第3回旭川市まちづくり基本条例市民検討会議の記録
日時 |
平成24年9月28日(金曜日)18時半~20時半 |
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場所 |
旭川市職員会館3階 6号室 |
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出席者 |
委員 19人 有馬委員、安倍委員、伊藤委員、大西委員、荻澤委員、柿﨑委員、黒川委員、斉藤委員、杉山委員、鈴木委員、髙井委員、竹内訓委員、竹内ツギ子委員、中田委員、西委員、堀井委員、猿子委員、八重樫委員、渡辺委員 (50音順) 事務局 6人 田澤次長、向井主幹、三浦補佐、高橋主査、竹内主査、川畠主任 |
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欠席委員 |
横山委員 |
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会議の公開・非公開 |
公開 |
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傍聴者の数 |
0人 |
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会議資料 |
資料2 まちづくりに対する思いや提言のまとめ(PDF形式 194キロバイト) 資料3 第7次旭川市総合計画について(PDF形式 4,299キロバイト) 資料4 庁内ワーキンググループについて(PDF形式 44キロバイト) |
会議内容
1 開会
(会長から開会の挨拶。その後、8月31日に実施したタウンウォッチングの内容について事務局に説明を求めた。)
事務局
(タウンウォッチングの様子を撮った画像をスクリーンに映写し、内容を説明した。)
会長
(タウンウォッチングに参加した委員に感想を求めた。)
副会長
- 西神楽のさと川パークゴルフ場が印象に残った。市から補助金等が出ているわけではないのに、住民の方が手作りで整備を進め、市の施設(忠和のパークゴルフ場)よりも芝生の手入れが良く、素晴らしい施設を作り上げていることに感心した。まちづくりの最先端ではないかと思った。
- 永山支所でも説明を受けたが、基本条例を作るよりも先に様々な市民活動が行われているという印象を受けた。
委員
- 西神楽のさと川パークゴルフ場は初めて行ったが、住民の力で素晴らしい施設を作っていることが勉強になった。
- 永山支所では、まちづくり推進協議会の現状や課題を知ることができた。これからのまちづくりに欠かせないものになってくる推進協議会をどのように進めていくのかということや推進協議会と基本条例との関わりについても考えさせられた。
2 議事録の確認
事務局
- 第2回会議録については、9月25日(火曜日)までに内容確認をお願いしていたが、一部修正依頼があり、本日お配りした資料のとおり訂正し、HPで公表したい。
会長
(会議録の内容について各委員に再確認)
(異議がないため、事務局からの提案のとおり了承された。)
3 議事
会長
- 前回の会議では、第4回会議から二つの部会に分けて議論を行っていくことが確認された。また、数名の委員から「まちづくり」という言葉は定義しづらい、共通解を見出すのは難しいとの意見があった。時間の都合から十分な発言機会がなかったのではないかと思う。
- そこで、部会に入る前に「まちづくり」に係る基本的な部分での理解を深めておきたい。今日の会議で「まちづくり」を定義することではなく、ある程度委員同士で共通のイメージを持てたらと思う。
- そのため、部会の議論が活発かつ円滑に進むよう条例を指定する上で、次の3点を意見交換のテーマとして進めたい。
- まちづくりをどう捉えるべきか。
- まちづくりにおける市民・地域コミュニティの役割は何か。
- まちづくりにおける行政・または議会の役割は何か。
これらは部会にも共通する部分であると思う。
- まず、前回の意見交換の発言を事務局で整理した「まちづくりに対する思いや提言のまとめ」と、基本条例を考えるに当って関連がある「第7次総合計画」におけるまちづくりの方向性について事務局から説明を受け、それらを参考にしながら意見交換を行いたいと思う。
まちづくりに対する思いや提言のまとめ(資料2)
事務局
- 前回の意見交換で出された意見を、「条例のあるべき姿」と「市民生活のあるべき姿」に大別している。また、内容ごとにグループ分けを行い、それぞれ「条例の目的」「市民憲章・都市宣言」といったキーワードを付けている。さらに、これらを旭川らしさというキーワードで内包する構成としている。
- まず、「条例のあるべき姿」であるが、キーワード「市民憲章・都市宣言との関係」「条例の形式」から、条例は分かりやすく、理解しやすい、市民憲章や都市宣言を踏まえた条例といった意見が出された。
- 条例の策定に係る意見だけではなく、キーワード「条例策定後」にあるとおり、条例を多くの人に周知することの重要性や、絵に描いた餅にならないような条例にするといった意見も挙げられた。
- 次に「市民生活のあるべき姿」であるが、キーワードは「市民」「地域コミュニティ」「協働」といった分かりやすいものとなっている。
- キーワード「市民」は、誰もが安心・安全で、元気に暮らせるようなまちであってほしいといった意見が多く出されている。一方で、キーワード「地域の課題」「市民意識」から、高齢化の問題や、市民意識のギャップ、様々な考え方といった意見など、現状のまちづくりの課題が挙げられている。
- また、キーワード「協働」「市民参加」に見られるように、人と人との繋がりの大切さや、市民が主体的に考え、参加していくことの必要性についての意見が出されている。
第7次総合計画について(資料3)
事務局
- まず、総合計画とは何かということであるが、基本的な役割としては、地域づくりの最も上位に位置する計画であり、行政運営の総合的・計画的な指針である。最も上位ということで、各部で策定している計画は、全て総合計画の趣旨に沿うようになっていなければならない。また、行政だけではなく、住民や民間企業などの民間活動の指針でもあり、国や道などの関係機関が尊重すべき計画であると言える。
- 以前は、地方自治法において、市町村は、その地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本的な構想、これを基本構想というが、これに基づき行政運営を行うようにしなければならないと定められていた。しかし、昨年この条項が削除、義務付けが廃止され、基本構想の策定については、自治体の判断に任せられるようになった。
- 他都市の事例を見ると、策定義務がなくなる以前からまちづくり基本条例に策定根拠を位置付けている自治体や、総合計画に関する条例を制定している自治体などがある。それでは、お配りした「第7次旭川市総合計画」の冊子1ページ目をご覧いただきたい。
- 旭川市では、これまで7次にわたって総合計画を策定しており、平成18年度から、計画期間を10年間とした総合計画がスタートしている。
- 本市の総合計画は基本構想と基本計画で構成されており、基本構想では「将来を展望し、市民と行政が共にまちづくりを進めていくための指針を明示」しており、「市民と行政が共に目指す『都市像』と4つの基本目標を設定」している。
- 基本計画は、「行政運営の基本となる計画として、基本構想の実現に向けた目標と体系的な取組の方向を明示」するものであり、11の重点目標と18の施策の方向、これについては、H22の中間年度の見直しで19に変更している。そして、基本目標4に対して、8つの基本的方向を設定している。
- 具体的には、1ページ目の左の図のとおりの構成となっている。基本構想において、目指す都市像を「人が輝く 北の文化のかおる まち」としており、「人が輝く」とは、「自分たちが満足できる活動を行える場があり、生きがいをもって充実した日々を送りながら、自分たちの暮らしを自分たちで作り上げていること」を表し、「北の文化のかおる」とは、「北海道のみならず、日本の北の拠点の役割を果たすとともに、地域に根ざした特有の歴史、人材、生活・産業を新たに創造していくこと」を表している。
- 2ページ目は、計画の特長として、従来の「事業中心型」から「目標中心型」にし、「何をするか」よりも「どのようなまちにするか」という視点を明確化したほか、計画事業の実施数から、成果を重視した進行管理を行うこととした。つまり、具体的な目標像を設定し、その実現に向けて事業や施策は形を変えながら推進していくという考え方に立っている。
- 3ページは、総合計画に基づくまちづくりの考え方を体系的に示した図である。基本目標が4つ、重点目標が11、最終的に目標像を示している。
- 5、6ページの基本目標の1から3までは「まちの方向性に関する目標」であり、どのようなまちを築くかというまちの姿と、その実現に向けた取組の方向性を示しており、基本目標の4は「自治の運営に関する目標」であり、市民と行政がまちづくりに臨む姿勢と、その実現に向けた取組の方向性を示すものである。
- また、この冊子には記載されていないが、PDCAマネジメントサイクルに沿った取組を進めるとしており、PDCAというのは、プラン、ドゥ、チェック、アクションの頭文字ですが、政策・施策の計画(プラン)とその実行(ドゥ)に加え、それを評価(チェック)し、改善する(アクション)、そして、次に反映するというように、常に手法の改善、改革を行い、効果的で効率的な手段を選択しながら取組を進めている。
- この評価については、施策評価ということで、一つ一つの事務事業を束ねて施策としたものが、目標の達成に向けて有効か、などの観点で行っており、各部でまず自己評価(1次評価)を行い、市長のヒアリングを経て2次評価を行い、来年度事業の構築に生かすこととしている。
- とはいえ、継続事業も多く、施策評価を十分に生かした事業の見直しにより、PDCAマネジメントサイクルを有効に機能させていくために、これまでに何度か手法の見直しを行っている。
- ついては、こうした総合計画による行政の運営やPDCAマネジメントサイクルなどについても、今後、条例を検討していく過程で御意見をいただきたいと考えている。
会長
(委員に質問・意見を求めた。)
委員
- PDCAのサイクルで行っているということだが、C(チェック)の機能は役所の中で閉ざされた形で行っているのか、それとも市民に向けて何か発信をしながらチェックをしているのか伺いたい。
事務局
- 施策評価については、ホームページで公開している。また、自己点検だけではなく、外部の視点からの評価も大事であると認識している。総合計画だけではなく、個別の計画もあり、個別計画の中に定める評価・点検に基づき事業点検をしているものもある。また、総合計画の中にも外部の委員会からの意見をいただく仕組みがあるが、どういう方法が良いのかということを試行錯誤しているところがある。このことについても、この会議の中で御意見をいただければと思っている。
委員
- 条例の中で審議会を設けているような場合もあると思うが、こういったものが市民の意見を吸い上げるために役立っているのか?
事務局
- 例えば、男女共同参画審議会のように条例に基づき設置されているものがあるが、これらの審議会は、市政に市民意見を反映させていく上で効果的に機能していると認識している。
意見交換
会長
- 行政の基本的な仕組みについて御理解いただけたところで、意見交換に移りたいと思う。先ほどの3点のテーマに基づき、発言をいただきたい。
委員
- 働く場所を確保できない状態で、地域のお年寄りや子供たちのために何かするという流れを作るのは難しい。雇用をきちんと確保することが先決。
委員
- まちづくりを考える上で大切なことは、自分が旭川との繋がりの中にいることを感じられることである。自分は当麻出身で、旭川のまちづくりについて考えているのも、旭川で様々な人と出会い、関わってきたからではないかと思う。
- 自分が旭川市民であるという自覚を持ってもらうことが大事。
委員
- 西神楽のパークゴルフ場は、お客さんも多く賑わっていた。他にも立派なパークゴルフ場はたくさんあるはずなのに、西神楽の人が地元のパークゴルフ場を利用するのは、自分達で作ったパークゴルフ場であるという意識が高く、毎日のように来て自分達で管理するという気持ちが強いからなのではないかと思う。
- まちづくりを進める上で市民参加は重要であるが、なぜ重要であるかというと、自分が参加することによって身近になり、愛着がわき、自分たちの力で努力しようという気持ちになるからであると思う。
- 条例を作る段階でも、できるだけ多くの市民に参加していただき、自分達でまちを良くしようと思ってもらうことが大事であると思う。
- PDCAサイクルのC(チェック)は、どのように行われているかという話があったが、情報公開が大事である。
- 基本条例も、自分達の知らないところで決まったとなれば不信感を抱かれる。情報公開をきちんと行えば、市民も参加してできた条例であることの担保のようなものができる。
委員
- 旭川のコミュニティに属しているという意識や、自分が参加しているという意識が大事である。自分がこの会議に参加させていただいたのも、市役所の職員の方からこの会議のことを教えていただいたことがきっかけ。参加してみて、初めて旭川市のことを真剣に考えるようになった。自らが参加してみないと、皆が真剣になるのは難しい。
- 永山支所の映像を見せていただいた。自分は子供のころから永山に住んでおり、永山の児童館や図書館にもよく行っていたが、永山支所の建物の中に何があるのかということは、半分以上分かっていなかった。周りの人と話をしても、児童館があることすら知らない人もいる。みんなが知らないから参加できなくて、参加できないから意識が高まらないのではないかと感じた。
- 知っている人が知らない人に伝えたり、一緒に参加するように促していくことが重要になってくると思う。
委員
- 旭川市に愛着を抱くことが大事である感じている。どうしたら市民が愛着を持てるのかということを考えた時、旭川市にどういった場所があるのか、どういった活動がなされているのかということに対し、市民が関心を持たなければならないと思う。どうしたら市民が関心を持つようになるのかということを考えていた。
委員
- 市民参加というのは本当に難しく、行政から発信されているものというのは、受け入れ難いところがあり、二の足を踏んでしまうところがあるのではないかと思う。
- 地域でリーダーシップを取れる方を育成し、住民を引っ張っていけるような方が必要。行政のように離れたところにいるのではなく、地元に密着した形でリーダシップを取れる方の育成が必要なのではないかと感じる。
- 身近なところからまちづくりに参加できればという思いがある。
委員
- 情報公開が行われていても、二の足を踏んでしまい、まちづくりに自発的に参加できない方が多いのではないかと思う。二の足を踏まずに参加できるような市民の育成が大事ではないかと感じる。
- そのためには、子供もまちづくりの担い手となるような仕組みづくりができたら良いと思う。そのことによって、子供の頃から旭川に愛着を持ってまちづくりに参加する意識が高まるのではないかと思う。
委員
- 何でもそうだと思うが、自分の事として責任を持ってやらないといけない。まちづくりにおいて、そのためのきっかけを作るのがこの条例だと思う。小さい頃からまちづくりに接していないと自分の事として捉えられない。教育の場においても、まちづくりについて学習する機会があった方が良いと感じた。
委員
- タウンウォッチングに参加し、改めて旭川市の面積の広さに気付かされた。西神楽のパークゴルフ場は素晴らしかったが、自分の家から行くには車がないと行けない。札幌は地下鉄をはじめとする交通網が発達しているため、遠くの目的地でも行こうと思えば行くことができる。旭川市の面積の広さということにまちづくりの難しさを感じた。
- 旭川市は、「まち」として成熟しているのではないかと思う。まちづくりと言われても、まちとして出来上がっているのでうまく考えが出てこない。永山の公民館も作るというよりは、どう維持するかということを考えていく必要がある。
- 旭川を丸ごと一つとして考えるのではなく、例えば四等分して、地域ごとに特色を持って、発展させていったら良いのではないかと思う。
- これからのリーダーを育てる上で、昔は「子供会」というのがしっかり組織されていて、地域の大人の方がキャンプに連れて行ってくれたり、色々なことを教えてくれた。しかし、今は子供に怪我をさせたら困るとか、何かあったら訴えられるなど制限がたくさんあり、こうした風潮を変えていかないと育つものも育たないのではないかと思う。
- 旭川の条例として作るなら、こうしたことも盛り込んで、ある程度のことは理解してもらわないといけないと思う。
会長
- 訴訟社会の特質を言っているのだと思う。個々の生活を防御するために、お互いの干渉を極力避けるようにしたり、僅かな権利を守るために過敏になってきている。例えば、池に子供が落ちたら、そこに池があるから悪いと主張する。こういった立場やものの見方をまちづくり基本条例を検討していく中で考えていかなければならないと思う。
委員
- 子供達が大人になってもずっと住めるまちになれば良いと思う。自分達のまちのことを思って積極的に考えて、参加してくれるようになれば良いと思う。しかし、自分が住んでいる町内会や子供の学校のPTAでも、自らが率先してやってくれる人が少ないのが現状。
委員
- 経営者の方は自分の会社を良くしたいと思っているが、会社に利益が出て税金がこれだけになりますという話をすると、税金を払いたくないという経営者が多い。それは、税金の使われ方について、行政の方の情報公開が足りないからではないかと思う。
- 自分達の知らないところで税金が使われているのではないかという不信感が多いように感じる。
- 「ふるさと納税」という制度があるが、旭川の市民や経営者が、旭川市に税金を払いたいと思うようになれば、すごく良いまちづくりができるのではないかと思う。自分たちの税金の使われ方を実感できれば良いと思う。
- 企業の方は、行政に対して良いイメージを持っていない方が多い。第2回目の時に、企業参加がキーワードになることを言われていた委員がいたが、自分もそのとおりであると思う。
- 各業界からもまちづくりに参加することにより、まちづくりに使命感を持つようになると思う。自分達のまちに自分達で税金を払って、自分達が良くすると思っていただける経営者の方が増えたらと思う。基本条例がそのきっかけになればと思う。
委員
- 前回の会議では、まちづくりに対する思いを発言させていただいた。様々な観点があると思うが、最後はどのように環境を作るかということになるのではないかと思う。例えば、住み続けられる環境、子育てがしやすい環境、高齢者が住みやすい環境、納税してもらえる環境、様々な分野をイメージしながら環境を作っていく必要がある。
- 旭川市には、既に様々な社会資源があるが、いかにそれらを継続し、活かしていくかという視点が必要なのではないか。
- 西神楽のパークゴルフ場は今の世代の方々がその環境を生み出したとしても、特定の人たちだけで使っているのであれば、今後のパークゴルフ場の在り方は難しくなってくるのではないかと思う。次の世代に繋ぐことや、特定の方だけではなく、色々な方がパークゴルフを通じて繋がりのある環境を、少し先を見て、イメージしながらやっていくべきだと思う。
- 既得権は、ある特定の方々がその環境を独り占めしているようなイメージをよく聞くが、様々な方が参加できる環境をイメージし、まちづくりの環境を整備していく必要がある。
委員
- まちづくりに参加することは、市民の責務なのか、または権利なのか曖昧な感じがする。
- コミュニティに関して、色々な考えが出てきて興味深い。
- 立場上、様々な町内会からの要望を受け、行政にお願いすることがある。出される要望の中には、自分勝手な要望もある。
- 例えば、自分は白樺の花粉症であるから、家の近くの児童公園にある白樺の木は全て伐採してほしいという要望や、放課後にグランドで遊んでいる子供の声がうるさいので遊具をグランドの反対側に持って行ってほしいといった要望、夏の間、小学校の教室の窓を開けて授業をやっているとその声がうるさいといた苦情。通りがかる子供に罵声を浴びせる人もいる。
- それでも、こういった人たちの意見を尊重しなければならないのかという問題もある。「市民」を、理想的な人物として捉えているのではないかと思う。しかし、多くの市民はそうではないのではないか。無関心な市民も多いし、聞けば、呆れるような市民もいる。
- 北海道新聞の記事にあったが、ある小学校に、髪の毛の一部分をピンク色、緑色、黄色といった色に染めて登校してくる小学生がいて、その子は、落ち着きがなく問題児であった。担任の先生がその子の家に電話をすると、学校の教育がなっていないからそうなるんだと逆に親に怒鳴られたとのことであった。
- 必ずしも市民の全員が参加しても、建設的な意見が出るというわけではない。無関心な人もいる。条例を作るのであれば市民の責務として、一人一人が良識と責任感を持つように努力しなければならないというような条項も必要ではないかと思う。
委員
- 「まちづくり基本条例」という名称であるが、作ろうとしている条例の中身は、他都市と同じように「自治基本条例」ではないかと思う。
- 約1年半前に、地域自治検討会議に参加させていただいた。その検討会議で使われた資料をもう一度出していただけると、イメージを捉えやすいのではないかと思う。
- 地域自治検討会議において、まちづくりにおける市民・地域・コミュニティの役割は何か、それは自助することで、それに対して自治体は市民・地域・コミュニティが自助できない部分を支援する立場、役割であるというのが印象深かった。この市民検討会議の中で、こういったイメージを共有していけば、出口は見えるのではないかと思う。
- 委員の皆様の話を聞いていて、まちづくりは新しいものを一から作ることであるとイメージされている方もいると思うが、資料3の第7次旭川市総合計画のような今までのものに、新しい視点がプラスされ、条例に盛り込まれるのではないかと思う。
- 子供や高齢者は一般的に社会的弱者と言われているが、視点を変えてみると、経済的弱者という意味では、本当の弱者は若者かもしれない。
- 子供、若者、高齢者、障害者を条例の中で分けて盛り込むのではなく、ユニバーサルな視点で、全体の中で弱者というような捉え方をした方が良いと思う。
委員
- 地域住民の権利について、市民の中には様々な人がいるけれども、そういった人を巻き込んで、市民参加をさせていかないと、本当の市民としては成長しないと思う。良識ある市民は、参加の要件ではなく、参加をした結果ではないかと思う。
- そういう意味では市民参加は賛成であるが、参加したくない人もいる。そういった人の権利はどう守るかということに疑問を持った。
- イオンが駅前にできるということに非常に関心を持っている。北彩都を整備するときに、市は北彩都には商業施設を作らないと約束し、買物公園の皆様に納得してもらって北彩都の整備を行う計画であった。
- それにもかかわらず、イオンが駅前にできることが新聞報道に出た。駅前にイオンができることが市民にとって良いか悪いかは別として、まちづくりを考えた時に、何の説明もなく、急にイオンの話が出てきたことに疑問を持っている。まちづくりの条例を作ったとしても、実際のまちづくりには何の役にも立たないのではないかと思う。
委員
- 専門学校で講師をしている。就職難で、子供達は地元に就職したくてもなかなか働き口がないのが現状である。我々も努力をしていかなければならないが、これから旭川の未来を担う子供達の今後のことを危惧している。
- まちづくり基本条例で何を発信できるのか考えていたが、委員の皆様が話されていたことは日本中で問題になっていることではないかと思う。同じような環境の、例えばミニ東京を作るわけでもないし、ミニ札幌を作るわけでもない。良い所は真似をすれば良いと思うが、条例の中で旭川のまちを誇れるような分かりやすいことを取り込んでいかないと、他都市の条例の中で埋没していくのではないかと思う。
- 第7次旭川市総合計画で都市像として書かれている「人が輝く 北の文化のかおるまち」というのは非常に良いと思う。人を成長させるのは文化であると思うので、旭川なりの文化は何なのかということを膨らませて、旭川らしいまちづくりに繋げていければ良いのではないかと思う。
委員
- 様々な話や課題が出てきたが、その課題を一つずつ解決して行けるような環境を提供できる基本条例を作るべきではないかと思う。
- 町内会の問題は、まちの中で住民が支え合うことが難しくなってきていて、ここに原因があると思う。自分の町内会は高齢化が進んできていて、役員を引き受けてもらうのが難しい。役員を順番に担当することになっているが、高齢等の理由により、役員の順番を何軒も飛ばして次の人が役員を引き受けているのが現状。うまくやっている町内会の事例や仕組み、ノウハウを蓄えていって、他の町内会に知らせられるような仕組みづくりがあっても良いのではないかと思う。
- 小さな事例を少しずつ積み重ねていって、こういったことに関心のある他の地区の人達が参加して来れるように、情報伝達できるような方法も大事になってくるのではないかと思う。
- 前回の会議では、ネットワークの活用について発言したが、そういったツールにも慣れてもらうことも必要になってくると思う。また、事例をたくさん作るということも大事になってくるし、その中ではルールや原則を決めることも必要になってくると思う。
- 住民の方にとっては住民は公平だろうと言われていると思うが、それにプラスして公正であるかという認識が必要であると思う。
- 1990年代の終わり頃から、若い人達は自己主張することが当たり前になっている。それは様々なメディアや通信手段が発達してきたことで、言った方が勝ちという風潮が生まれたことが要因ではないかと思う。
- 公正であるべきルールの中で、皆が意見を言えるようなまちづくりも必要なのではないかと思う。市長との対話集会の中身をみると、公正に何かを話そうということではなく、ただ陳情するだけの場になっている。過去の記録を見てみても、市長との「対話」になっていない。そうではなくで自分達で何かを変えいかなくてはいけないというように意識改革するようなルール作りも必要。まちづくりを進める上で困った時に役立つような基本条例が必要ではないかと思う。
- 様々な事例を知るという意味では、他でやっている事例を相談できるような環境作りも必要。課題もあるが、こういった仕組みづくりが、子供達にとっては自慢になっていくのではないかと思う。
- ある大学の先生と話をする機会があり、その大学の先生は、黒松内町から来た子供は、自分のまちのことを生き生きと話している。それに比べて旭川から来た子供は、旭川の自慢できることを話せないというようなことを言われた。子供達の元気度まで量られてしまうことになる。
- 事例を作って、皆がそれを共有できて、発展できるようなまちづくりを進めていく中で、解決していかなければならない問題である。
- 旭川駅のイオンの問題は、買い物客にとっては素晴らしいものができると喜ばしいことではないかと思うが、こういったものができたまちの5年後や10年後はどうなったかということを、他都市の事例を参考にしながら、考える必要があるのかもしれない。最終的にはまちが荒れるのではないかと思う。そういった時に、共に考えてくれるメンバーが集まれるようなまちづくりが必要ではないかと思う。
- 住民が主人公と言って、住民を煽ってしまうところがあるが、まちづくりには行政や様々なものが入るので、住民は参加者であると思う。自分の立ち位置を表されているような条例になっている必要がある。市民参加推進条例は、まだ勉強していないが、この条例の中で住民参加のルールが定められていると思う。情報公開を徹底すること等もこの条例で定められているので、それが実際にどう行われているかということを公開することもまちづくりを進めていく中では必要と感じた。
- 自分の勤めている会社は、市に一生懸命に税金を払おうとする会社である。
- 税金の使われ方が明確になってきて、自分たちが一生懸命働いて、売り上げを伸ばし、売り上げもできるだけ外貨を獲得するようなことを考えながら、それを税金という形で地元にどのように還元するかという意識が段々と高まってきている。こういった動機付けも必要。
- 市民活動や住民活動に対して、企業が応援することが重要な要素になってくる。企業は機動力が違う。書類を作ったり、コピーをしたりする時の道具が違う。
- 先ほど西神楽のさと川パークゴルフ場の話がでたが、西神楽では地元の建設業者が応援している。そこで重機を借りながら整備している。あるいは地元の農家から農機具を借りてきて整備する。地元の企業や農家が応援することで様々な活動が成功している。
- 例えば、冬まつりは旭川市でもやるが、地元でも小さな雪像を作る。そういった時に、企業等が応援してくれるような体制作りが必要ではないかと思う。
- また、住民だけで物事を考えていくのではなく、大学や識者のノウハウも取り込まなければならないと思う。
会長
- 「(1)まちづくりをどう捉えるべきか。」というテーマでは、まちづくりに関して、これから作っていくもの、継続・維持していくものについて考えていくべきではないかという意見がありました。
- 「(2)まちづくりにおける市民・地域コミュニティの役割は何か。」というテーマでは、市民というのが必ずしも「理想的市民」だけではない。市民参加を市民の責務として考えるのか、権利として考えるのか。市民参加は概念としては重要であるが、市民参加に対する意識が希薄になってきているのではないか。また、こうした状況の中で市民参加はどうあるべきかという意見がありました。
- 「(3)まちづくりにおける行政・または議会の役割は何か。」というテーマでは、まちづくりを進める上で、困った時に参考となる事例や相談できる体制を整備することが必要という意見がありました。こういったことは行政の支援が必要であると思う。また、まちづくりは基本的に自助するもので、それを行政が支援するという意見もありました。
- ツイッターやフェイスブックのようなコミュニケーションツールが発達するとともに、コミュニケーションの仕方が変化してきている。こうした新しい社会背景を迎えている中で、まちづくり基本条例を作ることに対する意見もあった。
4 その他
庁内ワーキンググループ・市民フォーラムについて
事務局
(庁内ワーキンググループ)
- 庁内ワーキンググループについては、まちづくり基本条例の策定に当たって、様々な議論を巻き起こしていくことが重要であると考えていたことから、市民検討会議と併せて、市役所においても議論を深めていくために、「庁内ワーキンググループ」を設置した。
- この組織は、全部局長の推薦を受けた若手職員38名からなっており、5月30日に第1回会議を開催し、現在、第4回まで終了している。
- 38名がAからD班までの4つの部会に分かれて検討をしており、A・B班が「市民や地域コミュニティ」について、C・D班が「行政運営などについて」の担当をしている。
- 職員からは、こうした議論を通じて、まちづくりや市役所について、改めて見直すことで、より素晴らしい旭川にしていきたいという意見も出されており、苦心しながらも積極的に検討を進めている。
- 庁内ワーキンググループでの議論は、市民検討会議にも御報告をさせていただく予定であり、現時点の予定では、10月か11月の会議の場に庁内ワーキンググループの代表者数名がこちらの会議に出席して、検討内容の報告や意見交換をさせていただきたいと考えている。
- このように、市民検討会議と庁内ワーキンググループとが協力し合いながら、一緒に議論を進めていきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。
(市民フォーラム)
- 市民フォーラムについて、以前の会議で、策定スケジュールに関する説明の中でも若干触れたが、今年度の締めくくりとして、まちづくり基本条例の「市民フォーラム」を開催したいと考えている。
- 開催の時期としては、この市民検討会議で一定の結論が見える来年3月に行いたいと考えており、開催の曜日や時間帯としては、平日の夕方か土曜日と考えている。会場は、200人程度が収容できる文化会館等の会議室などで検討している。
- 主な内容としては、市民検討会議からの中間報告などを検討しているところであるが、委員の御意見やアイデアもいただきながら、進めていきたいと思う。
- 市が主催し、庁内ワーキンググループと市民検討会議の共催となる予定で、市職員にも運営に関わってもらうことを考えている。できれば委員の皆様にも企画・運営にも関わっていただきたいと思っているので、その際はよろしくお願いしたい。
- 以前の会議で御意見があったように、まずは、市民に関心をもってもらうことが重要であると思うので、フォーラムに限らず、いろいろな場面で、まちづくり基本条例に関するPRや意見交換などを行いたい。
5 閉会
次回の開催日程
(次回の会議は、10月下旬に開催予定するということで、部会ごとの開催日が確定次第案内することとし、閉会した。)以上
リンク
まちづくり基本条例のページ