭川市道路緑化指針地区別・路線別緑化方針(PDF形式 2,016キロバイト)
【資料3-2】旭川市道路緑化指針路線別緑化方針のイメージ(PDF形式 171キロバイト)
【資料3-3】重要度のレベル区分(PDF形式 89キロバイト)
会議内容
《概要》
1 開会
「会長挨拶」
(江口会長)
・久しぶりの審議会の開催となるが、第1回目の審議会は皆さんいかがだったか。
・勤務する大学では、身近に新型コロナウイルスの感染者が出たが、濃厚接触者になることなく、なんとかくぐり抜けているといった状況である。まだ油断できる状況ではないので、委員の皆様も気を付けて日々を過ごしてほしい。
・本日は今年度2回目の緑の審議会となる。熱い議論をお願いしたい。
2 議題
「導入説明」
(江口会長)
・これから議事に入るが、最初に事務局から、今回の審議についての導入説明があるということなので、説明をお願いしたい。
(事務局)
・<導入・まとめ資料:1~4ページに基づき説明>
(江口会長)
・事務局から、今回の審議についての導入説明があった。
1)公園施設長寿命化計画を2部構成で策定する。
2)ナナカマドの植樹について、さらに詳しい話をしていく。
・以上、2点の説明について何か質問等ないか。特になければ、途中でわからないことがあれば質問してほしい。
(1)「旭川市公園施設長寿命化計画について」
(事務局)
・<資料1-1~資料1-4に基づき説明>
(江口会長)
・第1部では、公園施設の現状について、ざっくりとした説明があった。予算の面から、選択と集中が必要だということであった。
・第2部では、花咲スポーツ公園の調査結果の報告があった。内容は、老朽度の調査であったが、ここでも補修が必要な施設は多岐にわたるため、優先順位を付けることが必要ではないかということであった。
・第3部では、令和3年度の遊戯施設の長寿命化計画に基づく事業の実績、事例を含めての説明があった。
・今の3部構成の説明について、何か質問等はないか。
(A委員)
・資料1-4の事例(3)に記載されている「申請・要望・利用状況」の欄に「愛護」という記載があるが、これはどういった意味か教えてほしい。
・また、資料1-1の「公園における施設分類と今後の事業の進め方」に記載されている「スポーツ施設」の欄に「固有施設」という表現があるが、これはどのような意味で使われているのか。
(事務局)
・まず、1点目の「愛護」について説明すると、市内には、清掃活動を中心に公園の美化活動にご協力いただいている「公園愛護協力会」という団体があり、その団体により公園が管理されているかどうかを〇×で示している。
(事務局)
・続いて、2点目の「固有施設」とはどのような意味か説明する。例えば、陸上競技場で言うと、資料1-1の13ページも併せて見ていただきたいのだが、陸上競技場は第1種から第4種まであり、第1種が上位の大会を開催することができる施設となっている。
・道内の第1種、第2種の陸上競技場の配置図を見ると、全道に数えるほどしか施設がないのが分かると思うが、一般的な公園にあるようなテニスコートなどの運動施設とは異なり、他になかなかない施設であることから「固有施設」といった表現を使用している。
(A委員)
・市内の公園において、どの程度の数の公園愛護協力会が活動しているのか。
(事務局)
・市内にある390箇所の都市公園に対し、例えば公園清掃であれば約半数の公園において、公園愛護協力会に清掃活動など行っていただいている。
(江口会長)
・旭川市の人口は減少しており、それに伴い子供の数も減ってきている。
・公園整備の予算面で制約や限界があることは承知しているが、人口構成を見ながら、子供向けの公園から年配の方が憩えるような公園に変えていくなど、公園の在り方を検討してほしい。
・議題(1)について、他に質問等なければ、議題(2)「ナナカマド等の街路樹維持管理について」と、議題(3)「旭川市道路緑化指針 地区別・路線別緑化方針について」は関連した内容となっているため、まとめて事務局に説明願いたい。
(2)「ナナカマド等の街路樹維持管理について」
(事務局)
・<資料2に基づき説明>
(3)「旭川市道路緑化指針 地区別・路線別緑化方針について」
(事務局)
・<資料3-1~資料3-3、事前配付資料(旭川市道路緑化指針)に基づき説明>
(事務局)
・<導入・まとめ資料:5~6ページに基づき説明>
(江口会長)
・ナナカマド等の街路樹維持管理と、旭川市道路緑化指針地区別・路線別緑化方針について説明があったが、この2つの議題について、何か御意見や御質問はあるか。
(B委員)
・色々と事務局から説明があったが、結論から言うと、維持管理方針の考え方は今新たに出てきたものではなく、以前からあったものであり、何故その考えに基づいた適切な維持管理が実施されてこなかったのか気になっている。
・前回の審議会の際にもお話ししたが、ナナカマドの特性というものを十分に把握して、それに適応した管理がされてこなかったと私は見ている。
・今回、「近年、風害を受けて倒れる木が多くなった。」との説明があったが、健全なナナカマドであれば、旭川に吹く程度の風であれば倒伏することはない。
・試験場の様々なデータを見てみると、ナナカマドが風で倒れるというのは、傷があり、そこから腐朽したことに起因して風害を受けたといったデータがある。
・旭川において、風害により倒木が発生しているということであれば、単純に風にやられたのか、あるいは腐朽があり、倒れるべくして倒れたのか詳しく知りたい。
・ナナカマドは北海道の市町村で最も多く植えられた樹種であり、町村合併の前の話になるが、全道でおよそ36市町村が、ナナカマドを「まちの木」として選定していた。
・旭川では、ナナカマドの良いところが見られないといった話があるが、可能であれば、ナナカマドが小さな群落をつくり、観賞できるような場所が作られれば良いと考えている。
(江口会長)
・本日の審議会に、街路樹を管理している土木事業所の方が参加されているので、ナナカマドを維持管理する上での苦労話などがあればお話しいただきたい。
(事務局)
・過去を振り返ると、道路に市民の木としてナナカマドが多く植えられていた時期があり、土木事業所においては、街路樹約3万本のうち、約6千本のナナカマドを管理している。
・冬期における話をすると、除雪時に道路脇に雪押しした際に傷が付いてしまうことに伴い、樹木が弱くなっているというのが一つの要因としてあるのではないかと考えている。
・今後については、道路緑化指針に基づき維持管理をしていきたいと考えているが、ナナカマドは「市民の木」であることから、大事にしていきたい気持ちがある。また、路線別緑化方針で重要であると位置づけられた場合は、市の方でもしっかり守っていきたい。
(江口会長)
・公園などでナナカマドを管理するよりも、街路樹として管理するほうが難しいのか。
(事務局)
・広場などにあるナナカマドは、根を張るスペースが大きいため、大きく育つと考えられるが、限られた道路敷地の中にあるナナカマドは、それに比べると弱い印象がある。
(B委員)
・土壌に対する要求度の観点から言うと、土地が肥えたところが喜ばれる。
(C委員)
・ナナカマドは、普通の樹木と比較すると性質が異なるのか。
(B委員)
・ナナカマドは木の皮が薄いため傷が付きやすく、他の木と比較すると、傷口を覆うようにできる組織であるカルスがほとんどできないがゆえに、腐りやすいといった欠点がある。
・また、ナナカマドは非常に萌芽(ひこばえ)が生じやすく、それを処理しないと元の木が枯れてしまうといった、他の木では見られないような特徴がある。
・以上のことから、ナナカマドは十分な管理が必要となる。例えば、除雪のときに傷をつけないことや、萌芽(ひこばえ)を適切に除去するといったような十分な管理を行っていけば、ナナカマドは元気に育つだろうと考えている。
(C委員)
・今の話を踏まえ、総合的に考えるとナナカマドは、他の樹木と比較すると管理費が高い傾向にあるということか。
(B委員)
・ナナカマドはそこまで高木とならず、プラタナスのようにせん定の際に木に上がっていくといったことは必要とならないため、そういった面では、高額ではないと思われる。
(江口会長)
・ナナカマドの管理を適切に行っていくためには、今回のように樹木に対する十分な知識と経験がある方が委員となり、審議会で意見を述べていただくのが理想的である。
・駅前広場は、桝になっており根が張れないため、木が大きくならないといった話を聞いたことがある。植樹桝の形状は本当に桝となっているのか。
(C委員)
・桝になっているのは、地上に見えている部分のみである。
(江口会長)
・承知した。ほかに質問等はないか。
(A委員)
・前回審議会で配付された「第2次旭川市緑の基本計画アクションプログラム中期」の基本方針に掲げる数値目標について、以下の記載がある。
1)【数値目標3-1】 「みどりの維持管理に参加している市民の割合」 :13.6%(H27)→25%(R17)
2)【数値目標4-1】 「公園緑地のバリアフリー化率」:19%(R1)→50%(R17)
【数値目標3-1】について
・議題(1)において、公園愛護協力会の話があったが、公園に対し愛護団体が50%近くあるのは大変良いことだと思うが、みどりの維持管理に参加している市民の割合がもっと高くても良いのではないか。
・先日いただいた資料「旭川市道路緑化指針」において、例えば、地域で道路の植樹桝にマリーゴールドなどの花を植える際に、愛情を持って花を育てていくことが大事だといった記述が見受けられたが、全くそのとおりだと思う。
・愛情を持って木や花を育てていく気持ちをどんどん増やして行く必要があり、どのようにその愛情を育てていくか、どのような手立てを打っていくかを考える必要がある。
【数値目標4-1】について
・バリアフリーの話をさせていただくと、限られた予算の中で、施設の更新や整備の優先順位を考えていくことは、非常に大変だと思う。しかしながら、車椅子で公園を利用できないということであれば、公園自体を楽しむことができず、公園は憩いの場にならないということになるため、バリアフリー化は最優先に実施しても良いのではないか。
(D委員)
・毎年、夏から秋にかけて住宅地などでウォーキングをしているが、その中で危惧していることが2点ある。
・1点目は、街路樹の間に電線が通っているが、台風時の強風などで電線が切れたり、倒れて事故が起きた際に、誰が費用弁償するのか。街中ではそのような電線は少ないと思われるが、住宅地では危険な場所が結構ある。プラタナスは秋の終わり頃にせん定しているようだが、そのような樹木も枝に電線が引っかかっているところを見かけることがある。
・2点目は、植樹桝の中は根上がりしているところも見受けられるが、それよりも雑草が多く茂っており、大変見苦しい状況になっている。そういった除草等は、町内やボランティアの方々に任せるのか。花を植えている植樹桝もあるが、雑草で溢れているところが結構あり、街路樹だけではなく下の方も見てほしいと感じている。
(江口会長)
・お二方の御意見をまとめると、花や木を愛でる気持ちをどう育てていくか、また、公園のバリアフリー化、樹木と電柱・電線に関する事故の責任の所在や植樹桝の管理について、事務局に回答をお願いしたい。
(事務局)
・道路で占用している電柱や電線は、その所有者、つまり北電やNTTが、事故等が起きないよう見回りや点検等を実施し、電線に支障となる街路樹の枝についてもせん定を行っている。
・全ての施設が占用者の責任であると明確に言えない部分もあるが、基本的に占用物件については、占用者に管理責任があるため、市の責任はないと考えている。
・植樹桝内の雑草については、市内各地に植樹桝が数多くあり、市としても、重要な路線については草刈り等を実施しているが、限られた予算の中で全ての植樹桝に対応できていないのが現状である。
・また、樹木を植えておらず、今後も活用の予定がない植樹桝については、周りの町内会等の御意見をお聞きしながら撤去するといったことも進めている。
(江口会長)
・重要な問題である公園のバリアフリー化についても回答願いたい。高齢化に伴い、公園の利用者は子供よりもお年寄りが今後多くなるかもしれない。
(事務局)
・先ほど、公園のバリアフリー化を優先的に進めるべきとの話があったが、現在、新しく公園整備を進める場合、例えば、園路を整備する際には、道路の勾配を緩くする、途中に平場を設ける、場所によって手すりを付けるなど、バリアフリーを考慮した設計や整備を進めている。
・花や木を愛でる気持ちをどう育てていくかについて、花については「花いっぱい運動」に代表されるよう、地域の方々に愛着を持ちながら花を植えていただいている。木についても、市内には多くの樹木があり、市民の木であるナナカマドや、他の街路樹も含めて大事にしていただきたいので、きっかけづくりや啓発ということも市の方で考えていく必要があると考えている。
(A委員)
・新しい公園の整備方針については既に承知していたが、古くからある公園のバリアフリー化もどんどん進めて行く必要がある。
・個人的な意見ではあるが、花を植えた後、管理できず枯らしてしまうくらいならば、むしろ更地の方がまだ景観的には好まれると思う。
・花を植えるのは良いが、その後の水やりなど、維持管理が可能な体制や仕組みを考えていく必要がある。
(江口会長)
・佐賀に「虹の松原」という国が指定している松原がある。先日、そこの松の木が車上に倒れ、親子が亡くなり、その親族が国や地方自治体を相手に裁判を起こしているというニュースを観た。樹木は伐採しないのが基本ではあるが、事故が起こる可能性があるなど、やむを得ない場合もある。その見極めがとても大事な仕事であると感じた。
・緑の基本計画のアクションプログラムの中に、花や木を植える、そういった活動を啓発するといった内容も含まれていたと記憶している。この審議会で検討し策定した緑の基本計画及びアクションプログラムが十分に機能すれば、今後取り組みが充実していくと考えている。課題は多々あると思うが、市は何とかアクションプログラムを遂行していただきたい。
・資料3-1についての質問なのだが、歩道の有効幅員を2m以上確保し、かつ植樹桝の幅員が1.5m以上を「適」とし、1m以上を「可」とするとの記載がある。この基準に満たない植樹桝は、植樹をやめていくのか。又は、基準を満たすよう改善していくつもりなのか。
(事務局)
・歩道の有効幅員が2mに満たない場合で、かつ機能が重要とされる路線があるが、そういった路線については、将来的に道路改良に伴い基準を満たすよう整備を進めていく。逆に、シンボル並木チェックリストで「〇」が付かないような、それほど重要ではない路線については、基準に満たない場合は撤去していくような方針になると考えている。
(江口会長)
・植樹帯の撤去に伴い、緑の割合が減っていくことも考えられるが、それを埋め合わせるような植樹もどこかでやるということか。
(事務局)
・メリハリのある管理の中で、補植等を実施することで空き桝を解消する。また、計画を進める上で、面的・線的な広がりといった観点で、路線をどう広げていくか、機能的側面から考察する必要はあると考えている。
・幹線道路と生活道路の違いとして、生物の血管で例えるなら、生活道路は毛細血管、幹線道路は主要な血管のようなイメージを持ってほしい。緑のネットワークについて、幹線道路を緑化することで緑の量を担保するといった考え方で今回の方針を決めている。
(江口会長)
・決して緑化率もスリム化するというわけではなく、緑を維持しながら、メリハリをつけていくということか。
(事務局)
・基本的にはそうであるが、道路においては、整理を進める中でやむを得ず街路樹が減るといったことは起こり得る。しかしながら、緑のネットワークの機能として、重要な路線は残すような形で、維持管理ができるよう計画を立てている。
(江口会長)
・他に意見はないか。色々な御意見ありがとうございました。
3 その他
(江口会長)
・最後の議事に移っていく。その他、委員の方から御意見等あればお受けする。
(A委員)
・前回の審議会の会議録がインターネット上に公開されており、私も読ませていただいたが、少し気になる点があった。
・会議録作成の際の文字起こしは、大変な作業だったと思う。確かに会議の中で話された言葉をそのまま文字に残さなければいけないという考えであると思うが、前回の会議録に、公園を「差別化」するという表現があった。
・ビジネス用語として「差別化」という単語は一般的に使用されているが、この場面においては、文脈的に相応しくないと思う。つまり、「良い公園」と「悪い公園」という意味になってくる。事務局内で、表現手法について検討していただきたい。
・また、「せん定」という単語について、公文書では、「せん」は平仮名になっている ため、これを統一された方が良い。
(江口会長)
・各資料を丹念に読まれており感心した。今後は、表現も考えながら会議録を作成していただければ有り難い。
・他に御意見などないようなので、議事を終え、司会進行を事務局にお返しする。
4 閉会
(事務局)
・事務局から連絡事項をお伝えする。
・次回の会議日程は、5月頃の開催を予定しており、正式に開催日が決定したら委員の皆様に事務局から連絡を差し上げる。
・本日の審議会の会議録について、公表前に会議録の案を郵送するので、気になる点などがあれば事務局まで御連絡願いたい。委員の皆様の御意見を反映後、旭川市ホ ームページ等で会議録を公表する。
・本日の審議会は、これをもって閉会とする。本日はありがとうございました。
以上