「神楽公民館 書道サークル」~文化芸術のカタチvol.21
文字の芸術・書道を通じて楽しく学び合う。 「神楽公民館 書道サークル」の鈴木倫子副会長にお話をお聞きしました。
内容
-活動内容を教えてください。-
週一回、月曜日の9時半から11時半に神楽公民館の講座室に集まっています。
おもに、札幌の書究文化書芸院から送られてくる「書究」という月刊誌に課題となる書が掲載されているので、それを各自が自宅で書き写して教室に持参します。毎週3つぐらいの課題に対し、一つ当たり4~5枚ぐらい書いていますね。
教室では、始めに先生から、課題の書を上手に書くためのポイントや文字の成り立ち、作品に関連する歴史などを解説いただいた後に、各自が書いてきた作品を先生に添削いただくことで、技術を身に付けていっています。
技術的なことはもちろんですが、先生の解説を聴いて、書にまつわる色々な知識・教養を深めることができるのも面白いところだと思います。
-課題となる作品はどのようなものですか?-
題材としては、中国の歴史ある碑に刻まれた文章や仮名、実用文、詩文など様々です。
書体も楷書、行書、隷書と大きな括りでも色々あり、それぞれ上手に書くために意識するポイントが異なります。
楷書は最も基本的な書体で、トメ・ハネ・ハライや字の形を正確に捉える必要があります。行書は楷書を崩した書体で、筆の動き方や早さにより作者の個性が強く出ます。隷書は少し潰れたような形で独特なハライがあります。
私はデザイン性のある隷書が好みですが、それぞれに違いがあるので作品によって使い分けることで創造性が生まれ、とても面白いですよ。
-段位なども取得できるのですか?-
作品の制作と先生の添削を繰り返しながら、少しずつ修正して、月1回、書究文化書芸院に送って評価を受けます。また、年2回検定試験があり、合格すると9級から師範までの資格を取得できます。4段以上になるとなかなか難しくなってくるのですが、活動を続けていれば、3段ぐらいまでは順調に昇格していけると思います。
ただ、必ずしも評価や検定を受けなければならないわけではありません。
今のメンバーは有段者なので、それぞれが自宅で資格取得に向けた課題に取り組むというスタイルに自然となっていますが、筆の動かし方や力の入れ方など、教室で先生や他のメンバーに見てもらいながら練習することもできます。課題以外の文字でも先生に添削してもらうことができるので、あまり課題や資格取得に拘らず、時には好きな文字を自由に書いて、楽しさを感じることが長続きや長期的な技術向上につながる重要なポイントだと思います。
-どのような方が所属していますか?-
現在10名が所属しており、年齢は60代~80代です。
サークル活動なので頻繁に顔を合わせるのですが、作品の創作は各自で行いますし、それぞれの作品に集中して向き合うことになるからか、メンバーの距離感が程よく、本当に人間関係が良好で和気あいあいと活動出来ているのがこのサークルの良いところですね。
書道だけではなく、他の活動をしている方も多いので、色々な情報交換もできて、おしゃべりするのがとても面白いですよ。
-作品を外部の方に披露する機会はありますか?-
年始めに小学生20名ほどにお越しいただき、書き初め大会を開催しています。
また、例年10月第1週に開催される神楽公民館のセンター祭りの際に、書を出展しています。ここでは半紙だけでなく、掛け軸など大小様々なサイズの作品をロビーに展示しています。書の裏に紙を貼って作品のしわやたるみを防ぐ裏打ちという作業があり、例年プロにお任せしていたのですが、今年のセンター祭りでは、始めてメンバーが自分で行いました。
このほか、今年(2022年)は1月と4月に「お酒ラベル書体」の展示会を初めて開催しました。書を続けていると感度が高まり、生活の中で目にする様々な文字に意識が向いてくるのですが、お酒のラベルに記載されている文字の面白さはメンバーの多くが感じていたところであり、展示会をやってみようということになりました。各自が好きなラベルを選びながら、自由に楽しく作品作りに取り組めました。新しい試みだったので、メディアにも取り上げられ大変反響がありました。
今後は、黒以外の色の墨や金粉の入った半紙を使ったデザイン性のある作品の展示会など、メンバーが楽しんで参加できるような展示会を企画していきたいです。
-書道の魅力を教えてください。-
人それぞれだとは思いますが、私は親の介護をしながらでもできる趣味として始めた中で、書を書くときの集中する感覚と完成したときの解放感に日々の生活から離れた潤いを感じます。
芳名帳を書くときなど、要所要所で字を書く際に、上手に書くためのポイントが分かることなどもやっていて良かったところだと思います。普段、意識しないで書くときの文字はあまり上達していませんが(笑)
最近は国際化が進み、書道の日本文化としての美術的価値を認められてきているところもあり、以前に深川の施設で韓国やアメリカの方に書道を教えた際にはとても喜ばれました。普段のサークル活動もそうですが、書を通して人とのつながりが広がることも魅力だと思います。
書道は言ってしまえば単に文字を書くというものですが、題材となる文字は無数にあり、それぞれに成り立ちや歴史、上手に書くためのポイントがあるので、幅広く奥深いものだと思います。書道というと少し敷居が高く感じるかもしれませんが、私たちのサークルはとても和気あいあいと楽しく活動しています。入会前の見学や体験も可能なので、興味がある方はお気軽にご連絡ください。
まとめ
●添削を受けながら技術を磨き、年2回の検定で段位や指導者資格の取得を目指すことができる。
●必ずしも資格取得を目指す必要があるわけではなく、好きな文字を書きながら自分のペースで技術向上を目指すこともできる。
●お酒ラベル書体やデザイン性を重視した作品の展示会など新しい企画に挑戦している。
団体情報
名称 | 神楽公民館 書道サークル |
住所 |
旭川市神楽3条6丁目1番12号 旭川市神楽公民館2階 講座室 |
創作・練習の日時・頻度 |
― |
会員の募集 |
あり |
会費 |
月額2,000円 |
連絡先 |
0166-31-3239 古屋会長宅 |
その他 |
入会前の見学、体験が可能ですので、ご相談ください。 |
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