平成25年度 第2回 上川中部定住自立圏共生ビジョン懇談会
上川中部定住自立圏共生ビジョン懇談会 会議の記録
日時 |
平成26年2月17日(月曜日)午後6時30分から午後8時30分 |
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場所 | 旭川市民文化会館2階第2会議室 |
出席者 |
伊藤勝彦委員、踊場稔洋委員、須藤学委員、山森敏晴委員 大矢二郎委員 ※欠席:上島聰委員、大西宣充委員、藤原隆治委員
東神楽町・まちづくり推進課曽我課長 当麻町・総務企画課澤田課長、 比布町・総務企画課平井課長 愛別町・総務企画課石田課長 上川町・企画総務課企画グループ金野主査 美瑛町・政策調整課中山課長
総合政策部:長谷川部長、新野次長、政策調整課:万年 |
傍聴者 |
0人 |
会議資料 |
会議内容
開会
懇談
(1)平成26年度連携事業について
(事務局から説明)
資料1(平成26年度上川中部定住自立圏連携事業)に基づいて説明。
各市町議会での議決を経て、旭川市と鷹栖町、東神楽町、当麻町、比布町、愛別町、上川町、東川町それぞれとの間で形成協定の一部を変更する。また、旭川市と美瑛町の間で形成協定を締結し、平成26年度は、合計25の連携事業を実施する。
平成25年度からの変更部分は以下のとおり。
・新規事業に「消防の広域化」及び「国際交流の推進」を追加する。
・既存事業のうち、「子育て支援体制の充実」の中の文言「NPO」を「NPO等」に、また「消防防災体制の整備」の事業名を「消防防災体制」から「防災体制」に変更する。
・既存事業へ、当麻町が1事業(「不登校児童生徒の受入機関の共同利用」)、美瑛町が9事業(「二次救急医療の連携」「小児救急の連携」「成年後見制度の利用支援体制の充実」「不登校児童生徒の受入機関の共同利用」「図書館相互のネットワーク化」「防災体制の整備」「地域公共交通確保維持改善事業」「移住定住の促進」「職員の相互人事交流」)に参加する。
・鷹栖町、比布町、愛別町、上川町、東川町が「障害者相談事業」への参加をとりやめる。
(座長)
「障害者相談事業」について、5町が来年度から参加を取りやめるとのことであるが、その理由は何か。
(事務局)
各町からは、相談件数が少ないため、及び、当麻町・比布町・愛別町・上川町の4町については、共同で障害者の相談機関を設置するためと聞いている。
(座長)
美瑛町の連携事業数(9事業)は、8町の中では少ないが、今後、連携拡大を期待したい。
(2)上川中部定住自立圏共生ビジョンの変更(案)について
(事務局から説明)
資料2(上川中部定住自立圏共生ビジョン変更(案))に基づいて説明。
平成26年度連携事業の記載及びその他の変更を行い、第3回変更版として公表する。
主な変更内容は、
・概況(3P)及び各統計(3P~12P)における美瑛町の追加
・具体的取組(17P~42P)における事業追加・変更、個別事業追加・事業費修正
・共生ビジョン策定・変更の経過(44P)の平成25年度経過の追加
である。
※当日配布資料(「地方中枢拠点都市」について)に基づき、新たな広域連携について説明。
全国的に定住自立圏の形成が進んでおらず、総務省では元気な地方を創るため新たな広域連携を検討している。
「地方圏」には、3つの分類があり、北海道では、人口20万人以上である札幌市、函館市、及び旭川市が「地方中枢拠点都市」に位置づけられ、それ以外の人口5万人以上の市は2番目の定住自立圏、これらに当たらないものは3つ目に分類される。
これまでの定住自立圏に加え、地方圏での広域連携を強化する方向であり、地方中枢拠点都市については、地方自治法に基づく制度とし、法改正案を今国会に提出することとしている。
上川中部は定住自立圏から地方拠点都市への移行を検討することになる。今後の具体的な協議については、総務省からの情報を随時得ながら進めて行くことになるが、各町とともに、引き続き広域連携に取り組んでいきたい。
(座長)
定住自立圏の形成が進んでいない理由は。
(事務局)
総務省が設置する有識者研究会では、定住自立圏の形成が進んでいない背景として、大規模な都市にとって財政措置の魅力が乏しいことをあげている。
地方中枢拠点都市においては、地方自治法上の制度化を予定しており、定住自立圏を上回る額での財政措置を予定しているとのことである。
(委員)
地方中枢拠点都市について、平成26年度はモデル事業実施とあるが、上川中部圏域でも予定しているのか。また、モデル事業に1.3億円計上とあるが、事業数は。
(事務局)
現在、総務省からの情報を収集している段階であり、具体的な検討は今後となる。
1.3億円については、全国のモデル事業分の合計額であり、事業数は示されていない。
(座長)
人口20万人以上の都市は、必ず地方中枢拠点都市となるのか。
(事務局)
総務省の意向としては、全対象市での実施を想定しているが、必ず取り組まなければならないか否かは、今後示される。
安倍首相が施政方針演説において、本制度について発言していることもあり、国としては計画を着実に進め、今後の地方政策の土台に位置づけるものと思われる。当地域としても注目し、8町とともに対応していきたい。
(委員)
(成年後見制度の利用支援体制の充実に関して)成年後見センターの利用件数は多いのか。住民はこの制度を難しく考えて、利用に敷居の高さを感じているのではないか。
(事務局)
成年後見センターとしても、利用しやすい状況を作るため、相談を待つだけでなく、各町に出向いて説明会を開くなど、様々な取組をしている。
(3)今後の新たな連携事業等について
(座長)
今後、新たに連携すべき事業などについて、意見をいただきたい。
(委員)
(子育て支援体制の充実に関して)私が居住する東神楽町では、子育てに関する相談は少なく、また、相談機関があることや民生児童委員に相談できることもあまり知られていない。共働きの保護者が増えるなど、子育ての条件が変化する中、旭川市における相談対応の状況について共同勉強会などを実施し、交流・情報の共有をしたい。
(委員)
子どもの体力調査において、47都道府県のうち、昨年は北海道が最低という結果であった。その理由としては、ゲーム機の普及などで子どもが外に出て遊ばなくなったことが挙げられる。
子育て条件が変化し、今後一層、保育所や学童保育などでの「預かり」が重要な支援要因となるが、その間の過ごし方として、運動させる、勉強させるなど、その手法の工夫も重要である。
(座長)
当麻町に、4町共同で障害者相談機関を設置するとのことだが、障害者の暮らしを支えていく上で、このような機関が居住地の身近にあることは重要であるのか。
(オブザーバー当麻町)
距離的な問題ではなく、4町では従来から母子支援センターを共同設置しており、この度、障害者相談機関も共同で設置しようということになった。
(委員)
(消費生活相談事業に関して)消費者相談件数は、ここ2年で減少傾向にある。平成24年度は2,600件程度、平成23年度は3,000件程度であった。原因としては、架空請求が少なくなったことも考えられる。一方で1件当たりの相談時間が長くなっている。特に高齢者からの聞き取りには、本人の記憶整理も含め、長時間を要する。高齢者には認知症の方もいるため、地域包括支援センターとのネットワークづくりをしているが、相談だけでなく、生活そのものに対して高齢者の見守りが必要である。
(座長)
(観光の広域ネットワーク化に関して)上川中部圏域の観光資源は豊富であり、多くの客を受け入れることができると思うがいかがか。
(委員)
滞在型観光圏を目指し、1市7町の行政と観光協会で協議会を設置する。整備計画を策定し、国の認定を受けることにより、旅行業法上制限されているツアーの企画も可能になる。
この取組に合わせ、連携協定の内容(P26)に「滞在型観光」という表現を具体的に記載すると良いと思う。
(私の居住する)比布町の資源として、「イチゴ」が挙げられるが。昔はイチゴ農家が30戸程度あったが、現在は7~8戸。栽培が難しいため、若い農家はやりたがらない。今後「イチゴの町」として、どうしていくかが課題である。
4~5年前に名古屋から移住し、イチゴ農家を始めた人がいる。移住した理由として、この地域の景色と利便性が良いからと言っていた。同様の移住促進は今後の可能性の1つと考えている。
(座長)
旭川紋別自動車道が開通し交通の便は良くなったが、上川町の人の印象はどうか。
(委員)
自動車道開通により、上川町に訪れる人が減少した。都市間バスが休憩時間に停車するが、時間の制限があり乗客が買い物をすることもない。沿線ドライブイン、ガソリンスタンドは経営が悪化し、また、道路拡幅による立ち退き対象者の多くは移住してしまい、人口が減少した。ただ、救急車搬送の時間短縮に貢献したことはメリットである。「森のガーデン」オープンや映画のロケ地となったことにより、上川町への観光客が増加し、街の知名度向上に貢献している。
平成26年度から、鷹栖町と共に上川町が旭川市に消防事務を委託するが、住民にはまだ浸透していない。
(座長)
(地域公共交通確保維持改善事業に関して)少子高齢化の進展により移動はバスに頼らざるを得ない時代が到来するのではないか。また、バス利用者を増やしたり、路線を維持するためにバス事業者としての考えや取組はあるか。
(委員)
旭川地区バス協会が関わる範囲は滝川以北、稚内までの道北地区であり、この地域は少子高齢化が進んでいる。免許返納制度が推奨されているが、あまり浸透しておらず、自家用車を運転する方が多い。
バス乗務員の接客教育を強化していることもあり、利用者から苦情の声を聞くことが少なくなった。事業者として、利用者からの声をもっと真摯に受けとめ、利用促進、路線維持に向け取り組んでいく必要があると考えている。
また、モータリゼーションが進み乗用車の高度化も進んでいる。この中で、大量輸送のバス事業を今後どうしていくのかを考えていく必要もある。
(委員)
観光のネットワーク化の項目に、平成26年度は美瑛町が参加しなかった。観光は広域連携として取組組みやすい分野であり、また、1つの自治体で完結するものでなく、連携することでメリットが出てくると思うので、今後は是非、連携してほしい。
産業振興の項目に広域観光のネットワーク化しかはいっていない。地場産品発掘普及事業(共生ビジョン38P)を産業振興に入れる方が良いのではないか。
(委員)
まちづくりにとって一番重要なものは、人材である。上川中部圏域では、若者の多くは就職を求め、圏域外へ流出してしまう。圏域に人材を確保するためには、企業誘致が必要である。
1市3町(鷹栖町・東神楽町・東川町)で企業誘致を強化するとのことで、良いことだと思う。首都圏の各企業にも、多くの上川中部圏域の出身者が勤めている。このような人脈をたどって、誘致することも有効な手段である。
(座長)
私は先年まで旭川の東海大学に勤務していたが、同校はこの3月で閉鎖される。学生は最大で800人程度在籍していたため、この地域にとっては大きな影響があると思う。
また、同校は以前から道外出身の学生が多く、卒業後も旭川に定住したいと思っても就職先がなく、やむなく首都圏へ帰っていく者がいた。
(委員)
2020年の東京オリンピック開催にあたり、日本及び各国選手の事前合宿を連携して受け入れ、圏域を活性化できないか。
各市町が持つ既存の体育施設や宿泊施設を活用できると思うし、国際交流の効果も揚がると思うので、是非、検討してほしい。
(4)その他
なし
閉会(総合政策部長からあいさつ)
産業、オリンピックに関するものなど、皆様から貴重な御意見をいただくことができた。
どの自治体も、公共サービス提供のための施設等を全て自前で整備する「フルセット主義」は難しく、1市8町で役割分担していくことが定住自立圏の意義であると考えている。各市町の得意分野を生かして、連携して行きたいと思う。
本日の皆様の意見を参考に、今後の取組について協議を進めていきたい。