あさひばし 令和元年9月号「みんなで育てる まちなかの魅力」
はじめに
最近、まちなかへ出掛けていますか?
旭川のまちなか(中心市街地)を面白くする仕掛けを考えて実行している「ACT」の4人に、これまでの活動や苦労、まちなかの未来について語ってもらいました。
ACTとは
ACTは、中心市街地活性化基本計画に基づいて平成29年12月に設置された中心市街地活性化協議会・企画推進分科会の別名で「Asahikawa
Create To Future 」の略。まちなかの旭川駅前、平和通北(4条以北)、大成(銀座仲見世通り周辺)の3エリアの市民などが結集し、みんながわくわくする仕掛けをどんどん実行しています
ACTの皆さんの声
ACT座長・海老子川雄介さん
自然や歴史など、まちの素晴らしさを再認識して!
旭川駅前エリア・三輪由里子さん
まちなかの専門店の良さを知って!
平和通北エリア・齊藤琴乃さん
イベントだけでなく、日常の中でまちの魅力を感じて!
野々村雅人さん・大成エリア
まちなかには、人の温もりを感じる場所がある!
ACTって何をしているの?
海老子川
昨年、「大人のたまり場」というコンセプトで、旭橋のたもとで夕日を見ながらお酒を飲む「トワイライト旭橋」を開催しました。あいにくの天候でしたが、たくさんの人が来てくれて「毎年やってほしい」という声もあったので、今年も開催しました。旭川には、自分のまちのことを良く言わない人が多いけれど、直接話すと、まちのことを愛している人が多いと実感します。愛し合っている夫婦が互いに「愛している」と言わないのと同じだと思います(笑)。
齊藤
緑道地区では、高校生が企画した餅つき大会を開催しました。定番の餡やきなこ以外に、ココア味などの餅も作りました。みんなでアイデアを出し合うと面白いものが生まれますよね。当日は、地域の方が手伝ってくれて、高校生たちはその知恵に驚いていました。楽しみながら、世代を超えた交流ができて良かったです。あと、このエリアはホテルが多いので、観光客には朝の過ごし方として、旭川の自然や歴史を感じられる旭橋や常磐公園の散歩を勧めています。今後もこういった活動を続けていきたいです。
海老子川
まちなかは、市民だけでなく観光客も訪れる場所ですが、仲通りって分かりにくい。だから、観光客もにぎわいづくりに巻き込もうと、分かりやすい仲通りの名称を考えるワークショップを行います(詳細は下記)。例えば、アザラシ通りとかね。
三輪
駅前エリアでは、昨年、まちなかに目を向けてもらおうと、平和通買物公園にインスタ映えするフォトスポットを設置しました。そして、私が店を構える緑橋ビルは、空き店舗が多いので、その解消とエリアのにぎわいづくりを目的に、ビルの空き店舗で「ペットフォトコンテスト」や、起業体験をする「プチチャレンジショップ」を開催しました。「何十年も緑橋ビルに来ていなかったけど、新たな発見があった」と言ってくれる人もいて、手応えを感じました。今年は、高齢の方向けに「健康寿命でまちを元気に」
というコンセプトで、健康に関するイベントを実施します(詳細は下記)。イベントをきっかけにまちなかに来て好きなお店を見つけて、ランチや買い物を楽しむという流れをつくりたい。日常的に、まちなかに来てほしいです。
野々村
僕は銀座商店街に住んでいるわけでも、働いているわけでもないですが、子供の頃、母に連れて来てもらったから、昔のにぎわいは知っています。庶民的で昭和のにおいがして、ほっとする場所ですよね。それって、このエリアの良さが商店街の「人」にあるからだと思う。商品に自信を持っていて、知識が豊富で、個性豊かな人がたくさんいる。だから、店主の似顔絵をイラストで描いた「銀座商店街マップ」を作りました。今後は、このマップを使ったスタンプラリーなどを計画しています。マップは、駅構内の観光物産情報センターなどにも置いているので、マップを片手に遊びに来てください。
それから、このエリアには、多種多様な人がみんなで楽しめるという雰囲気があると思う。「ドッきゅん!銀座で七夕祭り」では、障害がある方の浴衣ファッションショーや、コスプレイヤーの方をお呼びして盛り上がりました。旭川工業高校の生徒が司会や動画の撮影を担当してくれて、若い人たちの「やってみたい」という気持ちの後押しもできたと思います。今後もみんなが楽しめるものを企画していきたいです。
Animal street Asahikawa
外国人観光客が楽しめるまちなかについて、旭山動物園の坂東 元園長とトークセッションを行い、分かりやすい仲通りの名称を考える
とき 9/21㈯ 13:30~16:30
ところ 旭川フードテラス(5の7)
【詳細】福吉カフェ旭橋本店
TEL85・6014
健康いきいきフェスティバル
椅子ヨガ、フォトウォーク、化粧法の講座を無料で開催
とき 9/23㈪ 10:00~14:00
ところ 北彩都ガーデン(宮前2の1)
※有料の料理講座あり
【詳細】ビューティーコバヤシ
TEL26・3201
活動の苦労や課題は?
齊藤
イベントの企画や運営に参加する人が、もっと増えてほしいです。
三輪
イベントに来た人に、いかに継続して店に足を運んでもらうか、それが課題です。商店街が協力して魅力を高め、自ら人を呼び込むための行動を起こしていかなければ、と痛感しています。
海老子川事業者側は、市民や観光客などの消費者が何を求めているのか研究して、実施する努力が必要だと思います。ACTがまちなか全体で取り組むための基盤づくりをするのが良いのかもしれません。市民は、まちににぎわいが欲しいと感じているのに、イベントに参加するだけ。普段から商店に「こんな商品が欲しい」などとリクエストして、買い支えることがやはり重要ですよね。消費者と事業者が一緒にまちを育てていくことが、活性化やにぎわいにつながると思います。
「まちなか」の未来像とは?
野々村
若い人、高齢の人、障害がある人・ない人など、色々な人が集えて、ほっとできる居場所になってほしいです。
齊藤
まちづくりの講演会で「建物や通りを歩いている一人一人もまちの景観だ」という話を聞いて、感銘を受けました。自分もまちの魅力をつくっている一員だという意識を持って、普段から、まちなかへ出掛ける人が増えればうれしいです。
海老子川
旭川のまちなかには利便性と自然環境がある。そこには、癒やしや健康要素があり、トレンドにも合致しています。市民は、それが当たり前だから気付かないかもしれませんが、一人一人が自覚して、まちの魅力をつくっていかなくてはならないと思います。
まちなかの施設整備を支援します
対象区域内に、都市機能施設を開設するために、家屋を新築・増築する場合、または既存の家屋の大規模改修を行う場合、固定資産税の優遇を受けられる制度があります
【詳細】地域振興課TEL25・5316、都市計画課TEL25・9704
ACTの仕掛け紹介サイト
ACTがこれまでに取り組んできた各エリアの「仕掛け」やこれからの予定、メンバーなどを紹介しています。また、フェイスブックでも情報発信しています
おわりに
皆さんにとって「まちなか」とはどんな場所でしょうか。人々が集い、活気にあふれ、憩いの場であるまちなかの魅力。改めて考えてみませんか。
【詳細】地域振興課
TEL25・5316