第9回旭川市まちづくり基本条例市民検討会議の記録
日時 |
平成25年6月24日(月曜日)18時半~20時半 |
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場所 |
旭川市職員会館2階 2・3号室 |
出席者 |
委員 17人 事務局 5人 向井主幹、三浦補佐、高橋主査、紺野主査、竹内主査 |
欠席委員 |
中田委員、堀井委員、横山委員 |
会議の公開・非公開 |
公開 |
傍聴者の数 |
0人 |
会議資料 |
資料1 第8回会議会議録(案)(PDF形式 881キロバイト) 資料3 目的、基本理念、基本原則(PDF形式 281キロバイト) |
会議内容
1 開会
(八重樫会長から開会の挨拶)
2 議事録の確認
事務局
- (「第8回議事録」は、修正意見なく了承された。) (資料1)
3 議事
(1)条例の位置付けについて(資料2、資料4)
事務局
- 資料2の左側には、富士山のような図が描かれており、これは、基本条例を最高規範(頂点)として、その下に他の条例を位置付けている静岡市の条例体系図で、静岡市ではこの法体系を富士山型法体系と名付けている。
- 静岡市の場合は、自治基本条例の下に、各行政分野ごとの基本条例を、さらにその下に個別条例を位置付け、条例全体の体系を示している。
- 資料の右側は、本市の基本条例の位置付けをイメージしたものである。
- 本市の場合は、条例間の法的な優劣はなく、基本条例はまちづくりの基本理念や仕組みを総合的に定めている条例としている。
- 前回会議のワークショップで、Cグループが、基本条例の仕組みを木の図を使って説明したが、その木の幹を横から切った断面図のイメージが、資料の右側の図になるのではないかと思う。
- 本市のまちづくり基本条例の位置付けは、あくまでも憲法を最高規範とする法体系の中の条例であり、他の条例との法的な優劣はないが、本市のまちづくりの基本となる条例で、市民及び市は、この条例の趣旨を踏まえてまちづくりを推進していくものではないかと考えている。
- 資料4は、他の自治体の基本条例の目的、基本理念、基本原則、条例の位置付けの条文比較である。
- 基本条例を最高規範と位置付けている自治体、条例の趣旨を最大限に尊重するとしている自治体があることが分かる。
会長
- まちづくり基本条例は既存の各種条例の上位にあるのではなく、中心に置かれる条例であるという認識で理解している。
- 資料2の富士山型法体系では、条例間に上下関係を作って、自治基本条例は最上位の条例としている。
- それに対して、まちづくり基本条例は、他の条例との関連があるものの条例同士の上下関係を決めるものではないと理解している。
- 条例の位置付けについて、意見、質問を伺いたい。
委員
- 概念としては理解できるが、例えば、まちづくり基本条例と市民参加推進条例は上下関係ではなく、どういう関係があるのかということが気になった。
- また、基本条例の検討を始めた当初から、まちづくり基本条例にどういった実効力があるかということに懸念を持っていた。
- 他の条例との関係性をどう定めるかが今回の条例の肝になると思うが、それを事務局はどのように考えているのか。
事務局
- 議会に関する条例としては議会基本条例があり、個人情報保護に関する条例としては個人情報保護条例がある。
- まちづくり基本条例の条文の中では、既に条例で定められているものは、「他に条例で定める。」という表現で、他の条例に委任する形になる。
- また、総合計画のように、まちづくり基本条例で規定することにより、法的な根拠を持たせるものもある。
- 今後、条文の内容を検討していく中で、具体的内容を整理していくことになる。
会長
- まちづくり基本条例は、まちづくりに関する事項を網羅的に定めるもので、まちづくり基本条例を基点として、既にある条例の関係も位置付けられるものと理解している。
委員
- 資料2の右側の図に円と楕円があるが、どのような関係があるのか。
- 線と線が繋がったところだけが関係性が深いのか。
事務局
- 前回のワークショップで、Cグループがまちづくり基本条例を木の絵を使って説明したが、この木の幹を横から切った断面図のイメージが資料2の右側の図である。
- 外側の円は、まちづくりに関する条例全体で、中心にまちづくり基本条例があり、その周りに各条例があるという意味である。
- 内側の楕円はまちづくり基本条例と他の条例がそれぞれ関係性を持っていることをイメージしており、例えば、情報公開条例と個人情報保護条例など、関係の深い条例は、近くに配置している。
- まちづくり基本条例と他の条例は、上下関係ではなく、横のつながりがあり、その中心にまちづくり基本条例があることを表したものである。
会長
- 条例を広く周知していくためには、分かりやすく条例の説明をしなければならないと思う。
- まちづくり基本条例は、条例の上下関係を定めるものではなく、条例同士の関連性を定めるものということで理解したい。
4 ワークショップ
(1)基本理念、基本原則、体系図について(資料3、資料4、資料5)
会長
- 基本理念、基本原則、体系図については、ワークショップを行い検討することとしたい。
事務局
- 前回のワークショップで、実際の市民生活に関わる具体的事例から、まちづくり基本条例の全体の考え方を確認し、一定の共通理解を得ることができたのではないかと思う。
- しかし、「基本理念」「基本原則」については、前回のワークショップの中で、時間の関係で触れられなかったグループもあったのではないかと思う。
- また、条例の体系図についても「分かりにくい、柱がない、見えにくい」「情報共有が重要」といった意見があったことを踏まえ、事務局で「基本理念」「基本原則」「体系図」を再度整理した。
- 資料3は、基本条例の「目的、基本理念、基本原則」である。
- 条例の目的は、「本市のまちづくりに関する基本的な理念や仕組み等を総合的に定めることで、市民が生き生きと活躍できるまちづくりを発展させ、将来にわたって活力と希望に満ち、支え合って安心して暮らせるまちを実現する。」としている。
- また、基本理念をまちづくりの基本的な方向性として、「くらしと地域の活性化」に関すること、「地域資源の活用と発信」に関することに分けて記載している。
- 「くらしと地域の活性化」の「人」に関しては、「市民が生き生きと活躍できるまちづくりを目指す」こと、「地域」に関しては、「市民の支え合いによって安心して暮らせるまちを目指す」こと、「地域資源の活用と発信」の「まち」に関しては、「地域資源を生かし、将来にわたって活力があり、住み続けられるまちを目指す」ことと「北北海道の拠点都市としての機能の発揮及び充実を目指す」ことをまちづくりの基本理念としている。
- また、基本原則をまちづくりの進め方として、「市民参加のまちづくり」「地域におけるまちづくり」「健全な市政運営におけるまちづくり」の3点を挙げている。
- 「市民参加のまちづくり」では、「市民と市がまちづくりに関する情報を共有し、市民参加と協働によるまちづくりを推進する」こと、「地域におけるまちづくり」では、「市民と市が地域の特徴や自主性を生かしながら相互にまちづくりを推進する」こと、「健全な市政運営によるまちづくり」では、「市は、総合的かつ計画的に健全な市政を推進すること」を基本原則としている。
- 資料4には、他都市の基本条例の目的、基本理念、基本原則の条文が記載されている。
- 目的、基本理念、基本原則は、自治体の特徴が最も現れる条項の一つではないかと思う。
- 資料5は、前回の検討会議での意見を踏まえて、体系図の修正を行ったものである。
- 資料5の右側が前回の会議で示ししたタタキ台で、左側が修正後の体系図である。
- 修正後の体系図では、「市民参加のまちづくり」「地域におけるまちづくり」「健全な市政運営によるまちづくり」の3つの基本原則の内容を第4章、第5章、第6章に関連付けて体系を整理している。
- 今回修正したまちづくり基本条例の基本理念、基本原則、体系図について、グループごとに検討を行い、今回示した資料の内容で良いか、他に考えられることはないか、御意見をいただきたいと思う。
- また、今回もワークショップの進行を事務局が行い、後ほどグループごとに発表をしていただきたいと思う。
(Aグループ)
- キーワードでなく、具体的な条文を見て検討した方が分かりやすい。
- 基本理念の「人」の項目では、「市民が生き生きと活躍できるまちづくりを目指す」ことは良いのではないかという意見で一致した。
- 「地域」の項目で、「市民の支え合いによって安心して暮らせるまちを目指す」というのは方法論であり、もっと違った表現はないかという意見があった。
- 「まち」の項目で、地域資源という言葉があるが、地域資源というと自然をイメージしてしまうが、他には産業、文化なども含まれる。
- 地域資源を生かすと表現すると自然を壊してまで産業を発展させるイメージに捉えられるので、例えば前文などに自然を配慮しながらというような表現を入れた方が良いのではないかという意見があった。
- 北北海道の拠点都市という表現は良いのではないかという意見があった。
- 基本原則では、市民参加よりも市民主体という表現の方が良いのではないかという意見があった。
- 基本原則の情報共有は、住みやすいまちづくりの条件であり、言葉として大事であるが、市民参加と協働の違いが分かりにくいという意見があった。
- 健全な市政運営は、財政や法令などの行政のことで、総合計画に繋がるものになるという認識で一致した。
- 条例の法体系が富士山型ではなく条例間の上下関係がないため、他の条例の基点となる条例として、基本理念、基本原則が重要であるという意見があった。
(Bグループ)
- 旭川独自の基本条例、旭川らしい基本条例を作るという意味では、全体の流れは良いのではないかという意見で一致したが、部分的に見ると、様々な意見があった。
- 例えば、基本理念の「人」のところでは、特に若い人達が活躍できるような表現が必要ではないかという意見があったが、若い人達だけを取り上げると、他の世代から不満が出ることも考えられるので、特定の世代のことのみを表現することは難しいという意見があった。
- また、女性の社会進出はまだ十分とは言えないため、男女共同参画に関する表現もあっていいのではないかという意見があったが、女性を弱者として表現すること自体が問題があるのではないかという意見もあった。
- 従って、あらゆる世代の市民と言う表現が良いのではないかという結論に達した。
- 基本理念の「地域」では、「支え合って安心して暮らせる」という表現があるが、「安全、仲良く、元気」といった表現もあるため、基本理念に「安心」以外も加えてはどうかという意見があった。
- あるいは、「市民が支え合って暮らせるまち」という表現で十分ではないかという意見もあった。
- 基本理念の「まち」では、「地域資源」という言葉があるが、地域資源とは何かを定義する必要があるのではないかという意見があった。
- また、活力があり住み続けられるまちという表現が、条文の表現としては違和感があるという意見もあった。
- 「北北海道の拠点都市としての機能」とは何なのかを前文の中に表現すべきではないかという意見や、機能は北北海道にしか関係しないものなのか、北海道の拠点都市の一つという考え方もあるのではないかという意見もあった。
- また、「拠点都市」という表現を旭川が使って良いのかという意見があったが、旭川は旭川で拠点都市と言っても許されるのではないかという意見もあった。
- 「旭川らしさ」を出していくために地域資源を生かすとすれば、「旭川らしさ」が何なのかを、前文に書いてはどうかという意見もあった。
- また、「まち」という一つの区分に対して、理念が二つあることに違和感があるという意見もあった。
- 基本原則の「地域」では、「市民と市が相互にまちづくりを推進する」と表現すると、市と市民がそれぞれ別ににまちづくりを推進するという意味になってしまうので、「市民と市が協力してまちづくりを推進する」という表現の方が良いのではないかという意見もあった。
- また、基本理念と基本原則のつながりが分かりにくいため、基本理念をもう少し具体的に表現した方が良いという意見もあった。
(Cグループ)
- まちづくりの方向性の「基本理念」とまちづくりの進め方の「基本原則」の関係が分かりにくく、どのように整理したら良いのか分からなかった。
- 基本理念と基本原則の両方に「地域」という項目があるが、基本理念の方は個人の集まりのコミュニティのことで、基本原則の方は、町内会のことが書かれているような印象を受ける。
- 「地域」という言葉が多く使われており、整理が必要である。
- 基本原則の「市民参加のまちづくり」と「地域におけるまちづくり」は、「市民参加のまちづくり」を一つにまとめ、地域のことは基本理念で規定した方が良いのではないかという意見で一致した。
- また、基本理念をまちづくりの方向性、基本原則を市政運営の進め方と整理してた方が良いのではという意見もあった。
- 基本原則の地域資源の活用と発信で、「北北海道」の「北」を入れる必要はないのではという意見や「拠点都市」が適切な表現なのかといった意見があった。
- 基本原則は「~を目指す」、基本理念は「~を推進する。」となっているが、同じような意味ではないかという意見があった。
会長
- 基本理念、基本原則の検討を通じて、まちづくりとは何か、地域とは何か、言葉をどう解釈したら良いのか、といったことについての意見交換ができたのではないかと思う。
- 重要なことは、基本理念、基本原則を受け、条文を体系化し、どのように条文をまとめていくかということであると考えている。
- 今日の議論を踏まえて、基本理念、基本原則、言葉の解釈などを事務局で整理していただき、次回の会議で検討したいと思う。
- 過去の議論の中では、市民とは何かを考えた時に、市民は住民登録をしている人が一般的だが、まちづくりにおける市民となると、まちづくりに貢献できる人を含めるべきではないかという意見もあった。
委員
- Bグループでは、市民の中でも特に若い世代、女性といった方々が活躍するといった内容を出した方が良いという意見があった。
委員
- 市民を細分化して分けるのではなく、ユニバーサルな視点で全体を含んだ表現の方が条文としては良いのではないかと思う。
委員
- 若者に対してどういうメッセージがあるのかが分かりにくい。
- 若者にメッセージが届くような条文のつくりにする必要がある。
会長
- Cグループは、基本理念と基本原則のつながりや言葉の概念が分かりにくいという意見があった。
- また、市民と地域を一体とした方が理解しやすいという意見があった。
- 地域の範囲は、近所、町内、地区、市内といくつかの階層に分かれていて、一言で地域と言ってもどの階層を示すのかが分かりにくいという意見もあった。
- 今日の意見を、事務局に再度整理していただき、次回検討したい。
5 その他
- なし。
6 閉会
- 次回(第10回)の会議を7月8日(月曜日)に第3庁舎旭川市保健所棟1階講座室、第11回の会議を7月22日(月曜日)に旭川市職員会館2階2・3号室で開催することを確認し、閉会した。
リンク
まちづくり基本条例のページ