ASAHIKAWA 100 PRIDE~逸品編Vol.3
日本ハム北海道ファクトリー株式会社 旭川工場 シャウエッセン
2023年の春に開業し、全国から注目されているプロ野球北海道日本ハムファイターズの新拠点「エスコンフィールドHOKKAIDO」。球場内のホットドッグ専門店限定のソーセージ「シャウエッセン」は、旭山動物園近くにある日本ハム北海道ファクトリーの旭川工場で作られています。
シャウエッセンは、日本ハムグループの看板シリーズです。1985年、それまで「ソーセージといえば魚肉」だった日本に、本場ドイツのようなクオリティーを追求した「本格的なあらびきウインナー」として登場しました。人気を呼び、日本で最も多く販売されているソーセージになりました。パリッとした食感が代名詞ですが、独自の衛生管理手法によって保存料ゼロを実現し、柔らかい天然の羊腸を厳選するなど、多くの売りがあります。
道内で流通しているシャウエッセンの製造はすべて旭川工場が受け持ち、今年3月から全国で販売されている派生商品「シャウエッセン 北海道プレミアム」の製造は旭川工場だけが手掛けています。
日本ハムグループにとって北海道は新しい“地元”であり、特別なこだわりがあります。エスコンフィールドHOKKAIDOを核とした「北海道ボールパークFビレッジ」の開業に向け、道産食材を積極的に活用し、全国にその魅力を伝えようというプロジェクトをかねてから展開しています。「シャウエッセン 北海道プレミアム」にも、そんな北海道への思いが表れています。
開発に携わった旭川工場次長の伊藤裕介さんによると、知名度が高いロングセラーである「シャウエッセンブランド」にさらなる磨きをかけるため、試作を重ねました。原料は道産豚肉100%。肉の切断方法やスモークの条件など、何項目にもわたって試行錯誤しました。道産豚肉のうま味が引き立つよう食べ応えを重視。径を太くし、1本のボリュームは通常のシャウエッセンの1.8倍にしました。食べ比べると、あふれ出す肉汁の量と食感の違いを実感できます。
「プレミアム」は北海道の道産食品として登録され、パッケージには「道産原料」というマークが躍ります。伊藤さんは「道産の豚肉を使うため、通常のシャウエッセンと比較し、肉をさばく段階から特別な手間をかけています。作り手が思いを込めている、とてもジューシーな自信作です」と胸を張ります。
旭川工場は、コロナ禍真っただ中の2021年5月に稼働しました。旭山動物園からわずか800メートルの、のどかな田園地帯に接しています。
工場が立地する東旭川地区のマルシェイベントでは、近くにある調理師専門学校と連携し、学生が加工したサンドイッチを販売。普段から旭山動物園東門近くのレストランでも「シャウエッセン」は楽しめますが、動物園がある旭山公園の夜桜イベントで協力したり、市制施行100年記念イベントなどに出展したりと、地元とのつながりを深めています。
工場の2階には子どもにも分かりやすいよう、パネルで肉製品の歴史や製造工程、おいしさの秘密などを紹介。大きな窓からは工場内を見下ろせ、肉から骨やスジを取り除いたり、品質をチェックしたりと、熟練の技を知ることができます。