水質一口メモ

情報発信元 水道局総務課

最終更新日 2024年10月1日

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水質一口メモ

水のおいしさなど、水道水の水質に関する豆知識集です。

おいしい水の要素

水のおいしさは、飲む人の味覚や好み、健康状態、気温などの環境条件により異なりますが、多くの人は、水の硬度、臭気、残留塩素、水温、色度などにより、「おいしい又はまずい」と感じているようです。

旭川市の水道水は、河川の水質に差はありますが、いずれの浄水場でつくられた水も、「おいしい水」です。夏期には水温が高くなることがありますので、水道水を冷やすとよりいっそうおいしく飲めます。

「おいしい水の要件」(おいしい水研究会)、と旭川市の水道水の水質
項目

おいしい水

の要件

石狩川

浄水場

忠別川

浄水場

備考
蒸発残留物(ミリグラム/リットル) 30から200 68 100 適量でこくとまろやかさ
総硬度(ミリグラム/リットル) 10から100 23.0 40.3 高い水は好みが分かれる
遊離炭酸(ミリグラム/リットル) 3から30 2.7 2.7 さわやかだが多いと刺激
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
(ミリグラム/リットル)
3.0以下 1.4 1.4 多いと渋い。塩素添加量も増える
ため、不味くなる。
臭気強度(TON) 3以下 0 0 カビ臭、腐敗臭など不快
残留塩素(ミリグラム/リットル) 0.4以下 0.3 0.3 消毒用で0.1以上は必要
水温(度) 20以下 11.0 11.3 (体温-20から-25)度がよい

(補足)浄水場のデータは、旭川市内の給水栓水(各浄水場につき、2ヵ所の蛇口の水)における令和4年度の年間平均値です。

水をおいしくする成分

ミネラル

ミネラルとは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなど水中に溶けている鉱物質のことです。

ミネラルを適度に含むとコクとまろやかさが出ますが、多すぎると渋みや苦み等が増し、逆に少なすぎる水は、淡白でこくのない気の抜けたような味になります。

硬度

硬度とは、ミネラル成分のうち、カルシウム及びマグネシウムの合計量をいい、ミネラルの主要成分を占めます。

硬度の高い水を硬水、少ない水を軟水といい、おおむね硬水は硬度が水1リットル中120ミリグラム以上、軟水は硬度が水1リットル中120ミリグラム以下の量が含まれています。

ミネラル同様、適量の硬度を含む水はおいしいですが、硬度が高すぎると口に残るような味や渋い味になり、おなかをこわすこともあります。

旭川の水道水の硬度は、石狩川浄水場、忠別川浄水場ともに軟水で硬度が適度に含まれています。

遊離炭酸

湧き水や地下水に多く含まれており、水にさわやかな味を与えます。

これは、水中の炭酸が舌や胃の神経を刺激するためで、消化液の分泌を促進する働きを持っています。

しかし、あまり多く含まれすぎると刺激が強くなり、清涼感は失われます。

水をまずくする成分

有機物等

水中の有機物の量を示す値であり、この値が大きい水は渋みがあり、消毒のために多量の塩素を必要とするので、水の味は悪くなります。

臭気

においは水の味と密接な関係があり、嗅覚の方が味覚に比べて敏感であるといわれており、水のおいしさは臭いによっても左右されます。

水にいやなにおいをつける成分としてはフェノール類、ジェオスミン、2-メチルイソボルネオール、残留塩素などがあります。

残留塩素

水道水は、水道法により塩素で消毒を行い、蛇口で0.1ミリグラム/リットル以上の残留塩素を保つことが義務づけられています。

塩素は、消毒効果が高く確実であり、残留性効果があること、維持管理が容易なことなど優れた点があり、日本をはじめ世界的にも広く用いられています。

細菌類、特に消化器系病原菌に対して迅速な殺菌効果があるので、残留塩素は衛生上の安全性の目安になります。

水道局では、毎日旭川市内各地域の蛇口から出る水の残留塩素の濃度を検査し、安全でおいしい水の供給に努めています。

水の味に影響を与える環境条件

水温

一般に水は冷たい方がおいしく感じられます。

水を冷やすと塩素のにおいを感じなくなり、逆に水温が高くなると塩素をはじめ、いやなにおいを強く感じるようになり、味が悪くなります。

具体的には、体温より約20度から25度低い、10度から15度が適温です。

気温

夏場は水の温度も10度から15度が適温ですが、気温が下がる春や秋は水温も少し低い方が味がよく感じられます。

湿度

湿度が低いと身体からの水分の蒸散が多くなり、喉が渇くので味がよく感じます。逆に湿度が高いと喉もそれほど渇かず、塩素のにおいが鼻につきやすくなり、味がまずく感じられます。

水道水の保存期間

水道水は塩素で消毒されており、残留塩素が0.1ミリグラム/リットル以上あれば衛生上安全ですが、水を汲み置きしておくと時間の経過とともに徐々に塩素はなくなっていきます。

汲み置きしておいた水の残留塩素がなくなると、空気中や容器に付着していた雑菌などが繁殖し、飲み水として適さなくなります。

水道水を保存する場合、密閉できる容器を十分に洗浄し、できるだけ満水にします。保存場所は冷蔵庫が望ましいですが、冷蔵庫で保存できない場合は室温と暗所で保存してください。日のあたる場所や暖かい場所は、塩素がなくなりやすく保存に適しません。

保存期間を冷蔵庫で1週間から2週間、室温と暗所では3日から1週間くらいが目安になります。この期間を過ぎた水は、新しい水との交換が必要です。

話題性のある項目

水道水の水質で話題となる項目について説明します。

水道水の安全性について

水道局では、国の法令に従い、適切な塩素消毒を実施するとともに、国が定める水道水質基準に適合した安全な水を万全の体制で供給しています。

また、インフルエンザやコロナウイルスに分類されるウイルスに対しては、一般的に塩素による一定の消毒効果も認められています。安心して飲用ください。

感染予防には、石けんなどによる手洗いが有効です。特に帰宅時や食事前など、身近な水道水でこまめに手洗いをしましょう。

有機フッ素化合物(PFAS)について

有機フッ素化合物(PFAS)とは

有機フッ素化合物とは、炭素とフッ素の結合を持つ有機化合物の総称でPFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれています。その代表的なものとして、PFOS(ペルフルオロオクタン酸)とPFOA(ペルフルオクタン酸)があります。PFOSは半導体、金属メッキ、泡消火薬剤などに、PFOAはフッ素ポリマー加工、界面活性剤などに用いられており、科学的に安定なため分解されにくい物質です。
水道水質に関しては、令和2年4月1日から法令で検査が義務付けられていない「水質管理目標設定項目(暫定目標値:PFOSとPFOAの合算で50ng/L以下)」に追加されました。
環境省PFASに対する総合戦略検討専門家会議(PFOS、PFOAに関するQ&A集)(新しいウインドウが開きます)(リンク先に移動します。)
なお、PFOS、PFOAを使用した製品につきましては、化審法の第一種特定化学物質に指定されており、製造・輸入・使用等はすでに禁止されています。

旭川市の状況

令和3年度より浄水場の取水口(石狩川、忠別川)の河川水について、旭川市として検査を行っており、検査結果については、毎年度、暫定目標値を大きく下回っていることを確認しています。
なお、水道水についても検査を実施し、次のとおり、国の暫定目標値を大きく下回る結果であることを確認しています。
 
浄水場 分類 採水日
令和6年6月25日
石狩川浄水場 給水栓水 定量下限値未満
忠別川浄水場 給水栓水 定量下限値未満
*暫定目標値:PFOS及びPFOAの合算で50ng/L以下
*定量下限値とは、その分析法で正確に定量できる最小濃度(2ng/L)のことをいいます。

クリプトスポリジウムについて

クリプトスポリジウムとは、4マイクロメートルから6マイクロメートルの原虫の一種で、人間、家畜などに感染する病原体で、糞便を通じて環境中へ放出されます。人が感染すると腸に寄生し、激しい下痢、腹痛を起こし、3日から1週間程度続くと言われています。

クリプトスポリジウムは、適正な浄水処理で濁りとともに除去することができます。

また、原水中の汚染の指標となる微生物の検査や浄水工程の監視により、汚染の防止に努めています。

水道水におけるホルムアルデヒドの影響について

旭川市の水源は、石狩川と忠別川です。浄水場の取水口上流域には化学工場等、消毒用塩素と反応してホルムアルデヒドを生成する化学物質等を扱う事業所は存在しません。また、過去の検査結果から河川への影響はないものと判断しております。なお、水質検査計画に基づき、年4回の頻度で市内の給水栓(蛇口)のホルムアルデヒドの検査を定期的に実施し公表しています。

ホルムアルデヒドの検査結果について

石狩川浄水場系および忠別川浄水場系の過去3年間の検査結果は、いずれも定量下限値0.008(ミリグラム/リットル)未満でした。詳細は、次のページをご覧ください。

水質検査検査結果

(補足)ホルムアルデヒドは、原水中の有機物質と消毒用塩素が反応して生成された物質で、水道水の水質基準値は0.08(ミリグラム/リットル)と定められています。

水道水における放射性物質の影響について

旭川市の水道水における放射性物質の影響については、これまで公表されている大気中の濃度の測定結果(旭川市、札幌市)及び札幌市の水道水の検査結果から影響はないものと考えます。
なお、異常が確認された場合は、厚生労働省からの通知等に基づいて対応いたします。

水道水中の放射性物質について

北海道では、平成23年4月~平成27年4月までの間、水道水の放射性物質モニタリングを実施していますが、放射性物質は検出されませんでした。

空気中の放射線量について

旭川市内の放射線量は、上川総合振興局において測定しています。
測定結果については以下のページをご覧ください。
北海道における空間放射線量率モニタリング結果(新しいウインドウが開きます)(リンク先に移動します。)

お問い合わせ先

浄水課 水質試験係

電話番号

0166-57-5003