ASAHIKAWA 100 PRIDE~Vol.14

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2024年8月6日

ページID 079932

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中央精工株式会社

日本初の装置で臓器保存の限界を切り拓く!

 日進月歩の医療界。中でも目覚ましい発展を遂げている臓器移植は、最後の砦ともいえる治療法です。生命に大きく関わる最先端医療の分野に、旭川から、しかも医療機器専門メーカーではないにも関わらず果敢に挑む会社があります。
 

 それが、創業54年の中央精工株式会社。

 いわゆる「町工場(まちこうば)」と呼ばれる、町なかにある小~中規模の工場です。旭川には130以上もの町工場があるとされます。
 

 町工場が大企業を支える、同社もそんな縁の下の力持ちの会社です。

 同社は本社のほか、パーツ工場や、関係会社の「旭川ねじ株式会社」を永山地区に集積しています。
 

社屋
本社
パーツ工場
パーツ工場
旭川ねじ株式会社
関係会社(旭川ねじ株式会社)






 

 
 活気ある社風の中で、今も現場で陣頭指揮をとるのが創業社長の佐々木工(たくみ)さん。お会いすると気さくで豪快に笑う「昭和の社長」という印象で、随所に細やかな気配りやユーモアを絶やさない、とても朗らかな方です。

社長2
中央精工株式会社
代表取締役 佐々木工(たくみ)さん

















 「創業時(昭和45年)は鉄工所で、その後は精密機械加工や金型の製作をやってます。中でも精密機械や部品を作るための金型には部品以上の精度が求められるので、今は『超精密機械加工』を掲げています」と語ります。

 確実な仕事は昔から評判。創業時からお付き合いがある旭川市の東芝ホクト電子株式会社をはじめ、全国の大手メーカーから信頼を得ています。

原動力は、確かな技術と熱き心

 そんな会社が手がけて医療界で話題を呼んでいるのが「移植用腎臓保存装置」。
臓器還流装置















 冷やすだけでなく、臓器に特殊な液体を通して状態を保つ「灌流(かんりゅう)装置」が組み込まれています。従来の氷で冷やして運ぶ方法に比べ、臓器が良好な状態のまま保存時間を伸ばせるので、これにより、移植用臓器の機能劣化防止、保存時間改善、移植に係る医療従事者の働き方改革などを実現します。

 しかしなぜ医療と全く無縁だった町工場が、生命に直接関わる分野に進出したのでしょうか?

社長1















 「旭川医科大学から打診があって、開発を始めました。今まで培った技術を生かせたので、作ること自体は難しくなかったですね」と謙遜しますが、「でもね、むしろ許認可の方が大変でした」とも。

 医療機器は、製品として製造販売するための国の認可を取得するのが大きな関門。同社の「移植用腎臓保存装置」は多施設共同臨床試験でも良好な結果が得られ日本初の薬機認証を取得したのです。
 

 とはいえ移植手術ができる病院の数を考えても多く売れるものではないことは当初から分かっていたとのこと。

 しかし「移植で救える命があるなら救いたいんです。うちの技術のアピールにもなると思いますし、医療機器は採算度外視ですね」と豪快に笑いながら、でも誠実にお話してくれました。

地元旭川のプライドをかけて。挑戦は終わらない。

 実用化された腎臓用に続き、次は肝臓用臓器保管庫を開発中です。基本的な技術は腎臓用と同じですが、肝臓移植手術自体が腎臓に比べて少なく、ビジネス面では腎臓用よりも困難とされます。それでも佐々木社長はひるんでいないようで、明るい笑顔でこう語ってくれました。

社長3















 「うちの技術が認められれば、旭川のPRにもなるでしょ。それが地元に貢献できるってことじゃないですかね、ハハハハ」。

集合写真











 佐々木社長をはじめ、58人の正社員も全員が地元採用で、ほとんどが旭川市出身です。

 旭川から、機械加工はもちろん、臓器保存の限界を切り拓き、臓器移植を待ち望む全国の患者や家族の光となる最先端の町工場、それが中央精工株式会社なのです。

取材時の様子をYouTubeで公開中!

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結び

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