ASAHIKAWA 100 PRIDE~逸品編Vol.8

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2023年12月7日

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ダイキンHVACソリューション北海道株式会社  旭川ラボ 「スゴ暖」シリーズ

寒冷地で選ばれる暖房方法

 真冬の北海道、なかでも旭川市の厳しい寒さは、しばしば全国ニュースで取り上げられるほど。温暖な地域に住んでいれば、「どうやって過ごしているの?」「暖房は?」と素朴な疑問を抱く方も多いでしょう。暖房はドラマに出てきそうな薪ストーブや暖炉が標準的ということはなく、石油ストーブやガスストーブが主流と言えます。
 暖房方法はさまざまで、それぞれメリットとデメリットがあります。ただ最近では、灯油やガスなどの高騰は頭が痛い問題です。また世界的に「脱炭素」が求められる昨今。化石燃料を使う「燃焼方式」のストーブの場合、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出抑制対策も考えなくてはいけません。
 そこで、世界的な空調機器メーカーとして知られるダイキン工業株式会社が力を入れているのが、寒冷地用エアコンです。空気中の熱を冷媒で集めて熱交換する「ヒートポンプ式」のため、「燃焼方式」に比べて二酸化炭素の排出が少ないと言われます。給油の手間がなく、火を使わないため、一人暮らしのお年寄りでも扱いやすいという利点もあります。

寒冷地ならではの検証と開発

 業界トップクラスの性能という同社の「スゴ暖」シリーズは、吹き出し温度が高く、短時間で暖まり、室外機の霜を除去する時間が短いのが強みです。これまで積雪寒冷地では室外機の凍結や、霜取りのための運転中断、電気代が課題でしたが、同社は旭川市内の住宅街にある「旭川ラボ」で2013年から実証と試験を重ね、課題をクリアしてきました。

スゴ暖シリーズ
旭川ラボで検証・開発がされている「スゴ暖」シリーズ

 










 
 旭川ラボは戸建て2棟と事務所棟からなります。一見するとごくごく普通の住宅とオフィスですが、壁際には室外機が所狭しと並び、カメラで状態を常時チェック。室内には多くの室内機とセンサーがあり、多くの観測点で温度などを24時間モニタリングしています。データは大阪にあるダイキン工業株式会社の拠点に集められ、開発に生かされます。

旭川ラボ
市内の住宅街にある旭川ラボ 外観は普通の⼀軒家のようです

 










 
 旭川が実地試験の場として選ばれたのは、最低気温がマイナス20度を下回り、積雪量が道内でも多く、寒暖差が激しいといった厳しい気象条件があったためです。また北海道第二の都市として販売店が多く、市場やユーザーの声を開発に反映させやすいというアドバンテージもありました。
 ラボの開設から10年。ここで試作機を稼働させては改良を繰り返し、室外機の凍結を防ぐ対策や暖房能力、省エネ技術を鍛えてきました。「スゴ暖」シリーズにとどまらず、ここで磨かれた技術は世界中のダイキン製品に応用されています。

旭川ラボ 冬
旭川の厳しい冬のなか、同製品の検証・改良が続けられます










 

「旭川ラボ」での実証を世界へ

 エアコンと冷媒の両方を製造する会社としては世界唯一となるダイキン。世界中で、地域の実情に合わせた空調機器を開発してきましたが、寒冷地用エアコンの開発と普及は経営上の重要な戦略の1つです。
 旭川と同じように、アメリカ・ニューヨークやドイツ・ベルリンなど海外の主要都市は寒冷地にあることが多く、市場として今後の伸びしろが期待できるとのこと。消費者の環境意識の高まりを受けて省エネ性の高い暖房が求められているほか、温室効果ガスを実質排出ゼロにする「カーボンニュートラル」が全世界で叫ばれていることも背景にあります。そのため旭川ラボでは、ヨーロッパで需要が増えているという、ヒートポンプ式の温水器の試験も展開しています。
 「スゴ暖」シリーズなどの販売を担当するダイキンHVACソリューション北海道の旭川営業所長、小田嶋裕二さんは定期的に旭川ラボに足を運び、管理しています。「ダイキングループは全世界で事業を展開しています。暖房を通じて寒冷地のカーボンニュートラルを達成するために、旭川から発信して広げていきたいです。北海道も夏の暑さでエアコンの普及率が高まっている今こそ、エアコンで冬も温かく快適に過ごせることを知っていただきたいです」と語ります。

取材にご協力いただいた小田嶋さんからのメッセージ

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小田嶋さん、ありがとうございました!

結び

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