あさひばし 平成29年9月号「動物園からの手紙」
50周年の節目にアムールヒョウが誕生!
夜の動物園も終わりました。今年は特に外国の個人客の姿が目立ち、じわじわとグローバル化しているのを感じます。海外では、SNSでの情報の共有や拡散が進んでいて、テレビやホームページなどの情報より、個人間で交わされる情報に敏感な印象があります。
最近、外国人観光客が真っ先に「あざらし館」を目指し、行列ができることがあります。「旭山のアザラシ最高!」みたいなブログなどが、評判と共感を呼んでいるのかもしれません。路線バスにも驚くほど多くの外国人観光客が乗っています。
8月はうれしい出来事がありました。アムールヒョウの繁殖です。旭山動物園の象徴的な存在として開園当初からアムールヒョウを飼育していましたが、繁殖には至らず飼育は一時中断。平成元年にビックとエイラのペアが来園し、同3年に雌のサクラが誕生。日本で初めての繁殖でした。同8年にも雌の「こと」が誕生し、繁殖歴を終えました。ことはアムールヒョウとしては異例に体が小さく、ペアの形成は断念し、旭山で一生を終えました。サクラは神戸市王子動物園で繁殖に成功。サクラの子は広島の安佐動物園で繁殖に成功しました。
その子供が現在の旭山の雄のキンとアテネで、ビックとエイラのひ孫です。そして同27年に雌のルナがロシアから来園。昨年暮れからアテネとキンが交互にルナとのペアリングを開始しました。キンとアテネは12歳と若くはない年齢でしたが、キンの方がルナに関心が高く、ルナもキンを受け入れるようになりました。そして、本来よりも少し遅く5月の発情期に交尾に至り、8月に2頭の子が誕生。ビックとエイラの血統をつなぐことができました。
50周年の節目にアムールヒョウが誕生。きっと歴代の園長、飼育員も喜んでくれていると思います。皆の思いに抱かれて、元気に成長してほしいと願っています。