あさひばし 平成29年5月号「動物園からの手紙」
今年は、市民全員が1度は動物園へ!
この原稿を書いている今は、急速に雪解けが進んでいる4月上旬です。昨年は早くからの降雪で、ペンギンの散歩も長期間行うことができました。キングペンギンにとって、歩くことは足腰を丈夫にすることにつながり、より健康な体づくりになります。1年に1回の換羽も終わり、色あせた羽毛もピカピカになりました。これからは繁殖期に入ります。昨年は繁殖成功に至らず、冬場のキウイのような茶色のひなは見られなかったのですが、さて今年はどうなるでしょう?
3月23日に生まれたゴマフアザラシの赤ちゃんは順調に成長しています。母親が穏やかな個体で、伸び伸びとした子育てを見せてくれています。アザラシが水中で授乳している姿を、初めて見ました。
さらに4月2日の夜に別の個体が出産しました。母親が育児をしないために人工保育となりましたが、こちらも順調に成長しています。もうすっかりゴマ模様になっているでしょうが、成長を見守っていきたいですね!ちなみに3月23日生まれの個体は開園50周年初の繁殖成功個体です。あざらし館がオープンして全国区の動物園になりましたが、節目の年のスタートがゴマフアザラシとは何か運命的なものを感じてしまいます。
コハクチョウなどの渡り鳥が、本州の越冬地からシベリアに向かう途中、旭川で羽を休めています。死亡個体が見つかると、高病原性鳥インフルエンザの検査があります。近郊での感染事例発生に備え、緊張の日々が続いています。この手紙が届く頃、無事に夏期開園を迎え、きれいな桜の季節を迎えられていることを切に願っています。
今年度は、開園50周年を記念して様々な行事を行っていきます。夏期開園から魅力的な行事がスタートしているはずです。
今年は旭川市民全員が1度は旭山動物園に足を運んでいただけるように頑張りたいと思います。