「写真集団「北陽」」~文化芸術のカタチvol.8
北の太陽のように明るく、楽しく写真を撮る。「写真集団 北陽」の高島会長、今村さんにお話をお聞きしました。
内容
-いつから活動しているのですか?-
中央公民館にあった北都成人学校写真教室の卒業生11人が集まり、昭和44年にアマチュアの写真集団「北陽」を結成しました。その翌年に当時20代だった若者の視点から、「近代化の波の中で失われ、すり替えられていくものの姿」を記録することをテーマに、国鉄の複線化工事が行われ、様変わりした神居古潭駅の風景や駅で働いていた人たちのスナップ写真、煙を吐く蒸気機関車などの写真展を開催したのが本格的な活動の始まりです。
結成当時は若いメンバーが多く、写真を通じた社会に対する問題提起をテーマにするようなところがありましたが、今はメンバーや活動方針が変わり、あまり難しいテーマ設定はなく、それぞれが好きなものを自由に楽しく撮影するスタイルになっています。
-今でも写真展は継続しているのですか?-
昭和50年に旭川写真連盟が設立してからは、自主開催ではなく旭川市民文化会館で開催される連盟の写真展に出品することで作品を発表していましたが、「北陽」のみの表現の機会も持つ必要があると考え、改めて令和元年に第1回、令和2年に第2回の「北陽」写真展を開催しました。
令和3年はコロナ禍のため開催できませんでしたが、重要な活動目標となっていることもあり、今年は9月6日(火)から12日(月)の期間に旭川市民ギャラリーで第3回「北陽」写真展を開催する予定です。
-写真展にはどのような作品が展示されるのですか?-
「北陽」写真展では特にテーマ設定は行わず、メンバーがそれぞれ自由に撮影した作品を3点くらいずつ出品します。今年9月の写真展では、A3ノビからA4サイズの作品42点余りを展示予定です。
旭川写真連盟の写真展では他のサークルからの出品もあるので、毎年「北陽」としての統一性を持たせることとしており、今年10月の次回開催時には「水のある風景」をテーマとして設定し、川や滝、噴水などの写真を皆で持ち寄り出品する予定です。
「北陽」写真展では作品の個性や切り取り方の違いによる面白さを、連盟の写真展では「北陽」のものも含めた数百点にも及ぶ規模の作品展示による迫力を感じていただると思いますので、是非会場にお越しください。
-写真展への出品に向け、どのように作品を制作していくのですか?-
毎月第2金曜日の18時30分から21時に中央公民館で月例会を開催しています。
月例会では、会員各自が未発表の1作品を出品し、その作品を勉強の題材として、他の会員から助言や講評を受けます。写真知識の豊富なベテラン会員からの助言は、より良い作品作りに活かされています。
また、毎年春と秋に皆で撮影会を開催しており、昨年は春に上野ファーム、秋に旭山動物園に行きました。親睦を深めるということもありますが、特に初心者については熟練者による被写体の選び方や写真の構図など撮影時のポイントを見聞きする良い機会になると思います。
-現在のメンバーの構成を教えてください。-
現在、男性が9名、女性が4名の計13名が参加しています。昨年加入したばかりの初心者から創立から50年以上活動している会員までいます。毎年1名くらい新たに加入いただいていますが、写真の面白さを共有できる仲間をもっと増やしていきたいです。
これまでの傾向として、写真展で実際に作品を鑑賞することで自分もやってみたいと感じられる方が多いので、沢山の方にご覧いただくのが重要だと思います。
-写真にはどのような魅力がありますか?-
同じ場所で同じ物を撮っても、季節、天気、風の具合などその時々の瞬間で違った表情がありますし、撮影者の感性に応じた切り取り方によっても大きな差が出てきます。
作品を見て感じることは人それぞれで正解はなく、皆で作品を持ち寄り、良いところを見つけて改善点を考えながら、それぞれがより良い手法を追求していくということの繰り返しであり、長く続けていても飽きることがありません。
山や川などの自然の風景、野鳥、草花、スナップなど人によって得意なテーマがあり、個性が出てくるので面白いですよ。私(高島会長)は自然風景が好きで、自宅から旭岳を日々眺めながら撮影のチャンスを窺っています。条件が良さそうな日に撮影しに行くのですが、瞬間を切り取るのは非常に難しく、納得いくまで何度も同じ場所に足を運んでいます。
-会に参加するに当たり必要なものはありますか?-
カメラと月例会に作品を持参するための印刷機器が必要となりますが、最初はコンパクトデジカメと安価なプリンターがあれば十分なので、数万円で揃えられます。最近はデジタル技術の発達により、構図や色味、ピントの調整など撮影した後にパソコンで修正出来ることが増えているので、撮影時の多少の失敗は直すことができます。編集作業について、最初は苦労するかもしれませんが、慣れてくれば短時間でできるようになります。
被写体選び、構図、露出やピントの調整など経験や技術が必要なところはありますが、最初はあまり細かいことは気にせず、ちょっと散歩に出たときのついでにでもどんどん撮ってみてください。
月例会では、上手な人の作品を見て、制作過程についての話を聞いて学ぶことができますし、作品をお持ちいただければ、どうすればもっと上手に撮れるようになるのかを技量に応じて丁寧にアドバイスすることもできますので、全く写真をやったことがない方でも問題ありません。
-記事をご覧いただく方にメッセージをお願いします。-
SNSの普及により、若い人を中心に写真人口は増加していると思いますが、我々のようにクラブでやっていこうと考える人はあまり増えていない印象です。
一方で、写真を撮るからには上手く撮る方法を知りたい、技術を身につけたいという方は多いと思いますので、一歩踏み出して、我々と一緒に楽しく素敵な写真を制作し、技術を磨いていきませんか。
月例会の見学は随時受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
まとめ
- 毎年9月の「北陽」写真展や旭川写真連盟の写真展で沢山の作品を発表している。
- 自分の感性で自由に楽しく撮影することで、表現に個性が出て、その個性が作品の魅力となる。
- 様々な作品を鑑賞するとともに、自分の作品について評価を受け、改善点を考えていくことが写真技術の向上につながる。
団体情報
名称 | 写真集団「北陽」 |
住所 | 旭川市 中央公民館 |
創作・練習の日時・頻度 |
毎月第2金曜日 18時30分から21時 |
会員の募集 | あり |
会費 | 年額3、000円 |
連絡先 |
0166-46-4663 今村さん |
その他 |
入会前の見学が可能ですので、ご相談ください。 |
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