「日本郷土民謡三絃・菅野孝山流 孝山会」~文化芸術のカタチvol.16

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2022年10月19日

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民謡、津軽三味線の普及に取り組む。「日本郷土民謡三絃・菅野孝山流 孝山会」の家元・菅野さんにお話をお聞きしました。

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孝山会 本部
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家元の菅野孝山さん

内容

日本郷土民謡の教室で、主に日本民謡の歌い方や津軽三味線の演奏を指導するほか、様々な場面での演奏や講義を承っています。
日本民謡は、全国各地で歌い継がれてきた、人々の生活や文化を表す歌で、北海道での江差追分、青森の津軽民謡、秋田の秋田おばこなどがあります。
他にも地域で親しまれている歌は沢山あり、私も「石狩川流れ節」等の民謡の作詞を行うなど曲の制作にも関わってきました。
津軽三味線は青森県発祥の楽器で、3本の絃(げん)をばちで叩いたり弾いたりして演奏します。主に民謡などの伴奏で使用されますが、テンポが速く、音数が多いのが特徴で、独奏でも十分に聴き応えがあります。
独自の文化を持たない民族はやがて滅びると言いますので、次世代に残すべき音楽文化として普及させていかなければならないと思っています。

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大迫力の津軽三味線
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石狩川流れ節の全国大会を開催

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親子三代の演奏も行っている。

-孝山会はいつから活動しているのですか?-
私が初代家元として昭和50年に立ち上げ、現在に至ります。
旭川本部、富良野・上富良野、上川に教室があり、全体で30~40名に指導しています。
名取りとなり、それぞれ別の地域で指導をしている弟子もいるのですが、家族内でも技術を受け継いできていまして、息子が二代目・菅野孝山として孝山流の普及に努めており、孫の菅野優斗(かんの ゆいと)もプロの津軽三味線奏者として、洋楽器やクラブDJとコラボするなど今の時代に合わせた柔軟な取組を行っています。
来年小学生になるひ孫も興味を持ってくれていて、一生懸命練習しているところなんですよ。

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優斗さんのライブ
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CD

-子どもや楽器演奏の経験がない方でも、稽古についていくことはできますか?-
大会や発表会のときは集まって練習することもありますが、基本的には個人レッスンで丁寧に教えていきます。現在、小学校1年生から習いに来ている子もいますし、全く問題ないですよ。これまでの私の指導経験をふり返ってみると、元々、楽器演奏の経験がある人は、上達が早い傾向がありますが、直ぐに出来てしまうので、長く続かないことが多かったです。むしろ、経験のない人の方が、失敗して悔しさを感じることで、もっと上手くなりたいという気持ちが強くなるので、稽古にも熱が入り、上手くなっていくことが多かったです。やはり重要なのは、技術云々より、楽しむ気持ちや向上心だと思います。


-練習成果のお披露目の機会はありますか?-
コンクール形式の全道大会、全国大会など色々あります。
全国大会は、全国に数千人から数万人の会員がいる中で、最も優れた者を選ぶものなので、審査は大変厳しいのですが、当会から民謡では毎年全国大会に出場していますし、津軽三味線でも本場青森で開催されている全国大会で3回の優勝実績があります。
旭川でも全道大会の前哨戦としての地区大会も開催していますし、年1回、発表会も行っています。大会や発表会には一人で出場することもありますが、津軽三味線で民謡の伴奏を行ったり、尺八や太鼓、お囃子といったものと組み合わせて実施することも多いので、チームでの稽古も必要となってきます。
三味線はピアノの鍵盤のように弾く位置を変えるのではなく、絃の張り具合を変えることで元々の音の高低を変える必要があるので、チームで演奏する場合は、歌い手の声質や他の楽器の音色に合わせた細かな調整が必要となります。ここが難しいところですが、弾き手の個性が出る奥深いところでもあります。

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大会での演奏の様子
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全国大会優勝時の盾
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全国大会の優勝トロフィー

-どのくらいの期間で歌や演奏ができるようになりますか?-
個人差がありますが、稽古を始めてから半年ぐらいまでは、私と一緒にゆっくりと演奏したり、歌ったりしてもらいながら楽しく稽古していくことを心がけています。途中で挫折しないように楽しみ方を知ることが最も重要だと思います。半年ぐらい経つと一人で歌える民謡や三味線で演奏できる曲が増えてくるので、技術向上の初期段階として、徐々に音や間のズレを修正していく指導を取り入れていきます。2年も稽古を継続できれば、上級者といえるレベルになるので、より細かな技術の習得を目指していき、5年程度経てば、初級、中級レベルの方の指導ができるぐらいになりますよ。
民謡も津軽三味線も、人によって音に個性が出るものですが、音程とテンポの正確さが熟練度を見分けるポイントになります。
特に津軽三味線はテンポが速いですし、絃を抑える指の位置が楽器に記されていないので、いきなり原曲を演奏しようとすると大抵の人が挫折することになります。先ずは、曲のスピードをゆっくりと引き延ばして、一音一音の音程とテンポを丁寧に聞いて覚えて、頭に刻みこむことが重要です。それさえできれば、あとは少しずつスピードを原曲に近づけていくだけなので、継続できれば誰にでも弾けるようになりますよ。

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譜面。絃に対応する三本の線と抑える位置が記されている。 
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曲に合わせて細かな調絃が必要となる。

-教室での指導以外に日本民謡や津軽三味線の普及のために、取り組んでいることはありますか?-
沢山の子ども達に慣れ親しんでもらうために、全国の学校の授業で取り扱ってもらえるよう文部科学省に要望することを目指して、昭和57年から30年計画で地域での実績づくりに取り組んできました。
当初は、まだ会員数が多かったこともあり、業界に危機感があまりなく、賛同者がなかなか現れなかったのですが、先ずは、地域の学校の授業で取り入れてもらえるよう、旭川の校長会への協力依頼や、学校に対する津軽三味線の寄附など、地道に活動を続けてきました。すると1校、2校と少しずつ授業に取り入れてくださる学校が増えてきて、これまでに45校で189回の出前授業を行わせていただきました。
結果としては、30年計画の終了前に学習指導要領が変わり、授業の中で取り入れられる環境が整ったので、私が文部科学省への要望は行いませんでした。しかし、学校で実際に日本民謡や津軽三味線が扱われるような事例が増えてこないので、引き続き活動を継続して、子ども達に伝えていくための方法を考えていかなければならないと思っています。
学校に限らず、結婚式や地域のイベント、ホームパーティといった様々な場面での演奏依頼や講義などを承っていますし、教室では、楽しく民謡、津軽三味線をお教えしますので、お気軽にご連絡ください。

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まとめ

  • 日本民謡と津軽三味線の指導と様々な場面での演奏を通じて、日本文化としての普及に取り組んでいる。
  • 小学生の習い事から全国大会での優勝者yプロの育成まで、幅広く対応している。
  • 正確な音程やテンポをつかむためには高度な技術を要するが、レベルに合わせて楽しく稽古することを重視しており、未経験者でも安心して始めることができる。

   取材後の追加情報

   日本の伝統芸能民謡の発展を願う(要望要旨)案を作成しました。(令和4年11月15日 追加)

   民謡の普及に向けた指導者育成に関する国への要望を目指し、活動を再開しています。

 案に対するご意見をお待ちしています。

 以下のページをご覧ください。

 日本の伝統芸能民謡の発展を願う(要望要旨)案(新しいウインドウが開きます)

団体情報

名称 日本郷土民謡・菅野孝山流 孝山会
住所 旭川市新富1条1丁目9-12

創作・練習の日時・頻度

火曜日、水曜日、木曜日、土曜日のうちいずれか1日1時間程度
月1回から選択が可能

会員の募集 あり
会費 月会費:日本民謡5、000円、津軽三味線7、000円
※月1回コースの場合、日本民謡2、000円、津軽三味線3、000円
連絡先

0166-26-7162

ホームページ https://k-kouzan.jp/
その他

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