あさひばし 平成29年3月号「動物園からの手紙」
開園50周年。記念の年が始まりました
5年目だった雪あかりの動物園。今年は期待以上に道外や海外、何より多くの市民の方が訪れてくれました。修学旅行の団体の来園も驚きでした。口コミでじわじわと評判が広がっていると感じました。
寒さで張り詰めた空気の中、雪あかりに照らされる動物たちの気配、そして足音や息遣い、まさに日本最北の動物園だからこそだと思います。職員手作りの風船型アイスキャンドルやかまくら、滑り台、今年から始めた動物園スタッフの熱い思いを語るキーパーズカフェ…。極寒の地で生きる北方系の動物たちにとっても、普段は夕方には寝室に入るのですが、この期間はちょっとした夜遊び期間になります。ただ本来、南方系の我々は閉園後からの動物収容やキャンドルの後片付けなど長時間屋外で過ごすので、寒さが骨身にしみます。
今年は開園50周年を記念して、冬まつり会場の大雪像も旭山動物園の動物たちでした。冬まつり会場にも旭山動物園コーナーを設けましたが、いよいよ節目の年が始まったと感じました。改めて皆さんにとって旭山動物園はどんな存在なのでしょう?
さて冬も後半、レッサーパンダやホッキョクグマの交尾のシーズンです。日々様々な変化や営みが続きます。
不安材料は、高病原性鳥インフルエンザでしょうか。2月に入り野鳥での発生も減少し、社会やマスコミの関心も薄れてきたように感じます。3月に入ると渡りの季節に入ります。本州以南で越冬していたハクチョウ類などが、北海道を経由して北上します。秋の稚内方面から旭川を経由する行き(南下)ルートでは野鳥での発見例はありませんでしたが、南下した先の越冬地で感染し、帰り(北上)ルートで発症する可能性はあります。旭山動物園には野生のハクチョウやカモ類が羽を休める池はありませんが、厳重な警戒が必要です。雪解けの時期は、複雑な気持ちで空を見上げることになりそうです。