あさひばし 平成29年12月号「特集 半世紀の交流を未来へ ブルーミントン・ノーマル両市 ユジノサハリンスク市」
旭川市では現在、国内外6都市と姉妹・友好都市を提携しています。
今年は、ブルーミントン・ノーマル両市と姉妹都市を提携してから55年、また、ユジノサハリンスク市とは友好都市を提携してから50年の節目を迎えました。
市では、多くの市民が海外への関心を高め、海外の人と交流する機会を得られるよう、様々な事業を行っています。
今回は、ブルーミントン・ノーマル両市とユジノサハリンスク市、それぞれの交流に関わる人の声や、周年記念事業を紹介します。
旭川市の姉妹・友好都市
- 中華人民共和国哈爾濱(ハルビン)市
- ロシア連邦ユジノサハリンスク市
- アメリカ合衆国ブルーミントン・ノーマル両市
- 大韓民国水原(スウォン)市
- 南さつま市
〈姉妹都市〉アメリカ合衆国 ブルーミントン・ノーマル両市
まちの概要
ブルーミントン市は人口約8万人、ノーマル市は約5万人で、一体的な都市圏を形成。教育機関が充実した文化都市で、広大なトウモロコシ畑が広がる
高校生149人の交換留学を実施
昭和37年に旭川市が初めて姉妹都市を提携したブルーミントン市。内陸にあるブルーミントン市は鉄道各線の乗り入れや空港があり、農業が基幹産業で、大学等の教育機関が充実しているなど、旭川との類似点が多いことから提携に至りました。後にブルーミントン市の双子都市であるノーマル市とも姉妹都市を提携しています。
市として代表団の相互訪問を行う一方、旭川・ブルーミントン・ノーマル姉妹都市委員会が中心になって、民間レベルの交流事業を実施しています。高校生の交換留学では、これまで旭川から77人、ブルーミントン・ノーマル両市から72人が参加。全国で様々な国際交流が行われていますが、高校生の約1年間という長期留学は、姉妹都市間では珍しいとされます。
旭川・ブルーミントン・ノーマル姉妹都市委員会の来栖典子(くるすのりこ)さんは「長く続けているので、親子で留学経験がある方もいますし、留学をきっかけに英語教師になった方もいます。10代という若い時期に異文化に触れることで、多様な文化や意見を受け入れる感性が養われるといいですね。そのためにも、言葉の壁を乗り越えて自分の意見を伝える積極性を身に付けて来てほしいです」と期待を込めます。
旭川大学高校に留学中のミッチェル・ラトクリフさんに話を聞きました
日本に興味があって、中学生のときにも交流事業で14日間旭川に滞在したので、今回で旭川は2度目です。ホストマザーが作ってくれるお弁当を持って高校に通っています。
高校では剣道部の練習が面白いです。漢字は難しくて覚えるのが大変です。友達とラーメンを食べたり、駅前や買物公園をぶらぶらするのが楽しいです。
アメリカの家族や友人も、旭川についてよく知っています。
55周年を記念して34人の訪問団が旭川へ
ブルーミントン・ノーマル両市長をはじめ、総勢34人の訪問団が旭川を訪れました。8月1日から6日間の滞在期間中は、記念式典や祝賀会などで多くの市民と交流した他、旭山動物園や科学館、旭岳等を視察。夏まつりでは舞踊パレードに法被を着て参加し、祭りを盛り上げました。
記念式典では、ブルーミントン市のレナー市長とスタインバック姉妹都市委員会前委員長に、西川市長から旭川市国際親善名誉市民の称号が贈られました。
ファン・フライデーに来て!
国際交流員のダニエル・リザラガさんに話しを聞きました。
シアトル市出身で、自治体の国際交流活動を推進する国際交流員として旭川に赴任して4か月です。仕事は、英語のニューズレターの編集や通訳、翻訳などです。市民が気軽に参加でき、楽しみながら英語で交流するファン・フライデーに、ぜひ来てください。
ファン・フライデーの詳細
期間 1月から3月の金曜日
- 昼の部 第2・第4金曜日 午後1時から午後2時
- 夜の部 第2金曜日 午後6時30分から午後8時30分
場所 国際交流センター(1の8 フィール旭川7階)
定員 各部30人
料金 各部1,500円
申込 12月20日(水曜日)から旭川市国際交流委員会
【詳細】旭川市国際交流委員会(都市交流課内) 電話0166-25-7491
〈友好都市〉ロシア連邦ユジノサハリンスク市
まちの概要
人口約19万7千人。サハリン州の州都。エネルギー資源が豊富で経済発展が著しい。樺太時代の建物などが今も残る
活発に行われる青少年交流や経済交流
ユジノサハリンスク市から招待のあったソ連革命50周年の式典への出席をきっかけに、昭和42年に友好都市を提携しました。
当初は代表団の相互訪問が主でしたが、青少年や医療、文化の交流が進み、現在は、スポーツや経済など幅広い分野で交流。さらに、民間の交流団体が活動している他、市内の医療機関では、サハリン州の患者を旭川で治療する仕組みづくりも始まっています。
平成25年からは道北物産展を開催。人や物の交流を進め、両地域の結び付きをより一層深めることが目的です。同行した、ロシア出身で旭川市の国際交流員マリア・セメノヴァさんは「道北の物産は品質が良く信頼できると好評で、早々と売り切れる品も多いです。現地の方のロシア流のおもてなしに、旭川の皆さんも喜んでくれました」と話します。また、「大好きなロシアと日本をつなぐ仕事はとてもやりがいがあります。2国はこんなに近いのに、お互いのことをよく知りません。ユジノサハリンスク市との交流を通して、ロシア人も日本人も、お互いの国の文化や暮らしについてもっと知ってほしいです。旭川で、それを進めていきたいです」と話します。
友好都市提携50周年記念事業が行われました
6月 音楽大行進で青少年訪問団が演奏
北海道音楽大行進にユジノサハリンスク市の青少年が参加しました。また、旭川永嶺(えいりょう)高校を訪問し、同校の吹奏楽局と合同練習や演奏などを実施。音楽を通して互いの文化を感じ取り、身振りを交えて交流しました。
8月 旭川で国際交流サッカー大会を開催
ユジノサハリンスク市の他、水原市、哈爾濱市、南さつま市の少年サッカーチームが旭川に結集。旭川市のチームを加えた総勢106人が、試合の他、歓迎会や送別会などで、楽しく交流しました。
9月 食べマルシェでロシア料理を提供
食べマルシェにユジノサハリンスク市から調理師3人を招待し、ボルシチ、ブリヌィなどのロシア料理を提供しました。長蛇の列ができる人気で、約2,250食を販売。調理師たちは、食べマルシェの規模や来客数の多さに驚いていました。
9月 記念ガーデンを造成
あさひかわ北彩都(きたさいと)ガーデン内に整備した「友好都市提携50周年記念ガーデン」に、ユジノサハリンスク市の職員と西川市長らが、両市の市民の木であるナナカマドの記念植樹を行いました。また、ユジノサハリンスク市にも同様の記念花壇が作られました。
10月 旭川レスリング青少年訪問団を派遣
ユジノサハリンスク市で開催されたレスリング大会に、旭川から3人の小・中学生が出場しました。一般家庭にホームステイした3選手は、身振り手振りで現地の子供と交流。試合では2人が、ロシアの選手を破って優勝しました。
レスリング大会に参加した明星中学校3年生の米田侑太(よねたゆうだい)さんの話
握手を求めて積極的に近づいてきてくれたロシアの子に比べて、日本の僕たちは人と接するときに消極的かなと感じました。でも、レスリングの試合では、普段の練習どおり、積極的に攻めることができました。極東チャンピオンに勝って優勝したのが最高の思い出です。帰国後、昔樺太に住んでいた親類や近所の人に、お土産を渡してまちのことを話したら、涙を流して懐かしがっていました。
10月 記念式典に旭川市代表訪問団が出席
西川市長を団長とした代表団と芸能交流訪問団など、市外を含め総勢72人がユジノサハリンスク市を訪問。記念式典への参加や記念コンサートなどで交流し、50周年の節目を祝いました。
ユジノサハリンスク市名誉市民
10月にユジノサハリンスク市で開催された友好都市提携50周年記念式典で、同市のナドサディン市長から、西川市長に名誉市民の称号が授与されました。西川市長は「これまで交流を積み重ねてきた、たまものです。市民の皆さんの代表として受け取ってきました」と話しています。
5回目となる道北物産展
10月に3日間、ユジノサハリンスク市内の商業施設で開催。リンゴ、米、カボチャ、ラーメン、ポテトチップスなど58品目が完売する人気でした。来場者は約16,500人、売上額は306万円。木工品などのものづくりや観光についても、映像やパンフレットでPRしました。
ロシアのお正月とクリスマスの雰囲気を楽しもう!
内容 ロシアのお正月とクリスマスの祝い方や習慣、料理を紹介。ゲームなども楽しみます
とき12月20日(水曜日)午後6時30分から午後8時30分
ところ国際交流センター(1の8 フィール旭川7階)
定員・料金 30人・500円
【申込】都市交流課 0166-25-7491
海外に目を向け、外国の人やその生活、文化、伝統などに触れることで、視野を広げ、国際的な感覚を養うことができます。
市では、これからも姉妹・友好都市と積極的な交流を図り、異文化理解や人材育成、まちの活性化を目指していきます。皆さんも、交流事業や国際交流センターの催しに参加し、気軽に海外の人や文化に触れてみませんか。
【詳細】都市交流課 0166-25-7491