ASAHIKAWA 100 PRIDE~逸品編Vol.5
株式会社ニチレイフーズ 本格炒め炒飯®
子どもから大人まで、幅広い世代をとりこにする炒飯(チャーハン)。冷凍食品で国内トップのニチレイフーズによると、最も売れる季節は夏だそうです。「パラパラ感」にちなみ、同社は8月8日を「チャーハンの日」と定めているほど。強力に炒めるからこそ、あのパラパラした食感や香ばしさを楽しめます。家庭で調理するなら、酷暑を避けたくなりますよね。火を使わず、電子レンジ調理の「本格炒め炒飯®」であれば、こんな悩みも解決です。
一方でチャーハンといえば、「お店の味を家庭でうまく再現できない」と腕組みする方も多いのではないでしょうか。中華料理店のような強い火力で炒め、ご飯1粒1粒に卵をまとわせるのは難しいものです。ニチレイフーズの竹本さんいわく「材料はシンプルですが、中華料理の中で最も調理が難しいメニューの1つ。ご家庭でも上手に作れない代表格です」とのこと。鍋の温度、油の量、卵やご飯を入れるタイミングなど、高度な技術が求められます。
そんなチャーハンを家庭で手軽に楽しめるパイオニアであり、ロングセラーでもある冷凍食品が、同社の「本格炒め炒飯®」です。
同社によると、かつて冷凍食品のチャーハンは、中華具材を使って中華風の味付けがされた、まぜご飯のような商品でした。「大量にご飯を炒めるのは不可能だ」と考えられ、「おいしさ」といった観点では及第点ではあったものの、 お店のチャーハンとは別物だったといいます。そこで、大量にご飯を炒める方法について研究を重ねたといいます。
その成果が実り、「本格炒め炒飯®」は2001年に登場。冷凍食品の米飯カテゴリーで22年連続売り上げトップになるほど支持されています 。プロの技を再現し、業界で初めて「炒める」工程を取り入れ、「パラパラ感」にこだわりました。商品開発メンバーが中華料理店を食べ歩き、ニチレイ独自の資格を持った「味覚評価員」が理想の味を追求していきました。
2015年には30億円を投じ、「炒める」に加えて「中華鍋をあおる際に鍋上の熱風をまとわせる」「さらに炒める」という「三段階炒め製法」を確立させました。2021年には「世界で一番売れている炒飯」としてギネス世界記録™ にも認定されましたが、安住せず、毎年のようにブラッシュアップさせています。
このような製法に加え、商品の完成度を左右するのが主原料であるお米です。全国有数のお米の生産地となった北海道のなかでも、随一の米どころである旭川のお米が一部に使われています。
冷凍食品は製造時から家庭での調理時まで大きな温度変化を伴い、熱しても冷やしても品質を保つお米が求められます。さらに、チャーハンでは炒めた際のパラパラ感とふっくら感が生命線。粘りが表面に出すぎないこと、加熱ムラを防ぐような粒立ちの良さも条件です。同商品にはホクレンを通じ、厳しい水準をクリアした一等米が供給されています。
ニチレイフーズと北海道米との縁は、1991年発売の焼おにぎりにさかのぼります。今のように北海道米の知名度は高くありませんでしたが、加熱、冷却、再加熱の工程を経ても道産の「きらら397」は品質が優れていることが分かりました。以降、同社はさまざまな米飯冷凍食品に北海道米を採用し、「ななつぼし」「ゆめぴりか(特A米)」などを商品ごとに使い分けています。北海道米を全国区に押し上げたいというホクレンの思いとも一致しました。
ニチレイフーズの竹本さんはこう語ります。「『本格炒め炒飯®』のおいしさの土台を支えてくれているのが、お米の安定した品質の高さです。お米の需要、ご家庭で炊飯する機会や量も減っていますが、日本の食を支えていることには変わりません。これからも、農家さんを応援するという信念と使命を持ち、全国に商品を届けていきます」。
お米というのは万能選手です。炊き立ての白米はもちろんおいしいですし、レジャーの最中にほおばるおにぎりも格別です。子どもが大好きなオムライスに、体が弱った時に頼りになるおかゆ…。いろいろな場面で食卓に登場するのは、まさに日本の主食にふさわしい存在です。