第7回旭川市まちづくり基本条例市民検討会議の記録
日時 |
平成25年5月20日(月曜日)18時半~20時45分 |
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場所 |
旭川市職員会館2階 2・3号室 |
出席者 |
委員 18人 事務局 8人 長谷川部長、新野次長、向井主幹、三浦補佐、高橋主査、紺野主査、竹内主査、矢上 |
欠席委員 |
伊藤委員、斉藤委員 |
会議の公開・非公開 |
公開 |
傍聴者の数 |
1人 |
会議資料 |
次第(PDF形式 34キロバイト)
資料4 PDCAマネジメントサイクル(PDF形式 179キロバイト) 資料5 平成24年度 施策評価シート(PDF形式 276キロバイト) |
会議内容
1 開会
(八重樫会長から開会の挨拶)
2 議事録の確認
事務局
- 第6回議事録について、3ページの10行目から11行目を「現状の特徴を非コンパクトシティという言葉で表現した。」に訂正する。(資料1)
- その他修正意見なく、了承された。
3 旭川市議会まちづくり調査特別委員会について(資料6、7)
事務局
- 5月9日、10日に市議会のまちづくり調査特別委員会が開催され、旭川市まちづくり基本条例に関する議論が行われた。
- 主な質疑内容は次のとおり。
(条例の位置付け、最高規範性について)
- 条例間の上下はなく、まちづくり基本条例は、あくまでも憲法を最高規範とする法体系の中の条例であり、条例間の法的な優劣はない。
- まちづくり基本条例は、まちづくりにおける基本的な理念や仕組みを総合的に定める条例である。
(条例の特徴について)
- 地域の課題解決に向けて、市民委員会や民生委員、消防団、NPOなどの様々な団体同士のつながりを深めていく必要がある。
- こうした地域づくりを進めて、市民が生き生きと活動するための基本的な考え方を整理し、環境づくりを進めていくことがまちづくり基本条例の特徴の一つである。
(子どもにも分かりやすい条例について)
- 教育委員会と連携するなど、子どもの身近な生活の中で、まちづくりに関心を持てるような取組を検討していく必要がある。
(市民参加推進条例や他の条例との整合性について)
- 旭川市には市民参加推進条例や情報公開条例、個人情報保護条例など、様々な条例がすでに整備されている。
- 市民参加推進条例は、大きな柱の一つである。まちづくり基本条例と他の条例との整合性を図る必要がある。
(市民の定義、範囲について)
- 住民の権利は、それぞれの施策や事業の中で定められている。
- まちづくり基本条例の中では、市民の定義を幅広く捉えた方が良いのではないかと考える。
(住民投票について)
- 旭川市市民参加推進条例に定める市民投票は、個別設置型の住民投票である。
- 地方自治法は間接民主制を原則としており、住民投票制度は、直接民主制を目指すものではないと考えている。
(総合計画との関係について)
- 地方自治法上の総合計画の基本構想に関する規定はなくなったが、総合的、長期的な視点で行政を運営することの重要性が変わるものではないため、何らかのまちづくりの指針を作る必要がある。
(まちづくりの定義について)
- まちづくりの定義は、庁内ワーキンググループからは、「市民、議会及び行政がまちの課題を共有し、互いに協力しながら解決することで、旭川を魅力あるより良いまちにしていく営みをいう。」と提言があり、市民検討会議からは、「旭川を良くするためのことは全てまちづくりにつながる。」という提言があった。
- まちづくりは広範囲にわたるものとして捉えている。
(まちづくりに一緒に取り組む機運の醸成について)
- 策定プロセスが重要であり、様々な機会を通じて、まちづくり基本条例が市民に浸透するような取組を進める必要がある。
- また策定後も条例が市民に浸透するように取組を進める必要がある。
(危機管理、市民に求める責務について)
- 東日本大震災では人と人との絆や地域での支え合いの重要性が再確認された。
- 危機管理、災害対応に対して、地域で何ができるかということが論点の一つになるのではないかと思う。
- 条文化の際に、市民の責務や義務を規定することがなじむかどうかは、今後の検討課題と考えている。
事務局
- 資料6と資料7はいずれも、市議会に設置されているまちづくり調査特別委員会に提出した資料である。
- 資料6「住民投票に関する規定のある法律、条例等」については、議事の「住民投票」でも、詳しく御説明するが、日本国憲法と、地方自治法における住民投票の規定の写しと条例に基づく住民投票について、本市の市民参加推進条例と、札幌市、豊中市の自治基本条例の規定を掲載している。
- その次のページは、「平成23年地方自治法改正以降の他都市における基本構想等についての規定状況」ということで、平成23年に地方自治法が改正になり、総合計画の基本構想の策定義務について削除されたことに伴い、他都市において、まちづくり基本条例を改正した事例や、総合計画に関する条例を新たに制定した事例などが分かる資料である。
- 例えば、苫小牧市では、引き続き「基本構想について議決を経て、定める」という判断に立った上で、自治基本条例にあった地方自治法の根拠規定を削除するとともに、議会で議決することについては、あらかじめ条例で定める必要があるため、議決事件条例に「基本構想を定めること」を追加している。
- また、鹿児島市は、総合計画策定条例を定めている。
- 資料7は、これまで「まちづくり対話集会」を4回開催し、市長から「まちづくり基本条例」をテーマに各団体と意見交換をしており、その主な意見をまとめたものである。
- まず、昨年11月5日は市民委員会連絡協議会(18名)、1月10日には民生児童委員連絡協議会常任理事(3名)、4月17日には旭川市消防団(37名)、4月23日にはNPOサポートセンターなどの市民活動団体(15名)と対話を行った。
- 具体的な意見を紹介すると、市民委員会連絡協議会では、多くの市民や地域の声を取り入れることや、若い世代の意見を聞くべき、市民参加推進条例との整合を図るべき、できるだけ分かりやすい表現でといった意見があった。
- また、民生児童委員連絡協議会では、除雪の問題や、町内会未加入世帯への対応、民生委員の担い手の確保、市職員の町内会活動への参加を求める意見があった。
- 消防団では、地域における消防・防災活動における課題や、消防団員の確保、そのための市からの支援を求めるといった意見があった。
- さらに、NPO団体からは、人口減少しても、市民が愛着を持ってまちで暮らせること、子どもが住み続けていけるまちにしていくことが重要といった意見や、個人情報の取扱いを柔軟にできないかといった意見、市民憲章の理念を重視すべきなどの意見があった。
会長
- 事務局から、市議会のまちづくり調査特別委員会での質疑とその答弁内容、また、まちづくり基本条例を検討する上で関連する法令や他都市の条例、市長との対話集会での意見等の要旨についての説明があった。
- 質問等があれば伺いたい。
委員
(発言なし)
4 議事
(1)住民投票について(資料2)
事務局
- まちづくり基本条例の検討を始めるに当たり、市民参加はどのようにあるべきかということについて、平成23年12月に市民参加推進会議から提言をいただいており、この提言は第1回市民検討会議において資料として配付している。
- 市民参加推進会議からの提言の中で、「住民投票は、市民参加のまちづくりを考える上での重要なテーマですので、条例への編入の有無に関わらず、旭川の未来を見据えた住民投票に関する議論が、条例制定の過程において必要と考えます。また、住民投票の議論に併せ、外国人地方参政権に関しても、市民の間で議論していただくことが大切と考えます。」という意見をいただいたという経過もあり、旭川市まちづくり基本条例市民検討会議においても「住民投票」についての御意見をいただきたいと思う。
- 住民投票とは一つのテーマ(案件)に関して、その賛否や最も適切だと思われる案を有権者の直接投票で決めるものであり、簡単に言えば、選挙は「人」を選び、住民投票は「事柄」を決めるものである。
- 大阪都構想で堺市長が住民投票を検討していることや、静岡県知事が中部電力浜岡原発の再稼働の是非を、県民投票の結果を受けて判断することを表明するなど、ニュースにも時々登場する制度である。
- 住民投票には、地方自治法などの法律に基づく住民投票と、条例に基づく住民投票があり、法律に基づく住民投票は拘束型とも言われ、住民投票の結果が長や議会の意思決定を拘束する。
- 具体的には、地方自治法で、議会の解散、議員や首長の解職に関する規定があり、いずれも有権者総数の3分の1以上の連署により解散・解職請求を行い、住民投票の過半数以上の同意があれば、首長や議会の意思に関係なく、解職、解散される。
- つまり、住民投票の結果に拘束力があるということである。
- また、地方自治法では、1月50日以上の署名によって条例の制定・改廃請求や監査請求も可能であるが、その場合には、有権者の住民投票は不要である。
- 一方、条例に基づく住民投票は諮問型とも言われ、議会や首長の意思決定を拘束するものではなく、あくまでも市長への諮問的な性格を持つものという考えが一般的である。
- これは、条例に基づく民意の結果が、法律に基づく議会や首長の意思決定を拘束できないという考え方によるものである。
- また、条例に基づく住民投票には、事案毎に個別に住民投票条例を制定して実施する個別設置型と住民投票に必要な事項をあらかじめ条例で定めておく常設型がある。
- 常設型では、あらかじめ投票資格者や実施要件を定める。
- 岸和田市の例でいうと、投票資格者は「定住外国人を含む18歳以上の者」、実施要件が、「その総数の1月4日以上の者の連署によって市長に請求したとき」ということになる。
- なお、本市は、平成14年に制定された市民参加推進条例において、住民投票に関する事項が定められており、本市の場合は、事案ごとに個別に住民投票条例を制定する個別設置型ということになる。
- 資料2の裏面は、市民参加条例が議決された平成14年第2回定例市議会の大綱質疑における住民投票に関する議会議論である。
- 市民投票の対象となる事案は、市の名称変更や市町村合併等、市の存立に係る重要な事項としている。
- 実際に他都市で住民投票が行われた例では、原発設置や米軍基地に関する住民投票など、まさに市の存立に関わる重要な事項であると言える。
- また、市民投票の投票資格者は、住民投票に付すべきと判断された事案に応じて拡大されることも考えられること、市民投票の発議は、市民参加条例では市長になるが、地方自治法第74条に基づく市民の条例制定改廃の請求や同法112条に基づく議員案提出権に基づく市民投票の発議を制限するものではないこと、住民投票の手続については、個別案件ごとに市民投票の期日、資格者、方式、成立要件、結果の取扱いを条例に定め、条例提案に際しては意見提出手続などの市民参加の手法を取り入れること、市民投票の結果の取扱いについては、現行の地方自治制度の中で、市の決定を拘束するようなものは難しく、あくまでも市長への諮問的な性格を持つものであること、といった市の考え方について説明している。
- 住民投票のあり方については、様々が議論があるが、個別設置型を採用している都市が多く見られる。
- 常設型を採用しているところの制度設計は、例えば、投票資格者や投票に必要な署名人数などにも違いがある。
- また、住民投票は、選挙と同様の規模、方式で行うことから、選挙と同じくらいの費用がかかると言われている。
- 本市において、存立に関わる重要事項はどういった事案が想定されるか、現時点における市民の関心をどのように考えるかといったことについて、御意見をいただきたいと思う。
会長
- 事務局から、市議会のまちづくり調査特別委員会での住民投票に関する議論の内容などから、補足説明があればお願いしたい。
事務局
- まちづくり調査特別委員会(以下「委員会」という。)では住民投票についても議論があった。
- 委員会では、条文の具体的内容については市民検討会議で検討中ということで、現時点での市の考え方を答弁した。
- 住民投票に慎重な立場と積極的な立場の質疑があった。
- 住民投票に慎重な立場としては、参加資格について、外国人の参政権はなじまないのではとの意見があり、積極的な立場としては、常設型を求める意見があった。
- 旭川市は、既に市民参加推進条例で市民投票の規定があり、これは、個別設置型の住民投票である。
- この条例以外に定める必要があるかどうか検討が必要である。
- 市長と議会との二元代表制・間接民主制が今の地方自治制度となっているが、直接民主制を入れるとなると、法律違反になる疑いがあると言われている。
- その中で、住民投票の結果が長や議会の判断を拘束はしないが、参考になるような住民投票が必要かどうかという議論になると思う。
- これまで実施された住民投票の95%くらいは、市町村合併の是否を問う住民投票であり、その他の例としては、原発や河口堰、米軍基地の是否などがある。
- 投票率が低い場合は住民投票になじむのかどうかという議論もあり、ある町では投票率が5割以上ないと開票しないと定めているところもある。
- 二者択一の方法が、なじむものかどうかという考えもある。
- 費用については、通常の選挙と同じくらいかかると言われており。旭川市の場合は、約5、000万円かかる。
- こうしたことを踏まえて、住民投票の在り方について議論をいただければと思う。
会長
- 旭川市の条例で定める住民投票ということは、議会も市民の方も関心が高いところかと思う。
- この場で結論付けは難しいと思うが、検討しながら皆様の意見をまとめていきたいと思う。
委員
- 住民投票の資格者について、外国人の参政権については反対の立場として話をしたい。
- 旭川市の市民参加推進条例では、資格者、方式、成立要件などを別に条例で定めるとされており、旭川市の場合、18歳以上なのか20歳以上なのか、外国人の方が入るのかどうかなど詳細が載っていないので説明をしてもらいたい。
事務局
- 案件毎に条例を定めて住民投票を行うというのが、市民参加推進条例で定める個別設置型の市民投票の主旨である。
- 投票資格者、方式、成立要件などは、その都度、制定する条例の中で決めていくことになる。
委員
- 先ほどの説明を聞くと市民の定義、住民の定義をより一層検討しなくてはいけないと感じている。
委員
- 案件毎に条例を定めるということは、条例は議会で決めることになると思うが、条例を決めようと思っても、議会で否決されると条例は成立しないということの認識で良いのか。
事務局
- その通りである。
- 条例を発議するのは市長ということになっているが、資料2の裏面に記載されているように、地方自治法で条例の制定、改廃は、有権者の50分の1の署名を集めれば、住民からも発議できる。
- その場合は、その署名は拘束力のあるものとなる。
委員
- どちらの方に住民投票の主体性があるかと考えると、せっかく住民の方で住民投票をしたいという意見があっても議会で否決されてしまうとどうかと思う。
- 市民参加推進条例の中でこのように規定があるので、わざわざ規定しなくても良いという意見もあると思うが、もう少し住民の側に主体性を持たせるような規定を、まちづくり基本条例か何かで明記できないかと思う。
会長
- 条例を設ける際に議会が否決した場合に成り立たないとの説明があり、別の方法として住民が署名活動等を行い、直接発議するいう方法があるとの説明があったが、その辺りをもう少し補足していただきたい。
事務局
- 市民参加推進条例で定めているのは、市長発議の住民投票であるが、地方自治法に定めてある住民の条例制定・改廃の発議や、議会の議案提出権を制限するものではない。
- 住民側からも議会側からもできるが、案件毎に条例を制定するということは、資格や方式、成立要件などを、その都度、議会の議決を経て決めることになる。
- 例えば、成立要件も自治体によっては異なり、1月2日の以上の投票率がなければ開票しないというところもある。
委員
- 市民参加推進条例の中で決まっていることもあるので、新たにまちづくり基本条例で常設型を定めなくても良いのではないかと思う。
- 常設型を設けるべきという話になると、この市民検討会議の域を超えてしまうのではないかと思う。
- 市長が実施することになっているが、一方で市民には、地方自治法で解散請求や解職請求といった権限が定められているので、市民の主体性は、そこで既に盛り込まれているとの認識で良いのではないかと思う。
委員
- 市民参加推進条例や地方自治法で定めているのであれば、まちづくり基本条例の中で改めて定めなくても良いのではと思う。
委員
- これまでに旭川市では、住民投票を実施した事例はあるのか。
事務局
- 旭川市では、市民参加推進条例に基づく市民投票を実施したことはない。
- また、地方自治法で規定している議会の解散、市長の解職などの住民投票も実施されたことはない。
委員
- まちづくり基本条例に住民投票が盛り込まれることによって、何かあるのか。
- 皆さんの話を聞いていて、難しいものと感じている。
会長
- 市民参加なくしては、市の市政が成り立っていかないということが、今の時代ではないかと思う。
- これまでの皆さんの意見を聞くと、既に市民参加に必要な条例を設けているので、常設型に積極的に賛成との意見はないように見受けられる。
委員
- これまでの話を聞いていて、難しい話であると理解した。
- ある条例を作りたいという話になり、議会が否決した場合に、地方自治法の規定で議会の解散請求を市民の方でしても良いということになると思う。
- 諮問型で市民の意思を尊重しつつも、市長としてはそこに踏み込むかどうか、きちんと判断してもらわないといけないと思う。
- 話し合う中で、住民投票について慎重に扱わないといけないと思う。
委員
- まちづくり基本条例の中で、一般の市民が理解できるように図解などを利用するなど分かりやすく説明する取組が必要であると思う。
委員
- 個人的には非拘束型(個別設置型)で良いと思うが、常設型で設置したとしても、運用の仕方によっては、地方自治法や憲法に抵触しないと思う。
- どちらかに異論がある訳ではない。
委員
- 住民投票は、市民の権利であるため、流れやプロセスを図解などにより分かりやすく説明できるものがあった方が良いのではないかと思う。
委員
- 自分たちで住民投票を起こそうとした場合の流れなどが分かるような説明があると良い。
会長
- 住民投票について図解や説明があった方が良いとの意見があった。
- また、住民投票のあり方については、現状の市民参加推進条例を是認して個別設置型、市長に対する諮問型の住民投票で良いのではないかという意見であった。
- 本日の意見を参考に事務局でまとめてほしい。
(2)総合計画について
ア 第7次旭川市総合計画について(資料3)
事務局
- 総合計画は、まちをどのようにしていくかということを示すものであり、まちづくりの基本的な指針である。
- 現在の第7次旭川市総合計画は、平成18年度から平成27年度までの10年間のまちづくりの計画である。
- 市には、施策や事業を進めるために、子育て、環境保全、生涯学習など、様々な分野の計画があり、総合計画は、これらの計画の土台となるもので、全ての計画は、総合計画の考え方に沿って作られている。
- こうしたことから、総合計画は、「地域づくりの最上位計画」であると言える。
- また、総合計画は、行政運営を総合的かつ計画的に進めるための指針であり、市は、総合計画に従って政策や事業を進めている。
- まちづくりは、市役所だけで進めるものではなく、多くの市民や団体が活動することで進められている。
- 総合計画は、市民・民間活動の指針でもあり、そうした市民の皆さんの活動を支援、応援していくことが行政としての役割の1つである。
- また、国や道などが事業を実施する場合も、総合計画の中での位置付けが尊重される。
- 総合計画は、国や道などの関係機関が連携・協力しながら事業展開をする上で大きな柱となるものである。
- 第7次旭川市総合計画は、基本構想と基本計画で構成されている。
- 基本構想は、「本市の振興発展のための将来図とこれを達成するために必要な施策の大綱」を示したものであり、「人が輝く 北の文化のかおる まち」を都市像とし、4つの基本目標から構成されている。
- 基本計画は、「基本構想に沿って具体的な都市発展、市民生活の向上等を図るための基本的方策」を示すものであり、11の重点目標と重点目標の達成状況を客観的に図る目安、尺度としての成果指標、施策の方向、基本的方向によって構成されている。
- また、基本計画に示した政策・施策の方向に基づき、目標を達成するための最適な手段として、推進計画を策定している。
- 総合計画の策定根拠として、地方自治法第2条第4項に「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な運営を図るための基本的な構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。」と定められていて、これまで、この規定に基づき総合計画を策定してきた。
- しかし、平成23年の地方自治法改正により、総合計画の基本構想策定の義務付けが廃止されたことに伴い、総合計画の策定根拠がなくなったが、総合的かつ計画的に行政運営を行うことの重要性が変わるものではなく、何らかのまちづくりの指針が必要なのではないかと考えている
- 基本条例を制定している自治体の多くは、基本条例の中で総合計画に関する条項を盛り込み、これを総合計画の策定根拠としている。
- 本市のまちづくり基本条例の中で、総合計画に関する条項を盛り込むべきかどうかについて御意見を伺いたい。
- また、これまで総合計画の基本構想が議決事項であったのは、総合計画を地方自治体の意思として位置付けるためであったと考えるが、総合計画を議会に諮ることについて意見を伺いたい。
事務局
- まちづくり調査特別委員会では、地方自治法上の根拠がなくなったが、どのように考えるのかとの意見があったが、法律上の規定はなくなっても、まちづくりの指針は必要であるという市の考え方を述べた。
- 総合開発計画審議会条例があり、総合計画を策定する際には審議会を設置することとしており、条例としての根拠はある。
- その計画を作る際には、市長が総合計画策定に関する規則を定めている。
- 総合計画が必要かどうか基本構想が必要かどうかについては、条例に規定がないため、何らかの根拠が必要と思う。
会長
- 総合計画について地方自治法で規定されていたが、平成23年の地方自治法の改正により、その根拠がなくなった。
委員
- 地方自治法で根拠がなくなった理由は。
事務局
- 地方のことは地方で考えるべきであり、総合計画の策定を法律でしばるものではないという考え方に基づくものではないかと思う。
会長
- 地方に権限を移譲していく、地方にできることは、地方の責任でやっていくべきものであり、国が責任を負うものではないという考え方があるのではないかと思う。
- 地方がその中で、自分達だけでやっていったり、まちを活性化していくことは難しいものも出てくるのではないかと思う。
委員
- 短期的、中期的、長期的な計画については必要だと思うので、総合計画は必要であり、条例に盛り込んだ方が良いと思う。
- 市民参加推進条例の第6条で、市の基本構想、基本計画を策定する場合は、市民参加を求めなければといけないと規定があるので、市民の意見を幅広く取り入れた総合計画は必要であると思う。
委員
- 基本計画を策定する場合は、市長は議会の議決を経るとあるが、旭川市としてはどのような方向性で考えているのか。
事務局
- 改正前の地方自治法では、基本構想は議会の議決を経て定める、基本計画は市長が定めることになっていた。
- 地方自治法の改正に伴い、そもそも基本構想、基本計画が必要なのか、議会の議決がいるのかいらないのかについては、結論が出ていない。
- 議会の議決が必要ということになれば、条例での根拠が必要になる。
委員
- 総合計画の年数に幅があるが、変更ができるのか。
事務局
- 総合計画の年数は、自治体市によって異なり、例えば、札幌市は基本構想を20年としている。
- また、8年としているところもあり、市長の任期などとも関係しているのかもしれない。
- 旭川市の場合は、10年としているが、全国一律で10年と言うわけではない。
委員
- 総合開発計画審議会条例があるが、審議会の委員は市民なのか。
事務局
- 学識経験者や公募委員の方がメンバーになっている。
- 総合計画を諮問する時に設置して、答申したら終わりという審議会になっている。
委員
- 総合計画を基本条例に入れた方が良いと思う。
- 作って終わりになってしまうのは、良くないと思う。
委員
- 何事にも計画は大事であり、まちづくりに対しても何らかの指針は必要である。
- 年数はどのくらいが良いのか分からないが、必要であると思う。
- まちづくり基本条例の中で総合計画を規定することは必要であると考えている。
- また、議会の議決も必要であり、そのことも基本条例の中で触れる必要があると思う。
委員
- まちづくり条例の中で、どこまで踏み込むものなのか分からない。
会長
- 資料6で、苫小牧市は、自治基本条例で基本構想、基本計画を定めることを規定して、苫小牧市議会の議決事件に関する条例で、基本構想と苫小牧東部開発に関する基本方針を策定には議決が必要と定めている。
- 沖縄県石垣市は、議会の議決すべき事件を定める条例で、基本構想、基本計画について定めており、鹿児島市は、鹿児島市総合計画策定条例で、総合計画に関する規定を定め、策定根拠としている。
委員
- まちづくり基本条例で基本構想を定めることを指定した場合は、今まであった条例が改正されるという考えで良いか。
事務局
- 今ある条例は、審議会に関する条例と総合計画に関する規則で、地方自治法に総合計画の策定根拠があることを前提としたものである。
事務局
- 条例上の根拠がなくても、市長の権限で作ることは可能であるが、今まで法律で定められていたことであるため、何らかの根拠を持った方が良い。
- 資料6の左側は、基本条例で定める場合の例で、右側は基本条例以外で定める例が記載されている。
委員
- 基本構想と基本計画が一体化されたものが総合計画であるという理解でいいのか。
会長
- 現在の総合計画は、基本構想と基本計画という構成になっている。
委員
- 地方自治法の根拠がなくなったから、まちづくり基本条例で総合計画策定の根拠を持たせるというのは、消極的な理由に聞こえてしまう。
- 総合計画は、まちづくりを検討する上で、まちづくり基本条例の中に盛り込まなければいけない事項であると思う。
- どこまで踏み込めるか分からないが、住民が参画して決めていかないといけないと思う。
委員
- 途中で総合計画を改正することはこれまでになかったのか。
事務局
- 基本構想は10年という期間があるが、基本計画は5年で見直すことになっている。
- 第7次総合計画も平成22年6月に見直しが行われており、「温室効果ガスの排出の配慮した社会の形成」という施策の方向を加えている。
会長
- 総合計画は、前向きな意味で、基本条例に盛り込むべき事項である。
- まちづくりを進める上で欠かせないものであり、総合計画の策定根拠としてまちづくり基本条例に盛り込むことにしたいと思う。
イ PDCAマネジメントサイクルについて(資料4、資料5)
事務局
- 第7次旭川市総合計画では、目標を定めその成果を検証していくことが重要と考え、手段を固定化せず、その時々の状況の変化に柔軟に対応し、最適なものを検証しながらまちづくりを進めていくこととしている。
- これをPDCAマネジメントサイクルと言い、第7次旭川市総合計画がスタートした平成18年度から進めている。
- PDCAマネジメントサイクルは、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(評価)、ACTION(改善)を行い、次のPLAN(計画)につなげていく仕組みである。
- 具体的には、前年度の事業結果のCHECK「施策評価」を行い、成果指標、評価指標などから各部局が1次評価を行い、副市長が行う2次評価や外部評価の結果を踏まえて、ACTION「推進計画事業調査」で次年度の事業構築に向けた具体的手段の検討を行い、PLAN「推進計画」を策定し、次年度の事務事業を進める。
- 資料5は、平成24年度の施策評価結果の一部であるが、総合計画に定める施策毎にシートにまとめ、市のホームページで公表している。
- 成果指標や評価指標により施策の達成状況や進行状況を確認し、課題解決に向けた方針が記載されている。
- また、事業別に「市民・社会ニーズ」「事業の費用対効果」「行政関与の必要性」「施策への貢献度」といった視点からの評価を行い、次年度の予算編成につなげている。
- このような現在の市の行政運営の仕組みについても、御意見をいただきたい。
委員
- PDCAマネジメントサイクルは、1950年代にトータル・クオリティ・コントロール(主に製造業における品質管理)の発想と同時に日本で広まったのではないかと思う。
- 一般的には、P(計画)、D(実行)C(評価)A(改善)の繰り返していくので円環で表現されることが多いが、持続的な改善が行われるものであるため、実際にはスパイラル上に表現することもできて、PDCAスパイラルアップと呼ばれることもある。
- 元々は製造業に導入された考え方であるが、一般的な事業改善にも用いられるようになった。
- 最近は、縦軸に数値評価、目標値、達成度、横軸に時間軸を示す図も使われている。
委員
- 事業の評価はどのようにしているのか。
事務局
- 各部局による一次評価、副市長による二次評価、外部評価を行い、これらの評価結果を踏まえて、次年度の予算編成を行っている。
- 事業評価は各部局の一次評価の中で行っているが、こうした点数による評価の仕方についても意見をいただければと思う。
- なお、評価結果については、市のホームページで公表している。
会長
- 製造業の場合は、目標値や達成度、コストなど数値化しやすい分野ではないかと思う。
- 市民の生活となると、例えば心象的な部分をどう評価するかなど難しい部分もあるのではないかと思う。
委員
- 最近の人事評価は、自分で目標を立てて、その目標に対して結果がどうだったのかという自己評価をして、上司がその評価結果をさらに評価している。
委員
- 総合計画についても評価をしているのか。
事務局
- 成果指標や評価指標といった数値を目安として評価を行っている。
- どのような評価方法が良いのか、試行錯誤している。
委員
- 総合計画が持つ機能があるが、この機能が果たされたのか、果たされていないのかということが大事であって、果たされていないのであれば、内容を見直した第8次の計画が必要なのではないかと思う。
- 第7次総合計画そのものの評価が必要である。
事務局
- 第7次計画の総体的な総括はまだ行っていないが、個別の施策ごとの評価を毎年行っている。
- 第8次計画の策定に当たっては、第7次計画の総括、点検を行い、その結果を踏まえた計画とする必要がある。
会長
- 教育や福祉の分野では特に数値目標の設定が難しいのではないかと思う。
委員
- 次のアクションに繋げるため、ヒントとなるチェックシートようなものはあるのか。
- 個々の事業を、もう少し詳しく評価をすべきである。
事務局
- 例えば、除雪に関するアンケート調査を実施するが、除雪を良く感じている人がなかなか増えていかない。
- 除雪を良く感じている人を増やしていくために、気象状況を分析したり、市民と直接話をしたり、様々なことを行っている。
- こうした様々な要素を、1つの様式に表すことは実態として難しい面も感じている。
会長
- 総合計画とその評価の仕方について、今後の議論の中でもご意見を伺えればと思う。
5 その他
(事務局から、次回会議での検討事項について説明があった。)
6 閉会
事務局
- 6月の日程について第8回は6月10日(月曜日)、第9回は6月24日(月曜日)に開催することを決定し、閉会した。以上
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