「北海道樹皮絵画会」~文化芸術のカタチvol.9

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2022年6月7日

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自然素材の温かみを活かした独自の絵画を創作する。「北海道樹皮絵画会」の皆さんにお話をお聞きしました。

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月2回集まる末広中央町内会館
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北海道樹皮絵画会の皆さん

内容

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-どのような活動をされているのですか?-

白樺や桜などの枯木の樹皮やコケ、サルオガセという樹皮に付着する糸状の菌類等の自然素材を使用した貼り絵をしています。

月に2回、月曜日に末広中央町内会館でそれぞれが作品を持ち寄り、楽しくお話しながら一緒に制作を進めています。

作品の題材は、自然の風景を中心として、動物や人、建物など様々なものに取り組んでいます。

制作の方法としては、加工した木の薄皮や小さな苔の一粒のようなものをピンセットなどで貼り付けて表現するのみで、ベニヤ板に直接絵の具などで色を塗ったりはしません。色の濃さが異なる素材を同じ個所に幾重にも貼り付けていくことで、色に階層を付け、深みを出していくのですが、この表現が最も難しいところですね。


-素材はどのように調達し、加工しているのですか?-

以前は、皆で近郊の山に行って拾ってくることもありましたが、新型コロナウイルスの感染が広がってからはなるべく集まるのを控えて、個別に拾ってきて使用したり、共同で使うためにストックしたりしています。

季節によって調達できる素材が異なり、木の皮などは冬のものでなければならないこともあるので、ときには雪の中に入っていくこともあります。

調達してきた素材について、木の皮は染色せずに使用しますが、コケ類は脱色した上で、塗料で様々な色に染めて使用します。

素材の染色の際は、染料をお湯に溶かして浸けるのですが、素材の特性やその時の温度や湿度などにより発色が変わってきます。浸かり具合を観察しながら、それぞれの感性に任せて色の乗り具合の良し悪しを決めていかなくてはならないというのも難しいところだと思います。

これらの難しい面を如何にしてクリアしていくかというところが個性の出る、面白いポイントだとも言えますね。

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使用する素材の標本
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サルオガセ
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制作途中の作品

-作品の特徴を教えてください。-

自然素材を使用することによる色彩や味わいをそのまま生かし切ることができるので、リアルな質感や独特の温かみがありますし、素材を重ねて使用しているので、絵具や鉛筆などでは表現できない立体感があります。

独特の風情を表現できる樹皮絵画の作品は、油絵にも勝るとも劣らないほどの美術的価値が認められています。

また、使用する素材は樹皮や苔等のみであったり、空の青色は使用しないという制約があるので、風景をリアルに再現していくために様々な工夫が凝らされているというのも特徴ですね。

作品をご覧いただく際は、使用されている素材の種類や色合いの違い等の細かな点を間近でじっくりと観察していただくと面白いと思います。

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-作品を鑑賞する機会はありますか?-

毎年1回展示会を開催しており、今年(令和4年)は9月に旭川市民文化会館で行う予定です。展示会に向けて、20名ほどの会員がそれぞれ2~3点ずつ作品を制作しています。また、札幌の高齢者施設の入所者の方々に機能改善の一環として制作していただいた作品も出展しているので、沢山の作品を鑑賞いただくことができます。展示会では作品が多数並ぶので、会場からそのまま大自然に誘い込まれるような迫力を感じていただけると思います。

展示会にお越しいただいた方に作品のご案内をしたり、感想をお聞きすることが我々としてもとても楽しいひと時なので、多くの方にお立ち寄りいただきたいです。


-入会に当たって必要なものはありますか?-

特にありません。新規入会者用に、4号という比較的小さいサイズの基本技術を学べる題材を用意しており、半年ぐらいで最初の1~2作品を仕上げることができます。基本を覚えれば、その後は各々で好きな作品をつくり始めることができるので、樹皮絵画は色々ある芸術の中でも取り組みやすい方なのではないでしょうか。

自由研究の作品などにも向いていると思いますし、小さなお子様も含めてどなたでも大歓迎です。

会員の中には講師の資格を持っている方も沢山いるので、表現が難しい箇所が出てきた場合も、月2回の集まりの中で気軽に相談できますよ。

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会員歴の短い方でもこのような作品が作れる。
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-今後の活動の展望をお聞かせください。-

自然のものはいずれ朽ち果てて、また自然に還るものですが、絵画としてよみがえらせることで、情緒豊かな作品として残していくことができます。

作品の制作を通じて、自然とともに生きる大切さや制作の苦労、作品が仕上がったときの感動を多くの方と共有しながら、北海道の豊かな自然を活かした工芸作品として樹皮絵画を発展させていきたいと思います。

私たちは「新北海道スタイル」安心宣言を行い、感染予防には万全を期していますので、安心・安全に展示会や活動に参加いただけます。

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

  • 枯れ木や廃材の有効活用や高齢者施設入所者の機能改善など現代社会の課題に向き合う独自の文化活動である。
  • 自然素材を使用することにより他の画材では出せない独特の質感や立体感を表現できる絵画作品である。
  • 未経験者でも比較的短期間で基本技術を習得し、自由な作品づくりに取り組むことができるようになる。

団体情報

名称 北海道樹皮絵画会
住所 旭川市末広2条8丁目 末広中央町内会館

創作・練習の日時・頻度

月曜日9時~11時30分(月2回)

会員の募集 あり
会費 年額7,500円
連絡先

0166-52-9021 高山事務局長

その他

入会前の見学が可能ですので、ご相談ください。

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