あさひばし 平成29年9月号「生活習慣病を予防するために」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2017年9月15日

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自覚症状がないまま進行し、命に関わる病気の原因ともなる生活習慣病。

中でも、慢性腎臓病は新たな国民病ともいわれるほど増えています。特定健診を受けて、重症化する前に予防しましょう。

生活習慣病のこと知ってる?

生活習慣病とは

食べ過ぎや運動不足など、様々な生活習慣が発症原因に深く関係している病気をまとめて、生活習慣病といいます。

生活習慣病は自覚症状がない場合が多いのですが、体の中では動脈硬化が進み、脳出血や心筋梗塞、腎不全といった命に関わる病気の原因になる可能性があります。

生活習慣と健康障害

食べ過ぎや飲み過ぎ、喫煙、運動不足、睡眠不足などの生活の悪習慣が、メタボリック症候群(肥満、高血圧、高血糖、脂質異常など)を招きます。この間、血管の内側が少しずつ傷つき、コレステロールなどが蓄積し通り道が狭くなる他、血管の弾力性がなくなっていきます。このとき自覚症状はなく、気付かぬまま動脈硬化などが進行していきます。しかし、この段階で気付けばまだ予防できます。

そのまま放置し、重症化すると、腎臓病(腎不全になると人工透析が必要)、心臓病(狭心症・心筋梗塞)、脳卒中(脳出血・脳梗塞)など命に関わる深刻な病気を発症します。これらの病気は糖尿病の合併症としても発症します。動脈硬化が進むと、血栓(血の塊)などで詰まりやすい状態になります。

全国を上回る旭川市の実態

生活習慣病について、平成28年度1年間の国保被保険者の入院件数を基に、旭川市と全国を比較すると、男性では「脳出血」が全国と比較して1.71倍、女性では「糖尿病」が1.24倍と高い比率を示しており、旭川市の国保被保険者のデータから、脳出血や糖尿病で入院する人が全国と比べても多いことが分かります。

さらに、日本人の死因の2位が心筋梗塞等の心臓病、4位が脳出血等の脳卒中となっており、生活の悪習慣が引き起こす可能性の高い病気が、上位を占めています。

日本人の死因トップ10(厚生労働省 平成27年人口動態統計)

  • 1位 がん28.7%
  • 2位 心臓病15.2%
  • 3位 肺炎9.4%
  • 4位 脳卒中8.7%
  • 5位 老衰6.6%
  • 6位 不慮の事故3.0%
  • 7位 腎不全1.9%
  • 8位 自殺1.8%
  • 9位 大動脈瘤及び解離1.3%
  • 10位 COPD(慢性閉塞性肺疾患)1.2%

うち、特定健診の検査・質問票に関係するのは、2位の心臓病、4位の脳卒中、7位の腎不全、9位の大動脈瘤及び解離、10位のCOPDです

健診で体の状態を知りましょう

生活習慣病は自覚症状がないまま進行するので、健康上のリスクが把握されず、「自分は病気だ」という認識を持たない場合が多く見られます。

脳出血や糖尿病で入院する方が全国と比較して多い旭川市の現状を踏まえると、「自覚症状がないから大丈夫」とか「自分は健康だから」と思い込まず、自分の健康上のリスクを知り、食事を見直したり運動を始めたりするなどして、生活習慣を改善することが重要です。そうすることが、生活習慣病の予防につながります。

まずは、健康上のリスクを把握するために、特定健診を受診することから始めませんか。

国保に加入している特定健診未受診の方へ

はがき(10月)と電話(11月~12月)で受診を呼び掛けます。ぜひ特定健診を受診しましょう。


【詳細】国民健康保険課 0166-25-9841

慢性腎臓病(CKD)とは?

重症化すると人工透析が必要に

生活習慣病の中でも、腎機能が低下する様々な病気を慢性腎臓病(CKD)といいます。CKDは全国的に患者数が多く、新たな国民病ともいわれます。旭川市でも平成28年度国保特定健診受診者の約23%がCKDに該当しています。

腎臓は、血液をろ過して老廃物や水分を体の外に出し、体を正常に保つ大切な臓器です。CKDが進行すると、むくみや貧血などの症状が現れます。しかし、初期には自覚症状がありません。さらにCKDが進行し、体内の老廃物を処理できなくなると、人工透析による治療が必要になります。人工透析は、長時間を要するため日常生活を送る上で大きな負担となる他、医療費も1人当たり年間約500万円から600万円と高額です。

こうしたことから、CKDを重症化させない、市民全体での予防の取組みが必要です。

重症化させないために

腎臓は機能が低下すると、回復しない場合があります。しかし、早期に治療を開始すれば、腎機能の低下を防いだり、遅らせたりすることができます。

尿検査で尿たんぱくを、血液検査で血清クレアチニン(老廃物)の数値を調べると、症状がなくても、CKDに該当するかどうか把握できます。

CKDを早期に発見し重症化させないためには、定期的な健診が欠かせません。旭川市国保特定健診では、CKDの検査項目を取り入れています。

あなたの腎臓は大丈夫?

旭川医科大学病院腎臓内科の医師・中川直樹(なかがわ なおき)さんに話を聞きました。

「CKD(Chronic Kidney Disease)は、放置したままにしておくと、末期腎不全となって人工透析や腎移植を受けなければ生きられなくなってしまいます。また、CKDの患者は心臓病や脳卒中などの心血管疾患にもなりやすいことが分かっています。病気の進行を防ぐには、腎臓病自体の治療と、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の管理が重要です。

早期のCKDは自覚症状がないため、血液・尿検査をしなければ分かりません。年に1回は健診を受けましょう。」

旭川市国保生活習慣病予防講座

内容 中川医師等がCKDをテーマに講演

とき 10月15日(日曜日) 午前11時~12時

ところ イオンシネマ旭川駅前(宮下通7イオンモール旭川駅前4階)

【申込】 10月5日(木曜日)までに国民健康保険課 0166-25-9841

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広報係

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎6階
電話番号: 0166-25-5370
ファクス番号: 0166-24-7833
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