旭川市総合計画市民検討会議第1分科会第1回会議の記録
日時 |
平成26年6月10日(火曜日)18時30分~20時36分 |
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場所 |
旭川市1条8丁目フィール旭川 7階 |
出席者 |
委員8名 伊藤委員、大石委員、大森委員、工藤委員、栗田委員、塩川委員、中島委員、永瀬委員(50音順) |
欠席委員 |
酒本委員、高田委員、山田委員 |
会議の公開・非公開 | 公開 |
傍聴者の数 | 1名 |
会議資料 | ![]() |
会議内容
1 座長あいさつ・本日の進め方の確認
これより、第1回目の第1分科会を開催する。本日の流れを説明する。
本日のテーマは、旭川の福祉・子育て総点検と設定した。前回の全体会議と同じグループで話し合いをお願いしたい。
まず、付箋紙に、旭川の福祉・子育てのよいところ、課題と感じるところを記入する。
本分科会が取り扱う範囲は、福祉・子育てにとどまらず、健康・医療・低所得など多様であることから、それについても記載をお願いする。
その後、記入した良いところ、問題だと思うところを1 人ずつ発表しながら、模造紙に貼っていく。
その後、付箋紙を各分野に整理・分類する。今日の後半でグループごとに発表をお願いする。
2 グループ討議
Aグループ
(委員)
年々できないことが増えている。集中力自体が低下しているので一つのことに向き合いづらくなってきている。
また、体力のない子どもが多く、中には前転ができない子どももいる。公園が多いのに、公園での禁止事項が多い。
例えば、大きい声を出さないで下さいとか、使わないで下さいとか、そもそも公園とは話をする場所ではないか。
(委員)
柔軟なルール作りを提言していけたら良いのではないか。
(委員)
市民が苦情として入れてしまうと、その人自身がその問題を処理しなければならないので、結局良くないルールができてしまう。
大人には良いけど、子どもにとっては悪循環なルールになっているので残念。少しでも考え方を変えてくれる人が多くなればと思う。
(委員)
遊びが大事、勉強や習い事など子どもたちを縛るものが多く、息抜きができないのではないか。
(委員)
小さい頃の子どもの体験が心も体も育ててくれるのだと思う。
(委員)
今の子どもは三世代で暮らしていない限り、おじいちゃん・おばあちゃんの世代と関わる機会がない。知恵を学べない。
(委員)
保育施設が多い分、求められていることも多い。親が選択できる場がある。
(委員)
高齢者には、高齢者の人口の割合が多い分予算がつく。
しかし、子どもは将来の担い手になる存在なのに、どうして子どもにあてる予算が少ないのか。
高齢者の方々を手厚くケアしてあげることも大事だが、子どもが将来の担い手になるように育たなければ、元も子もないのではないだろうか。
市として、高齢者と子育てのどちらを主体として支援していきたいのかはっきり決めたほうが良いのではないか。
(委員)
医療が充実している分、病院に行けばどうにかなるという受け身の姿勢である。
市民として、自分の体について主体的に学習することが少ない。人からもらう情報ではなく、自分たちが勉強するという姿勢が、市民のなかにすくないのではないか。
医療機関が多いが、その中から選ぶ力が市民に備わっているのだろうか。
(委員)
治せば絶対だという、有名な医者がいないと思う。
(委員)
地域でケアしてあげられる人がいない。
(委員)
システムの窓口であったり、人とのかかわりであったりという部分ではないか。
実際に困っている人はいるが、相談できるような窓口を知らなかったり、横の連携が少ないがために、問題を抱え込む人がいるのではないか。
(委員)
施設を誰もが使えるというわけではない。手続きのふみかたが分からず、気軽でない。
Bグループ
(委員)
福祉にしても障がいの分野にしてもサービスや施設は充実し、数多く存在しているため選ぶことができる、いい環境にはある。
また、学校も充実していることから学びながらそれを生かす環境が整っている。
しかし、サービス等が豊富にあるからといって暮らしやすさにつながるかというとそういうわけではない。
サービスはあるけれどもそれぞれにつながりがないため、複雑化してしまい、それがある種の縛りとなってしまっている現状がある。
(委員)
特に障がい者は、障壁を感じてしまっている部分が多くあり、障がい者の暮らしや生活への配慮・協力不足がうかがえる。
こういった人と人とのつながりの不足が福祉にも又は障がいの分野にも表面化していることから、誰もが共存していけるための環境づくりが必要となるのではないだろうか。
(委員)
保育所や相談所、もりもりパークのような屋内の遊び場等の施設面は充実しており、子育ての悩みを解消する場や子どもの安全の確保が環境的に守られている。
(委員)
不審者の増加や犯罪発生率の高さから、親から子どもへの「ダメ」や「危ない」などの過度な不安や心配が多くなり、外で遊ぶことができなくなるなど子どもの自由を制限してしまっている。
それが、ゲームやコンピューターばかりをする子どもの増加にもつながってしまっている。
多少のリスクはあったとしても子どもが自ら大変なことや危ないこと、人として当たり前のことを学べるような社会性を充実させる必要がある。
そのためには、地域の見守りやつながりが大きな支えとなるだろう。
地域で子どもの成長を見守り、安全を確保することで親の不安や負担も減り、子どもの健全な育成に繋がっていくのではないだろうか。
(委員)
保育料が高いことや助成金が少ないという問題もある。
一般的に暮らしやすいまちと言われているところは保育料が低い傾向にあり、経済面から見て、旭川市は子どもを育てていくための環境としては周辺のまちに比べると劣っている部分がある。
また、働きながら子育てをする環境が充実していないということもあり、整備していく必要があるだろう。
(委員)
「健康」を予防的な意味として捉えた。
たとえば、怪我をするからということを理由に子どもに対して外で遊ぶことを控えさせるとかえって体力を低下させてしまい、怪我をしやすい体を作ってしまうなど、「予防」ということに重きを置きすぎているため、かえって健康から遠ざかっているのではないだろうかと考えた。
(委員)
現代は高齢化が進んでいることもあり、高齢者への健康に意識が偏ってしまい、子どもや若者に抱く健康への考えが希薄化している。
そのため、若い時(子どもの時)から健康を意識するためにも何らかの形で啓発活動をしていかなければならないだろう。
しかし、その啓発も今は、犯罪の域に偏りすぎているものが多い。
そうではなく、食生活や生活リズムなどといった基本的な生活習慣の見直しを中心とした啓発を行うことで、子どもからお年寄りまで幅広い年代が健康に対する意識を高く保つことができるのではないだろうか。
(委員)
病院などの医療施設が多く存在しているため、他地域に比べて安心感は大きい。
また、総合病院があることにより、専門に特化した高度な医療を受けるとことができ、子どもを産むときなどの体制も十分整っていることから住民の信頼も厚いだろう。
しかし、そういった利点がある反面、ありすぎるというくらい医療機関があるため、情報も数多くあり、医療と福祉がつながるときに困難が生じ、すごく苦労する。
また、病院自体が大きいことから、院内でも情報が共有できていなかったり、連絡が取れていないなどの調整不足もある。
さらに、個人病院が多いことから、「病院ごとに」という意識が強く、「連携」という点から旭川市の医療を見ると乏しい部分が目立ってきている。
(委員)
地方から旭川市の医療機関を訪れる人や通院している人が多く、「人が集まるまち」ではあるが、とどまる・住むには中々つながっていないという実態がある。
そのため、旭川市の住民も近い将来、そのように札幌市などの大都市へ流出し、地域医療から遠のいていくのではないかという不安もある。
(委員)
人と人とのつながりがどの分野においても必要である。
まず、つながりがないと何も始まらないのではないだろか。
また旭川市は、人が集まりやすく仕事もそれなりにあるにもかかわらず、就職にまでは至らず、人員不足が続いている。特に福祉職への就職は少ない。
せっかく医療や福祉の学校があるのだから、地域で学び地域で生かせるという環境の素晴らしさをもっとPRし、若者の移住を定住につなげて担い手を増やしていくということが求められているのではないだろうか。
Cグループ
(委員)
施設ごとに細かく障害の分類があり、その分類から外れたら施設を利用できない。
福祉が専門になりすぎて事業主体になっていて事業をどうするのかになっている。
福祉の根本は「命を守る」なのにどのサービスに当てはまるのかなどと考えている。
その前に気付いた人が助けるのが福祉なのではないか。事業が多くなりすぎて福祉のスタートを忘れてしまっているのでは。
(委員)
なんでもマニュアル化してしまっていて福祉もマニュアル化している。
昔はマニュアルに書いていないことは自分で判断しなさいと言われていた。
今はこれ以上のこともこれ以外のこともしてはいけない。
できるものは「できる」できないものは「できない」で判断している。
真ん中がなくなっている。今の福祉には温かみや思いやりがない。
(委員)
目の前に人が倒れていても今はそんなこと起こり得るわけないよねと思ってしまっている。
虐待などは常に起こっているので「ない」とおもっているのではなく「ある」と思っていないといけない。
(委員)
障害関連のサービスの量が全国平均の人口比の2倍以上になっている。
世界のどこも障害を持っている人の割合は同じはずなのに旭川は多い。
生まれる数は同じだが福祉に頼らないといけない人が多い。人口構成としては「異常」だという。
(委員)
それはつまり障害者は障害者で健常者は健常者でがっちり分かれていることになる。
障害を持った瞬間、障害者というくくりに入ってしまう。
(委員)
障害を持っている人のうち、一般就労する人が少なく、障害を持っている人が活躍できる場の作業所で働く人が多い。
(委員)
旭川に作業所が多いとも言える。障害者へのサービスが多いというところを旭川の特色の一つにできないか。
(委員)
接点がどんどんなくなっていっちゃって、障害ってなった瞬間に分かれてしまう。
障害が発見されたらそこから障害を持つ人の分類になってしまい、保育園に入るのにも障害があることを言ったら断られることがある。
3 グループ発表
Aグループ
(委員)
医療分野でのよいところは、医療機関が充実しており、患者が医者から説明を受けた上での選択ができること。
課題は、名医と呼ばれる存在が少ないように思えることである。
高齢者福祉分野でのよいところは、元気な高齢者が多く、高齢者福祉施設が多く、待機高齢者が少ないことである。
課題は、生活困窮者のうち高齢者が多いのではないか、また、一人暮らしの高齢者が多いのではないか、ということだ。
子育て分野でのよいところは、子育てサークルが多く、また、親子連れで利用できる場所が多い。
また、公園が多いこと、旭川が赤ちゃんの過ごしやすい気候であることである。
課題は、親を支援する政策・市の子育て支援が見えないこと、非常勤の保育士が多いこと、児童館が少ないこと、子どもの遊べる場所が少なく、安心して外遊びをさせにくいことなどである。そして、地域で子育てを行うビジョンがみえないことが課題としてあがった。
また、健康に主体的に取り組もうという意識が薄いのではないかという意見や、地域包括ケアシステムの構築が見えないことから、制度を超えてシステムを構築することが課題との指摘もあった。
(委員)
全体を通して、市の予算のかけ方が不透明で、子育てに投資するのか、高齢者に投資するのか、分野がはっきりしていないのが課題。
また、各年代から意見の聴取ができるようにシステムを構築していく必要がある。
Bグループ
(委員)
福祉分野においてよいと感じたところは、高齢者・障がい者のサービスが充実していること、福祉について学べる学校が多いこと。
課題は、今後さらに人員の不足が懸念されること。
子育て分野においてよいと感じたところは、相談窓口などの支援体制が充実していること、子育てを応援する場がたくさんあるので、子育てするのに不利にはならない現状であること。
課題は、公園が減少していること、教育の支援が必要であること、犯罪が増加していること、親が支払う保育料が高いこと、医療費支援を行なうこと。
健康分野に関しては、健康に対する意識を主に議論した結果、習慣としての体操など、高齢者は健康に対する意識があるといえるが、とりわけ若者は意識が追いついていないことが課題である。
医療分野においてよいと感じたところは、高度な医療を受けられること。
課題は、一人当たりの医療費が高いこと、かえって選択肢が多いこと。
全体を通しては、「どのようなまちにするのか」という市の方針が不明瞭であること、コネクションの構築を必要としており、若者が自ら活気づく街にする必要がある。
高齢者が一市民として貢献できる仕組みをつくることが必要である。
Cグループ
(委員)
各分野の良いところを先に述べる。子育てに関しては、子どもを連れていける場所があること、子どもを産める場所があること。
高齢者に関しては、健康を促進することのできる場所があること、高齢者の居場所がある、高齢化が進んでいるものの広い世代にわたって交流できる、などが挙げられた。
課題は、老人クラブ参加者の減少、認知症の人に支援が必要、公園は多くても、身近に遊べる場所は少ないこと、保護者支援が不足していること、福祉サービスを利用している人が多いこと、特別支援を受けられる子どもたちが全国平均の2倍ともいわれており多いこと、福祉関係でリーダーシップをとれる人が少ないことである。
また、福祉の専門性が高まっていること、知識を要すること、福祉行政の縦割りが進んでおり、困った人を助けるのに時間がかかること、ニーズに応える体制を作ることが求められている。
子育て、福祉、地域活性化等の資源として、空き家・空地の有効利用は検討の価値がある。
(副座長)
グループ討議では、旭川市をどうしていくかの方向性や、何に力を入れていくか問題意識が語られた。今後の提言に生かしていけると思われる。
旭川市の特徴として、医療や施設、専門的なサービスがあるという良い面がある。しかし、だからこそ縦割りになりがち。
サービスを当てはめるだけでなく、柔軟な対応が求められる。
市民の健康に対する意識や価値観に働きかけていく必要性についても問題提起された。
ニーズを拾い上げていく仕組みづくりが高齢者を例に紹介された。さまざまな場面でどのようにニーズを拾っていくかも考えることが大切。
(座長)
今回のテーマは、「旭川の福祉・子育て総点検」ということで設定し、まとめていただいた。
旭川には医療機関や福祉サービスなど多くの資源があるにもかかわらず、福祉ニーズとうまくマッチングされていないのではないか。
「縦割り」という言葉が上がっている。また、特に近年では、生活困窮の対応が課題である。
また、地域において広い世代にわたってつながりを深める必要がある。
地域の取り組みにおいては子どもと高齢者が主体となって、若年層と中年齢層が抜けてしまっているのが現状ではないか。
また、Cグループでは、危機という言葉があったが、単身世帯の増加と相まって、生活全般のリスクへの対応も課題である。
4 次回の開催について
次回の分科会では、今日の作業をうけて、目指すまちの姿、その実現のための具体的な手段について検討する。
第2回目は、福祉・子育て、第3回目は医療・健康づくりを主題にしたい。
とても熱い議論が交わされたことに感謝を申し上げたい。以上で第1回目の分科会を終了する。
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