あさひばし 平成29年12月号「動物園からの手紙」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2017年12月15日

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旭山で逞しく成長したライラの大往生

10月のクロヒョウのパックに続き、11月に、もうじゅう館のアムールトラのノンとライオンのライラが命を閉じました。もうじゅう館は旭山動物園の老朽化した施設の建替え第1弾で、本州の大手設計事務所に頼ることなく、一からメイドイン旭川でした。いかに動物たちを輝かせるのか、いかに来園者の離れゆく気持ちを引き戻すことができるのかがテーマでした。

ノンもライラもパックも当時の主役でした。それぞれに思い出はあるのですが、今回はライラについてです。

ライラはその相方レイラと共にもうじゅう館完成の1年前、平成9年に動物商を通して来園しました。先代のベルとララが相次いで老衰で死亡したからです。当時1歳で、まだ幼さが残っていましたが、異常に臆病でした。手拭いを手に取り汗を拭いたり、デッキブラシを持っていたりするとおびえた表情をするのです。実は2頭とも前足の爪を抜かれた個体でした。幼い頃にどこかのサーカスか触れ合い施設に移され、爪を抜かれたのだと推察されました。

手拭いを振り回すと、うずくまりおびえるのです。おそらく調教されていたのでしょう。まさか、うちにそんな個体が来てしまうとは、と愕然としました。でも、旭山に来たのも何かの縁、この大きさに成長した、爪の抜かれた個体を引き取ってくれる園が見つかる可能性はほとんどありません。よし、こいつらで繁殖を目指そう!となりました。

できるだけプレッシャーを掛けないよう細心の注意をし、狭い施設(旧猛獣舎)でしたが、安心して自由に振る舞ってもいいんだと2頭が感じられるように腐心しました。

新しくなったもうじゅう館に引っ越し、ライラは逞しく成長しました。ライラが吠えると寝室内の金属の扉や窓が共振してびりびり音がします。本能的な恐怖さえ感じるすごみでした。レイラと共に9頭の子を育て上げ、21歳の大往生でした。

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