ASAHIKAWA 100 PRIDE 最新号(株式会社青井商店様)
株式会社青井商店
創業100年を超える作業用品の老舗
100年にわたり時流を読む原動力は、お客様の声
大正12年創業。令和5年で「100年企業」となった株式会社青井商店は、防寒手袋の製造や作業用品の卸売業を行う会社です。
5代目社長の青井貴史(たかふみ)さんに、歴史と仕事について聞きました。
「私の曽祖父である初代が石川県から来て、軍手を作ったのが始まりです。当時は開拓者や軍の需要があったんですが、時代の変化で採算が合わなくなり、昭和50年に製造をやめて卸売業に転換しました」。
卸では手袋や長靴、防水カッパなどの作業用品のほか、日本人形まで扱い会社は成長。
しかし「現場のニーズと商品のギャップを感じ、やはり売るだけではなく自分で作らないとダメだと。特に旭川など北海道各地では防寒手袋の需要が大きく、お客様の声をすくい上げて作った防寒手袋が今も当社の主力商品です。例えば手袋だと、業種によって指がすぐ破れるので指だけ強くして欲しい、などのニーズに細かく対応しています 」。
同業大手との気になる関係
作業用品業界は、本州資本の全国チェーン発の大ブームを経て活況が続いています。
オシャレな商品が増え、誰もが気軽に作業用品店に行く時代になりました。旭川にもそれらが出店し人気ですが、地元の老舗としての戦略を伺うと「当社は早くから輸出にも力を入れています。また大手であっても北海道進出の際は冬場の商品がネックになるそうで、うちにお声がけいただいて防寒商品を納品することもあり、いい共存はできていますね」。
極寒の旭川発の高品質。防寒手袋に魂を込める!
青井商店が作るオリジナル商品は防寒手袋がメイン。それらを生み出し、売り出していく商品開発や営業はとにかく自由に動く社風で、道外の漁港にアポなし訪問してニーズを聞き取って世に出た商品があったり、青井社長ご自身も商品の実験や製造、イベントなどでエネルギッシュに国内外へ足を運んでいます。
「防寒手袋は、防寒だけなら分厚くすればいいんですが、厚いと動きにくく作業性が落ちるという難しさがあります。開発実験は、ここ数年は難しいですがロシアで行うこともあります。気温はマイナス60度(笑)。旭川より寒い環境下でも硬くならず、動きやすい素材を追求するんです。また蒸れにくいのも重要で、水は通さず汗だけを通す透湿フィルムを使ったりもしています」。
こうして旭川や北海道のお客様からの要望が生かされた青井商店の防寒手袋を含め、同社の防寒手袋の取扱品目数は道内トップ。今や製品は日本国内のみならず海外でも高い評価を得ています。
オリジナルブランド「AOI WORKS」(アオイワークス)の商品は、旭川市内ではワークハンター、ワークマン、コメリパワーなどの作業用品店ほかで購入可能です。
この冬おすすめの防寒手袋は?
社員はパートさんも含め20名。8割が旭川出身者で、地元採用は積極的です。「地元貢献の意味もありますが、やはり旭川で育った人は寒さの肌感覚があるので、それを仕事に生かせるんです」と語る青井社長に、いよいよやってくる冬におすすめの防寒手袋を聞いてみました。
「当社の防寒手袋はお客様の声をもとに改良を重ねた結果、200種類以上のオリジナル商品があります。中でも幅広く使えるのは定番の『A-919』。寒い中でも柔らかく、蒸れにくいと人気です。灯油や機械油を扱うなら耐油性能が高い『A-936』がいいですね」。
青井商店の手袋は、地元旭川の社員の皆さんが誠実に作る逸品です。この冬は改めて注目し、雪かきやお仕事の相棒に選んではいかがでしょうか。
取材時の様子をYouTubeで公開中!
結び
あさひばしでは、ASAHIKAWA 100 PRIDEを不定期連載しています。
旭川の良いところをみんなに広めよう!