あさひばし 平成30年3月号「利用して守ろう!暮らしを支える公共交通」
近年の人口減少などにより、路線バスやJR北海道等の公共交通の利用者が減ったため、路線の維持・確保が困難となってきています。市では、市民の生活や地域の発展に欠かせない公共交通を将来にわたって維持・確保するため、公共交通に関するアンケート調査の実施など利用促進につながる様々な取組みを進めています。アンケート調査結果の主な内容と、その他の主な取組みを紹介します。
公共交通に関するアンケート調査結果
アンケート調査では、自動車の保有状況や公共交通の利用状況、今後の公共交通の在り方などについて質問しました。
調査の概要
- 調査期間:平成29年9月と10月
- 調査方法:市内の2,000世帯に調査票4,000部郵送
:旭川駅周辺のバス停で調査票500部配布
- 回答数:合計1,086人
将来の買い物や通院などの移動に不安のある人が多数
移動手段を把握するため、自動車の保有状況を尋ねたところ「自分専用または家族共用の自動車がある」と答えた人は、全体の61.3%でした。また、何歳まで運転するかの問いに対しては、7割以上の人が「70から80歳」と答えました。
将来の買い物先への移動については、下のグラフのとおり、年齢が高くなるとともに「不安がある」と答えた人が増えています。70歳以上では、82.5%の人が不安を感じています。
年代 | 不安がない |
不安がある |
---|---|---|
19歳以下 |
86.7% | 13.3% |
20歳代 | 73.6% | 26.4% |
30歳代 | 69.4% |
30.6% |
40歳代 | 59.0% | 41.0% |
50歳代 | 44.1% | 55.9% |
60歳代 | 26.3% | 73.7% |
70歳以上 | 17.5% | 82.5% |
公共交通を必要としている人が多数
路線バス(予約型乗合タクシーを含む)の利用の有無については、63.2%の人が「利用する」と答えています。また、通勤.通学の主な交通手段を「路線バス」と答えた人が夏季は16.4%でしたが、冬季では21.6%に増えています。この他、買い物や通院でも、冬季は路線バスを利用する人が増加しています。
公共交通はどのような存在か
- 日常生活に欠かせない交通手段 24.8%
- 移動の目的や目的地によって利用する 32.5%
- 将来自動車を手放した際に必要となる 30.9%
- 現在も将来もあまり必要がない 2.1%
1から3を合わせると88.2%になります。多くの人がそれぞれの理由で、公共交通を必要としているという回答結果が出ています。
若い世代と共に考えるフォーラムを開催
市では、平成29年12月に、公共交通について地域全体で考える機会をつくり、将来の利用につなげていくため、「道北・道東の魅力あるまちづくりフォーラム~公共交通の役割」を開催しました。
観光・医療・物流の面から公共交通の役割を伝える講演や、小・中学生から募集したキャッチフレーズの表彰式、「乗りたくなるJR」をテーマに高校生が考えたアイデア発表を行いました。参加した高校生からは「今後の利用を促進するためには、地元の人たちの協力が必須だと感じた」などの声が聞かれました。
公共交通利用促進キャッチフレーズ 最優秀賞
「みんなで乗ろう!未来をつくる公共交通機関」
陵雲小学校6年生 石川心愛(いしかわここあ)さん
通勤・通学に欠かせない富良野線
JR北海道が見直し対象としている路線の1つが富良野線です。旭川市は、沿線自治体等で構成する「JR富良野線連絡会議」の事務局として、路線の存続に向けた協議や取組みを行っています。
平成29年度に4回実施した利用実態調査によると、夏は外国人観光客を中心に1日2千人以上の利用がありましたが、11月は1日約1千人に半減していました。しかし、そのうちの78%が通勤・通学の利用者であることから、地域に欠かせない路線として維持していかなければならないことが改めて分かりました。
公共交通を維持するためみんなで利用しましょう
旭川は、鉄道駅を中心に半径800m、バス停を中心に半径300mの範囲に約83%の市民が居住していて、公共交通を利用しやすい環境にあります。「バスの本数や路線を増やしてほしい」という声も多いのですが、利用者の減少に加え、運転手不足もあり、対応できない状態が続いています。
市では、バス会社やJR北海道と協力し、利便性の向上等による利用促進や、将来に向けた持続可能な公共交通網の整備に取り組んでいきます。将来にわたって公共交通機関を守っていくため、皆さんも、マイバス・マイレールの意識で積極的な利用をお願いします。
【詳細】都市計画課 電話 0166-25-9704
皆さんからの声に答えます
乗りたいバスが、今どこを走っているのか、知りたいです
バス運行サービス「バスキタ!」(新しいウインドウが開きます)を利用すると便利です。携帯電話やスマートフォンなどから、バスの運行状況を調べることができる他、バス停の場所や時刻表も見ることができます
雨や雪の日は、バス停で待つのがつらいです
市立旭川病院や商業施設、コンビニなど市内18か所に、待ち時間が確認できるモニターを設置し、屋内でバスを待てるようにしています。今後も、皆さんがより便利にバスを利用できるよう、モニターの設置場所を増やしていく予定です
バスの乗り方を教えてください
バスの乗り方を紹介する出前講座を行っています。学校や町内会、老人クラブなど団体単位で申し込めます。
詳しくは都市計画課 (電話 0166-25-9704)にお問い合わせください。