あさひばし 平成29年10月号「動物園からの手紙」
秋は、施設の改修が続きます
アムールヒョウとレッサーパンダの子は順調に成長し、お披露目する日が近づいています。どちらも双子なので、子供同士が雪の中でじゃれ合う姿を見るのが待ち遠しいです。キングペンギンのひなも順調に成長中。昨年は繁殖成功に至らず寂しかったのですが、今年は雪景色の中、成長したキウイのような茶色いひなが、どのように過ごすのかが楽しみです。
秋は、施設の改修が続きます。先行してイボイノシシ放飼場の拡張工事です。かわいらしかったイボイノシシも現在は体重100キログラム、貫禄さえ出てきました。きりん舎・かば館の建設当初は、ダチョウ・イボイノシシ・キリンの放飼場前をペンギンの散歩コースに想定していたため、でこぼこがないように放飼場のラインを直線にそろえていましたが、散歩コースはキリン、カバ放飼場側で行うことになったため、イボイノシシの放飼場拡張となりました。
次にタンチョウのプール。ビオトープ的なプールを目指し、土を掘り下げて防水シートでプールを造り、ガラス面から水中を観察できるようにしていたのですが、防水シートとガラスの接着面からの漏水を止めることができませんでした。冬期はプールの底が凍上するからです。今回は、プールをシマフクロウ舎と同様にコンクリート製に造り替え、1年を通してプールのある環境を目指します。
最後がオランウータンの放飼場改修です。皆さんは、オランウータン屋外放飼場と室内放飼場の間にボルネオカワガメがいることに気付いていましたか?屋外放飼場の中にプールを造り、オランウータンとカワガメの共存飼育を目指します。ろ過装置やカワガメの越冬施設も造ります。
ととりの村の工事もほぼ終わり、来シーズンからのオープンになります。晩秋はどこか肌寒く景色も寂し気で、冬が待ち遠しいのですが、来春のオープンもまた待ち遠しくなる、そんな今日この頃です。